妊婦・授乳中にインフルエンザの治療薬(タミフル・リレンザ・イナビル)は飲める?母乳や赤ちゃんへの影響は?
1.2017年のインフルエンザは、例年より早い流行の兆し。
2017年のインフルエンザは、例年よりも早く流行の兆しを見せています。
特に、沖縄県では定点報告数6.59と、群を抜いて流行が始まっています。※流行の目安は1.0。(第39週9/25~10/1現在)
妊婦さんや授乳中のお母さんがインフルエンザに感染すると、症状が重症化しやすく、長引く傾向があります。
感染しないよう予防することが一番ですが、もし感染した場合、自分もさることながら、赤ちゃん(胎児)にもインフルエンザの影響があるか?と心配になりますよね。
今回は、妊娠中や授乳中のインフルエンザ感染による赤ちゃんへの影響、抗インフルエンザ薬(タミフル・リレンザ・イナビル)の効果や赤ちゃん・母乳への影響についてご紹介します
2.妊娠中のインフルエンザ、感染とタミフル/リレンザ/イナビル服用によるお腹の赤ちゃんへの影響
前述した通り、妊娠中は普段の状態と比べて、体力や免疫力が低下しているため、インフルエンザなどの感染症にかかりやすい傾向があります。
また、妊婦さんは、重症化して肺炎などの合併症を引き起こしやすく、喘息など基礎疾患を持っている方と同じ「ハイリスク群」*1に含まれています。
*1 ハイリスク群とは、インフルエンザウイルスの感染後に重症化や合併症を引き起こす可能性の高い人を指します。
では、妊娠中のインフルエンザ感染は、お腹の赤ちゃんにどんな影響があるのでしょうか?
母子感染はナシ。感染による高熱症状が、赤ちゃんに影響する可能性も。
一般的に「インフルエンザウイルスは、胎盤を通って、お腹の赤ちゃんに影響することはない」と考えられています。
(※ただし、非常にまれにウイルスが胎盤を通過して、赤ちゃんに影響することもあるという報告もあり。)
しかし、妊婦さんのインフルエンザ感染による体調の悪化は、お腹の赤ちゃんに良くない影響を及ぼす可能性があります。
妊婦さんの場合、発熱し高熱が続くと、羊水の温度の上昇がみられ、激しい咳が続けば、お腹が張ってしまう(子宮収縮)ので、早産や流産のリスクが高まります。
また、妊娠初期(妊娠4週~15週)は「赤ちゃんの器官形成時期」とも呼ばれる大切な時期です。
妊娠初期のインフルエンザ感染には、特に注意が必要です。
神経管閉鎖障害や心奇形など先天性奇形が起こること(催奇形性)については、「妊娠初期の発熱が、胎児の神経管欠損のリスク因子になっている」という調査結果もあります。
しかしながら、アセトアミノフェンの解熱剤投与など適切な処置を速やかに行えば、奇形リスクは上昇しないと報告されています。
そのため、妊婦さんがインフルエンザ感染した場合には、速やかに受診し、適切な治療を受けることが大切です!
(参考)Maternal influenza during pregnancy and risk of congenital abnormalities in offspring.(英文)
こちらのページでは、ハンガリーで妊婦さんのインフルエンザ感染による赤ちゃんの先天性異常について研究した報告書の要約が確認できます。
ポイントは発症48時間!妊婦さんの重症化を防ぐ「抗インフルエンザ薬」
日本産科婦人科学会では「妊婦であってもインフルエンザ感染が疑われる場合には、抗インフルエンザ薬で治療することが望ましい」という見解を示しています。
特に、「インフルエンザ発症(症状出現後)から48時間以内に、抗インフルエンザ薬(飲み薬のタミフルや吸入薬のリレンザ・イナビル)の服用を開始することが、重症化防止に重要である」としています。
また、インフルエンザ患者との濃厚接触(同じ部屋に長時間滞在など)があった場合にも、36時間以内の予防投与*2が発症予防に有効です。
*2予防投与:抗インフルエンザ薬を発症前に予防目的で服用すること。ただし、服用しても完全に防ぐことはできません。
2009年の新型インフルエンザ(H1N1型)流行時には、約3%の妊婦さんが抗インフルエンザ薬を予防的に服用し、約60%の妊婦さんが新型インフルエンザの予防接種を受けました。
日本全体での感染率は約12%でしたが、妊婦のインフルエンザ感染率は、3.5%と低く抑えることができました。
さらに、入院した妊婦さんの90%が、症状出現後48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用したことで、重症化を抑えられたため、死亡例はないと報告されています。
また、これまで抗インフルエンザ薬の服用による母体への重篤な副作用は、報告されていません。
そのため、妊婦さんでも医師の判断によりタミフル・リレンザ・イナビルといった抗インフルエンザ薬を処方された場合には、心配せずにすみやかに服用するようにしましょう。
(参考)今季インフルエンザに関して、妊娠している女性へのお知らせ:日本産科婦人科学会(2014年)
こちらのページでは、「抗インフルエンザ薬服用が妊婦重症化防止に極めて有効」と報告されています。
(参考)産婦人科診療ガイドライン産科編 2014|(公社)産科婦人科学会・(公社)産婦人科医会
こちらのガイドラインの73ページに、妊婦・授乳婦へのインフルエンザワクチンに関する影響がまとめられています。
タミフル・リレンザ・イナビル服用による胎児への影響
妊娠中は、いつも以上に薬の服用に慎重になる人も多いことでしょう。
しかし、薬を使わず、治療が遅れてしまったことで、症状が重症化し、母体やお腹の赤ちゃんの命を危険に晒してしまうことも考えられます。
2007年アメリカCDC(疾病予防管理センター)*3によるガイドラインでは、「抗インフルエンザ薬を投与された妊婦および出生した赤ちゃんに有害な副作用の報告はない」とまとめられています。
日本でもこの見解を支持し、抗インフルエンザ薬を服用することによるメリットが、副作用(下痢や嘔吐)よりも大きいと考えられています。
*3 CDC(米国疾病予防管理センター):日本の「国立感染症研究所」のような組織。世界の様々な病気や医療に関する情報を調査・発信している組織です。発表される文書やガイドラインは、グローバルスタンダード(世界基準)にとして、高い影響力を持っています。
また、抗インフルエンザ薬は医師の判断が必要であり、どの薬が選択されるかは、医師によって異なります。
①タミフル服用による胎児への影響
タミフルは飲み薬なので、体内に吸収され、血液を通じて全身に巡ります。
しかし、タミフルの成分が、母体や胎児に悪影響を及ぼすことはないとアメリカCDCからも報告されています。
また、流産や早産、先天異常などの発生リスクについても、特別高くなることはないとしています。
【体験談】妊娠6か月の冬にインフルエンザを発症。タミフル処方後、無事回復し出産
今、私には4人の子供がいます。
これは、1番下の子供を妊娠している時のことです。
妊娠6カ月の冬。
3番目の子供が、どこからかインフルエンザをもらってきました。
身重ではありましたが、付きっ切りで看病をしました。
というのも、私は今まで一度もインフルエンザにかかった事がなく、インフルエンザにかかった家族の看病をノーマスクでしていても移ることなく過ごして来たので、少しバカにしていたのかもしれません。(中略)
寒気、ダルさ、頭痛、関節の痛み、頭痛。
ありとあらゆる不調が一気にやって来て、激し目の病院嫌いの私でも、藁にもすがる思いで受診。
妊婦健診でも通っていた総合病院なので、産婦人科との連携もすんなりで、対応には満足でしたが、とにかく症状が辛く、目眩まで起こし、立っていられなくなり、しばらく休ませていただきました。
その後、妊婦でもタミフルOKとのことで、タミフルを処方され、無事回復。
内心、タミフルなんか飲んで大丈夫か?と思いましたが、子供は元気に生まれました。
②リレンザ服用による胎児への影響
引用元:https://caloo.jp/reports/view/1129
リレンザは吸入薬なので、気管支や肺へピンポイントに作用します。
母体の血中に移行する量はごくわずかであり、口の中に残ったものを飲み込んだ場合でも、血中にはほとんど移行しません。
そのため、胎児に重大な影響を及ぼす可能性はないとされています。
大切なのは、自己判断で量を調節せず、1回の決められた量をきちんと服用することです。
【体験談】妊娠3ヵ月の時リレンザ服用。無事出産し、子どもも元気に成長中。
妊娠3ヶ月のとき、インフルエンザA型にかかりました。
当時、周囲でインフルエンザが流行しつつあり、妊娠初期であることからマスクや手洗いなど気を配ってはいました。
そんなある日のお昼、突然これまで経験したことがない程の悪寒に襲われました。
その夜に38℃後半の発熱。かかりつけの産婦人科からは「インフルエンザ疑いの場合は内科へ」と、あらかじめ指示をされていたので、近所の内科へ妊娠中である旨を告げて受診しました。
妊娠中、しかも初期であることから、吸入するタイプのお薬「リレンザ」を処方して頂きました。
念のため産婦人科にも電話で確認を行い、服用に問題なしとの事でしたので服用しました。症状は38~39℃の発熱、とにかく悪寒がすごかったです。
ハナ、咳は普通の風邪と変わらない程度でした。2日ほどで症状は軽快、妊娠・出産の経過にインフルエンザや薬の影響は感じませんでした。
子供は1歳を過ぎましたが、今のところ問題なく成長しています。
③イナビル服用による胎児への影響
引用元:ラニナミビル-wikipedia
2010年に認可された、一番新しい抗インフルエンザウイルス薬です。
リレンザと同じ吸入薬ですが、1回吸入するだけで治療が終了する画期的な薬です。
効果が長時間持続するので、利便性に優れています。
2012-2013年に行った日本産科婦人科学会による調査では、イナビルを服用しても流産や早産、胎児形態異常などは増加しなかったと報告されました。
(参考)抗インフルエンザ薬「イナビルR (ラニナミビル)」の妊婦への投与について-日本産科婦人科学会
こちらのページでは、日本産科婦人科学会周産期委員会による妊婦へのイナビル投与についての調査結果(2014年)について、解説されています。
【体験談】妊娠4ヶ月のインフルエンザ感染。病院でイナビル吸入し、翌日解熱。
妊娠中にインフルエンザにかかっても薬が使えないと聞いていたので産婦人科で、予防接種は打っていました。
妊娠3ヶ月の頃に冬を迎えたため、手洗い、うがいは気を付けてやっていました。
しかし、上の子もいるので全く外出しないわけにもいかず、行事で幼稚園に行った時にもらってきたようでした。
やはり免疫力が下がるのでしょう。
10年ぶりくらいのインフルエンザで妊娠4ヶ月の頃でした。
最初は喉の痛みが出て、38度くらいの高熱が出ました。
節々の痛みはありませんでしたが、インフルエンザが周囲では流行していたので、産婦人科に連絡して受診したほうがいいか聞いたところ、薬も使えるし高熱が続くことのほうが赤ちゃんにとっては良くないことなので婦人科ではなく、内科受診して下さいとのことで、内科受診しました。内科でインフルエンザの検査をして、結果陽性でした。
タミフルを処方されるのかと思っていましたが処方されたのはイナビルという薬で、内服薬ではなく吸入薬でした。病院で吸入するだけでおしまいです。
家に持って帰って吸入する必要はなく、一度の吸入でよく効く薬だそうです。
吸入薬なので、赤ちゃんへの影響はほとんどないと説明を受け本当に安心しました。このお薬がよく効き、翌日には熱も下がりました。
受診して良かったです!
赤ちゃんが産まれてくるまで心配はしましたが元気な赤ちゃんが産まれました。
(参考)抗インフルエンザウイルス薬投与妊婦の出産と小児に対する特定使用成績調査中間報告|日本産科婦人科学会
こちらのページでは、抗インフルエンザウイルス薬を服用した妊婦さんの出産までの経過や新生児に対する影響について、調査した中間報告が確認できます。
■抗インフルエンザ薬(タミフル・リレンザ・イナビル)の効果や服用方法については、次の記事で詳しく説明しています。
タミフル、リレンザ、イナビル。抗インフルエンザ薬の接種方法や効果、副作用、予防投与の基準について
妊婦さんがインフルエンザ感染したとき、気を付けること
- 発熱・頭痛・咳・嘔吐など発症したら、事前に電話をしてから、すぐに内科を受診する
- 処方された薬を必ず最後まで服用する
- 栄養や休息をきちんととる
1.発症したら電話連絡の上、内科を受診する
タミフル、リレンザ、イナビルなどの抗インフルエンザ薬は、体内のインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ効果があります。
発症後48時間以内に服用しないと、治療に十分な効果が見込まれないため、発熱など症状が出たら、すぐに医療機関を受診することが必要です。
受診で気を付けたいのは、発熱や咳・嘔吐などインフルエンザの症状だけの場合は、他の健康な妊婦さんや赤ちゃんへの感染を防ぐために、一般の病院(内科など)を受診することが大事です。
しかし、インフルエンザの症状がある場合でも、以下のような切迫流産・早産を疑う症状が伴う場合には、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
- いつもとは違う強いお腹の張り
- 出血・破水
- 陣痛のような強い痛み
また、いずれの病院を受診する場合も、咳エチケットとしてマスクを着用し、なるべく公共の交通機関ではなく、自家用車で受診するなど、”二次感染への注意”も心がけましょう。
2.処方された薬を必ず最後まで服用する
服用してすぐ症状が軽くなったり、体調が戻ったりしても、自己判断で処方された薬の服用を止めてはいけません。
薬が効きにくいウイルス(耐性菌)が出来てしまい、重症化につながることで完治が遅くなってしまう恐れがあります。
治療を長引かせないためにも、医師の指示に従ってきちんと服用しましょう。
3.栄養や休息をきちんととる
つわりで食べ物の好みが変わる、赤ちゃんへの栄養も必要となるなど、意外と妊娠中は栄養が偏ったり不足しがちだったりします。
妊娠中の食事は、なるべく消化が良く、栄養価が高い食品を摂りましょう。
これから寒くなる冬の季節には、調理も簡単で栄養豊富な鍋や雑炊・おじやがオススメです。
また、疲労が溜まると、体力だけでなく抵抗力も低下していきます。
ウイルスへの抵抗力を高めるには、十分な睡眠が必要です。
家族や公共サービスのサポートを借りる・少しでも横になれる時は身体を休めるなど、赤ちゃんを守るためには、まずお母さんの身体を守るようにしましょう。
(参考)妊娠中や授乳中の人へー新型インフルエンザ対策パンフレット|厚生労働省
こちらのパンフレットでは、妊娠中のインフルエンザ対策について、分かりやすくまとめられています。
3.授乳で赤ちゃんに感染する!?抗インフルエンザ薬の母乳への影響
授乳期のインフルエンザ感染は、妊娠中ほど重症化リスクは高くありません。
しかし、授乳中は睡眠不足や栄養不足・ストレスによる体力低下や免疫力低下で、いつもより感染しやすい状態ではあります。
また、授乳するには赤ちゃんと密着する必要があるので、赤ちゃんへの二次感染にも一層注意が必要です。
インフルエンザウイルスの赤ちゃんへの感染経路
インフルエンザウイルスが母乳を介して、赤ちゃんへ感染することはありません。
インフルエンザウイルスは、主に気道上皮細胞で増殖するため、血液中に存在することは極めてまれです。
そのため、「血液から作られる母乳から、インフルエンザが感染することはない」と考えられています。
赤ちゃんがインフルエンザに感染する主な感染経路は、実は「飛沫(ひまつ)感染」や「接触感染」なのです。
- 飛沫感染
- 感染者の咳やくしゃみに混じって、空気中に飛散したウイルスを吸い込むことで感染する。
- 接触感染
- 感染者の粘膜(目や鼻・口)に直接触れること以外にも、ウイルスが付着したドアノブ・リモコン・椅子・手すりなど間接的に触れることでも感染する。
母乳はセーフ。授乳中のタミフル・リレンザ・イナビル服用影響
タミフル・リレンザ・イナビルともに、ごく僅かですが母乳に移行します。
薬の添付文書には、「授乳中の場合には、授乳を控えたほうがよい」との記載がされています。
しかし、海外の調査(2008年)によれば、「母乳への移行量は、タミフルの1歳未満投与量には満たない」と報告されており、欧米では「授乳の継続は可能」としています。
日本産婦人科医会でも、副作用に関する明らかな影響が存在していないことから、医師による診断と説明は必要とした上で、授乳中でも抗インフルエンザ薬の処方を推奨しています。
(参考)妊婦・授乳婦の新型インフルエンザに対する タミフルとリレンザの使用について-日本産婦人科医会
こちらのページでは、授乳中のタミフル・リレンザなど抗インフルエンザ薬の使用について、日本産婦人科医会による見解が掲載されています。
直接授乳OKの目安-①2日以上の薬服用②平熱③咳や鼻水が止まってから
前述した通り、抗インフルエンザ薬の服用による母乳への影響は、特に問題ないとされています。
では、感染前と同じように直接授乳しても、問題はないのでしょうか?
日本産科婦人科学会では、以下の条件を満たした後であれば、赤ちゃんに感染の危険が低くなっていると判断できることから「直接授乳OK」と勧めています。
<インフルエンザ感染後、安全に直接授乳が行える体調の目安>
- 抗インフルエンザ薬を2日以上服用している
- 熱が下がり、平熱に戻っている
- 咳や鼻水がほとんど治まっている
しかし、上記のように症状が落ち着く前にも、母乳育児を続けたい人もいることでしょう。
そういった場合には、搾乳した母乳を哺乳瓶に入れて、症状のない家族から赤ちゃんへ飲ませてあげるとよいでしょう。
もしも、赤ちゃんが哺乳瓶を嫌がって飲んでくれないなど、やむを得なく、直接授乳を続けなければならない場合には……
- シャワーを浴びて(手をよく洗うだけでも)、清潔な服に着替える
- マスクを着用する
- なるべく咳をしないようにする
上記のように、できるだけ感染の危険が低い状態で、授乳するようにしましょう。
日本産科婦人科学会では、このような赤ちゃんへの感染予防行為は、発症から1週間前後続けること推奨しています。
また、一時的に直接授乳をやめる場合でも、母乳の分泌維持や乳腺炎予防の観点から、搾乳は続けた方が良いでしょう。
それでも胸が張ってつらい場合には、「きゃべつ湿布*4」など少し冷やすと、痛みが和らぎます。
*4 きゃべつ湿布:きゃべつの葉(小玉なら1枚)で胸を覆うようする。しなしなになったら、交換する。程よいひんやり感。
(参考)妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対してのインフルエンザに対する対応Q&A 9版:日本産科婦人科学会(2010年)
こちらのページでは、分娩前後の感染時の注意・赤ちゃんへの対応、薬剤の服用法について、説明されています。
母乳効果で赤ちゃんへの感染を防ぐ
母乳には、「感染防御因子」と呼ばれる、赤ちゃんを守る細胞や免疫物質が豊富に含まれています。
免疫系が未熟な赤ちゃんにとって、母乳は大切な予防手段の一つです。
しかし、インフルエンザ感染中の授乳は、搾乳するなどして無理せず乗り切りたいですね。
(参考)母乳による感染防御-はしもと小児科
こちらのページでは、アメリカやオランダの母乳による感染症リスク軽減についての調査結果や感染防御因子について、丁寧に解説されています。
4.妊婦さんや授乳中ママは、重症化予防に早めのインフルエンザ予防接種を!
2017年の流行は、例年より早まると予測されています。
本格的に流行し出すと、予防接種を受ける人や感染して受診する人で病院も混みあってきます。
インフルエンザの感染や重症化を防ぐためには、抗インフルエンザ薬の予防投与の他、予防接種も有効です。
日本のインフルエンザ予防接種で使われるワクチンは、「不活化ワクチン」なので、病原性は死滅しています。
そのため、ワクチンを打ってインフルエンザに感染することはありません。
妊娠中や授乳中の場合、11月~12月の始め頃までには予防接種を済ませておきたいですね
人ごみが多いところではマスクの着用はもちろん、うがい手洗いを徹底的に行うなど、感染予防に努めましょう。
■妊娠中のインフルエンザ予防接種の安全性や注意点について、次の記事で詳しく説明しています。
妊娠中でもインフルエンザの予防接種OK?接種時期・副作用・妊婦&胎児への影響
■有機水銀を含まない(チメロサールフリー)インフルエンザワクチン及び2017年生産動向について、次の記事で詳しく説明しています。
有機水銀を含まないチメロサールフリーのインフルエンザワクチン 2017年生産動向と妊婦・胎児への影響