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2016年11月16日更新

タミフル、リレンザ、イナビル。抗インフルエンザ薬の接種方法や効果、副作用、予防投与の基準について

2016年もインフルエンザの流行が始まろうとしています。3つの抗インフルエンザ薬タミフル、リレンザ、イナビルの特徴、服用するタイミングや方法、副作用、予防投与についてのまとめです。早期回復の鍵は早めの服用と最後まできちんと使い切ることです。
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2016年も既に沖縄や東京ではインフルエンザの流行が始まろうとしています。

タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタなど、病院から処方されるインフルエンザの治療薬にはいくつか種類があります。

一時期、タミフルは異常行動でメディアに大きく取り上げられて話題となりましたが、定められた量をきちんと服用することで、治療や予防にも効果を発揮します。

今回は家で服用可能な3つのインフルエンザ治療薬の特徴や効果、副作用や接種方法についてご紹介します。

1.タミフル、リレンザ、イナビル。抗インフルエンザ薬に共通する3つの大きな特徴

3つの抗インフルエンザ薬に共通する特徴として、次の3つがあります。

  1. インフルエンザA型、B型の両方に効果がある
  2. 発症後48時間以内に接種しないと効果がない
  3. 治療目的だけでなく、一部の対象者には予防目的で処方される(予防投与)

①抗インフルエンザ薬はA型とB型の両方に効果がある

タミフル、イナビル、リレンザはA型とB型のどちらにも効果があります。

これは、ノイラミニダーゼと呼ばれるインフルエンザウィルスが体内で増殖する仕組みを抑える働きを持っているためです。

しかし、あまり知られていないインフルエンザC型はノイラミニダーゼを持っていないため、抗インフルエンザ薬は効果がありません。

また新型インフルエンザについては、2009年に流行した新型インフルエンザ(H1N1)の対応が参考になります。

2009年に流行した新型インフルエンザでは、リレンザ、イナビルの使用が認められました。

タミフルに関しては、副作用の一つと言われている幻覚や異常行動の恐れがあるため、喘息を持っているなど重症化する恐れのある患者を除いて、10代患者の服用は原則控えるよう定められています。

参照:成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン-厚生労働省

また、タミフルに耐性を持ったインフルエンザウィルスも確認されていることから、リレンザやイナビルの備蓄や利用が進められています。

②発症後48時間以内の服用が必要

インフルエンザの治療は、発症後48時間以内に行わないと効果が無いとされています。

早く治療する理由は、インフルエンザウィルスが体内で増殖を繰り返すからです。

迅速な診断と治療のため、医療機関ではインフルエンザを早期(発症から8時間以内で)発見できる高感度迅速検査機を導入している病院が増えてきています。

高感度迅速検査機についての解説記事はこちらです。

インフルエンザ感染が早期発見できる高感度迅速検査機の原理と簡易検査キットとの比較

また、タミフルやリレンザは1日2回服用しなければなりません。処方されたらすぐに服用し、必ず処方された薬は使い切りましょう。

食事のタイミングを気にする必要はありません。

③感染リスクが高い対象者に、予防投与が可能

一緒に暮らす家族や入院中で同じ部屋の人がインフルエンザに感染してしまい、自分もインフルエンザに感染してしまうかもしれない。

そんなとき、通常の予防接種では間に合わないため、抗インフルエンザ薬が服用されることがあります。

服用が認められているのは、インフルエンザを発症している患者の同居家族又は共同生活者のうち、重症化の恐れがある以下の条件にあてはまる方です。

  • 高齢者(65歳以上)
  • 慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
  • 代謝性疾患患者
  • 腎機能障害患者

また、病院によってはこの条件に当てはまらない場合でも服用が可能なケースがあります。

妊婦の方や、受験生や大事な商談を控えた方など、インフルエンザの感染を防ぎたい方は、一度医療機関で確認した方が良いでしょう。

予防投与は自費診療

抗インフルエンザ薬の予防投与は治療ではないため、健康保険は適応されず自費での診療になります。

診療料金はおよそ5000円程度ですが、自治体によっては補助金が出る場合があります。

予防投与の効果は服用している間だけ

予防接種と比べて、予防投与のメリットは予防効果がすぐに表れることです。一方、デメリットは効果が持続しないことです。

タミフルとリレンザは特に効果が持続せず、1日1回の服用を10日間毎日行わなければいけません。イナビルの場合、初め2日間の服用で済みますが、効果の持続期間は10日ほどです。

予防接種と異なり、本当に急を要するときのみの服用が予防投与の主な利用方法です。

治療の場合と服用量や服用期間、対象が異なるので、注意が必要

治療目的と予防目的では、タミフル、リレンザ、イナビルは服用する量や期間、また服用可能な年齢が異なります。

もちろん、治療でも予防でも定められた容量や期間で正しく服用することが大切です。

2.抗インフルエンザ薬の特徴や副作用、接種方法まとめ

タミフル、リレンザ、イナビルの3つの抗インフルエンザ薬についてご紹介します。

※こちらのタミフル、リレンザ、イナビル3種類の薬の比較表は、治療目的の基準です。

薬品名
(※製品名)
1回の服用量(小児) 服用回数 服用日数 接種推奨年齢 注意点
タミフル 75mg(体重1kgあたり4mg) 1日2回 5日間 1歳~9歳、20歳以上 10~19歳は使用差し控え
リレンザ 10mg 1日2回 5日間 5歳以上 喘息・乳製品アレルギー患者は慎重使用
イナビル 40mg(20mg) 1日1回 1日間 10歳以上 喘息・乳製品アレルギー患者は慎重使用

①タミフル(正式名称:オセルタミビル塩酸塩)

oseltamivirjapan

引用元:オセルタミビル-wikipedia

対象 服用量(治療/予防) 服用回数
(治療/予防)
服用日数
(治療/予防)
投与開始時間
(治療/予防)
注意点
成人 75mg 2回/1回 5日間/7~10日間 48時間以内/36時間以内 腎機能が低下している患者への投与は異なる場合がある
小児
(体重37.5kg以上)
75mg 2回/1回 5日間/10日間 48時間以内/36時間以内 10代への投与は控える
幼児・小児 体重1kgあたり4mg/
体重1kgあたり2mg
2回/1回 5日間/10日間 48時間以内/36時間以内 1歳以上の乳幼児に限る

最もポピュラーな抗インフルエンザ薬

タミフルは1歳から服用できるため、現在最も普及している抗インフルエンザ薬です。

また、タミフルはカプセル型と飲み薬型(タミフルドライシロップ3%)があるので、小さなお子さんでも無理せず服用することが出来ます。

治療の場合は、基本的に1日2回朝と夕方に服用します。予防の場合は1日1回朝に服用します。

もし忘れた場合、間隔を3時間おけば問題ありません。必ず1日2回服用しましょう。

タミフルの副作用

報告されている副作用は、下痢や悪心(吐き気、胸のむかつき)、腹痛、発疹です。これらの副作用はおよそ2%の確率で起こるとされていますが、もしこれらの症状が起こった場合は病院へ行きましょう。

また、重大な副作用はアナフィラキシーショック、肺炎、肝機能障害、急性腎不全があります。万一これらの症状が起こった場合は入院措置が取られます。

そしてタミフル含む抗インフルエンザ薬を服用すると、異常行動を起こす恐れがあるとされています。

幻覚など異常行動を防ぐためにも、子どもの側にいてあげて下さい

子どもが服用する上で、特に気を付けなければならない副作用は異常行動です。

詳しい因果関係は証明されていませんが、服用した子どもの10%~15%、特に10歳くらいの子どもに発生しやすいと言われています。

報告されている異常行動は、次の通りです。

  • 突然立ち上がって部屋から出ようとする。
  • 興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う。
  • 興奮して窓を開けてベランダに出ようとする。
  • 自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない。
  • 人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す。
  • 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る。
  • 突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする。

異常行動が発生するリスクを踏まえ、タミフルを服用する上での注意点が2007年厚生労働省から発表されました。

  • 10歳~19歳の患者は異常行動を起こす恐れがあるため、原則タミフルの使用を差し控える
  • 9歳以下の小児が服用する場合、最低でも2日は保護者は子どもを一人にしないこと

10歳以上の子どもは力も強く、万一異常行動が起こった場合保護者が止められないかもしれません。

また、異常行動の中には「突然走り出す」「興奮して窓を開け、ベランダへ出ようとする」といった身体や生命にかかわるものが報告されています。

治療中は必ず見守ってあげるようにしましょう。

参照:平成28年度インフルエンザQ&A-厚生労働省

タミフルの体験談

こちらは、抗インフルエンザ薬を服用して、異常行動が起きてしまった子の親御さんの体験談です。

【体験談】治療後数時間で子どもに幻覚症状が。数時間で収まりほっと一安心

子供がインフルエンザにかかり、インフルエンザによる高熱でおこってしまう異常行動「熱せん妄」が出て慌てました。

タミフルやリレンザを処方された10歳未満の患者の内、約15%で異常行動があったというデータが発表されていますが、まさか自分の子がかかるなんて‥。

薬との関係ははっきりしておらず、詳しい原因も解っていないんだそうです。

異常行動によって、窓から飛び降りた例などもニュースであったので怖かったため、常に横についていました。

高熱を出したその日と次の日に起りやすいそうですが、うちの場合はほんの数時間でした。

熱で幻覚?のようなものが見えるようで、あっちに行け!的な言葉をずっと発していました。
幸い数時間でなくなったので、ホット肩をなでおろしました。

インフルエンザにかかる度に怖くなってしまします。

引用元:インフルエンザで高熱‥

②リレンザ(正式名称:ザナミビル水和物)

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引用元:https://caloo.jp/reports/view/1129

リレンザの使い方

リレンザは口から吸入する抗インフルエンザ薬です。

服用方法がタミフルに比べて少し複雑で、服用時にむせてしまう恐れがあるため、5歳未満の幼児への利用は推奨されていません。

  • 服用回数:(治療)1日2回朝夕、(予防投与)1日1回
  • 服用日数:(治療)5日間、(予防投与)10日間
  • 投与開始時間:(治療)発症後48時間以内、(予防投与)患者接触後36時間以内
  • 注意点:喘息や、乳製品アレルギー持ちの方は事前に医師に伝えておく

専用の吸入器と1枚あたり4回分の粉薬が入ったディスクが5枚用意されます。

初めの1回は、おそらくリレンザを処方した薬局で吸入方法のレクチャーも交えながら服用されるでしょう。

治療の場合は1日につき2回のため、1日でディスクを1枚消費します。

こちらのサイトでは、リレンザの使用方法が動画で解説されています。

リレンザ吸入方法動画(一般用)-GSK

<吸入する際のポイント>

  • 装置は水平に保つ
  • ディスクの薬が入った部分に穴をあけるときは、ふたが垂直になるまでしっかり立ててしっかり戻す
  • 薬剤をきちんと吸入するため、吸入前に息を吐く
  • 薬剤を効率よく吸入するため、速く深く吸入する
  • 気管支に薬剤をとどめるため、吸入後は息を止める

<吸入する際の失敗例と対策>

リレンザは少し複雑なため、小さなお子さんや高齢者は特に失敗してしまいがちです。

ですが、もし失敗してしまった場合でも、吸入を諦めずに初めからやり直すことで、ほんのわずかな薬剤でも服用することができます。

途中で粉を舞い上がらせてしまったり、粉をこぼしてしまっても吸入を続けましょう。

リレンザがもし合わないと判断した場合、医師と相談してタミフルなどの別の抗インフルエンザ薬に変更してもらいましょう。

 リレンザの副作用

リレンザは、タミフルに比べ副作用が起こる割合が少ないといわれています。

報告されている副作用は、鼻炎、下痢、頭痛、腹痛、めまい、発疹、吐き気です。

重大な副作用はアナフィラキシーショックや呼吸困難があります。もしこれらの症状が表れた場合、すぐに服用を止めて速やかに病院へ受診しましょう。

また、タミフルほどではありませんが、異常行動を起こす可能性があります。

お子さんの治療中はきちんと側にいて見守ってあげましょう。

リレンザの体験談

こちらはインフルエンザの治療にリレンザを使った方の体験談です。

【体験談】夫がインフルエンザを発症、翌日には熱も下がり意識も安定

■インフルエンザと風邪の症状の違い
2013年 5月に夫がインフルエンザを発症しました。
症状を記載します。

初日:数年風邪を引かず健康体の旦那が、体がだるいと訴える。シップを貼るも改善せず
2日:発熱38度。町医者で検査するもインフルエンザ陰性のため、解熱剤を処方される。
3日:朝一番で発熱39、5度。解熱剤が全く効かず、目も虚ろ。息が荒い。
20時ごろ、総合病院へ駆け込み、インフルエンザ陽性。

■なぜ2日目の町医者の診断で陰性だったのか。総合病院医師へ聞いてみました
インフルエンザウイルスは約1~3日の潜伏の後、インフルエンザを発症します。
2日目では、おそらくウイルスの数が少なかった為とのこと。

約1~3日では、突然の38℃以上の「高熱」や全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。
やや遅れて、咳(せき)やのどの痛み、鼻水などの「呼吸器症状」が現れ、腰痛や悪心(吐き気)などの「消化器症状」を訴えることもあります。
■使用した薬について
吸入タイプのリレンザを使用しました。(画像あり)

引用元:10年ぶりに夫がインフルエンザを発症しました。 (写真あり)

③イナビル(正式名称:ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)

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引用元:http://www.yakuji.co.jp/entry20952.html

イナビルの使い方

イナビルはリレンザと同じ口から吸入する抗インフルエンザ薬です。

大きな特徴はたった1日で服用が済むことです。イナビルが処方される医院や薬局で治療が完了する場合もあります。

  • 服用回数:成人と10歳以上の子どもは1回2容器分、10歳未満の子どもは1回1容器分
  • 服用日数:(治療)1日、(予防投与)1日もしくは2日
  • 投与開始時間:(治療)発症後48時間以内、(予防投与)患者接触後36時間以内
  • 注意点:乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者さんへは、慎重投与

こちらのサイトでは、イナビルの吸入方法が動画で紹介されています。

イナビル吸入方法(動画)-第一三共株式会社

<吸入する際のポイント>

  • 吸入する直前に袋から取り出し、薬剤トレーをスライドさせず容器をトントンして薬を底に集める
  • 底の空気口を塞がないように、容器は横から持つ
  • 薬剤をきちんと吸入するため、吸入前に息を吐く
  • 薬剤を深く吸入するため、上体を前かがみにし、起こしながら大きく深く吸い込む(ストローでジュースを思いっきり吸い上げるイメージ)
  • 気管支に薬剤をとどめるため、吸入後は息を止める
  • 薬剤の吸い残しを無くすため、スライド1とスライド2が終わった後、もう一度スライド1からやり直す

イナビルの副作用

イナビルの主な副作用は消化器系が多く、下痢、胃腸炎、吐き気のほか、頭痛、じんましんなどが報告されています。

重大な副作用はアナフィラキシーショックや呼吸困難があります。もしこれらの症状が表れた場合、すぐに服用を止めて速やかに病院へ受診しましょう。

また、タミフルほどではありませんが、異常行動を起こす可能性があります。

お子さんの治療中はきちんと側にいて見守ってあげましょう。

イナビルの体験談

こちらはお子さんのインフルエンザの治療にリレンザを使った方の体験談です。

【体験談】子どもが38.7℃の高熱、インフルエンザB型の治療にイナビルを利用

今週の日曜日(2014/01/26)夜,12歳の子供が 床に就いて 30分ほど経過した時,急に「寒い!」と言い始めました。 床に就くまでは元気で,特に変わった様子は見受けられませんでしたが,その後も 何度も「寒い」と繰り返す為,布団を1枚追加し,電気毛布の設定温度を高くすると同時に,熱を測りました。
すると,摂氏38.7度もあり,驚きました。 しかし 夜も遅い為,医療機関もやっていないので,翌日(月曜日)病院へ行く事にしました。
子供の学校では,インフルエンザが流行しており,クラスでも数人休んでいる様でしたので,インフルエンザの可能性が高いと思いましたが,万一 インフルエンザではなかった場合,混んでいる小児科などへ行き 長時間待合室に居ると,逆に子供をインフルエンザに感染させてしまいますので,小児科ではありませんが以前に何度か子供が診て頂いた事のある,比較的空いている甲田医院へ行き,診察を受けさせました。

鼻の穴に長い綿棒を入れる検査をしたところ,「インフルエンザB型」と診断されました。
薬は,インフルエンザ治療薬「イナビル吸入粉末剤20mg」,及び 頓服薬として解熱剤「カロナール錠300」が処方されました。

イナビルは,近くにあるイオン内の処方箋薬局において,薬剤師の指導の下,その場で吸入を済ませました。 この薬は,1回吸入すれば済みますので,大変便利です。

引用元:予防接種してあったが高熱が出て重かったインフルエンザB型。

3.抗インフルエンザ薬は必ず最後まで服用を。これだけは守りたい注意点3つ

インフルエンザは、抗インフルエンザ薬について以下の注意点や医師のアドバイスをきちんと守れば1週間~10日程度で回復が見込まれます。

予防も大切ですが、感染した場合もすぐに治るよう正しい治療を心掛けましょう。

抗インフルエンザ薬を服用する上での注意点3つ

  1. (ドクターストップが無い限り)症状が回復しても最後まで使い切る
  2. 遅くても発症後48時間以内に服用を始める
  3. お子さんの治療中は、なるべく側にいてあげる
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