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2016年11月11日更新

インフルエンザ感染が早期発見できる高感度迅速検査機の原理と簡易検査キットとの比較

富士フィルム製「イムノAg1」は困難とされていた発症初期のインフルエンザウィルスの検出が可能です。従来の簡易検査キットと比べて約4時間以上早くウィルスが検出できます。発症初期段階の検出が目的のため、検査では簡易検査キットと使い分けます。
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アイキャッチ画像参照元:富士ドライケム IMMUNO AG1-製品情報

もし自分やお子さんに高熱や悪寒、吐き気、咳、鼻水、関節痛などの症状が表れたとき、なるべく早くインフルエンザに感染したのか知りたいですよね。

素早くインフルエンザに感染しているか検査できれば、迅速な治療と感染拡大防止に繋がります。

しかしながら、従来の簡易検査キットでは発症から12時間以上経過しないと検査結果が出ないため、検査した翌日もまた病院へ行って診察を受けなければいけませんでした。

高感度インフルエンザ迅速検査機では発症から2時間~8時間で診断が可能です。

近年導入する病院が増えてきた、高感度インフルエンザ迅速検査機「富士ドライケム IMMUNO AG1(イムノAg1)」についてご紹介します。

1.「明日また来てください」を無くす。高感度インフルエンザ迅速検査機の特徴

簡易検査キットより早い発症後12時間以内の段階でインフルエンザの感染が分かる。その診断を可能にしたのが富士フィルム株式会社が開発した「富士ドライケム イムノAg1」です。

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出典:インフルエンザ検査キット-町立辰野病院

この検査機を利用することで、検査したにも関わらず「明日また来てください」と医師から言われなくなります。

つまり、「検査結果が怪しいので、ウィルスの増殖を待って、確実に陽性反応が表れるようになってから検査を受けてください」という二回目の来院と検査の手間が無くなります。

高感度迅速検査の原理

イムノAg1はウィルスの量が少ない発症後2時間~6時間の初期の段階でも検出が可能です。

イムノAg1は目印に銀をくっ付けて、大きさを約100倍にすることで、検出感度を約70%~80%と従来からおよそ10%向上させました。

従来のインフルエンザウィルスの検出方法は、判別のためウィルスに目印の「金コロイド」を結合させて判定を行うものでした。この方法による発症後6時間以内の検出感度(ウィルス陽性率)は、約60%~70%といわれています。

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出典:インフルエンザウイルスの高感度検出技術を開発-富士フィルム

また、ウィルス判定や検査中の時間管理は検査機が全て行うことで、スムーズかつスピーディーな検査が可能です。

イムノAg1の検査の流れ

検査にかかる時間は約30分です。医師による問診や検体採取などで約15分、イムノAg1による検査が最大15分です。

医師による問診、触診

患者本人の臨床症状(発熱、悪寒、関節痛、咳など)や発症してからの経過時間、インフルエンザの流行状況を総合的に判断してインフルエンザを診察します。

病院によっては発症後の経過時間によって検査方法を使い分けています。

発症後10時間以上なら、ウィルス量の十分な増加を見越して簡易検査キットを用いて、10時間以内ならばイムノAg1を用いる基準をとっている病院もあるようです。

検体採取

簡易検査キットと同様、まず患者から検体を採取します。

採取方法は、最も一般的なのは綿棒を鼻に入れ粘膜を採取する「鼻腔拭い液」による検査方法ですが、それ以外にも専用のティッシュで鼻をかむ方法や装置で吸引する方法、喉の粘膜を採取する方法があります。

綿棒による鼻の粘膜採取が最も確実で、約95%の正確性がありますが、その他の方法でも90%の正確性が出ています。

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出典:ラピッドテスタ RSV−アデノ-アデノウィルスキット

<強陽性反応>検査開始から3分30秒まで

ウィルスの強陽性反応が表れた場合、最短で3分30秒で検査が完了します。

強陽性反応が表れる程のウィルス量のときは、検査機を用いる前に臨床症状や簡易検査キットでも感染を判断できる場合が多いため、検査機の使用は控える場合が多いです。

<陽性反応>検査開始から10分まで

強陽性反応が表れなかった場合、引き続き検査が行われます。開始から10分以内に陽性反応が表れたときは、通常の陽性反応です。

<弱陽性反応>検査開始から15分まで

ウィルスの弱陽性反応を検査するため、検査開始から11分~15分の間は高感度モードに切り替わります。ウィルスにつけた目印を銀で増幅させ、少ないウィルス量でも検出します。

この高感度モードで簡易検査キットでは見つけることが出来なかったインフルエンザ感染を発見できます。

検査完了

検査では、インフルエンザの感染の有無だけでなくウィルスの型も分かります。

イムノAg1による検査結果と、医師による問診を総合的に判断してインフルエンザの感染が分かります。

検査全体でかかる時間は、最大で30分です。

2.高感度インフルエンザ迅速検査機と簡易検査キットの比較

イムノAg1 簡易検査キット
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検出感度 約80% 約70%
正確な診断に必要な経過時間 2~8時間 12時間以上
検査にかかる時間 15分以上 5分以内
再来院 不要 必要な場合あり
1度に検査できる人数 1人 複数人

簡易検査キット画像参照:感染症迅速検査キット-積水メディカル株式会社

高感度インフルエンザ迅速検査機のメリット

①インフルエンザ感染の早期段階で、より正確な診断が簡易検査キットと同じ値段でできる。

従来の簡易検査キットでは出来なかった発症後12時間以内の早期診断が可能となるため、より迅速な治療(薬の投与など)に繋げることが可能です。

さらに保険上簡易検査キットと同じ扱いなので、費用についても特別料金が加算されることはありません。

②再来院の手間を無くすことが出来る

発症後12時間以内に簡易検査キットを使用すると、ウィルス量の少なさが原因で「インフルエンザ感染の疑い」のままもう一度診察を受けなければいけないことがありました。

インフルエンザが発症して高熱や吐き気が続く中、さらに12時間以上も待つのはとても大変です。時間が経てば経つほど症状は悪化して、身体も心も辛さのピークを迎えるときにもう一度病院へ行って検査を受けなければいけません。

さらに小さい子どもや高齢者の方は重症化するリスクも増えていきます。また、ウィルスが増えるほど感染力も増すため、感染が広がる恐れもあります。

また、市町村によっては1ヶ月の間に2回もしくは3回以上同じ検査を受ける場合、自費診療になることがあります。

イムノAg1を利用すれば、発症後2時間~8時間でインフルエンザを診断できるため、この苦労がなくなります。

高感度インフルエンザ迅速検査機のデメリット

①簡易検査キットに比べて検査に時間がかかる

簡易検査キットは、検体を採取するだけなので短時間かつ同時に複数人の検査が可能です。

一方、イムノAg1は1人の検査に1台必要となり、時間も弱陽性反応まで調べると30分かかります。その間結果が出るまでインフルエンザの疑いがある患者を院内で待たせることになるため、感染予防の観点から見ても弱点といえます。

②頻繁に利用できる装置ではない

イムノAg1はインフルエンザの早期発見を目的に利用されます。簡易検査キットで対応できる症状や時間経過が見られる場合、感染が拡大してから増えてくる「念のため検査」といわれるインフルエンザ検査では利用されないケースがあります。

患者本人がイムノAg1による検査を希望しても、医師の判断のもとで利用が認められない場合があるため、受診のときはきちんと医師の指示に従うようにしましょう。

3.東京都内でイムノAg1を導入している病院一覧

イムノAg1は簡易検査キットと比べ検査に時間がかかるため、病院ごとに使用基準を設けて、簡易検査キットと併用している場合があります。

例えばこちらの病院は、発熱からの経過時間で使い分けており、10時間以内ならイムノAg1、10時間以上なら簡易検査キットを利用しています。

参照:2012-2013インフルエンザ総括(3)「インフルエンザウイルス高感度検査機イムノAg1」-安斎医院ブログ

高感度インフルエンザ迅速検査装置のイムノAg1を導入している病院は限られています。

インフルエンザの本格的な流行が始まると、一日の間に数十人近く来院するため、早めに受診する病院を見つけておきましょう。

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