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2016年11月1日更新

喘息持ちの方は要注意!発疹、中耳炎…様々なマイコプラズマ肺炎の合併症。

秋から冬にかけて流行するマイコプラズマ感染症。喘息持ちの方は重症化の恐れがあり注意が必要です。またまれにマイコプラズマは合併症を引き起こすことも。呼吸器以外にも様々な場所に現れる合併症についてまとめました。
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マイコプラズマ肺炎と喘息の関係とは?

マイコプラズマ肺炎は、発症しても比較的症状の進行が緩やかな肺炎です

発症しても急激に重症化したり、重篤な合併症を引き起こすことは少ないため、外来で治療できる場合がほとんどですが、喘息(ぜんそく)をお持ちの患者さんの場合は特に注意が必要です。

マイコプラズマが「喘息発作」を引き起こすきっかけに!症状悪化の危険性が。

喘息の患者さんは何らかのアレルギーなどにより慢性的に気管支が炎症を起こしている状態です。

そこに肺炎マイコプラズマが侵入すると、ただでさえ敏感になっている気管支の粘膜はさらに刺激を受けてしまいます。

その刺激によって激しい咳喘鳴(ぜいめい:呼吸時のゼイゼイ、ヒューヒューという音)呼吸困難などの喘息発作を引き起こし、喘息症状が悪化する危険があります。

(参考)喘息の正しい理解のために 宮川医院ホームページ
※こちらのサイトは患者さんの理解を深めるため、喘息治療における様々な情報が掲載されています。

喘息の症状については以下の記事で詳しく説明しています。
アレルギーやストレスも原因に!急な発作、激しい咳が続く「喘息」の症状とは?

さらにマイコプラズマ肺炎の治療薬が「喘息薬」の効果を低下させる!

喘息薬テオフィリン

(参考)sawai medical site

喘息治療には気管支を広げるお薬であるテオフィリン(テオドール、テオロング、アミノフィリン)というお薬が使われます。

ところが、マイコプラズマ肺炎の治療の際に処方されるマクロライド系抗菌剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン)ニューキノロン系抗菌剤(ノルフロキサシン)テオフィリンに対し、「相互性」を持っています。
※相互性(それぞれに作用し合い影響を与えてしまうこと。)

それぞれのお薬が影響を及ぼし合い、効果を低下させてしまう場合があるので、薬の服用の際には十分注意しなければなりません。

状況によってはテオフィリンを減薬したり、一時中断するなどの措置が必要になることもあります。

喘息をお持ちの方が、マイコプラズマ肺炎のような症状で病院を受診する際には、必ず日頃から管理している「お薬手帳」を持参し、医師に普段服用している喘息薬について知らせることが大切です。

重症化しやすい喘息患者さんはマイコプラズマ肺炎に感染しないように日頃からしっかりと予防をすることが一番ですが、重症化を防ぐためにも少しでも異常を感じたら早めに受診することを心がけましょう。

(参考)マクロライド系抗菌剤 おくすり110番 エリスロマイシン
(参考)マクロライド系抗菌剤 おくすり110番 クラリスロマイシン
(参考)ニューキノロン系抗菌剤 おくすり110番 ノルフロキサシン

喘息のお薬については以下の記事で詳しく説明しています。
薬物療法(吸入ステロイド薬)が基本!喘息治療のステップと薬の種類・使い方

喘息以外にも!発疹、中耳炎、熱性けいれん……。マイコプラズマによる主な合併症

喘息をお持ちの方以外にも、さまざまな合併症が起きることがあります。

マイコプラズマ肺炎を発症した急性期の患者さんの2割ほどに以下のような合併症が見られることがありますが、比較的軽症で済み、長引くことは少ないと言われています。

①気管支炎や肺炎

咳や胸の痛みが強くなり、マイコプラズマ以外の細菌やウイルスが原因の気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。

②蕁麻疹などの発疹(ほっしん)

若年層の男性に多い症状で、表皮に近い血管が開き、赤い発疹や、盛り上がった地図状の紅斑が現れ、かゆみや熱感を伴います。

③中耳炎(ちゅうじえん)

お子さんの場合、細菌が耳に入りこむことで膿が溜まり、痛み腫れを引き起こすことがあります。

④副鼻腔炎(ふくびくうえん)

鼻と副鼻腔をつないでいる部分の粘膜が炎症をおこして腫れることで詰まり、副鼻腔に膿が溜まります。

鼻づまりがひどく熟睡できなかったり、口呼吸になるため喉が痛くなったり、いびきがひどくなったりします。

⑤熱性けいれん

小さなお子さんの場合、40℃近い高熱が長く続くことによって脳症を起こし、意識障害やけいれんを起こすことがあります。

心筋炎、関節炎、髄膜炎……。合併症は心臓、関節、神経などさまざまな部位に現れるのが特徴。

その他、確率は高くありませんが、マイコプラズマ肺炎心筋炎、心外膜炎、関節炎、無菌性髄膜炎、脳炎、膵炎などさまざまな部位に合併症を引き起こすことが知られています。

また、あまり聞きなれないギラン・バレー症候群(神経に異常をきたして手足に力が入らなくなる)スティーブンス・ジョンソン症候群(口腔内や眼などの全身の皮膚や粘膜に水ぶくれや赤い発疹が現れたり、ただれる難病)といった身体の免疫システムの異常による病気を引き起こすこともあります。

【体験談】どんどん悪化する口内炎はマイコプラズマ肺炎の合併症「スティーブンス・ジョンソン症候群」だった!

妹は口内炎発症後ではありますが風邪薬を服用していたため、念のためその薬も調べましたが、その結果風邪薬が原因ではありませんでした。
では何かというと、この病気の一部はウイルスや肺炎マイコプラズマ感染に伴って発症することがあるそうで、妹の場合はマイコプラズマ肺炎が原因でした。
マイコプラズマ肺炎は風邪とよく似た症状が出ますが、結果的に口内炎ができた時点で風邪を引いていると思ってたのは、マイコプラズマ肺炎だった訳です。

先生のお話では、このスティーブンス・ジョンソン症候群はここ最近増えてきている病気だとのことでした。ただ、とにかく診断が難しく、また医者の方にも知識がない場合もあり、結果として重篤化してしまうことも少なくないとのことです。

口内炎をはじめとする口のただれや結膜炎のような目の充血や潤みなど、少しでも自分のこれまでの経験と照らし合わせておかしい、ひどすぎると思ったら、入院設備のある皮膚科に向かうか、またはそういった病院を紹介してもらえる病院にかかってください。
症状は恐ろしいほどのスピードで悪化しますし、後遺症がない状態で回復するためには、とにかく少しでも早く治療を開始する必要があります。幸いにも妹は現状、問題なく日常生活が送れています。

(引用)ただの口内炎・結膜炎のはずが、スティーブンス・ジョンソン症候群だと判明

「スティーブンス・ジョンソン症候群」は、そのほとんどは薬害によるものが多く、高熱や皮膚や粘膜のただれといった症状を引き起こす難病指定を受けている症候群ですが、稀にマイコプラズマ肺炎が原因で発症することがあります。

この体験談の方も、始めは風邪気味だと思い込んでおられましたが、実は風邪ではなくマイコプラズマ肺炎に感染していたことによって発症したことが分かりました。

急激な発症が特徴で、数日後には口内炎の痛みで「水が飲めない」「しゃべれない」というくらい進行が早かったそうです。

(参考)国立感染症研究所 マイコプラズマ肺炎とは

発疹、けいれん、痛みなど気になる症状があれば早めに医療機関に相談を!

マイコプラズマ肺炎には様々な合併症があることがお分かりいただけたでしょうか?

喘息などの既往症がない場合は、重症化するケースはそれほど多くはありませんが、発症することで体の抵抗力や体力はいつもより低下しているため、思わぬ合併症につながることもあります。

治療中は症状の変化を十分に観察し、もしも発疹、けいれん、黄疸、痛みなどこれまでとは違う何か気になる症状が出始めたら早めに主治医の先生に相談するようにしましょう。

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