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2016年7月5日更新

正しく使わないと効果半減!喘息薬「吸入ステロイド」吸入器の種類と使い方

喘息治療の第一選択薬は「吸入ステロイド薬」。お薬によって吸入方法は異なります。3種類ある吸入器の種類、使い方は?吸入ステロイドの副作用など。正しく使って最大の効果を得るために気を付けたい事まとめ
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1.喘息(ぜんそく)治療の第一選択薬は吸入ステロイド薬。

喘息の治療をするうえで、真っ先に使用されるお薬、それは「吸入ステロイド薬」です。

吸入ステロイドは、喘息の根本的な原因である「気道の炎症」を改善する効果があり、喘息治療の第一選択薬として欠かせません。

以前の喘息治療では、喘息発作が起きた時だけ症状を抑える対症療法を行っていましたが、現在は発作のない時もこの吸入ステロイド剤(長期管理薬:コントローラー)を予防的に使い、喘息発作が起きないようにコントロールすることが主流となっています。

この吸入ステロイド薬が「喘息発作の予防目的」で使われるようになってから、重篤な喘息発作で亡くなる患者さんは減少し、また、入院や救急搬送される喘息患者さんの数も少なくなるなど、とても大きな効果を上げています。

現在の喘息治療では喘息患者さんでも、長期管理薬でうまく喘息をコントロールし、「健康な人と同じレベルの生活をする」ことが可能となっているのです。

喘息治療については以下の記事で詳しく説明しています。
薬物療法(吸入ステロイド薬)が基本!喘息治療のステップと薬の種類・使い方

吸入ステロイド薬の最大の効果を上げるために。正しい使い方をマスターしよう!!

効果の高い吸入ステロイドによる治療ですが、一般の風邪薬のような飲み薬と違って、吸入器でお薬を吸い込むタイプのため、使い方にあまり馴染みがない方も多いのではないでしょうか?

せっかく継続してお薬を続けていたとしても、使い方が誤っていると、期待した効果が得られないこともあります。

吸入ステロイド剤は、各製薬会社からたくさんの種類が開発されていて、吸入の仕方もお薬によって細かく違います。

お薬の効果を最大に得られるように、吸入器の正しい使い方やコツを知ることが大切です。

しっかり使い方をマスターするようにしましょう!

2.薬によって異なる使用法。3種類の吸入器とは?それぞれのメリット、デメリット

1.吸入液タイプ(ネブライザー)

ネブライザー吸入の一般的な行い方

1.一回分の薬液を取り出して良く振って混ぜる。
2.薬液をネブライザーのボトルに入れ、スイッチを入れる。
3.マウスピースをくわえ、ゆっくりと口呼吸を行う。
口でマウスピースをくわえられない場合はマスクタイプを使用する。顔にマスクを密着させ、自然な呼吸をする。

【特徴】
電動のネブライザーという器具を使って液体をミスト状にした薬を吸入するタイプ。
ネブライザーはお医者さんで使うイメージがありますが、小型の家庭用のネブライザーもあります。

【メリット】
・気管支の奥にお薬が届きやすく、自然な呼吸で使えるので高齢者や小さいお子さんでも確実に吸入できる。

【デメリット】
・吸入が終わるまで数分かかるため、他の吸入器に比べると時間がかかる。
・器具が大きく、携帯に向かない。(携帯できるものもあり)
・電気がないと使用できない。(中には電池式のものもあり)

オムロン コンプレッサー式ネブライザNE-C28オムロン コンプレッサー式ネブライザNE-C28

2.ドライパウダータイプ(DPI)

ドライパウダータイプ吸入の一般的な行い方

1.垂直に持ち、キャップを外し、回転グリップを規定数回す。
2.呼吸を整え、十分に息を吐いてから、隙間がないようにくわえる。
3.顔を上げて勢いよく吸い、舌を下げて喉の奥を広げるようにするとお薬が気管支まで届きやすい。
4.口から容器を外し、口を閉じて3~5秒置く。
5.鼻からゆっくりと息を吐く。

【特徴】
粉末の薬剤を専用の吸入器を使って自分の呼気によって吸い込むタイプ。
ドライパウダータイプの中にもいろいろな剤型があるので、処方されたお薬の使い方をしっかりと確認しておきましょう。

【メリット】
・自分のタイミングで吸入できるので使いやすい。

【デメリット】
・吸い込む力が必要。呼吸が苦しい時は吸いづらいことがあり、薬剤が口に残りやすい。
そのため、小さな子供や高齢者は使用に適していない。

ドライパウダーフルタイド

(画像引用)https://www.healthgsk.jp/products-info/flutide/di/index/flutide50_dsk-img.html?tokenParam=gohealthgsk

※画像はフルタイドのものになります。他の薬剤の場合、形は異なります。

3.エアゾールタイプ(pMDI)

エアゾールタイプ吸入の一般的な行い方

1.容器を良く振って、キャップを外し、喉が開きやすいようにあごを少し上げる。
2.容器は垂直に持ち、呼吸を整えてから、容器にかからないように気を付けながら息を十分に吐く。
3.口にくわえて、ボンベを一回押しながら3秒間深く吸う。舌をさげて喉の奥を広げるようにするとお薬が気管支まで届きやすい。
4.吸入器を外して、口を閉じ、3~5秒置く。鼻から息を吐く。
5.うがいを口の中3回、喉の奥3回行う。

【特徴】
ガスの圧力を使ってお薬を噴射させ、吸入するタイプ。
小児や高齢者など、吸う力が弱かったり、うまくタイミングを合わせられない場合は「スペーサー」という補助器具を使うと使いやすくなり、口の中にお薬が残りづらいので副作用を減らすことが出来る。

【メリット】
・吸う力が少なくて済むので発作時などの呼吸機能が落ちている時でも吸入できる。
・小型で軽いため、持ち運びしやすい。

【デメリット】
・薬を噴射して、うまく吸い込むようタイミングを合わせるためコツが必要。
・スペーサーを使う場合は、別に購入しなければならない。
・スペーサーはカビを予防するため、お手入れが必要。水気があると、薬がついてしまうのでしっかりと乾燥させる。
・エタノールなどの添加物でむせたり、咳きこんだりする場合がある。

エアゾールタイプ

(画像引用)https://www.healthgsk.jp/products-info/flutide/di/index2/flutide50_air-img.html?tokenParam=gohealthgsk

※画像はフルタイドのものになります。他の薬剤の場合、形は異なります。

吸入ステロイド薬の種類によってそれぞれ剤型(お薬のタイプ)は違う!

現在、日本で使われている吸入ステロイド剤は以下の5種類で剤型もそれぞれ違います。

・アズマネックス(ドライパウダー)
・オルベスコ(エアゾール)
・パルミコート(ドライパウダー、液体)
・フルタイド(ドライパウダー、エアゾール)
・キュバール(エアゾール)

また、最近では、吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬を合わせた配合薬も開発されています。

・アドエア(ドライパウダー、エアゾール)
・シムビコート(ドライパウダー)
・フルティフォーム(エアゾール)
・レルベア(ドライパウダー)

吸入薬のタイプによってそれぞれ成分の粒子の大きさが違い、肺への到達する量や沈着率も違ってきます。

薬剤にエタノールを添加していて吸入するときに刺激があるものなどお薬にはそれぞれの特徴があります。

それぞれの吸入器のメリット・デメリットについて理解し、どのお薬が適しているのかお医者さんとよく相談して治療を行うようにしましょう。

更に詳しい吸入器の使い方は以下のページをご覧下さい。(外部サイトに飛びます。)
(参考)環境再生保全機構「主な吸入器ごとの吸入のポイント」
※こちらのページでは様々なタイプの吸入器の使い方を図解で分かりやすく説明しています。

年齢によっては使えないお薬も!?お子さんや高齢者が使う際の注意点

お子さんの喘息の場合、自分で喘息を管理することは難しいので、親御さんがきちんと喘息日記などで喘息コントロールしてあげることが前提となります。

乳児の間は吸う力も弱く、吸うタイミングも調節できないのでドライパウダータイプは使えませんが、お子さんが成長し、年齢が上がるのに合わせて使えるようになるので、時期や状況を見てお薬を見直していく必要があります。

高齢の患者さんの場合も吸い込む力が弱くなっている場合は、スペーサー(補助器具)を利用して吸入することも検討しましょう。

持病があり、他のお薬も飲んでいるような場合は、持病の薬と吸入ステロイド薬の飲み合わせなどについて、お医者さんに確認する必要があります。

高齢になると、お薬を吸入したかどうかわからなくなってしまうこともありますので周りにご家族がいらっしゃる場合は、患者さんに代わってお薬の管理をしてあげましょう。

高齢患者さんは若者に比べて副作用が出やすいともいわれています。

吸入した後は、口の中にお薬が残らないよう、「うがい」を忘れずにするようにしましょう。

年齢別吸入器選択の目安

乳児 幼児 学童 成人
ネブライザー
(マスク)
 ◎  〇
ネブライザー
(マウスピース)
エアゾール+スペーサー
(マスク)
エアゾール+スペーサー
(マウスピース)
エアゾール
ドライパウダー

(参考)環境再生保全機構 吸入器ごとの正しい吸入方法(手技)を身につける

3.副作用が心配?吸入ステロイドは正しく使えば怖くない!

ステロイド薬と聞くと「副作用」を心配される方も多いのではないでしょうか?

吸入タイプのお薬は吸い込むことで直接気道に届くので、飲み薬よりも少量のステロイドで済みます。(経口ステロイドの100分の1量)

そのためステロイドが血液中に入って全身に回ることはなく、経口ステロイド薬のような全身的副作用を心配しなくても大丈夫です。

長期間使っても特に問題はなく、妊娠中でも吸入ステロイド薬の治療は続けることが出来ます。

【体験談】1ヶ月以上続く咳。アドエア(配合薬)吸入で症状が改善!
症状は喘息のような咳のみで、肺の音もクリアでエア入りも良好とのこと。
先生は咳喘息かもとおっしゃられ、アドエアディスカスという薬を処方してくださいました。

これは、吸入薬で、気管支拡張薬と吸入ステロイド薬が同時にとれるというもの。
ステロイドを使うことに対してはちょっと抵抗があったのですが、14日分だし微量ということなので
先生の言うとおりアドエアディスカスを使っていたところ、使い始めて4日も経たないうちにあれだけ四六時中でていた咳がおさまってしまったのです!もっと早く処方してもらえばよかった!

ステロイドでも微量のものだと体にそこまで害はないっぽいので安心して正しくアドエアディスカスは使っていていいみたいですよ!

(引用)辛い咳喘息。アドエアディスカスというステロイド薬で改善!

声枯れ、口内炎など、局所的な副作用が出ることも。口の中の副作用はうがいで軽減できる!

但し、口の中に局所的に現れる副作用(声枯れ、口腔カンジダ、喉の痛み)が現れることがあります。

ですが、これらは吸入後にしっかりと「うがい」をして口の中にお薬が残らないようにすると防ぐことが出来ます。

また、エアゾールタイプの場合はスペーサー(補助器具)を使うことで、副作用を出しにくくすることもできます。

合わないときはお薬を変えることも可能。お医者さんと相談を!!

全身性の副作用の心配はなく、口の中だけとは言っても、声枯れや喉の痛みなどがずっと続くのは辛いものですね。

自分で気を付けて、よくうがいをしてるのになかなか改善しないというような場合はどうしたらよいのでしょうか?

最近では各製薬会社とも開発が進んでお薬の種類も増えてきています。

合わないお薬を、いつまでも使い続けて我慢することはありません。

他のお薬に変えることで、含まれる成分などが変わることもあり、副作用が出なくなったというケースもあります。

副作用の少ない(出ない)、自分に合ったお薬を探すことが、治療を継続するための最も大事なポイントです。

気になる時は、遠慮せずに一度お医者さんに相談してみましょう。

症状がおさまるとお薬を止めてしまう人が多いのはなぜ?お薬の中断は喘息症状進行の危険性が大!

喘息コントロールには欠かせない吸入ステロイドですが、一方でお薬を中断してしまう人が多いのも事実です。

症状がおさまると、すっかり喘息が良くなったような気がして、お薬や定期通院を止めてしまう患者さんも少なくないようです。

これは経済的な負担を気にされたり、副作用や長い間お薬を飲み続けることに抵抗があることなどが理由と考えられます。

しかし症状が出ないということは、決して喘息が完治したということではなく、お薬によって喘息を上手くコントロールできているということ。

中途半端な状態のまま自己判断でお薬を勝手にやめてしまうと、また症状が元に戻ってしまうだけでなく、更に気道は敏感になり、治りづらい喘息へと進行していく危険性もあります。

喘息治療における長期管理薬(コントローラー)の目的を正しく理解し、治療法に疑問がある時や減薬などに関してはお医者さんに相談するようにしましょう。

(参考)成人気管支喘息診療のミニマムエッセンス
※社団法人 日本アレルギー学会が作成した気管支喘息の治療ガイドラインを分かりやすくまとめたものです。
(参考)チェンジ喘息!喘息(ぜんそく)の薬※こちらのページは喘息の治療薬について分かりやすい情報が載っており、ステロイド剤の副作用についても説明があります。

4.なぜ?お薬を続けているのに効果が出ない理由。気を付けたい事4カ条

1.定期的に受診して使い方のチェックをしてみる。

せっかく吸入ステロイドを使用しているのに、思ったような効果が出ないな、と思うことはないでしょうか?

そんな時は、吸入器の使い方が間違ってることも考えられます。

良くあるのは、お薬を長く使っているうちに慣れてきて、だんだん自己流の使い方になってしまうというケースです。

誤った吸入の仕方では、必要なお薬の量が吸入できていない場合もあります。

そのためにも定期的にかかりつけの病院を受診し、正しく使えているか確認しましょう。

どうしても使っている吸入器が自分にとって使いづらい場合もあります。

その時は、お医者さんに相談して、他の吸入薬を試してみましょう。

現在では、新しいお薬の種類も増え、治療の選択肢も増えてきています。

自分にとって使いやすいお薬(吸入方法)を見つけることが、長く続く喘息治療の負担を減らすことになるのです。

2.毎日、同じ時間に吸入する時間を決める。

吸入ステロイドは必要な回数と間隔を守れば本来何時でも大丈夫ですが、症状がないとついついお薬を忘れてしまいがちです。

きちんと喘息をコントロールするためには、毎日のお薬をしっかり続けるのが必須です。

一日のうちで、お薬を吸入する時間を決めておくのがおすすめです。

例えば、お薬を吸入した後は必ずうがいをするので、うがいをすると思われる前(例えば歯磨きの時間など)に吸入する習慣をつけるのも良いでしょう。

また、小さいお子さんの場合はうがいがうまくできないこともあります。

その場合はごはんを食べることで口の中に薬を残さないようにするのがおすすめです。

ごはんを食べる前に吸入すると決めておくとお子さん自身も意識しやすいですね。

3.保管場所に気を付ける。

ステロイド薬を吸入した後にはうがいをするので、普段からお薬を洗面所に保管する方も多いようです。

吸入器に水分が付くとうまく吸入できなくなることもあるので、水がかからないように気を付け、湿気のこもらない場所に保管しましょう。

4.煙草をやめる。

タバコは喘息にとって最悪のものです。

気道の刺激になって発作の原因を引き起こしてしまうほか、せっかくの吸入ステロイド剤の薬効作用も邪魔してしまいます。

必ず禁煙しなければなりません。

お子さんが喘息の場合、親御さんや周りのご家族が禁煙するということも大切です。

大切なお子さんのためには、周囲の協力が不可欠なのです。

適切な治療で症状をコントロール!正しい知識を持ちましょう。

せっかくのお薬も、きちんと使わないと、症状が改善しないだけではなく、症状が進行してしまうこともあります。(リモデリング)

そうなると、もっと作用の強い服薬タイプ、点滴タイプのステロイドを使用せざるを得なくなります。

服薬や点滴タイプのステロイドは血液によって全身を循環するので、今度は全身性のさらに重たい副作用の心配をしなければならなくなってしまいます。

症状の悪化を防ぎ、毎日の生活を快適に送るためにも、喘息の予防治療の重要性を理解し、吸入器具をしっかり使いこなせるようになりましょう!

【募集】喘息 治療薬の治験

募集

喘息 治療薬の開発に協力いただける患者様を募集しています。



対象



  • 16歳以上75歳以下 又は 18歳以上

  • 喘息と診断された患者様



通院場所

北海道・宮城県・群馬県・東京都・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県・岡山県・福岡県


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