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2016年6月15日更新

プール熱はいつまで感染る?子どもの高熱・目やに・喉痛に注意。夏風邪「咽頭結膜熱」の症状と体験談

プール熱(咽頭結膜熱)に子どもが感染したら、高熱・のどの痛み・目やにの症状が治まってから2日後まで出席停止と法律で定められている。ママができる対応策は、手洗いを徹底し、洗濯の仕方やお風呂の順番に気をつけて感染拡大は防ぎましょう。
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1.元気な子どもが突然高熱!プール熱の3大症状と感染経路とは?

プール熱(正式には、咽頭結膜熱という)は、暑くなり始める6月頃から流行りだし、真夏の7月8月が感染ピークとなり、10月頃まで流行します。

また、プール熱にかかる患者の多くは、5歳以下の幼児が全体の8割を占めると言われ、子どもの代表的な夏風邪です。

プール熱は、”アデノウイルス”という病原体に感染することで発症する、急性ウイルス感染症です。

このウイルスは、なんと51種類もの型があります。
そのため、一度かかって免疫ができたとしても、病原体ウイルスの型が多いため、同じ型のウイルスとは限らず、何度もかかってしまう可能性があります。

また、アデノウイルスは、1年中活動しているウイルスなので、ここ数年は夏だけでなく冬にも小流行することもあります。

プール熱(咽頭結膜熱)の3大症状は、①喉の痛み②結膜炎(目やに)③高熱。

プール熱(咽頭結膜熱)の名前から、症状が想像できるように……

①咽頭炎(のどの腫れ・痛み)

咽頭炎になると、喉の粘膜が腫れて赤くなり、ヒリヒリして、痛みを感じます。
また、ひどくなると、唾を飲み込むことさえも辛いほど、喉が痛く感じることがあります。
3日~5日くらい症状が続き、完治まで1週間程度かかります。

(体験談)発熱の前日にのどの痛みと目の充血。のどの違和感と痛みは2週間も。

今年の夏に息子が咽頭結膜熱にかかりました。前日くらいに少しのどの痛みや、目が少し充血しているようでしたが、目のほうは痛みはないようで、体温を測ったところ熱の症状もなかったので、市販の風邪薬を飲ませその日は休ませました。翌日になると急に高熱が出て、のどの痛みと、目も赤みがあり目やにがでて、目にしょぼしょぼするような違和感があるようでした。

(中略)

一番長引いたのはのどの痛みで、扁桃炎にかかった時ほど酷いものではありませんでしたが、それでもノドの違和感と痛みが2週間は続き、食欲も少し落ちたりしていたので、やわらかいものを食べさせました。

(引用元):のどの痛みと目の充血。咽頭結膜熱(プール熱)でした。

②結膜炎(目やに・目の充血・かゆみ)

目の白い部分(結膜)が真っ赤に充血し、まぶたが腫れて、痛みやかゆみが出ます。
まぶしく感じたり、涙が止まらなかったり、目やにがたくさん出て、目が開けづらいなどの症状が現れます。通常の結膜炎の症状より、強い症状が出るようです。
一番、目の症状が治りにくく、完治まで1週間以上かかる場合もあります。

(体験談)高熱とともに、大量の目やに。目も腫れて、瞼の裏側も真っ赤に充血。

右目から急に目やにが大量にドロドロと拭いても拭いても出てきて、
39度以上の熱が出ました。
小児科で診てもらうと、喉の炎症と右目が結膜炎をおこしていました。
まぶたの裏側が真っ赤に充血して、目の周りも腫れており、
先生にはアデノウイルスだと言われました。

(引用元):子供の突然の高熱と大量の目やに。咽頭結膜熱で下痢も伴う症状。

(体験談)小児科受診翌日に、目が真っ赤。目やにも酷く。点眼薬でよくなる。

2歳の息子がプール熱にかかりました。
高熱が続き、病院で検査していただきたところ、プール熱と診断されました。
これと言って特効薬はないそうで、水分補給をして安静にするように指示されました。受診した次の日には、目が真っ赤になり、目やにも酷くなりました。
点眼薬をいただき、嫌がるので大変でしたが頑張って点眼しました。
1週間程でよくなりましたが、高熱がある間は相当しんどうそうで見ていてもかわいそうでした。

(引用元):2歳の息子がプール熱に!点眼薬で改善。家庭内感染にも注意。

③高熱(38度~40度近い高熱)

プール熱(咽頭結膜熱)は、急に38度~40度の発熱がでて発症することが多いです。
高熱は5日前後続き、その後スッと下がることが特徴です。熱がなかなか下がらない場合には、肺炎や脱水症状を起こすことがあるので、要注意です。

また、子どもの場合、急激に熱が上がる時に、熱性けいれんを起こすことがあります。落ち着いて救急車を呼び、すぐに医療機関へ受診しましょう。

(体験談)元気だった子どもが、突然39度近い高熱でぐったり。

金曜の午後、さっきまで元気だった長女が突然ぐったりしだしました。
熱を測ると38.6度。
寒気を感じるようで、すぐに布団に横になりました。

(引用元):高熱が続き、喉も目も真っ赤に。アデノウイルス(プール熱)でした。

(体験談)プール熱3大症状。急に高熱が出て、喉が痛く、目やにも。

保育園に通っている子供が、夏に急に高熱が出ました。
1度高熱の時に、熱性けいれんを起こしたことがあったので、すぐに小児科に診てもらいに行きました。
診てもらったら、咽頭結膜熱(プール熱)と言われました。
高熱の他に症状は、喉の痛みと目やにもありました。
高熱を下げるために、解熱剤を出してもらいました。

(引用元):子供が感染力が強い咽頭結膜熱(プール熱)に感染しました。

その他に、全身倦怠感や頭痛、腹痛、頸部のリンパ節に腫れ・痛みの症状が出る場合もあります。

(参考)咽頭結膜熱|国立感染症研究所

感染してもすぐには症状が出ない!?プール熱(咽頭結膜熱)の潜伏期間は、5日~7日。

アデノウイルスが体内に入ってから、咽頭結膜熱の症状を発症するまでの潜伏期間は、平均して5日~7日とやや長い傾向があります。

そのため、さっきまで元気だった子どもが突然発熱したように感じ(実際には、すでに感染から5日前後経過)、その後、喉の痛みや目やに結膜炎の症状を併発するという発生順序になることが多いようです。

これらの3大症状は、主に「アデノウイルス3型」によって発症しやすいと言われています。
ただし、この3大症状がすべて発症せず、単体で発症する場合もあります。

また、赤ちゃんの場合には、目の症状は現れず、下痢やおう吐の症状がでる場合もあります。
特に、アデノウイルス7型による乳幼児の肺炎は重症化する(アデノウイルス肺炎)恐れがあるため、注意が必要です。

感染力が強いプール熱!プールでの感染以外にも”飛沫感染”もする。

咽頭結膜熱は、アデノウイルスに汚染されたプールの水を介して、人から人へ集団感染することが多いことから、別名”プール熱”と呼ばれるようになりました。

プール熱(咽頭結膜熱)の基本的な感染経路は、”接触感染”です。

”接触感染”とは、体液(唾液など)や便などの感染源に直接触ったり、感染している人が使ったタオルなど間接的に触れたりした手で、目や口などの粘膜に触れてしまうことで感染することを言います。

アデノウイルスは感染力が強く、1か月近く便からも排出されます。
きちんと便をふき取っていない子供などがプールに入ってしまうと、ウイルスを含んだプールの水が目や口などの粘膜に触れてしまうことがあるので、プールでアデノウイルスウイルスに感染してしまうことが起こるのです。

しかし、感染経路はプールだけではありません。
感染者のせきやくしゃみなどで、”飛沫感染”する場合もあります。
冬や人ごみに居ただけで感染することも、しばしば起こります。

プール熱(咽頭結膜熱)の感染経路については以下の記事で詳しく説明しています。
プール熱(咽頭結膜熱)の感染力の強さに注意!その原因、症状、治療法は?

2.プール熱の感染が発覚したら、保育園・幼稚園・学校は出席停止。

プール熱(咽頭結膜熱)の主症状が治まった2日後から登園・登校OK!

プール熱は、文部科学省が定める学校保健安全法により、学校において予防すべき伝染病(学校感染症)の第2種に指定されており、主な症状が治まってから2日後まで登園・登校は、禁止されています。
そのため、医師の許可がおりるまでは、登園や登校はできません。

他の子へうつす危険は、約1か月も続く。

主な症状が治まっても、要注意。
プール熱(咽頭結膜熱)は、アデノウイルス感染のあと、潜伏期間(5日~7日)→発症(3日~5日)→回復期(発症から1週間)→二次感染期間(発症から2週間)のトータル1か月もの間、他人にうつしてしまう可能性がある感染力の強い病気です。

感染を広げないため、しっかりと手洗い・うがいを行い、タオルの共有もさけた方がよいでしょう。
特に、症状が治まってからの2週間は、便からもアデノウイルスが排出されるため、二次感染にはより一層注意が必要です。

3.アデノウイルスに特効薬はない。治療は、症状の対処療法。

子どもがプール熱に感染した場合、まずは小児科へ。

高熱だけでなく、目やにの症状が出ていても、まずはかかりつけの小児科へ受診しましょう。
目の症状があまりにもひどい場合には、かかりつけ医から眼科を紹介してもらいましょう。

周囲で流行しているか聞き取りの上、特別な検査をせず、状況や症状でプール熱(咽頭結膜熱)と診断を下すこともあるようです。

アデノウイルスには、抗生物質は効かない。

アデノウイルスには特効薬がありません。抗生物質は効かないため、プール熱(咽頭結膜熱)の治療法としては、不快症状の対処療法を取ることになります。
症状がのどの痛みや高熱だけの場合は、自宅で安静に過ごしていても1週間もすれば、症状は治まっていくでしょう。

しかし、目の症状だけは、悪化したり、長引かないためにも抗菌剤など専用の目薬を使用したほうがよいでしょう。

<喉の痛み>

のどの痛みを和らげるトローチやうがい薬、鎮痛剤が処方されることがあります。

しかし、喉の痛みが強く、水分すら飲んでくれない子どもの場合、脱水症状には注意しなければなりません。どうしても水分が取れない場合には、点滴などで脱水症状を回避する処置を行ってくれることもありますので、脱水症状が見られた場合には小児科医へ早めに相談しましょう。

<高熱>

子どもに解熱剤はよくないと聞くこともあるでしょう。
確かに、子どもは発熱によって、病原菌を抑えて自分を守っています。
しかし、高熱で辛そうにしているときは、解熱剤を使い一時的に熱を下げてあげることで、体が楽になります。医師の判断の下で、頓服として使用するには問題はありません。
また、高熱で頭がおかしくなるということもありません。

小児科では、主にアセトアミノフェン解熱鎮痛剤が処方されます。
カロナール、コカール、ピリナジン、アニルーメ、カルジール、アンヒバアルピニー、アフロギスなど。

(参考)解熱剤の上手な使い方|くぼこどもクリニック ブログ
こちらのページでは、子供への解熱剤の使用について、丁寧に解説されています。

<目の充血、かゆみ>

結膜炎とは、目が真っ赤に充血したり、目やにがひどく出ている状態のことです。片方の目から始まりますが、次第にもう片方に広がっていきます。
目やにで目がゴロゴロしたり、かゆみが出たりすると、目をこすりたくなる子どもも多いですが、そういった場合には、冷たいタオルを目に乗せてかゆみを軽減させてあげるとよいでしょう。
また、目にばい菌が入るのを防ぐためにも、爪を短く切って清潔にしておくとよいでしょう。

目やにをふき取るときは、ティッシュなど使い捨てのものを使い、拭いたらすぐに捨てましょう。

主に、抗菌剤入りの目薬(タリビットなど)がよく処方されます。場合によっては、目の充血を抑えるため、ステロイド目薬(リンデロン)が処方されることもあります。

(参考)タリビッド点眼液|塚田こども医院
こちらのページでは、結膜炎の際、子どもが使用できるタリビットの副作用や保存方法などについても、丁寧に解説されています。

4.ママができる家庭でのプール熱(咽頭結膜熱)対応策

アデノウイルスに感染はしていても、まだ症状を発症していなく気づかない場合もあります。
しかし、アデノウイルスは感染力が強いため、症状が出ていない時や症状が治まった時に二次感染を引き起こしてしまうことも多い感染症なのです。

また、プール熱(咽頭結膜熱)は、大人でも子どもと同じように感染することがあります。そのほどんどは、子どもからの二次感染になりますので、家庭内での感染拡大を防ぐことが非常に大切です。

子どもがプール熱に感染したら、お風呂や洗濯ってどうする?

<家庭内の対応策>

感染した子どもに兄弟・姉妹がいる場合には、感染リスクがより高まります。
下記に注意して、二次感染を予防しつつ、看病しましょう!

  • 感染者との接触を避けるため、看病する際にはマスクを着用する。
  • 洗濯する前に、感染者の洗濯物を消毒する。
    -煮沸消毒(熱湯で10分ほど)をする。
    -ハイターなどの塩素系漂白剤に漬ける。
  • 感染者の洗濯物と分けて、洗濯機を回す。
  • 感染者は、最後にお風呂に入れる。
  • トイレのドアノブや子どものオモチャなど感染者が触れ、病原菌が付着した可能性があるものは、次亜塩素酸ナトリウムでしっかりと消毒する
  • 他人にうつさない配慮。
    →プール熱の症状が治まっても、発症から2週間程度は便からもウイルスを排泄しています。プール熱は”接触感染”が原因であるということを忘れず、プールの可否を判断するべきでしょう。

次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方については、以下の記事で詳しく説明しています。
プール熱(咽頭結膜熱)の感染力の強さに注意!その原因、症状、治療法は?

脱水に注意!プール熱(咽頭結膜熱)に感染した子どもの食事。

<喉の痛み(咽頭炎)があり、あまり食欲がない場合>

・喉越しの良いもの
-プリン、ゼリー、アイスクリームなど食べられそうなものを食べさせます。

<食欲が出てきたら>

・軟らかいもの
-おかゆ、うどん、そうめんなどを食べさせましょう。

また、脱水に注意し、水分(イオン飲料など)を十分に取らせましょう。エアコンなどで部屋を快適にし、ゆっくり休ませましょう。

子どもにも伝えたい。プール熱(咽頭結膜熱)予防のポイント

  • 周りで流行っている場合には、手洗いやうがいを念入りに行う。(特に配膳前、食事前、排便後、おむつ取り替え後の手洗いは、特に念入りに!)
  • タオルの共用は避ける。(プール時のタオルの貸し借りやトイレのタオルの共同使用などは、やめる)
  • 目はこすらない。(目やにを取るときには、ティッシュなどでふき取り、直接触らずに捨てる。)
  • プール前には、シャワーをしっかりと浴びて、目もしっかりと洗う。

プール熱(咽頭結膜熱)は、予防のワクチンやこれといった特効薬がありません。そのため、日ごろからのうがい手洗いなどの感染予防がとても大切です。

また、夏バテなどで体力が落ちている場合にも感染しやすくなるので、十分な睡眠をとり、バランスの良い食事をして体力をつけて、プール熱(咽頭結膜熱)に感染しない楽しい夏を親子で過ごしたいですね!

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