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2017年9月19日更新

RSウイルスに感染したら、保育園・幼稚園や小学校への登園登校はいつから? 

2017年の「RSウイルス感染症」は過去10年で一番早い流行傾向。感染しても法的な出席停止措置はナシ。発熱や咳・鼻水等が治まり、元気なら登園・登校OK。主症状が治っても約3週間は、他人へ感染させる可能性あり。手洗いやマスク着用、消毒等で予防を。
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1.過去10年で一番ハイペース!2017年「RSウイルス感染症」流行動向

RSウイルス感染症は、その名の通り、「RSウイルス」による急性呼吸器感染症です。
風邪のような症状で、「2歳までの乳幼児のうち、一回は感染する」とも言われる感染症の一つです。

早産児や先天性心・肺疾患を持っているお子さんや6ヵ月以下の乳児が感染すると、咳が酷くなる・ゼーゼーしながら呼吸する・肺に炎症を起こすといった重症化に繋がることもあり、特に生後1か月未満(新生児)の場合には、無呼吸(呼吸しない時間が長くなる)となることもあるやっかいな病気です。
また、免疫ができにくく、長引くことや生涯で何度もかかってしまう特徴があります。

例年、季節性インフルエンザが流行り出すよりも少し前の9月頃から、少しずつ増えてくることが多い感染症です。

しかし、国立感染症研究所の報告によると、2017年は例年より早い7月から急増しています。
年齢別にみると、保育園・幼稚園児までの5歳以下が99%を占めています。
また、感染者数も35週(2017年8月28日〜9月3日)の時点で、過去10年間の同時期よりも多く、既に10,000例を突破しています。※下記の「RSウイルス感染症の年別・週別発生状況」グラフ内で、赤色の太線が2017年の発生状況です。

出典:RSウイルス感染症の年別・週別発生状況-国立感染症研究所
こちらのページでは、過去10年間のRSウイルス感染症の発生状況が週ごとに確認できます。

風邪かと思ったら「RSウイルス感染症」、潜伏期間・症状

RSウイルス感染症の潜伏期間は、一般的に4~6日です。
主な感染経路は、くしゃみや咳などからの飛沫感染とRSウイルスが付着したタオルやおもちゃの貸し借りでもうつりうる接触感染です。

RSウイルス感染症の主な症状とは、下記のような「風邪症状」が現れます。
特に、初感染の時、呼吸状態の悪化から重症化することも少なくありません。

  • 無色や少し黄みがかった鼻水……引きはじめに多い症状
  • 痰が絡むような
  • 場合により、39℃にも達する発熱
  • 肺炎細気管支炎を合併する場合も……上の子は大丈夫でも、下の子がいる場合には要注意。

RSウイルス感染症は、鼻水からスタートすることが多く、大人も普通の風邪よりもひどい鼻風邪となる場合があります。
また、中耳炎など合併症を引き起こす場合や喘息を持っているお子さんでは、喘息発作を誘発することもあります。

鼻がかめない月齢のお子さんや咳き込みが酷くなってきた場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

2.RSウイルスは、出席停止措置なし!主症状が治まり元気なら、登園登校OK。

水疱瘡やおたふく風邪のような出席停止措置は、RSウイルス感染症の場合ありません。
文部科学省では、「咳など主症状が安定し、全身状態が良くなってから登園・登校OK」としています。

「主症状が出ている間は休むこと」が感染拡大防止になる

感染症の中には、学校保健安全法により出席停止の基準が設けられています。
しかし、RSウイルス感染症は、学校感染症の対象となっていません。
とはいえ、咳や発熱など主症状が出ている間は、保育園・幼稚園や小学校の登園・登校は控えた方が良いでしょう。

また、大阪府医師会学校医部会では、意見書内で「0歳児がいる保育園では、RSウイルスの場合、出席停止措置を取るべきである」という見解を示しています。実際に、大阪府の一部市町村や保育園・幼稚園などでは、その意見書を基に登園・登校の際の許可証が運用されています。

前述した通り、RSウイルス感染症は、月齢が低くなる程、重症化する可能性が高くなる感染症です。
症状が落ち着くまで、しっかり休ませることが、感染拡大を防ぐ一歩なのです。

(参考)学校において予防すべき感染症の解説:文部化科学省
こちらの4ページ目に、RSウイルス感染症などの潜伏期間や症状の他、登園目安についての見解が掲載されています。
(参考)学校感染症等に係る登校・登園に関する意見書:大阪府医師会学校医部会
こちらのページでは、学校感染症の登園・登校許可証としてだけではなく、出席停止期間の算定の考え方やRSウイルス感染症のように、法的な出席停止措置はない病気の登園・登校目安について、記載されています。

乳幼児の場合、他の子へうつす危険は約1か月。

主な症状が治まっても、要注意!

RSウイルス感染症の感染期間は、症状が激しい3~8日とされていますが、乳幼児や免疫に問題がある場合には、3週間程度持続するとされます。
中には、RSウイルスの排泄期間が2~3ヵ月の長期に及ぶという報告もあるので、二次感染にはより一層注意が必要です。

家庭内でウイルス共有しないため・他のお子さんに移さないためにも、マスク着用・うがい手洗いの徹底など、優しい配慮をしたいですね!

■RSウイルスの感染力や症状について、次の記事で詳しく説明しています。
【体験談】RSウイルス、生後半年未満の乳幼児や初感染に注意!肺炎などの症状も

3.ワクチンがないRSウイルスの治療法は、症状の対処療法。

RSウイルス感染症のワクチン(特効薬)や有効な治療薬は、現在のところありません。
そのため、RSウイルス感染症の治療薬は、症状の対処療法が行われます。

多くの場合、水分補給・睡眠・栄養・保湿を行い安静にして、経過をみることとなります。

RSウイルスには、抗生物質は効かない。

RSウイルスに抗生物質は効かないため、RSウイルス感染症の治療法としては、不快症状の対処療法を取ることになります。
鼻水や軽い咳といった症状の場合は、自宅で安静に過ごしていても1週間もすれば、症状は治まっていくでしょう。

ただし、脱水があり飲めない、咳き込みが激しい、呼吸困難が強いなどの場合には、入院加療が必要となることがあります。

特に赤ちゃんの場合、風邪と診断されてもおっぱいやミルクの飲みが悪い、熱が高い、咳がひどい時、呼吸がおかしい場合は、もう一度受診してみましょう。

RSウイルスに有効な予防法は、手洗い・マスク着用・人混みを避ける・消毒薬

RSウイルス感染症の予防方法は、一般的な風邪と同じになります。

前述した通り、くしゃみなどの飛沫感染やおもちゃ・タオル・ドアノブなど接触感染が感染経路となるので、感染者に近寄らないことはもちろん、手洗い・うがいの励行やマスクの着用を徹底しましょう。

特に、生後6か月以下の赤ちゃんがいるご家庭の場合、流行時期の外出は人ごみを避けるなどの考慮も必要です。

なお、早産児・先天性心疾患・慢性肺疾患を持つ乳児に限っては、遺伝子組み換え技術により、モノクロナール抗体(パリビズマブ/商品名:シナジス)を流行期に月 1 回筋肉注射することができます。
この注射によって、RSウイルス感染症の発症予防と軽症化が期待できます。

また、RSウイルスは、エンベロープ(脂肪・タンパク質・糖タンパク質からできている膜)を有する構造のウイルスなので、消毒薬に弱い性質を持っています。
そのため、ミルトンなどの次亜塩素酸ナトリウム消毒用アルコール、イソジンなどポピドンヨードが有効なので、積極的に活用しましょう!

(参考)RSウイルスによる気道感染症およびパリビズマブ(シナジス)について:横浜市衛生研究所
こちらのページでは、パリビズマブ(シナジス)やRSウイルスの病原体についてなど、詳しく説明されています。
(参考)RSウイルス感染症Q&A:厚生労働省
こちらのページでは、シナジス投与対象者についての詳細やRSウイルス感染症の概要について、詳しく説明されています。

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