ストレス・体調不良が引き金に!?大人の中耳炎の症状と原因・治療法・体験談
「子どもの病気で、耳が痛くなる」というイメージが強い「中耳炎」。
しかし、大人も中耳炎になるのです。
厚生労働省による最新の患者調査(2014年版)を見ると、大人の中耳炎推計患者数(15歳以上)は約19,500人で、多いとされる14歳以下の子どもは、約21,200人です。
14歳以下の子どもと15歳以上で、中耳炎の推計患者数はそれほど差がないばかりか、大人の場合、我慢して受診しない人や痛くない中耳炎があることに気づかず、耳の違和感がありながらも受診していない人も多いのです。
また近年では、プロゴルファーの松山英樹さん、女優の波瑠さんも中耳炎になったと報道されました。
さらに元モーニング娘。の飯田圭織さんは、中耳炎が重症化してしまい「真珠腫中耳炎」を患ったと告白されています。
今回は、そんな「大人の中耳炎」として、中耳炎になりやすい人の特徴とセルフチェックや原因・症状・治療法をご紹介します。
(参考)平成26年(2014年)患者調査の概況|厚生労働省
こちらのページでは、最新(2014年)の患者調査の概況が確認でき、統計表3の部分に中耳炎の推定患者数が報告されています。
1.大人の中耳炎の症状・原因・治療法
もしかして中耳炎かも?大人の中耳炎セルフチェック
- 突然、耳が強烈に痛い
- 耳の奥がズキズキする
- 最近、耳が聞こえにくい
- 耳に水が入っているような感覚がある
- 耳の閉そく感(違和感)がある
- 耳から液体・血が出てきた(耳だれ)
- 耳鳴りがする
上記のような「耳の不快症状」のどれか一つに加え、
- 風邪を引いている
- 鼻水・鼻づまりがある
- ちょっと疲れている
といった「体調が万全とは言えない状況」がある場合、「中耳炎」を患っている可能性があります。
また、ダイビングをした、飛行機に乗ったことも中耳炎の引き金となる可能性があります。
もし、痛み止めで翌日に痛みが引いたとしても、耳の中は治っていません。
また、聞こえにくくなっている症状も放置してはいけません。
放置することで、ますます聞こえづらくなり、治療しても難聴が残ってしまう場合もあります。
後回しせず、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
(参考)中耳炎|耳鼻咽喉科工藤こうじクリニック
こちらのページでは、中耳炎の症状・原因など詳しく説明されています。
大人がなりやすい中耳炎の症状と原因・治療法
(出典)メディカルイラスト図鑑
■急性中耳炎
鼻や口から入った細菌・ウイルスが耳管(じかん)を通じて中耳に感染することで、鼓膜が腫れたり膿が溜まったりして、耳の痛みや発熱が急に現れます。
耳の痛みは数日で治まることが多いですが、放置すると難聴を伴う滲出性中耳炎に発展することも。
- 症状:とにかく耳が痛い・聞こえにくい(片方だけの場合も多い)・鼓膜の赤みや腫れ・発熱
- 原因:風邪を引いている・鼻をかみ過ぎた・ダイビングで潜った(泳いだ)・飲酒・飛行機に乗った(=航空性中耳炎)等
- 治療法:子どもの場合と同じで、薬物治療(抗菌剤アモキシシリン+症状に合わせた治療-解熱鎮痛剤アセトアイノフェン等)・鼓膜切開
■滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうえん)
鼓膜の裏に液体(滲出液)が溜まることで、耳の閉そく感・聞こえが悪くなります。
治療には、時間がかかります。
- 症状:耳の閉そく感(詰まったような感じ)・難聴(聞こえが悪い)・耳が変だと感じる(違和感)・自分の声が耳の中に響く・あくびをすると音がする・耳に水が入ったような感じがする・耳鳴り
- 原因:風邪を引いている・鼻副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎がある・耳管機能が低下している・急性中耳炎が治りきっていない等
- 治療:薬物療法(耳の治療+鼻の治療)*1・耳管通気・鼓膜切開・鼓膜チューブ留置術
*1耳の治療+鼻の治療:抗生物質や耳の滲出液を出しやすくする薬と鼻副鼻腔炎などの治療を並行して行う。
◆鼓膜切開が必要な症状、メリットデメリット、費用などについては、次の記事で詳しく説明しています。
「耳痛を早期改善!中耳炎の治療で「鼓膜切開」をするメリット・デメリット、体験談」
◆鼓膜チューブ留置術の目的や効果、メリットデメリットについては、次の記事で詳しく説明しています。
「難聴・繰り返す中耳炎が軽減!「鼓膜チューブ留置術」のメリット・デメリット・体験談」
【体験談】子どもからもらった鼻風邪。自然治癒せず、鼻すすりをしていたら「中耳炎」発症。
子ども達が順番に鼻風邪を引いており、私も鼻風邪をもらいました。子どもたちはすぐ耳鼻科に連れて行ったのですが、私は家にある市販薬ですぐに治るかと思い病院は受診しませんでした。
市販薬では全くよくならず、水鼻が出るのですすっていました。そうすると、突然右耳が痛くなり、詰まったような感じになりました。すごく気持ち悪かったです。それでも、まぁお風呂に入ってみれば治るだろうと思いましたが治らず‥‥
次の日になるとすこし耳の痛みと詰まったような感じはましになっていたので、病院には行きませんでした。
その後耳の中の鼓膜がボコボコいう感じが続いて、さすがに病院に行きました。
すると聴力検査をしても聴力は落ちていましたし、中耳炎になってるねと言われました。ステロイド系の薬と抗生物質のかなり強いものを5日分処方してもらいました。抗生物質の服用で少しお腹の調子が悪くなりましたが、頑張って飲み切りました。5日飲みきったぐらいでやっと少しよくなりましたが、まだまだ完全には治っていなかったので、あと4日分薬を処方されてやっと完治しました。
自然治癒を期待せずに耳の中に異変があった時点ですぐに耳鼻科を受診したら良かったと後悔しています。
■航空性中耳炎
飛行機に乗ることで、気圧の変化に耳管機能が追い付かないことによって起こる急性中耳炎です。
通常、耳管調圧はあくびや唾を飲み込むといった嚥下(えんげ)で行えますが、嚥下で調圧できないと耳の不快症状が続いてしまいます。
(出典)航空性中耳炎による鼓室内出血|中耳炎の症状と治療 医療法人梅華会
- 症状:耳の閉そく感(詰まったような感じ)・難聴(聞こえが悪い)・耳が痛い(キーンとする)・頭痛・耳鳴り
- 原因:風邪を引いている・耳管機能が低下している・体調不良(二日酔いや睡眠不足)・耳抜きが出来ない等
- 治療:通常の中耳炎治療と一緒。薬物治療(抗菌剤・痛み止めのほか風邪・鼻炎治療)・耳管通気療法、ひどい時は鼓膜切開・鼓膜チューブ留置術
→降下時に、点鼻薬(ステロイド剤や血管収縮剤)を使用する、飴・ガムを噛んでいることも予防に効果。
また、搭乗中のアルコールは、耳管周りの粘膜が腫れたり、寝てしまうことで唾を飲み込む回数が減る=耳管調整を行う回数が減ったりしてしまうので、避けたほうが無難です。
2013年に元バレーボール選手の大林素子さんも風邪気味で飛行機に乗った際、うまく耳抜きが出来ず、耳の痛みだけでなく、耳が聞こえない状態となり、つらくて不便だったと告白されています。
(参考)急性中耳炎・大人編|医療法人立石医院
こちらのページでは、大人の中耳炎について症状・原因・治療など詳しく説明されています。
2.大人の中耳炎の特徴と気を付けたい合併症
治りづらい!?大人の中耳炎の特徴
(画像)大人と子供の耳管の違い|子どもの鼻水・鼻づまり~鼻と耳の関係 梅華会
こちらのページでは、鼻と耳との関係を分かりやすく解説されています。
※クリックすると、画像が拡大します。
①構造的になりにくいから、治りづらく時間がかかる
上記の図のように、大人の耳は子供に比べて、耳管が細く・長く・傾斜があります。
そのため、通常鼻から入った細菌・ウイルスが中耳まで行きにくく、耳の構造的に大人は中耳炎になりにくくなっています。
だからこそ、一度中耳炎になったら治りづらく、時間がかかるとされています。
②腫瘍が原因の場合もある
中耳炎の主な原因は、大人と子どもで変わらず、口や鼻から入った病原菌が中耳まで行って感染すること・耳管機能障害とされています。
しかし、耳が聞こえにくい(難聴)、耳鳴り・耳の閉そく感といった滲出性中耳炎のような症状がある大人の場合、まれに”腫瘍”が原因であることがあります。
滲出性中耳炎のような症状が現れる腫瘍(できもの)は、耳管の咽頭側にできるもので、上咽頭がんや上咽頭線維腫(じょういんとうせんいしゅ)*2があります。
*2上咽頭(鼻咽腔)線維腫:上咽頭によく発生する良性腫瘍。周囲の組織を圧迫していくことで、耳の閉そく感や難聴といった障害が現れます。
昨年2017年、歌手の山本譲二さんも、顔面神経に腫瘍ができたことで、右耳がほとんど聞こえなくなっていると告白されています。
(参考)上咽頭腫瘍|徳島大学医学部
こちらのページでは、上咽頭腫瘍の概要で、耳症状として難治性の滲出性中耳炎が起こることが説明されています。
こんな人はなりやすい!大人の中耳炎
「耳の構造的には、なりにくい」と言われている大人の中耳炎。
では、どんな人が中耳炎になりやすいのでしょうか?
-
- 鼻をよくすする人
- 鼻をよくすすることは、中耳の空気も吸い出すので、鼓膜が内側(奥側)に引っ張られて、耳管が凹んでしまう。
- 耳管が凹み、換気機能が悪くなってしまうために、滲出液が溜まってしまう。
- 耳管が開きっぱなしになる耳の不快症状(耳が詰まった感じ・自分の声が響くなど)を軽くするために鼻すすりが癖になってしまう。
→滲出性中耳炎、より重症化した真珠腫性中耳炎・癒着性中耳炎の誘因となりうる。
※真珠腫性中耳炎・癒着性中耳炎については、次の項目「気を付けたい慢性中耳炎と合併症」にて後述します。
- アレルギー持ち
- アレルギー性鼻炎が滲出性中耳炎に合併すると、耳管機能障害が起こりやすくなります。
- 中耳の貯留液が排出されにくくなってしまうため、滲出性中耳炎の蔓延化を招きます。
- 高齢者
- 加齢によって耳管の換気機能が悪くなるため、滲出液が溜まり難聴が起こります。
→聞こえが悪くなっているのは、単に「年齢によるもの」と思い違ってしまうケースも。 - 免疫力の低下に加え、抗生物質の使用によって耐性菌や真菌に感染することが増えてしまいます。
→中耳炎が治りにくくなります。
- 加齢によって耳管の換気機能が悪くなるため、滲出液が溜まり難聴が起こります。
- 鼻をよくすする人
(参考)鼻すすり・閉鎖不全耳管と耳疾患|耳鼻咽喉科・頭頸部外科 64巻9号(1992年)
こちらのページでは、鼻すすり癖と中耳病変の関係性について、詳しく説明されています。
(参考)滲出性中耳炎とアレルギー性鼻炎の関わり|耳鼻臨床94:4;299~303,2001
こちらのページでは、大分医科大学耳鼻咽喉科の先生によって、滲出性中耳炎とアレルギー性鼻炎の関わりについて、調査研究および解説されています。
(参考)中耳炎|健康長寿ネット-公益財団法人長寿科学振興財団
こちらのページでは、高齢者にも多い中耳炎について、説明されています。
【体験談】鼻すすり癖があり、大人になってからも 、風邪や熱を出すたびに中耳炎。
小さいころから、風邪や熱を出すと中耳炎になることが多く、何度も耳鼻科に行っています。
小さい子のかかるものだと思っていたら
大人になってからも
風邪や熱を出すたびに中耳炎になり続けています。鼻水が出たときに鼻をすすってしまうのもよくないみたいです。
癖ですすってしまいますし、鼻をかむようにしていてもなってしまうことが多いです。
中耳炎になったときは、耳に入れる目薬のようなものを
処方してもらうことが多いです。
症状がひどいときは耳の中を切って菌をだしてもらうこともあります。その時は、耳に入れる目薬のようなもので麻酔をします。
耳だけの部分麻酔なので、意識もありますがすぐに終わることが多いです。
終わってからもしばらくは、痛いままですが痛み止めを出してもらいかえります。2日、3日、たつと風邪と一緒によくなることが多いです。
耳の中を切ってもらうことは少ないですが、切ってもらわないと私の場合は長引くことが多いです。
お医者さんの話によると、
小さいころから中耳炎にたくさんなっていた人は、大人になっても癖になったかのように
発症することもあるみたいです。
わたしは、それに当てはまってしまったみたいなので、まずは風邪をひかないように気を付けたいです。
気を付けたい慢性中耳炎と合併症-真珠腫性中耳炎・癒着性中耳炎・内耳炎
急性中耳炎のように、突然強い痛みがあれば「早く病院に行かなきゃ!」と思う方も多いでしょう。
しかし、急性中耳炎でも手持ちの痛み止めを飲んだら、痛みが落ち着いてしまった場合や痛くはないけれど、何となく聞こえがおかしい場合は、どうでしょう?
大人の中耳炎で怖いのは、日常の忙しさのあまり、受診を後回しにしてしまったり、難聴や耳の違和感を「年のせい」にしてしまったりすることです。
それにより、中耳炎が重症化してしまい、下記のような中耳炎が慢性化してしまうケースや合併症が引き起こされてしまうことがあります。
難聴や耳の違和感がある場合、早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしたいですね。
■慢性中耳炎①真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)
(出典)真珠腫性中耳炎|医療法人梅華会グループ
こちらのページでは、真珠腫性中耳炎の原因・症状・治療法について、詳しく説明されています。
- 原因:鼓膜の一部が中に入り込んでしまい、垢(角化物)が溜まる。角化物は、周りの骨や組織を壊しながら、真珠のように大きくなっていきます。
- 症状:悪臭のする耳だれ・難聴(初期は軽い)・めまい・顔の歪み(顔面神経麻痺)・強い頭痛・発熱など
- 治療法:一般的に入院して、全身麻酔での摘出手術となります。ただし、早期の真珠腫であれば、外来で塊を取ることも可能な場合があります。
元モーニング娘。の飯田圭織さんも難聴や耳鳴り、めまいを感じ、受診したところ、早期の「真珠腫性中耳炎」であることが分かったそうです。
真珠腫性中耳炎は、放置していると感音難聴やめまい・顔面神経麻痺などの合併症を起こすこともあり、また手術しても再発することも少なくないため、注意が必要です。
【体験談】よくある耳の聞こえの悪さと思っていたら、真珠腫性中耳炎が進行していた。
日常生活の中で、いきなり右耳の中に水がつまったような感覚に襲われ、その瞬間右耳が聞こえなくなりました。
風邪をひいたりすると、耳の聞こえが悪くなったりすることがよくあったので、水が詰まったような感覚でしたがあまり気にせず、そのうち治るだろうと思っていました。
ですが、2週間を過ぎてもよくなる気配がなく、日常生活にも支障をきたすほど聞こえが悪かったので耳鼻科に行くと【真珠性中耳炎】と診断されました。私の場合、進行が進んでいてすでに三半規管近くの骨を溶かしてしまっていたのでこのままでは脳まで溶けてしまう・・・みたいな話でした。
診断されてから実際に手術日までは半年くらいかかりました。
耳の中の膿を少しでも乾燥させてからでないと手術できないことが半年かかった原因です。かかった費用は手術代と入院代で全部で6万くらいだったと思います。高額医療保険をもちろん申請してですよ。
入院中は耳を濡らしてはいけないのでお風呂に入れなかったことがきつかったですが、1週間で退院できました。現在は、経過をみるため2~3ヶ月に1回病院へ行き、聴力検査を行っています。
聞こえは元に戻ったと思います。耳の中にはいろんな神経が通ってるし、脳に近い場所なので、安易に考えずに聞こえが悪くなったりしたらすぐ耳鼻科に行った方がいいと思います。
■慢性中耳炎②癒着性中耳炎(ゆちゃくせいちゅうじえん)
- 原因:耳管機能が悪いことや急性中耳炎・滲出性中耳炎がしっかり治りきっていないまま放置することが一因とされています。
鼓膜が薄くなり凹むことで、中耳粘膜にくっついてしまう病気。
→癒着した鼓膜は感染を起こしやすく、ひとたび感染すると、耳だれがなかなか治りにくい。 - 症状:難聴・耳だれ・耳の痛み・めまい・耳鳴り・頭痛など
- 治療法:根本的な治療は、手術となります。鼓膜を張り替える「鼓膜形成手術」や耳小骨(じしょうこつ:外から音として鼓膜に伝わった振動を内耳に伝える働き)が破壊されて難聴が進んでいる場合には「鼓室形成術」で音を伝えるしくみを再建します。
■中耳炎の合併症:内耳炎(ないじえん)
- 原因:中耳炎の原因菌が内耳に入ってしまう。
→急性中耳炎に合併することが多い。 - 症状:難聴・耳が詰まった感じ・耳鳴り、めまいなど
→難聴が後遺症として残ってしまう場合も - 治療法:薬物療法(ステロイド薬)
内耳は、「音センサー」「バランス感覚」の役割を担っているので、一度障害が起きると、回復に時間がかかります。
ほかにも、中耳炎の原因菌が髄膜まで及ぶと「髄膜炎」を発症することもあり、重症化すると意識障害まで起こることもあるので、たかが中耳炎と思わず、耳に不快症状が現れたら、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
(参考)中耳真珠腫|日本耳鼻咽喉科学会広島県地方部会
こちらのページでは、真珠腫性中耳炎について、診断方法・治療について、詳しく説明されています。
(参考)癒着性中耳炎|細田耳鼻科
こちらのページでは、癒着性中耳炎の原因・症状など説明されています。
(参考)内耳炎|協愛医院
こちらのページでは、内耳炎の症状・原因・治療法について説明をされています。
3.耳が痛い!中耳炎の応急処置と予防法
小さなお子さんだと、大泣きしてしまう程の中耳炎による耳の痛み。
いくら大人になっても、急性中耳炎による耳の痛みは”激痛”と言われ、やっぱりつらいもの。
今すぐ病院には行けない場合の応急処置について、まとめました。
応急処置①痛み止め(処方薬・市販薬)の服用
自宅に手持ちの鎮痛剤があれば、服用すると痛みが和らぎます。
※痛いからといって、短い間隔でたくさん飲むことはNGです。用法用量を守って正しく服用しましょう。
また、鎮痛剤を飲む前には軽く何か食べると胃に優しくなります。
-
- 処方薬:アセトアミノフェン(商品名:カロナールなど)
- 市販薬:成分は「アセトアミノフェン単独」が特にオススメ(商品名:タイレノール)
ほかにも、バファリンA、ロキソニンS、新セデス錠、リングルアイビーなどの鎮痛剤。
※お子さんが急性中耳炎を発症した場合:小児用バファリン(3歳~)、ムヒのこども解熱鎮痛顆粒(1歳~)、こどもパブロン座薬(1歳~)など
◆自宅でできる中耳炎の応急処置や予防法、治療で使われる薬などについては、次の記事で詳しく説明しています。
「自宅でできる中耳炎対策(応急処置・鼻水吸引)と治療薬(抗生物質等)の効果・副作用」
(参考)大人の鎮痛薬|医療法人立石医院
こちらのページでは、大人の急性中耳炎が疑われる際の応急処置に使えるお薬について、説明されています。
(参考)家庭で知っておきたい耳鼻咽喉科の救急|一般社団法人 広島県医師会
こちらのページでは、耳が痛い状態への救急で対応できることや救急受診の目安について、詳しく説明されています。
応急処置②痛いところを冷やして、安静に
耳の下や後ろを水で濡らしたタオルで冷やすと、痛みが和らぎます。
応急処置③耳だれは、穴から出てきている分だけ濡れティッシュで拭く
ドクドク溢れるような出方をするときもありますが、基本的には耳の穴から出てきた耳だれだけ、固く絞った濡れティッシュで優しくふき取りましょう。
仕事中などはティッシュ詰めて、何度か取り換えるとよいでしょう。
ただし、綿棒やティッシュでこよりを作って、耳の奥まで入れることは、やめましょう。
より耳だれが出てきます。
痛みや耳だれが落ち着いても、耳鼻咽喉科を受診すること
成長と共に耳管機能や免疫機能が発達する子どもと違い、大人の中耳炎は、そうそう自然治癒が見込めるものではありません。
喉元を過ぎれば、熱さを忘れてしまいがちですが、大人の中耳炎はこども以上にしっかり治療しないと、その後に難治性の中耳炎に繋がったり、難聴となったり、時には髄膜炎など命に関わる合併症を引き起こすこともあります。
しっかりと治療を受けましょう!
4.正しく鼻をかむのは意外と難しい?大人の中耳炎予防法
①正しい鼻のかみ方をマスターしよう!
気を付けていても、風邪を引いてしまう時もありますよね。
そんなとき、鼻水が出たらどうしますか?
小さいお子さんはまだしも、大人なら誰でも当たり前に行っている「鼻をかむ行為」。
意識していない人がほとんどなので、「普通に正しくかめている」と思っていることでしょう。
しかし、大人でも意外と正しく鼻をかめていないのです。
【正しい鼻のかみ方】
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- 鼻や口からたっぷり息を吸う
- 片方ずつかむ
- 下を向いて口を閉じ、ゆっくりと鼻から息を吐きだす
- 鼻水が全部出るまで、繰り返しかむ
-
鼻が詰まっていて、かみにくい時も力任せに強くかむのではなく、少しずつかむようにしましょう。
また、鼻が詰まっている人は、ついつい口が開いたままになってしまいがちなので、口を閉じるように意識しましょう。
残った鼻水をすすってしまうと、中耳炎を招きやすくなりますので、鼻水がなくなるまでゆっくりかむようにすると良いですね。
(参考)正しい鼻のかみ方|かみむら耳鼻咽喉科
こちらのページでは、正しい鼻のかみ方についてイラストを交えて説明されています。
②ストレスを溜めずに、笑って体調を整えよう!
大人の急性中耳炎の一番引き金は、「体調不良」と考えられています。
仕事や育児といった日常の忙しさの中で、特に季節の変わり目などは体調を崩しがちです。
加齢だけでなく、生活習慣の乱れやストレスも免疫力が低下する原因となります。
免疫力を上げるには、適度な運動やバランスよい食事、十分な睡眠はもちろんですが、程よくストレスを発散して生活することも大切です。
趣味を楽しむこともストレス発散になりますが、お手軽なのが「笑うこと」。
日本やアメリカの研究で、喜劇を観て声を出して笑うと免疫力が高まったという報告があります。
完全ストレスフリーな生活は難しいかもしれませんが、毎日少しでも笑う生活でつらい中耳炎を予防したいですね!
(参考)笑いの免疫機能・ストレスへの作用について|公益財団法人長寿科学振興財団 Aging&Health No.68 2014年
こちらのページでは、P.16から落語を聞いてリウマチ症状改善や吉本新喜劇の鑑賞で免疫力向上といった笑いの免疫機能への作用について、詳しく解説されています。
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