922views
2017年3月10日更新

うつや生活習慣病も!万病の元になる「不眠症」の原因、症状、セルフチェック

最近、寝つきが悪い、眠りが浅く何度も目が覚める……。そんな症状は「不眠症」の始まりかもしれません。国民病とも言われ、成人の5人に1人が抱えている睡眠トラブルの中でも最も多い「不眠症」の症状や原因についてご紹介します。
922views

睡眠のトラブルを抱えている人が増加!成人の5人に1人は「寝不足」

私たちは、一生のうちの1/3という多くの時間を「睡眠」に費やしています。

食事運動と並んで私たちの健康に欠かせない「睡眠」は、日々酷使している身体や脳の疲れをリセットし、生命を維持するために脳が起こしている活動です。

「不眠症」とは、その脳からの指令が何らかの理由でうまく働かなくなってしまい、「寝付けない」「熟睡できない」といった睡眠障害を引き起こす疾患です。

現在の日本では20歳以上の成人の5人に1人(60歳以上の場合は3人に1人)は何かしらの睡眠トラブルを抱えており、20人に1人は睡眠薬を使用しているというデータもあります。

このように「国民病」とも言える不眠症ですが、症状が長期に及ぶと、日中の行動に支障をきたすだけではなく、糖尿病や高血圧、不整脈などの生活習慣病やうつ病のような心の病を招くこともあり、注意が必要な疾患です。

睡眠状況

(図)睡眠の状況 平成19年 厚生労働省国民健康・栄養調査結果の概要

(参考) 睡眠薬の適正使用ガイドライン_睡眠学会Online版_140828改訂
※こちらは日本睡眠学会が作成した睡眠障害のための診療ガイドラインです。

まずは試してみよう!不眠症のセルフチェック。

誰でも心配事があったり、旅行先で生活のリズムが変わった時などは一時的に眠れないということはあります。

数日で回復するようならば、それほど心配することはありませんが、以下のような症状がしばらく続くときは注意が必要です。

あなたの睡眠に問題がないか、まずは一度、セルフチェックをしてみましょう。

◆不眠症セルフチェック

  • 布団に入っても、なかなか寝付けない。
  • 夜中にたびたび目が覚める。
  • 早朝に目が覚め、そのあと眠れない。
  • 朝、起きても疲れが取れていない。眠った気がしない。
  • 毎日の寝る時間や起きる時間は決まっていない。
  • 日中の眠気が強く、ぼーっとすることが多い。
  • 寝不足で気分がすぐれず、イライラすることが多い。
  • 寝不足で気分が落ち込みやすい。
  • 慢性的な倦怠感があり、やる気が起きない。
  • 集中力や記憶力が低下し、仕事や勉強の効率が落ちる。
  • 頭痛やめまい、胃腸障害、肩こりなどの身体の不調がある。
  • 食事を美味しく感じない。食欲がない。
  • 眠れないことが心配で、不安になる。

意外とあてはまる項目が多いと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

上記のような症状が「週に三回以上、1ヶ月以上続く」ような場合、不眠症と診断されることが多いようです。

「寝付けない」というように直接的な「眠り」に関するものだけでなく、原因不明のイライラや慢性的な肩こり、時々起こる頭痛など、「なんとなく不調」も睡眠不足が原因であることもあり、本人でも気づいていない「隠れ不眠」の可能性もあります。

不眠症は一ヶ月以上続くと治りにくくなることが分かっています。

実際、難治性の不眠症患者さんの7割は1年後も不眠症状が改善しておらず、半数は3年~10年以上続くという調査結果もあります。

また、一旦、治ったと思っても、再発するケースも多く見られます。

不眠を長期化させないためにも、睡眠のトラブルを見過ごしてしまわないことが大切です。

(参考)睡眠薬の適正使用ガイドライン_睡眠学会Online版_140828改訂

不眠症の4タイプ「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟睡障害」

不眠症と言っても、人によって現れる症状はさまざまです。

大きく分けて不眠症は「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟睡障害」の4つのタイプに分けることが出来ます。

不眠症4タイプ(図)不眠症の4タイプ Calooマガジン編集部

不眠症はこれらの症状が、一つ、もしくは複数現れることもあります。

上記のような状態がたまに起こる程度なら問題はありませんが、長期間続くと、人は「不眠恐怖」を覚えるようになります。

すると今度は、眠れないことを意識し過ぎたり、睡眠にこだわりを持つようになり、その緊張感からさらなる不眠のスパイラルに陥ることがあります。

(参考)厚生労働省 e-ヘルスネット 
※こちらは厚生労働省が提供している生活習慣病を予防するための健康情報サイトです。

どんな人が不眠になりやすい?50代、60代の女性は要注意!

子供や青年期では不眠症に悩む事はあまりありません。

20~30代くらいから徐々に増え、50代を過ぎると不眠に悩む方は急激に増加します。

これは、中高年になると不眠症状を引き起こす原因となる生活習慣病やうつなどを発症する確率が高くなるからであり、男性よりも女性の方が多いというのが特徴です。

健康な方の場合でも、加齢とともに睡眠時間は少しずつ短くなる傾向がありますが、これは自然なことで、特に心配する必要はありません。

しかし、睡眠不足によって慢性的な日中の眠気や体調不良が起き、生活の質が落ちているような場合は、不眠症に陥っている可能性があります。

ストレス、病気、環境も!不眠を引き起こす「7つの原因」

不眠症になる原因は一つではありません。

以下のようなさまざまな事が不眠を引き起こすことが分かっています。

①ストレス(精神生理性不眠、原発性不眠)

仕事や人間関係など心配事で緊張が続くと、脳は常に興奮状態になって脳のスイッチのオンとオフが上手く切り替わらなくなり、不眠に陥ることがあります。

特に、まじめで神経質なタイプの人の場合、眠れないことを意識してしまうことが多く、眠りに対してこだわりが強くなるため、ますます眠れなくなるという傾向があります。

②薬の副作用による不眠(薬原性不眠)

抗がん剤や降圧剤、甲状腺製剤など他の疾患の治療薬の副作用で不眠になる場合があります。

③身体的疾患による不眠

アレルギー疾患による痒み、心臓病や高血圧による息苦しさ、関節リウマチによる痛み、前立腺肥大や膀胱炎による頻尿など、他の疾患による身体的な不快症状のために眠れなくなる場合があります。

④精神疾患による不眠

心の病は不眠症状を伴うことが多く、実際、うつ病を発症する9割の患者さんに不眠症状があることが分かっています。

⑤嗜好品による不眠

たばこに含まれるニコチンは覚醒作用があるため、夜間の喫煙は不眠につながります。

同じくコーヒー、紅茶、コーラ、栄養ドリンクなどに含まれるカフェインも入眠を妨げる他、利尿作用があるため、眠りが浅くなる可能性があります。

アルコールは寝つきを良くしますが、アルコールが体内から抜ける際、中途覚醒が多くなり、結果的に睡眠の質を落とす上、睡眠障害の1つである睡眠時無呼吸症候群(睡眠中に気道が詰まりやすくなる疾患)の発症にもつながります。

⑥生活リズムの乱れによる不眠

旅行による時差、交代制のシフト勤務、深夜まで続くスマホやパソコン操作など、昼夜逆転の生活や、寝る時間や起きる時間が決まっていない不規則な生活は、体内リズムを崩し、うまく睡眠をとれなくなることがあります。

⑦環境による不眠

周囲の音の大きさや室内の明るさ、寒すぎる、暑すぎるといった温度湿度といった眠る環境が原因で不眠につながる場合があります。

以上のように、病気や治療薬の副作用といった深刻なものから、ストレスや、生活習慣、環境、嗜好品など私たちの日常生活に関わるものまで、不眠の原因はさまざまです。

夜にお酒やお茶を飲む、寝る前にスマホを見るなどは、それほど特別なことではなく、誰でも身に覚えのあることなのではないでしょうか?

このように不眠症は決して特別な病気なわけではなく、発症のきっかけは、ごく普通の日常生活の中にも潜んでいるのです。

(参考)厚生労働省 e-ヘルスネット 

日本人の平均睡眠時間は6~8時間。適正な睡眠時間とはどれくらい?

睡眠は出来るだけたくさん寝れば良い、というものではありません。

日本人の平均的な睡眠時間は6~8時間と言われていますが、睡眠時間には個人差があります。

10時間以上眠らないと調子が悪いロングスリーパーの人がいる反面、4時間程度の睡眠でも調子が良いショートスリーパーの人もいます。

必ず何時間以上眠らなければいけないということではなく、「日中に眠気がおきたり、不調を感じる事がないくらい眠れているか?」ということが判定する基準であり、適正な睡眠時間というのは人それぞれ異なっているのです。

日中の眠気と言っても、昼食後の軽い眠気程度なら問題はなく、「慢性的に眠気が続き、生活に支障がある場合」は睡眠が足りていないということになります。

また、よく眠れなかったからと言って長い間、布団の中にいると、逆に今度は熟睡した感覚が得られなくなることもあります。

なかなか難しいことですが、必要以上に睡眠時間にこだわり過ぎない、ということも大切です。

男女別平均睡眠時間

(画像引用)平成 23 年社会生活基本調査  男女・年齢別睡眠時間-週全体
※総務省が国民の睡眠や仕事などの生活時間の配分や自由時間に行う活動について調べたデータです。

体内時計と睡眠リズムは乱れやすい!スマホ・パソコンには注意。

人間の身体には、無意識のうちに備わっている体内時計リズム(サーカディアンリズム)というものがあります。

体内時計は朝、目が覚めて光を浴びることでリセットされ、15~16時間の活動後、自然と眠さを催すようにできています。

けれど、現代社会は、朝も夜も24時間、目まぐるしく動いています。

遅くまで仕事や勉強に追われる、スマホやパソコンで深夜までSNSやゲームをする、などということも多く、睡眠のリズムも乱れやすくなっています。

体内時計のリズムの乱れを戻すのは簡単なことではなく、少しずつの積み重ねで次第に不眠に陥ってしまうことが多いのです。

体内時計リズム

(図)一日における体内時計のリズム  Calooマガジン編集部

スマホアプリ(iPhone/Android)で「睡眠日誌・ログ」を簡単に記録!

睡眠習慣の見直しには「睡眠日誌(Sleep- log)」を付けるのが一番です。

これは、毎日の起床時間や就寝時間を記録するというもので、しばらく続けてみると自分の睡眠の特徴や問題点が見えてきます。

睡眠日誌

(画像引用)睡眠日誌の一例 厚生労働省 より健康的な睡眠を確保するための生活術
※こちらのサイトでは睡眠日誌についての詳しい情報を見ることが出来ます。

生活の見直しに役立つのはもちろん、睡眠日誌は受診する際、医師の診断にも役立つツールです。

上記のように記入するタイプの他、今は無料でダウンロードでき、スマートフォンで管理できる便利なアプリもあるので、ぜひ使いやすいものを見つけて利用してみましょう。

快適な睡眠は、健康な身体を作り、活動的な毎日の基礎になります。

なんとなく不調に見舞われ、「もしかしたら不眠症かも?」と思っている皆さん!

たかが睡眠不足、と思わずに一度、睡眠について見直してみませんか?

(参考)熟睡アラーム:目覚まし&睡眠ログ iPhone版
(参考)熟睡アラームー目覚ましと睡眠記録でスリープ&リラックス Android版

上記アプリ(熟睡アラーム)の紹介記事はこちら

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
calooマガジンの最新情報をお届けします
コメント
まだこの記事へのコメントはありません。

コメントを残す

CAPTCHA