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2016年4月25日更新

うつ病とは? – 種類・症状・治療方法・接し方

うつ病について、分類、症状(身体症状、精神症状)、治療方法(薬物療法、薬物療法以外)、社会的サポートのあり方、患者との接し方を説明します。
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1. うつ病の種類

うつ病の定義は一義的には定められていません。しかし、うつ病の治療薬や治療方法を見出すための研究においては、厳密な定義が必要とされます。それらの研究においては、DSM-5®と呼ばれる診断分類を用いることが一般的です。

1. 大うつ病って何?

アメリカ精神医学会が策定したDSM-5®による『大うつ病』の定義を紹介します。

  • 抑うつ気分
  • 興味または喜びの著しい減退
  • 著しい体重変化、著しい食欲の変化
  • 不眠あるいは過眠
  • 精神運動焦燥・制止 (他の人による判断)
  • 疲労感、活力の消失
  • 自分の価値がないように感じる、過剰あるいは不適切な罪悪感をもつ
  • 思考力、集中力、決断力の低下
  • 繰り返し起こる死についての思考, あるいは自殺念慮, 自殺企図, 自殺のはっきりとした計画

上記の9つの項目のうち、

「「抑うつ気分」または「興味または喜びの著しい減退」の少なくとも1つを含む、5つ以上の症状が、2週間以上の間にほとんど1日中、ほぼ毎日続く」状態で、

「臨床的に意味のある苦痛, または社会的, 職業的, または他の重要な領域における機能の障害を引き起こし」ており、「物質の生理学的作用, または他の医学的疾患によるものではない」状態でかつ、

これらの抑うつエピソードが、他の精神疾患 (統合失調症, 妄想性障害等) によっては説明できず、躁病の既往がない場合に「大うつ病」とされます。

2. 躁うつ(双極性障害)って何?

  1. 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または怒りやすくなる。また、異常かつ持続的に高まった活動や活力がみられる。このような普段とは異なる期間が、1週間以上、ほぼ毎日、Ⅰ日の大半において続く。
  2. 活動または活力が高まった期間に、以下の7つの項目のうち3つ以上に当てはまる。
  • 自尊心が大きくなる
  • 睡眠欲求が低下する
  • 普段より多く話す。または話し続けようとする切迫感を感じる。
  • 注意散漫がみられる。
  • 活動の増加。または、精神運動焦燥
  • 困った結果を招くような活動 (衝動買いなど) に熱中する

この状況が、社会的、職業的, または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしており、「物質の生理学的作用, または他の医学的疾患によるものではない」状態が「双極性障害」とされています。

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3. 双極I型・II型って何?

双極Ⅰ型障害は、双極性障害の中でも、躁病エピソードの基準に合致するような、明らかな躁状態を示す症候群を指します。躁病エピソードとは、分が異常に高揚している期間が比較的長く続き、自尊心が高まったり、寝なくても平気な気分になったりして、社会生活を営むことに困難が生じている状態から判断されます。

双極Ⅱ型障害は、躁病エピソードの基準を完全には満たさず、躁の度合いが軽度で、かつ持続期間の短い「軽躁病エピソード」と一時的な大うつ病エピソードが入れ替わる症候群です。ただし、双極性Ⅱ型障害は、うつ病の再発と区別することが難しい点に注意が必要です。

4. 非定型うつ病って何?

典型的うつ病の特徴が見られない『非定型うつ病』と呼ばれているうつ病もあり、次のような特徴が挙げられます。

  1. 現実の楽しい出来事、あるいはそのような可能性に反応して気分が明るくなる
  2. 以下のうち2つ以上に当てはまる:
    1. 体重増加、または食欲増加
    2. 過眠
    3. 手や足が鉛のように重く感じる
    4. 他者からの拒絶に敏感で、社会的または職業上での困難を生じる

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5. 退行期うつ病って何?

高齢者に近づく時期は、退職や子どもの独立、健康面での不安など、環境や身体状態の変化が大きい時期です。

そのような時期に発症するうつ病を、退行期うつ病 (初老期うつ病) と呼ぶ場合があります。身体合併症をもつ場合が多い、薬剤の副作用が強くでやすいなど、年齢に応じた特徴があります。

2. うつ病の症状

うつ病にはさまざまな症状がありますが、特に急性期に見られる症状は強く、ダメージが大きいものです。うつ病の症状が軽い段階で病気を疑い、早期発見、早期回復に向かうには、うつ病の正しい知識が何よりも有効です。

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1. 身体症状

1. めまい

めまいは痛みを伴いませんが、日常生活に様々な困難をもたらします。うつ病によるの深刻な身体症状の一つにも含まれます。耳鼻科や内科などで異常が見つからず、症状が続く場合は、うつ病の可能性も考える必要があります。

2. 耳鳴り

うつ病の身体症状の一つに耳鳴りがあります。ひどい耳鳴りに悩まされ、耳鼻科を受診しても原因が見つからず、途方にくれる方の中に、実はうつ病が原因だったという方が少なからずいます。ひどい耳鳴りは堪えがたい痛みを引き起こし、難聴や頭痛の原因にもなります。

3. 口の渇き

自律神経失調症やうつ病に罹るなると、口やのどに違和感を感じることがあります。耳鼻咽喉科では物理的な異常が発見されないケースもありますが、交感神経の働きすぎで実際に唾液の分泌が少なくなってドライマウスと診断される方などもいらっしゃいます。

抗うつ剤を服用しているとこのような副作用が出ることがありますが、うつ病の本来の症状として口の乾き渇きを訴える方も多くいます。

3. 味覚障害

うつ病の症状の中には味覚に異常を覚えるというものがあります。味覚障害は体重減少、血圧や糖尿などのからだの不調に繫がりやすいだけでなく、食事を苦痛にし、社交や人間関係に深刻な悪影響を及ぼします。

4. 首や肩のこり

忙しいと首や肩がこり、ひどくなると頭痛まで起こってくるというのは一般的な悩みです。うつ病に罹るとを患うと同じような症状が出ることがあります。

5. 腰痛

うつ病の身体症状の1つに、急に腰に負担をかけたり、痛めるような出来事の記憶がないのにも関わらず、慢性的に腰に強い痛みを感じるうつ病の症状があります。

6. 腹痛

うつ病の身体症状の中に腹痛があります。痛みの種類や強さには個人差があり、慢性的な腹部や胃部の不快感や違和感から、刺すように堪え難く強い痛みを感じる方までさまざまです。

7. 胃部不快感

うつ病の身体症状の一つに胃の不快感があります。胃は日頃のストレスにでも影響を受けやすい場所ですが、胃腸自体に問題が見られない場合や、症状が続く場合は、うつ病の可能性も考える必要があります。

8. 下痢、便秘

うつ病に罹るとを患うと、下痢や便秘などの症状に悩まされることがあります。トイレに行きたい気持ちに振り回され、生活がコントロールできないと、さまざまな形で二次的な困難が生じかねません。

9. 頻尿

うつ病の身体症状の1つに、頻繁にトイレに行きたいと感じ、尿が出る訳でもないのに尿意を感じるような症状があります。

10. 性欲減退

うつ病の身体症状の1つの中に、興味、喜びの消失があります。物事に関心が持てなくなるため、性的なことにも関心や意欲がもてなくなり、健康的なときにこころとからだが感じていた性欲が減退することがあります。

11. 月経不順

うつ病になると月経のリズムが乱れることがあります。周期的なリズムのみならず、急に経血量が増減したり、生理痛がひどくなったりと、その現れ方はさまざまです。

12. インポテンツ

うつ病に付随するの症状の中でも最も相談しにくい事柄の一つに、インポテンツがあります。心因性うつ病からインポテンツが引き起こされる場合もありますし、逆にインポテンツの悩みからうつ病を患う方もいます。

2. 精神症状

1. 興味、喜びの消失

うつ病の精神症状の一つに、今まで興味があったものを含め、すべての物ごとに急に興味を持てなくなったり、何をしていても喜びが感じられなくなったりする症状があります。これは、「興味、喜びの消失」と呼ばれる、うつ病の精神症状の一つです。

2. 睡眠障害

うつ病に罹った方の多くが睡眠のトラブルに悩まされています。うつ病罹患者の約90%の方に不眠の症状が現れると言われています。不眠だけでなく、寝付きが悪く何時間もベッドの中で苦しむ入眠のトラブル、そして夜中や早朝に目が覚めて、再び眠ることができなくなるという覚醒のトラブルも一般的です。

3. 易疲労性、気力の減退

うつ病に罹るとを患うと、疲れやすくなったり(易疲労性)、気力がなかなか出てこないくなる(気力の減退) といった症状に悩まされることがあります。

4. 強い罪悪感

うつ病の精神症状のひとつに、強い罪悪感があります。天気が悪い、事故に遭うなど、周りから見れば明らかにどうしようもないことに対しても、うつ病の方は自分のせいだと思い込み、強い罪悪感や自己嫌悪に悩まされる症状です。

5. 思考力、集中力の低下

うつ病の方は思考力や集中力が落ちることがあります。このような状態を「頭に”もや”がかかったような」と表現する方もいます。今まで無意識に行ってきた考えのプロセスが思いだせず、考えよう、集中しようとしても、頭の中の整理ができず、ものごとが遠くに感じられます。

6. 自殺念慮

うつ病の精神症状の一つに「自殺念慮」があります。これは、自殺を強く希望する、というよりは、自殺のことを考えることがやめられなくなる、という感じに似ていて、ともすれば一日中この考えに頭が支配されてしまいます。この症状と絶望的な気持ちが重なると、実際に自殺につながる行動を実行したり、自傷をしたりするなどの行動に結びつきやすくなります。

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3. うつ病の治療

1. うつ病治療の基本

うつ病治療の基本は「治療を続けること」と「休養を正しくとること」です。

個人差はありますが、うつ病の治療には時間がかかることが一般的です。症状がおさまるまでの治療期間 (急性期) はりますし、おおよそ6~8週間、再び症状が現れないように治療を続ける期間 (回復期) は、おおよそ16-20週間とされます。

食事や睡眠はこころとからだ双方に重要ですが、少なすぎるのみならず、多すぎる場合も負担となり得ます。うつ病治療における休養の目的は脳を休ませることです。こころからストレスを遠ざけ、自分のことを慈しんで考える時間を持つことです。その中では、適度な運動や外出も含まれており、気持ちよく、心地よく過ごすために、からだを動かすことも意味しています。

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2. うつ病における病院治療とは?

「うつ病」は病気の名前ですから、正式に診断を下すことができるのは医師免許を持った医師のみです。そしてその病名と個々の症状をふまえて薬を処方するしてもらうことが、病院治療の一つの大きな役割です。

うつ病を疑い病院を訪れる方の多くは、うつ病の症状が最も強く出る初期の段階にいらっしゃいます。この初期の段階で最も大切なのは、「休養」をとることです。

しかし、 うつ病の症状が強すぎると、休養をとることすらできません。そこで薬を使ってその症状を和らげ、強い痛みや苦しみのストレスを取り除きます。

また、今まで何が原因かわからず苦しんでいた方に「うつ病」という病名を与え、この病気は治療すれば治ることを教えてくれるのも、病院治療の大きな役割です。

3. うつ病治療の診療科は?

まずは、通いやすい場所にある精神科、神経科、心療内科のいずれかに行ってみましょう。

医師は忙しそうでなかなか自分の話をゆっくり聞いてくれない、病状や薬のことだけでなく、さまざまのことを相談して不安を解消したい場合は、そのための専門家がいます。臨床心理士や心理セラピストといった心理の臨床専門家や 、就業や治療費などの生活の不安の相談に乗ってくれるソーシャルワーカーなどさまざまな専門家のサポートを活用しましょう。

4. うつ病治療のための病院の選び方は?

自分の性格やライフスタイルにとって、何が便利で重要かを考えて決めましょう。いくら評判がよくても遠すぎたり、行くのに不便だったりすると通院自体が嫌になるかもしれません。

通いやすい場所であることは重要なポイントです。男性医師よりも女性医師の方が話しやすいと感じるかもしれませんし、遅くまで病院が開いているほうが便利かもしれません。

自分の性格やライフスタイルにとって、何が便利で重要かを考えて決めましょう。

5. 薬物療法以外の選択

1. 認知行動療法

認知行動療法とは、精神療法の一種で、ご本人の認知に働きかけるアプローチです。標準的には、週1回45分、12-16回のセッションで行われますので、比較的短期間に気分の改善を図ることができます。認知行動療法では、今まで自分が培ってきた認知の「パターン」に気づき、よりストレスを軽減する考え方を身につけます。

2. 対人関係療法

日々のストレスの中でも人間関係、とくに身近な人とのつきあい方のトラブルに悩む人に有効な精神療法が対人関係療法 (IPT; Interpersonal Psychotherapy) です。対人関係療法は、ご本人にとって重要な他者との関係性と症状のつながりに着目し、人間関係における課題に対処できる方法を見つけることで、症状にも対処することを目指します。

3. SST

ロールプレイで具体的なスキルを身につける社会生活技能訓練 (SST)。うつ病など、疾患の影響で低下した生活スキルを得るために、日常生活上の目標に沿って、スキルの訓練をする手法です。医師、看護師や心理士、精神保健福祉士、作業療法士など、医療・福祉スタッフの方が訓練サポートします。

4. 森田療法

不安、恐怖や苦悩により、生活が困難になっている状態から抜け出すことを目標とした精神療法です。そのような感情、気分の変調や自分のできないことを取り除いてから行動するのではなく、それらの感情は、そのまま受入れ、ご本人ができることに取り組むようにサポートを提供します。

5. 光療法

光により、いわゆる体内時計と呼ばれる、体内の生活リズムを変化させる療法です。主に睡眠障害の治療に用いられます。うつ病の治療にも効果があることが報告されており、光照射がセロトニン神経系にも働きかけることができると考えられています。

6. 経頭蓋磁気刺激

中学校で習った、磁場の変化で電流が生じることを覚えている方もいるかもしれませんが、そのように磁場を変化させることで、弱い電流を脳内で起こす刺激療法です。頭上に置いたコイルに電流を瞬間的に流して磁場を変化させ、脳内に弱い電流を起こします。「うつ病では (脳の) 左半球の機能低下があり、右半球の機能亢進がある」という仮説をもとに、それぞれの脳半球に対して異なる電流を起こします。

7. 漢方治療

まだ十分な報告が蓄積されていないため、日本うつ病学会等のガイドラインには、一般的な適用は記載されていません。軽うつ病の患者に、漢方 (加味帰脾湯、抑肝散加陳皮半夏) を中心とした治療を行ったところ、それぞれの漢方で治療効果があったと報告した研究もなされています。

8. 生活リズム療法

不規則な生活スケジュールにより、体内のリズムが乱れることが、うつ病など疾患の発症に関係すると考えられています。生活リズム療法は、生活スケジュールを立て直すことにより、体内のリズムを整える療法です。また、対人関係療法と組み合わせて、社会生活への回復をサポートする「対人関係・生活リズム療法」も開発されています。

9. コンピュータ支援型認知行動療法

うつ病への治療効果が示されている認知行動療法。しかし、認知行動療法をマスターしている治療者が少ないなどの理由から、必要とするすべての人が、この療法を受けられる状況にはなっていません。そこで、コンピュータを用いた認知行動療法の効果が複数の研究で検証されてきました。イギリスでは公的に治療法として導入されています。

4. うつ病の社会的サポート

ご自身、あるいは身近な方がうつ病に罹り、どのようなサービスが使えるのだろう、と迷った場合は、まずお近くの保健所、あるいは精神保健福祉センターに相談してみましょう。地域で活用できるサービスや適切な医療機関を教えてくれます。

1. 精神障害者保険福祉手帳とは?

精神疾患により、生活を送ることに困難がある場合は、精神障害者保健福祉手帳の活用もできます。税金の減免など、手帳取得によるメリットを知っておけば、生活の選択肢も広がると思います。手帳を取得しなくとも、リワーク支援や就労移行支援事業などのサービスは活用できます。

精神障害者保健福祉手帳の等級は、1級から3級まであります。

1級 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

2. 傷病手当金とは?

傷病手当金は、休職中の生活を保障するために設けられた公的な制度です。業務外の理由による病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

3. 障害年金とは?

年金に加入している間に生じた病気やケガで、生活への支障が一定以上あると認められる場合には、障害年金の給付が受けられます。国民年金に加入している方は、障害基礎年金が支給され、厚生年金に加入している方は、障害基礎年金に加えて障害厚生年金が支給されます。

4. 障害者雇用支援に関するサービスの利用方法とは?

職場に戻りたい→(リワーク支援) 障害者職業センター

病院デイケア

精神保健福祉センター など

職場を探す相談がしたい→ ハローワーク

障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所、地域障害者職業センター など

就職前トレーニングには→ 地域障害者職業センター

職業能力開発校

就労移行支援事業所 など

働き続けるサポートには→ ジョブコーチ派遣 (地域障害者職業センター)

1. 勤めていた職場に戻る場合は?

リワーク支援 (復職支援) が活用できます。リワーク支援が受けられる主な公的機関には、障害者職業センターがあります。各センターには、障害者職業カウンセラーが配置されています。障害者職業カウンセラーは、精神疾患に関する知識と職業指導のスキルを兼ね備えているので、復職の力になってくれるはずです。

2. 新たな職場を探す場合は?

仕事内容や職場の雰囲気に馴染めない場合など、新たな職場を探したいときにも活用できるサポートがあります。まず、就職について相談がしたいときの窓口としては、ハローワーク (公共職業安定所)、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所、地域障害者職業センターなどがあります。

3. 職場で働き続けるサポートが欲しいときは?

もとの職場に戻る、新たな職場に入る場合どちらにおいても、馴染みにくいこともあるはずです。そんなときに、一人で悩むのではなく、相談できる相手がいると心強いですよね。地域障害者職業センターなどから派遣してもらえる『ジョブコーチ』は、精神疾患の専門知識をもっており、職場での課題解決にアドバイスをくれる存在です。ジョブコーチのサポートについて詳しく知りたい場合は、地域障害者職業センターが窓口になります。

5. 公的なリワーク利用方法とは?

リワークとは、疾患に罹患する前に勤めていた職場に戻るための支援のことです。公的機関や病院において提供されています。また、リワークトレーニングとして、試し出勤の期間を設ける企業もあります。

地域障害者職業支援センターにおいてリワーク支援が提供されています。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しているセンターで、各都道府県にあります。職場復帰に向けて、ご本人と主治医、職場の担当者の方の間をつなぎ、情報を整理してくれます。

6. 民間のリワーク利用方法とは?

民間病院のデイケアにて、リワークプログラム (復職支援プログラム)を提供しているところがあります。標準的なプログラムはまだ確立されていませんが、集中力、判断力を高める作業や、集団の中で自分の良さを発見できるようなプログラムなどが行われます

どのような医療機関がよいか、どんなサービスが使えるか迷った場合は、お近くの保健所あるいは精神保健福祉センターに相談してみましょう。

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5. うつ病の人との接し方

1. 家族の場合

1. 安心して休める環境を後押しする

様子の変化に気づいた場合は、受診を促せると早期治療にもつながります。また、早めには気づけなかったとしても、医師の診断がなされたときに、安心して休めるような声かけができると良いです。

2. 状態の変化をそっと見守る

積極的な働きかけはしないものの、休んでいるときは休ませておき、ご本人が話したいときには話を聞く、というように、あまり本人のことを考えすぎず、そっと見守る姿勢で過ごすことが良いようです。

3. 状態を本人以外の人から伝えてもらう

うつ病の症状や調子について知りたいものの、本人に直接聞くことが難しい場合、通っているデイケアや医療機関の方にレポートや連絡帳のような形でまとめてもらえると安心できますね。情報共有の方法については、あらかじめご本人と確認しておくとよいでしょう。

4. 無理のない範囲で気分転換を後押しする回復期

うつ病治療期間がある程度経過し、症状がおさまってからは、不安を感じない時間をつくるための活動を、ご家族から提案してみるのも良いでしょう。ご本人の好きなこと、得意なことに気づけ、達成感を得られる活動ですと、不安感の軽減にもつながり、なお一層良いですね。

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2. パートナーの場合

1. 構いすぎず、話は聞き、そっと見守る

相手の不調時に、何とかしようと働きかけすぎずに、そっと見守る姿勢でいることは、うつ病に罹った相手を癒やし、共倒れを避けることにつながると思われます。

2. 相手と他の人を比べるような発言はしない

他の人との比較をする発言は、うつ病の症状で落ち込み、自分を過小評価しているパートナーを深く傷つけてしまいます。病気のせいで、思うように活動できないのがうつ病です。そのことを念頭におき、パートナーを焦らせるような発言は避けるのが賢明です。

3. 最終的に1つに絞る段階を引き受ける

デートをしても、なかなかお店や品物の決断ができず、苛立ってしまうことがあるかもしれません。思考力が低下し、決断力が鈍ってしまうのもうつ病の症状の1つです。最終的に1つに絞る段階を引き受けると、スムーズに物事が進められると思います。

4. 負担を感じさせずに会う約束をする

  • 「相手はこういう状況だから、もしかしたら来られないかもしれない」と認識しておく。
  • 急に体調が悪くなることがあるので、「カフェで何時~何時までで待ち合わせよう。もし遅れても読書や勉強、仕事をしているから気にしないでね」とアバウトな約束にする。
  • 「連絡がなかったら体調が悪くなったんだなと思っているから、無理はしないでね。」と前もって伝えておく。

3. 友人・同僚の場合

1. 知っていることがあれば情報共有を

うつ病の症状と思われる点に気づいた場合は、早めに本人に情報共有をしてあげるとよいでしょう。上手く伝えにくい場合もあるかもしれませんが、「メンタルの不調でも、不眠が続くことがあるそうですよ」というように、可能性としてあり得るという事実を共有すると、早期受診の機会を失わせないサポートができると思います。

2. 負担を感じさせずに会う約束をする

  • 「相手はこういう状況だから、もしかしたら来られないかもしれない」と認識しておく。
  • 1対1だとドタキャンをしにくく、負担を感じかねないので、数人で会う約束にしておく。
  • 「今日は大丈夫そうだな」と思っても急に体調が悪くなることがあるので、「カフェで何時~何時までで待ち合わせよう。もし遅れたら読書や勉強、仕事をしていてね」とアバウトな約束にする。
  • 「行けそうなら約束の2時間前に連絡するね。連絡がなかったら寝込んでると思ってください。ごめんなさい」と前もって伝えておく。

4. 上司・部下の場合

1. いつもと違うな、と思ったら、メンタル不調を視野に入れる

作業効率が明らかに遅い、応答のタイミングや行動が不自然など、いつもと違う点に気づいたら、うつ病など、メンタルの不調を視野に入れて対応を考えましょう。

2. 肯定的な発言で自信の回復をサポート

言葉は、相手を萎縮させ、本来の力が発揮できなくなってしまうでしょう。不必要な焦りや緊張を生み出し、回復を阻害するだけでなく、そもそものうつ病発症につながりかねません。うつ病からの復職後の仲間はもちろんのこと、うつ病を発症していない職場の仲間に対しても、強みを引き出す発言にしたいところです。

3. 復職≠完全復活でないことを念頭に柔軟な対応を

職場復帰は、産業医や主治医の判断のもと行われますが、医師が具体的な業務内容まで知ることはできません。つまり、うつ病の症状は一定程度おさまった、という判断はされているものの、それぞれの職場で、まったく支障なく活動できるというお墨付きではないことに注意が必要です


<出典>

  1. American Psychiatric Association. 日本精神神経学会監修. 高橋三郎 大野裕監訳 (2014)「DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引」4-7, 89-93医学書院
  2. 武田雅俊(2010) 高齢者のうつ病. 日老医誌. 47:399-402
  3. 日本うつ病学会監修 (2013)「大うつ病性障害・双極性障害治療ガイドライン」14, 26  医学書院
  4. 精神医学講座担当者会議 監修 (2010)「気分障害治療ガイドライン 第2版」31医学書院
  5. 松下正明 編 (2005)「精神医学キーワード辞典」691-692 中山書店
  6. 中田 輝夫 (2008) 漢方製剤による軽うつ病の代替治療の可能性. 精神科. 13(1):  83-88
  7. 中村純 編 (2010) 「精神科臨床リュミエール18 職場復帰のノウハウとスキル」190-213 中山書店
  8. 東藤泰宏. ゆううつ部長のOB訪問

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