2017年3月29日更新

不眠症の市販薬が効かない?知っておきたい処方薬との違い、薬の種類

国内では不眠症状に悩む人が多く、現在、成人の約20人に1人が睡眠薬を使用しています。不眠を改善する睡眠薬のメカニズムや効果、市販薬との違いや、漢方薬で改善する方法など、気になる不眠症の「薬物療法」についてまとめました。
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「睡眠リズムの見直しを行う」「カフェインを控える」など、毎日の生活習慣を見直すことで改善されることも多い「不眠症」ですが、不眠症状が重く、長期に及んでしまっているような場合は、睡眠薬による治療が必要になってきます。

不眠は長期化すると、日中の眠気やだるさなど日中の活動に支障をきたし、ヒューマンエラーによる大きな事故につながる恐れがあり、さらに糖尿病などの生活習慣病やうつなど心の病のリスクも高めてしまうことが分かっています。

不眠症はこじらせないためにも早期の治療が大切です。

現在では医療の進歩に伴い、新しい治療薬も次々と開発されており、身体に負担の少ないタイプも登場しています。

また、最近ではドラッグストアでも「睡眠改善薬」と言われる市販薬がたくさん並び、誰でも簡単に手に入るようになってきました。

市販薬は、医薬品と同じ不眠を改善させる目的でも、その作用方法は全く違い、短期間のみ利用するお薬です。

今回は、不眠症の薬物療法の種類や効能、安全に使用する上での注意点などについて詳しくご紹介します。

目次

 1.20人に1人が服用している!睡眠薬ってどういうもの?

 不眠症状で睡眠薬を使用している人はどれくらいいるの?

「強い副作用」や「薬漬け」など怖いイメージをお持ちの方も多い睡眠薬。

日本人は薬物乱用や薬物依存、また、過去に起きた睡眠薬(サリドマイド)による薬害事例のニュースなどにより、世界の中でも特に睡眠薬に対して強い心理的抵抗感を持っている国民だと言われており、実際、6割もの人が「やめられなくなる」「量がどんどん増えてしまうのでは?」というようなネガティブな印象を持っているというデータがあります。

睡眠薬調査

(画像引用)日本人が抱える睡眠薬服用に関する不安・心配
睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン 

確かに過去に使われてきた睡眠薬は依存性(やめられなくなる)や耐性(使用するうちに効果が薄れ、量が増えていく)が高く、命に関わる重篤な副作用が起きる心配もあり、使用をためらうお薬でした。

しかし、最近では改良されたお薬も増えてきており、現在、主流となっているお薬は従来のような重い副作用はなく、正しい使い方をすれば、依存性や耐性も格段に少なく抑えることが出来るようになってきました。

まだまだ積極的な使用には抵抗感がある睡眠薬ですが、このような背景もあり、徐々に使用する人の割合は増えてきています。

2009年の厚生労働省による調査では「3ヶ月に1度処方を受ける成人の割合」は4.8%で、これは約20人に1人が睡眠薬を服用しているという計算になります。

特にうつや生活習慣病の発症が増え、それに伴う不眠が増える50歳以上の使用率が高くなっていますが、現代社会のストレス増加による不眠なども増えてきており、今後、睡眠薬の処方頻度はますます高くなると考えられています。

(参考)睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン

薬の効き方には3つのタイプが。睡眠薬の作用別「3分類」

睡眠薬と一言で言っても、その作用機序(さようきじょ:薬物が生体に効果を表すメカニズム)は一つではなく、大きく分けると以下のような3タイプに分けることができます。

①脳の活動を鎮静させて眠気を起こさせる

睡眠薬の中でも古いタイプのお薬で、脳の活動を強制的に抑え、眠気を起こさせるお薬です。

「バルビツール酸系」「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」と言われるものがこれにあたります。

それぞれのお薬については次の章でご説明いたしますが、しっかりとした効果がある反面、副作用や依存性、耐性も高いお薬になります。

②睡眠と覚醒のリズムを整えて眠りに導入させる

崩れてしまった睡眠リズムを整えて不眠を改善させるお薬です。

「メラトニン受容体作動薬」と言われるものがこれにあたります。

生体リズムを利用したお薬のため、副作用も少なく、依存性、耐性もほとんどないお薬ですが、その分、効き目もマイルドです。

 ③脳の過剰な覚醒を鎮静させて眠気を起こさせる

脳の覚醒に作用する神経伝達物質の働きをブロックすることで過剰な脳の覚醒レベルを抑え、眠気を起こさせるお薬です。

3つのタイプの中でも一番新しいお薬で、「オレキシン受容体拮抗薬」と言われるお薬がこれにあたります。

重篤な副作用はなく、依存性、耐性も低いお薬で、寝つきが悪い「入眠障害」、夜中にたびたび目が覚める「中途覚醒」のどちらにも効果があります。

睡眠薬3タイプ

(図)睡眠薬の3分類 Calooマガジン編集部作成

(参考)睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン

2.それぞれの睡眠薬の特徴~メリット・デメリット

上記では、薬の効き方には大きく分けて3つのタイプがあることをご説明しましたが、ここでは、その中に含まれている、実際の5種類のお薬について説明します。

①バルビツール酸系睡眠薬(ラボナ、イソミタール、バルビタールなど)

≪薬品名:ラボナ、イソミタール、バルビタールなど≫

睡眠薬の中でも一番古く、1950年代から使われているもので、眠らせる力が強力で麻酔薬として使用されることもあります。

呼吸が浅くなる、呼吸が停止する、不整脈などの命に関わる重篤な副作用が起こることがあり、依存性や耐性も強いため、現在ではほとんど処方されることはありません。

難治性の不眠症のケースで、他の睡眠薬では効果が得られないような時にのみ使用されることがあります。

②ベンゾジアゼピン系睡眠薬(ハルシオン、デパスなど)

≪薬品名:ハルシオン、デパスなど。※詳細は下図を参照のこと≫

バルビツール酸系の問題点の多さから研究開発され、1960年代になって登場したのが「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」です。

脳の神経細胞内にあり、脳の働きを抑制させる働きのある「GABA-A受容体」に結合して脳の活動を抑制し、眠気を感じるようにさせる作用があります。

向精神薬(精神に作用する薬)であるベンゾジアゼピン系薬剤には「抗不安」「催眠」「筋弛緩」「抗けいれん」の4つの働きがありますが、そのうちの催眠効果が高いものがベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系には即効性があるタイプ、長時間持続するタイプ、中間タイプなど種類が豊富です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

(図)ベンゾジアゼピン系睡眠薬の種類 Calooマガジン編集部作成

※図はクリックすると拡大されます。

※半減期とは薬の血中濃度が最高値から半減するまでの所要時間で薬の作用時間の目安になる。

入眠障害の時は超短時間作用型や短時間作用型、中途覚醒が多い場合は短時間作用型や中間時間作用型、という具合に患者さんの不眠症状によってお薬を使い分けることができ、現在の不眠症治療の主流になっているお薬の1つです。

睡眠薬タイプ別適応

(図)不眠症のタイプ別ベンゾジアゼピン系睡眠薬の適応 Calooマガジン編集部作成

※図はクリックすると拡大されます。

副作用は、眠気や倦怠感などが起こることはありますが、バルビツール酸系に見られるような命にかかわるような重篤なものはありません。

同じくバルビツール酸系に比べると、依存性や耐性も軽減はされていますが、処方を定期的に見直し、長期的に飲まないなど、使用の際には十分な注意を払う必要があります。

【体験談】最初は良く聞いたお薬。数年続けることで耐性ができ、薬の量が増えてしまった……。

睡眠薬、ハルシオン(超短時間型)入眠障害に処方されるものを服用しました。

はじめは、お酒を飲んだ時に、千鳥足になる感覚で、すぐ寝付けました。感動しました!

しかし、数年飲んでいるうちに、薬物耐性が付き、1錠では寝付けず、薬の量を増やすことになりました。

それから、日中に眠気が残ったり、薬物による健忘で日常生活に少々支障がではじめてきました。

(引用)なかなか寝付けない、入眠障害型。薬に頼らない不眠症改善計画。

上記の方はハルシオンというベンゾジアゼピン系睡眠薬を数年という長期で利用した結果、薬の耐性ができ、その結果、使用量が増えてしまいました。

やはり、薬物耐性を予防するためには漫然と飲み続けるのではなく、定期的にお薬の見直しをすることが重要です。

③非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(アモバン、マイスリー、ルネスタ)

≪薬品名:アモバン、マイスリー、ルネスタ≫

ベンゾジアゼピン系の改良型のお薬が「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」です。

現在、ベンゾジアゼピン系と並んで不眠症治療の主流となっています。

効果はベンゾジアゼピン系と同じ程度ありますが、「脳神経GABA-A」内にある睡眠に関係のある「オメガ1」という部分のみピンポイントに作用することで、めまいなどの副作用を低減させています。

非ベンゾジアゼピン系のお薬はどれも超短時間作用型(即効性があり作用時間2~4時間程度)のため、お薬の影響が翌日残りにくいというメリットがある反面、中途覚醒タイプの不眠(夜中にたびたび目が覚める)にはあまり適しません。

また、薬価が数円~数十円であるベンゾジアゼピン系に比べると数十円~百円程度と高くなっています。

改良型とは言え、依存性や耐性は無くならないため、無期限にダラダラと使い続けることは良くありません。

④メラトニン受容体作動薬(ロゼレム)

≪薬品名:ロゼレム≫

2010年に発売された新しいお薬で、従来型のように強制的に眠らせるというよりも、私たちが本来持っている体内時計リズムのしくみに沿って、自然な眠りに導入するお薬です。

「周囲が暗くなると脳の松果体という部分から「メラトニン」というホルモンが分泌され、メラトニン受容体とくっつくことで人は眠気を催す」という睡眠のメカニズムを利用し、この受容体を刺激することで眠気を起こそうというお薬です。

安全性が高く、だるさ、ふらつきなどの副作用はほとんど起こらない他、無理やり脳の活動を抑えたりしない自然な催眠効果のため、他の睡眠薬では稀に見られる「悪夢」などが起こることがなく、「質の高い睡眠」が期待できます。

ただし、作用が穏やかなため、人によっては全く効果が無かったり、効果を得るまでに1ヶ月程度の時間がかかることがあります。

メラトニンの働き

(画像引用)スギ薬局 眠りに関するトラブル
※こちらのサイトでは薬剤師による不眠症の薬の解説を見ることが出来ます。

⑤オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ)

≪薬品名:ベルソムラ≫

2014年に発売された新しいお薬です。

脳の覚醒に作用する「オレキシン」という神経伝達物質の働きをブロックすることで、脳の過剰な覚醒を抑えるお薬です。

即効性があるお薬で、入眠障害中途覚醒のどちらにも効果がありますが、効果の現れ方には個人差が認められています。

副作用も少ないと言われていますが、世界に先駆けて日本で発売された新しいお薬のため、臨床データが十分ではなく、今後新たな調査結果が出てくる可能性があります。

不眠症の治療には以上の5種類のお薬のなかから、それぞれ患者さんに効果があるものを使用します。

原則、お薬は1種類の単体で処方されますが、効果が見られない場合はタイプの違う2つのお薬が処方される場合もあります。

ただし、お薬の種類や量を増やせば必ずしも効果が高まるとは限らず、逆に副作用だけが重くなってしまうこともあるため、必ず、お医者さんの指示に従って使用するようにしましょう。

睡眠薬比較

(図)薬の効果と副作用の関係・比較 Caloo編集部作成

※図はクリックすると拡大されます。
※オレキシン受容体拮抗薬に関しては新しいお薬のため、臨床データが十分ではなく、今後変更される可能性があります。

(参考)せせらぎメンタルクリニック 精神科・心療内科 睡眠薬の強さの比較。医師が教える睡眠薬の選び方
※精神科の先生が運営されているサイトです。不眠症のさまざまな治療薬の詳細や注意点などについて分かりやすく解説されています。

(参考)特定医療法人 あかね会

新薬が登場する一方で、従来のリスクが多い薬(エリミン、ベゲタミン配合薬)は販売中止へ。

不眠症の研究が進み、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬など次々と安全性の高い薬が出てくるのに伴い、古いお薬は販売中止になるケースも出てきています。

2015年には、ベンゾジアゼピン系「エリミン」という薬が販売中止となりました。

さらに最強クラスの睡眠薬であるバルビツール酸系睡眠薬「ベゲタミン配合薬(ベゲタミンA・B)」もそのリスクの高さから2016年末で販売中止になっています。

これらの古いお薬の販売中止の背景には、たくさんの新薬が出てきていること、効果が強い反面、依存性や耐性も高く、薬物乱用などにつながるリスクがあること、などがあると考えられます。

不眠症の治療薬の主軸は、危険性の高い強力なものから、効果がマイルドで体への負担が少ない安全な薬へと、徐々に移り変わってきており、今後もこの流れは続いていくと見られています。

(参考)大日本住友製薬 販売中止予定のご案内 不眠症治療薬エリミン錠3mg/錠5mg

(参考)公益社団法人 日本精神神経学会 薬事委員会より ベゲタミン-A・B配合錠の漸減・中止・切替方法および注意点

3.睡眠薬は一生続けるものではない!睡眠薬の飲み方と注意

自己流はダメ!!医師の指示に従いましょう。

上記のようなお薬は、医療機関を受診して医師の処方がなければ手に入らないお薬です。

新しいお薬で安全性が高いものも出てきたとは言え、正しい使い方をしないと、さらに不眠症を悪化させてしまったり、健康を損ねてしまうこともあります。

現在の不眠症治療の中核となっているベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系などのメジャーなお薬でも、依存性や耐性があり、乱用過剰服用などの誤った使い方などは社会問題となっています。

せっかく体の不調を治すための治療薬が、かえって体調を崩してしまうというのでは本末転倒です。

使用の際は、必ず専門家による管理の元、以下のような点に気を付けて、正しく利用しましょう。

≪安全に使用するために気を付けたい5つのこと≫

  1. アルコールは薬の作用を強め、ふらつきや物忘れなどの恐れがあるため、睡眠薬を服用する際は控えましょう。
  2. 他の疾患の治療薬を服用している時は、医師や薬剤師に飲み合わせの確認をしましょう。
  3. 効果が感じられない時は自己流で量を増やすようなことはせず、医師の指示に従うようにしましょう。
  4. 睡眠薬を飲んだ翌朝などの運転は眠気や注意力、反射能力が鈍っていて、事故などにつながることがあるため控えましょう。
  5. 即効性のあるものは服用後10~20分で眠気が起こるものもあり、転倒や骨折などの危険があるため、就寝直前に飲むようにしましょう。

薬の依存性、耐性への対策。回復してきたら「減薬・休薬」を考える。

徐々に体に負担の少ないお薬も出てきていますが、基本的には睡眠薬はいつまでも飲み続けるものではありません。

例え、用量を守っていたとしても、長期間使用していると依存性や耐性ができてしまうこともあります。

「飲めば眠れるから」といつまでも飲み続けるのではなく、症状が改善してきたら徐々に減薬していく事で依存性や耐性などの影響を少なくすることができます。

しばらく睡眠薬を使用し、不眠症状が改善されていれば、薬を減らす事や、やめることは可能です。

お薬の見直しは、「夜眠れている」「日中の体調も良い」という状態が続くようになったタイミングで、医師の指示の元に行います。

薬をいきなり全部やめてしまうと不眠が悪化したり、イライラや不安などがおこるため、1~2週間で1/4減らす、さらに1~2週間で1/4減らす、といった具合に段階的に減らしていきます。

適正な方法で減薬した場合でも、不安やイライラなどの不快症状が現れることがありますが、これは通常、数日で治まる程度のものです。

いつまでも良くならないようであれば、まだ不眠は改善されておらず、減薬には時期尚早のため、お薬を再開する必要があります。

二種類以上のお薬を使用していた場合などは、やめる順番なども決まっているため、いずれにしても信頼できる医師の指示に従って行いましょう。

(参考)睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン

4.市販の睡眠薬で不眠は治せるのか?

医薬品と市販薬は別物である。(ドリエル、マイレストなど)

最近では、ドラッグストアでもドリエルマイレストなどの「睡眠改善薬」と言われるお薬がたくさん販売されています。

病院に行かず、気軽に治せるなら利用したいと思う方も多いのではないでしょうか?

しかし、医師の処方箋のもとに出されるお薬とこれらのお薬は全く別物です。

病院で出されるお薬は「抗精神薬」と言って「精神に作用するお薬」ですが、市販の睡眠薬はヒスタミンという物質の働きを抑えるための「抗ヒスタミン薬」で、アレルギー疾患の治療などに使われるお薬です。

抗アレルギー効果がある「ジフェンヒドラミン」という成分は、脳にまで作用する事が分かっており、その成分の鎮静効果を利用することで、不眠を改善させます。

鼻炎や花粉症などのアレルギーの治療薬を飲むと眠くなるというのはこのジフェンヒドラミンの働きによるものです。(※最近では眠くならない改良タイプも開発されています)

市販薬は一時的な不眠の時だけ利用しよう!

上記の事から市販薬であっても不眠には一定の効果があると考えることができますが、ジフェンヒドラミンには耐性があり、4日程度服用しただけでも耐性ができてしまうことが分かっています。

何日も使い続けると効果が感じられなくなってしまうので長期利用には適していません。

旅行での時差ボケの解消、受験など何か特定なイベントの前で緊張や興奮して眠れない、といった短期間の使用にとどめ、1週間以上続くようなときには病院を受診しましょう。

(参考)せせらぎメンタルクリニック 市販の睡眠薬と病院でもらう睡眠薬との違いについて

5.漢方の体質改善効果で不眠を改善させる!

穏やかな効き目の漢方薬。不眠症への効果は?

強い睡眠薬などを使わず、なるべく身体に負担のかからない漢方薬で治したいと思う方も多いと思います。

漢方薬は睡眠薬のように飲めば眠くなるというお薬ではありませんが、いくつかの漢方薬には精神安定効果や、自律神経の乱れを改善する効果があるものもがあります。

一定期間、服用を続けることで不安やイライラなどの不快な症状がなくなったり、不眠症状が良くなるという効果が期待でき、実際、更年期障害の治療を行ううちに不眠も解消したというような例もあります。

睡眠薬と併用されることもありますが、あくまでも漢方薬は体質を改善することが目的のため、即効性を期待するのではなく、しばらく飲み続けることが大切です。

漢方薬の使用は自分の証(体質)に合ったものを!

漢方には同じ不眠症状であっても、以下のように、患者さんの証(体質:舌やお腹、脈などから診断する)によって異なる薬が処方されます。

≪不眠症の改善に処方される主な漢方薬6種≫

  1. 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)……比較的体力あり、イライラする、落ち着かないなどの症状がある方の不眠
  2. 抑肝散(よくかんさん)……虚弱体質で、神経がたかぶりやすい、イライラするなどの症状がある方の不眠
  3. 加味帰脾湯(かみきひとう)……虚弱体質で血色が悪く、不安などの症状がある方の不眠
  4. 加味逍遙散(かみしょうようさん)……虚弱体質で疲れやすく、のぼせや肩こりなどがある方の不眠
  5. 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)……比較的体力があり、便秘や高血圧、不安などの症状がある方の不眠
  6. 酸棗仁湯(さんそうにんとう)……虚弱体質で心身が疲れ、不安などの症状がある方の不眠

これは、漢方が、不眠だけにピンポイントに作用するのではなく、「体質を改善することによって不眠をはじめとする不快な症状を改善する」という考え方によるものだからです。

最近ではドラッグストアなどでも簡単に手に入るようになりましたが、自分の証に合ったお薬でなければ効果が出ないこともあります。

初めて不眠症に漢方を利用する際には、市販品ではなく、主治医の先生に相談するか、漢方専門医を受診して処方してもらうようにしましょう。

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(参考)漢方のツムラ 不眠・不眠症  
※漢方医学からみた不眠症の解説を見ることが出来ます。

6.早期治療で不眠を改善!一人で悩まずに早めに受診を。

眠れない日が続くとだんだん心配になって睡眠への意識やこだわりが高まり、不安感も増していきます。

これは睡眠恐怖と言われる状態で、そのままでは精神的なストレスを増やし、ますます症状が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。

このような段階になるとご自身で不眠を治すことはとても難しくなるため、なるべく早く、精神科や心療内科などがある病院を受診するようにしましょう。

いきなり精神科や心療内科は敷居が高いという方は、まず、かかりつけの医師に相談して、紹介状などを書いてもらって受診するのも良いでしょう。

また、お近くに睡眠障害を専門的に治療を行っている「睡眠医療認定医」のいる病院などがあれば受診してみるのもおすすめです。

自分ではどうにもならない不眠症状も、専門家に相談し、うまく睡眠薬を利用することで、楽に改善できる可能性があります。

崩れてしまった睡眠リズムを整えるために、一時的に睡眠薬を使うことはそれほど特別なことではなく、信頼できる医師の元で正しい使い方を守れば、睡眠薬はとても有効なものです。

さらに病院では、薬物療法以外にも認知行動療法カウンセリングなど、不眠解消のための様々なアプローチ法があります。

一人で抱えてしまいがちな辛い気持ちを医師や看護師、カウンセラーの方に話し、協力して治療に取り組むことが出来るので、患者さんの心も安心できるのではないでしょうか?

現在、不眠が続いてしまって治らないという方は、ぜひ一度、医療機関を受診して相談してみましょう。

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