若者にも増加する心不全。食事、喫煙、ストレス、原因は生活習慣にあり。

1.高齢者だけじゃない!心不全は誰にでも起きる。
心不全というと高齢者や肥満の方に多いと思っている方も多いのではないでしょうか?
若いからと言って油断は禁物。実は心不全は、乳幼児から高齢者まで、誰でもおきる可能性があるのです。
日本での患者数は全体的に増えてきていますが、中でも10代、20代の若者の発症率が上がってきています。
最近では、タレントの最上もがさん(でんぱ組.inc)も自身のSNSの中で心不全であることを告白。
ライブ中にも息苦しさを感じるなど支障があり、体調不良などで公演などをたびたびお休みすることもあるようです。
毎日の生活に支障をきたし、ひどくなると突然死を起こすこともある心不全。
意外かもしれませんが、現代の若者を取り巻く環境の中には、多くの心不全発症の危険が潜んでいるのです。
心不全が起きているか気付けるの?兆候はある?
・坂道や階段をのぼると動悸がする、息苦しい
・顔や足のむくみ
・だるい
・食欲がない
・咳や痰がでる
・胸の痛み
・手のしびれ
・急な体重増(食べ過ぎていなくても数日で2~3kg増える)
・物忘れ
これらいくつかの症状は、誰で一度はもなった経験があるような一般的なものです。
少しぐらい体調が悪くても、若さゆえ、「これくらい大丈夫!」と見過ごしてしまうことも少なくありません。
心臓は、問題が起きても初めのうちは、ほぼ症状はありません。
数ヶ月、長い時には数年かけて進行していき、ある日突然、心臓の不調や発作として現れることになるのです。
若くて特に持病もない場合は特に軽視してしまいがちですが、気になるその症状は、トラブルがおき始めている心臓からの「サイン」なのかもしれません!
上記のような症状があって病院を受診するかどうか迷う時、ポイントは「どれくらいその症状が続いているか?」です。
1週間~10日経っても症状がなくならない場合は、病院を受診するというのを判断基準にするとよいでしょう。
心不全の症状については、以下の記事で詳しく説明しています。
その息切れ、むくみ、動悸は心不全かも!気になる原因、症状、治療法とは?
2.若者が発症する原因は食事と生活習慣にあり。
心不全とは心臓の働きが弱った状態
心臓は血液を循環させ、酸素や栄養分を全身に届ける役目をしています。
心不全とはこの心臓のポンプ機能が落ちてしまった状態です。
体の中の水分がうまく循環ができなくなって、体のあちこちに溜まってしまい、むくみや息苦しさなどさまざまな症状がおきてきます。
高齢者と若者の発症原因の違い
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や高血圧、不整脈、心臓の弁の異常で起きる弁膜症といった持病があると、発症しやすいといわれています。
高齢者の場合は加齢によって、心臓の壁が固くなり、ポンプ機能の動きが悪くなってくるので、上記のような病気にかかりやすくなり、心不全がおきる危険性が高くなるのです。
若者の場合には先天的な心臓構造の異常、心臓に血液を送る血管の奇形などといった持病がある、ウイルスや細菌によって心筋(心臓の筋肉)が炎症をおこし、破壊された結果、心臓の働きがおちてしまう心筋炎などが主な原因といわれています。
しかしその一方で、健康診断でもこれまで一度も心不全といわれたことのない、健康だと思われる人でも、発症する場合があります。
これは生活習慣による影響が大きいといわれています。
若者のこんな生活習慣が危ない!
◆偏った食事
食の欧米化が進み、高脂肪、高カロリーの食事が増えています。
昔に比べると外食する機会も多くなりましたが、外食は味が濃いものが多いので、塩分の取り過ぎにつながります。
塩分を摂りすぎると、体の中にうまく循環できない水分がたまり、心臓の負担となり、むくみなどの症状を引き起こします。
今はコンビニなどでも簡単に食べ物が手に入るようになり、ついつい食べ過ぎてしまうことも要因の一つ。
これは心不全の発症のリスクを高める肥満(体重増加)につながってしまいます。
◆運動不足
現代社会では、毎日の生活の中で、身体を動かさないで済むことが増えています。
日常生活でも階段を使わず、エレベーターを使う、移動もバスや車を使うなど、体を動かすことが減ってしまっているのです。
さらに余暇も長時間、スマホやパソコンをしていて動かないというような生活リズムではますます運動不足に陥ります。
身体を動かすことが減ると、心肺機能もおちてしまう他、食事で取り込んだカロリーが消費されず、肥満につながります。
体重が増えすぎると、心臓に負担がかかり、心不全の発症リスクが高まります。
スウェーデンの大学の研究では毎日、ジョギングや水泳などの運動の習慣がある人の心不全の発症率は、習慣のない人に比べて、46パーセントも低いというデータもあります。
◆喫煙
タバコの煙にはたくさんの化学物質が含まれますが、中でもニコチンや一酸化炭素が特に心臓や肺などの循環器に悪い影響を及ぼします。
煙草を吸うと、ニコチンが交感神経を刺激するので、血圧が上がり、脈拍が上がります。
さらには一酸化炭素も増えてしまうので、血液中の酸素が減ってしまいます。
ニコチンには血管を硬化させてしまう作用もあり、心筋梗塞など心不全のもととなる病気の原因にもなってしまいます。
煙草を吸うことは、わざわざ心臓に負担をかけることをしているようなものなのです。
≪喫煙者が突然死したり虚血性心疾患に罹りやすくなる危険度≫
男性 | 女性 | |
---|---|---|
虚血性心臓病 | 2.8 | 2.2 |
心筋梗塞 | 3.6 | 1.4 |
突然死 | 10.7 | 4.5 |
※吸わない人の危険度を1とした場合。
(参照)「Kannel WB, Higgins M: J Hypertens 1990;8(Suppl 5):S3.」
◆精神ストレス
若い者にとっても現代はストレスの多い時代。
若者を取り巻く環境は、働き過ぎ、就職、受験、人間関係など、たくさんのストレスの素があふれていている状況です。
特に最近ではSNSの普及も進み、深夜までチャットや情報を発信して慢性的な睡眠不足が続く……、生活のオンとオフがボーダーレス化してきていて、これでは身体が休まるどころか、ストレスはたまる一方です。
抑うつは心不全の発症を高めると言われています。
心不全の患者さんの24パーセントから42パーセントもの患者さんにうつ症状が出ているというデータもあります。
3.ちょっとした毎日の積み重ねで心不全の発症リスクは高まる。
乱れた食事や運動不足、ストレス……。
毎日、時間に追われ忙しく生活していると、どなたでもなにかしら心当たりがあるのではないでしょうか。
現代は昔に比べて、高齢者のみならず、若者にとっても、「心不全」は起きやすい状況であるということを覚えておくことが重要です。
今はまだ、特に症状を感じていなくても、自分の体調に注意し、一度日常を見直してみると、意外と危険要素が見つかるかもしれません。
こんなことに気を付けよう!心不全の予防法。
・普段から30分~1時間程度の軽い運動をする。身体が活性化し、ストレス発散にも良い。
・日常生活においてもなるべくこまめに体を使うことを意識する。
・食事は薄味でバランス良く食べる。毎日、決まった時間に食べる。間食を減らす。
・飲酒の適量は1~2杯。赤ワインのポリフェノールには心不全の元となる動脈硬化を防ぐ効果あり。
・タバコは万病のもと。今すぐにやめる。
・休日には気分転換になるように、自分にとってリラックス出来ることを行い、睡眠はきっちりとる。
毎日、自分の体を意識してすごすことが病気を遠ざけることになります!
心不全は決して高齢者だけの病気ではありません。
ぜひ、今日から間違った生活習慣を見直して、健康的な生活を送りましょう。