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2016年5月26日更新

その息切れ、むくみ、動悸は心不全かも!気になる原因、症状、治療法とは?

そのむくみや息切れは心不全かもしれません!その症状と原因、治療法とは?心不全を予防、悪化させないため守りたい事まとめ
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1.がんに次ぐ、日本人の死因第二位である「心不全」とは?

今年(2016年)4月に芸人の前田健さん(44歳)が新宿の路上で突然倒れ、帰らぬ人となってしまいましたが、その死因は「急性心不全」でした。

これまで高齢者や肥満の人に多いといわれてきましたが、食習慣の変化などで、最近では年齢を問わず全体的に患者数が増加してきています。

最悪の場合、突然死にもつながりかねない「心不全」。

まずはどういうものなのか「知る」ことが大切です。

発症のメカニズム~心臓のポンプが働かない!!

「心不全」とは病気の名前ではありません。

心(=心臓)が不全(=うまく動かなくなる)になる事によっておきる、複数の症状を指す「症候群」のことです。

心臓は体の中で、全身に血液を送る「ポンプ」の働きをしている最も大事な臓器です。

心臓が全身にスムーズに栄養と酸素を送ってくれていることで、毎日、私たちは当たり前のように生きることが出来ています。

その「人体の要(かなめ)」である心臓が、何らかの原因でうまく動かなかなくなってしまった時、身体にはいろいろな症状が起こってきます。

2.どんな症状が起きる?こんな症状があったら要注意!!

1.呼吸困難(息切れ、動悸、胸が苦しい)

坂道や階段を上ると息切れがする。胸が苦しい。

これは心臓の左心系の働きが悪くなり、肺から左室に来るはずの血液がうまく入り込めなくなり、停滞してしまうことが原因です。

「肺水腫」「肺うっ血」といわれる症状で、酸素がうまく交換できないため、息苦しくなってしまうのです。

2.浮腫(顔や足のむくみ)

心臓の右心系の機能が低下して血液が心臓に戻りにくくなると起こる(体液貯留:たいえきちょりゅう)症状です。

体の中でも特に足のむくみがひどく、靴下の線がくっきりついてしまう、ふくらはぎを押すと指の形が残る、などの自覚症状があります。

また、そんなに食べていないのに急に体重が2~3㎏増加した時なども、うまく水分が循環できず体内に溜まってしまっている恐れがあります。

3.夜間の咳きこみ・発作性夜間呼吸困難

夜になると激しい咳が出て息が詰まる感じ。

咳が出るので、風邪と勘違いしてしまったり、逆流性食道炎なども同じように就寝中の咳きこみはあるので、分かりづらいケースもあります。

また、寝ていると突然、息苦しくなって起きてしまうことも。起き上がると少しは楽になります。

寝ていると、下半身の血液が心臓に戻りやすくなりますが、戻ってきた血液に対し、機能のおちた心臓が対応しきれなくなってしまっている状態です。

ひどくなると、横にはなれず、起きていても苦しいという状態になりますが、これは、「起座呼吸(きざこきゅう)」といわれ、肺水腫の最も重い症状です。

4.倦怠感 (だるさ)

心臓の働きが弱くなると、血液を送り出す力も弱まる「低心拍出(ていしんはくしゅつ)」という状態になります。

この状態が長く続くと、心臓への負担がかかるため、倦怠感(だるさ)となって現れます。

 

上記の4項目に1つでも心当たりがある方は、心不全の可能性があるかもしれません。

一度、お医者さんに相談してみましょう。

3.「心不全」になりやすい人とはどんな人?

以下のような心臓病がある場合、心臓の機能がおちているため、発症の確率が高まります。

心筋梗塞
心臓の筋肉に酸素を送っている冠動脈が詰まり、酸素が届かなくなり心筋が障害を受けてしまう。

高血圧
血圧が高い状態が続いてしまう。(140/90mmHg)肥満、加齢、喫煙、ホルモンバランスなどが原因。

心筋炎
ウィルスや細菌への感染によって、心臓の筋肉(心筋)が炎症をおこしてしまう。

心筋症
肥大型、拡張型、拘束型があり、心筋に異常がおきてしまう。

弁膜症
僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁といった心臓にある弁に異常がある。逆流を防止する機能に異常があり、機能を果たさない。

不整脈
心臓のリズムが一定でない事。速くなったり、遅くなったり、リズムがおかしくなったりする。

また、心臓病以外でも甲状腺機能亢進症貧血摂食障害を患っている人も、発症リスクが高いと言われています。

健康な人であってもストレス、過労、肥満、食事など生活習慣によって、突然発症することもあります。

これまで健康で心不全と言われたことがなく、検査でも正常な人にも、ある日突然、心不全が起こる可能性はあるので、「自分だけは大丈夫」と過信してしまうのは禁物です。

心不全は急性・慢性の2つのタイプに分けられる

簡単に区別すると、心不全の症状が強く出ている状態を「急性心不全」といいます。

命にかかわることもあるので、緊急に静脈に管を入れて薬剤を注入する「静脈内投与」などの治療が行われ、安静、入院が必要な状態です。

これに対し、心臓の機能は弱まっていて、心不全は起きているが、症状は落ち着いている状態が「慢性心不全」です。

お薬の服用は必要ですが、ほぼいつも通りの生活を送れるくらいに、症状がコントロールできている状態です。

ですが、慢性心不全でも、何らかの「きっかけ」があると再び症状が悪化してしまい、急性心不全になってしまう場合もあります。

これを慢性心不全増悪(まんせいしんふぜんぞうあく)といい、繰り返すと症状は進行してしまいます。

そのきっかけとなってしまうのは、風邪などの感染症、暴飲暴食、精神的ストレス、疲労、薬の飲み忘れなど、ついついやってしまいがちなことばかりなので注意が必要です。

前田健さんのケースでも、以前から不整脈などの持病があり、心臓はもともと弱かったようです。

そこに過労、食事などの「きっかけ」が引き金となってしまい、急性心不全を起こしてしまったと推測されています。

心不全は完全に治せるの?

残念ながら、働きが弱くなってしまった心臓の状態が元に戻ることはありません。

完治を目指すのではなく、心臓の弱まった状態でも心不全の症状が悪化しないようにコントロールすることが心不全の治療の考え方となります。

心不全を克服するのではなく、心不全の症状とうまく付き合っていくということです。

お薬は心臓の収縮力を高める強心薬、心臓の負担を減らす利尿剤や血管拡張剤などが処方されます。

お薬を途中でやめると、再発し、さらに症状が進行する危険性があります。

重症になってしまうとお薬ではコントロールできず、開胸手術やカテーテル手術などが必要になる場合もあります。

減薬などについてはお医者さんの指導の下に慎重に行い、継続して飲み続けることが体調を維持するのに重要となります。

心不全で気を付けるべきこと4カ条

病院での治療と並行して、毎日の生活の中で、以下の4点を気を付けましょう。

1.塩分の取り過ぎに気を付けましょう。

体の中に塩分が入り過ぎると、体内に水分が溜まってしまい、心臓に負担がかかり、むくみの原因となります。

2.水分の取り過ぎに気を付けましょう。

塩分と同じく、飲みすぎることでうまく循環ができなくなり、心臓に負担がかかるので、水分コントロールが必要です。

3. 風邪などの感染症に気を付けましょう。

発熱や炎症によって身体の代謝が高まると、心臓には負担となり、急性増悪を起こしやすくなります。

インフルエンザは早めに予防接種で予防し、万一、感染してしまった場合も重症化しないように対策を取りましょう。

4.薬の飲み忘れに気を付けましょう。

具合が良くなって体調が安定すると、お薬を飲むのを忘れてしまいがちです。

ですが、これは治ったのではなく、お薬によって体調コントロールをしているということです。

飲み忘れると再発、悪化の恐れがあります。必ず飲み忘れのないように気を付けましょう。

 

4.必要なのは早期発見・早期治療。気になる症状がある方は一度検査を!!

心臓の症状というと、なかなか自分では判断できず、お医者さんに行くのをためらってしまうかもしれません。

このくらい大丈夫と軽く見てしまっても、気づかぬうちに体の中では少しずつ症状が進行していることがあります。

息切れやむくみなどが続くなど、少しでも気になる症状がある場合、まずは受診してみることが大切です。

何科を受診すればよいの?

心不全の疑いがある症状がある場合、「循環器内科」「心臓血管内科」などの科を受診することになります。

なかには「心不全科」といった専門科を持つ病院もあり、心不全を専門に診察しているところもあります。

総合病院などでは「総合診療科」を置いている病院もあり、まずはそこを受診し、該当の診療科に回してもらうのもスムーズでしょう。

「このくらいの症状で?」といきなり、大病院に行くのに不安がある方は、まずはかかりつけの内科を受診し、相談してみてもよいでしょう。

所見を伺い、必要であれば紹介状などを書いてもらって受診すれば安心です。

どんな検査が必要?

お医者さんによる問診とむくみなどの状態の触診をした後、心不全の疑いがあると判断された場合は心電図・レントゲン・採血を行います。

1.心電図  

不整脈や過去に心筋梗塞をおこしていないか、心臓が肥大していないか調べる検査

2.胸部レントゲン 

心臓や肺を撮影し、心臓が肥大していないか、肺に水が溜まっていないかなどを調べる検査

3.血中BNP測定 

採血し、心不全だと増加する脳性ナトリウム利尿ペプチドと言われるホルモンを図る検査

まずはこの3つの検査を行います。

更に詳しい検査が必要な場合、心臓専門医により、心エコー法、ホルター心電図、MRIなどの検査をすることになります。

 

早期発見、早期治療であれば、日常に支障をきたすことなく、これまで通りの生活を送ることもできる場合もあります。

思い切って一度受診をしてみることをお勧めします。

心不全の検査については、以下の記事で詳しく説明しています。
「心不全かも?」と思ったら。まずは受診!気になる検査の種類、目的は?

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