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2016年6月1日更新

知らぬ間に進行している慢性心不全の怖さとは?体験談・運動療法まとめ

急性心不全とは違う慢性心不全の症状、その怖さとは?体験談まとめ。慢性心不全の改善に推奨されている運動療法・心臓リハビリとは?
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1.心不全は気付かぬ間に始まっている。

心臓は常に休むことなく、身体の隅々に血液を送っています。

心不全はその心臓のポンプ機能が低下してしまう状態。

身体の各臓器に栄養素や血液を送り届けることが出来ず、滞ってしまう(うっ血)ことで、呼吸困難やむくみなど様々な症状となって現れます。

実は心臓にトラブルがおき始めていても、初期では全く症状が出ません。

自覚症状が現れた時には、すでに心不全は進行しているケースもあるのです。

心不全の症状については、以下の記事で詳しく説明しています。

その息切れ、むくみ、動悸は心不全かも!気になる原因、症状、治療法とは?

急性心不全との違いは?慢性心不全の症状

心不全の症状が強く、急激に起きたものが「急性心不全」です。

この場合、命の危険があるため絶対安静で、酸素吸入など一刻を争う治療が必要となります。

それに対して心臓は弱まってはいるが、症状はゆるやかな状態を「慢性心不全」と言います。

普段はお薬を飲むことで症状を抑えることができて、日常レベルの生活を送ることができるタイプの心不全です。

急性心不全の場合、非常に強い症状が突然おきるので、緊急性や危険度が高いのはすぐに分かります。

反対に、慢性心不全の場合は症状が緩やかだから安心して良いのかというと、決してそうではありません。

現れている症状が比較的軽い分、発見や治療の開始が遅れたり、いつの間にか進行してしまうという怖さがあるのです。

2.慢性心不全との診断された時。みんなの体験談

慢性心不全の場合、「なんとなく体の調子が悪い」と感じる程度の症状が続くことが多く、見過ごしてしまいがちです。

また、息苦しい、だるい、咳などは「過労?」「風邪?」と勘違いしてしまうことも。

原因が不明でそれらの症状が長く続く時は一度、心不全を疑ったほうが良いかもしれません。

その症状の裏には少しづつ進行する心不全が隠れていることがあるのです。

(体験談1)3ヵ月前から感じていた異変。その間にも徐々に症状は進行。

最初に異変を感じた事は、汗かきになってしまったと思いながら、力仕事での持久力が無くなってきたことを年齢のせいにしてました。
そう思いながら三ヶ月位で益々息が上がる様になり、同年代の仲間にも付いていけないくらいになる。
日々の変化と共に足の浮腫が出ることが頻繁になってきて、治りも悪くなる。
靴下を履いている所以外の浮腫が凄い事になっていた事を仕事から帰宅して脱ぐ時まで気が付かないでいたので見てビックリ!
指で押すと凹み、そのままの凹んだままで、元になるまでには時間が掛かる。
夜、寝てる時に息が詰まる、呼吸の仕方が勝手に早くなっている事に驚いて起きる。
過呼吸と思って落ち着きながら息をゆっくり吸い落ち着きをとり戻してた。
その事が段々と頻繁になり、一晩で三回から五回もなり、怖くて寝れない。
死んでしまうかと何度も息が吸えない時が有ったからだ。

息の上がりが早すぎて仕事にならない。
持久力の減少
深夜の詰まる息で起きる。
息を吐いているのに後から吐き足すみたいな…喘息の息苦しいみたいな…左右の同時呼吸ではない、ズレがでている感じがする。
アパートの階段を二階に上がるだけで全速力で走った位の息切れをするほど疲れてしまう。
それでも私は病気とは思いもせずに調子が悪いだけにしか思わないのでした。

(引用元)体力の低下、足のむくみ..自分はならないと思っていた心不全!

(体験談2)咳の始まりは4、5年前。救急搬送され心不全が判明。

4、5年前から喘息のような咳が出ていて中央区内の病院で風邪等の診断しか出てなくて
2年前ぐらいに深夜に咳き込みなかなか止まらないので
嫁が喘息用の吸込み薬を渡し吸ったけど更に酷くなる一方で
救急車呼んだが明け方で受け入れ先が市内になく
急遽隣市の四街道市の徳洲会四街道病院で診てもらえる事に

呼吸音と色々な検査で心不全の診断で緊急入院に
1日目から絶食と鼻からの酸素吸入でとりあえずは容態が落ち着くまでは
点滴と尿道からカテーテルで排尿することに

原因は水分の取りすぎで肺に水が溜まり呼吸音(ラ音)が変わっていたので
身体の水抜きをして状況をよい状態にすることが治療方針でした
それと心臓のほうは送り出し側のポンプが若干弱っているとのことでした

(引用元)数年間続いた喘息のような咳。救急搬送先で心不全が見つかる。

上記のお二人の方にも、かなり前から「むくみ」や「息苦しい」などの心不全の典型的な症状が現れていました。

その頃からすでに慢性的な心不全は始まっていて、じわじわ進行し、これらの症状が引き起こされていたものと思われます。

ご本人たちも体調の異変には気づいていたものの、忙しさや年齢のせいと思い込んで、受診が遅れた結果、症状の悪化につながってしまったのです。

心臓病、貧血、バセドウ病など。持病のある場合は要注意!

慢性心不全は、心筋梗塞、高血圧、不整脈、弁膜症、心筋炎などの心臓の病気があると発症のリスクが高まります。

これらの病気のために心臓が弱っているからです。

貧血や甲状腺機能亢進症(バセドウ病:甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう)などの心臓以外の病気でも発症する場合があります。

また、これまで持病がなくても、体調不良が続き、受診して初めて病気が判明した時、併発している心不全も発見されるというケースも多いようです。

(体験談3)重度の貧血で受診。心不全を併発していた!

私の場合、ヘモグロビン値6以下の数値が入院、とされる中、実に最低時で<2.9>まで下降しました。ほとんど無い状態です。階段や坂が目の前に現れたときは、恐怖です。電車に乗って手摺か吊革に掴まり立つことも出来ません。それどころか、ホームに行くまでにエレベーターを使ってでも、困難なのですから。

貧血の怖いところは、1度なると、〝癖になる″ということです。
心臓への負担も馬鹿になりません。私は、併発して心不全を起こしましたが、ポンプの役割をする心臓が、血液を無理矢理循環させようと、がんばり過ぎてしまうためなんですって。

貧血は、周りと自分の、自覚の低さが更なる悪化を招き、致死に至る可能性のある、侮れない身の周りの病気の1つであり、それも女性に多くみられる疾病の典型的なケースといえます。

(引用元)1度なると〝癖になる″貧血。あなどれない目まい、立ちくらみ。

(体験談4)バセドウ病(甲状腺機能亢進症)を発症。息苦しさ、むくみの自覚症状は心不全の併発によるものだった。

歩くと脈が跳ね上がって心臓が苦しい。手のひらに汗疹ができて皮膚科通い、異常な発汗、暖房が気持ち悪い、常に空腹で過食の日が続きました。でも体重は減っていき、冬服を着ていても40キロを切りました。
心不全を起こしていたのでしょう、足がむくんでいました。細くなった足ですが脛を指で押すとボッコリと跡が残るのです。

下痢はますますひどくなり、飲むとつうつうですが常にのどが渇いていました。手を拭いた直後でも水で濡らしたような発汗。ついに下痢でかかってた病院に「脈がずっと早いんですけど」とつぶやいてみました。医師は慌てて採血をしました。そうしたら甲状腺機能亢進症でした。

(引用元)下痢が続き、発汗、頻脈も。甲状腺機能亢進症発症から治癒まで。

慢性から急性へ!?慢性心不全の急性増悪の恐ろしさ

慢性心不全は、症状が緩やかな状態に保たれていますが、時として急激に悪化することがあります。

これを慢性心不全の急性増悪(きゅうせいぞうあく)といい、急性心不全の一種と考えられています。

これまで安定した状態であっても、過労や感染症、悪い生活習慣などがきっかけとなって悪化し、強い症状(急性心不全)となって現れるのです。

これを繰り返すと症状はどんどん進行する危険性があります。

(体験談5)腎臓結石の治療中、体調は悪化していくばかり。急性心不全をおこしていた!

5月に入ってから息切れや倦怠感、血尿、食欲不振、また、顔のむくみ、後には下半身のむくみ(むくみで体重が5キロ増)と、体調不良は悪化していくばかりでした。

1件目の病院では腎臓結石が見つかった為に、体調不良は、腎臓結石によるものと診断され、帰宅。

体調不良は悪化していくばかりの為、病院を変え、2件目の病院に行きました。病院到着が受付け終了の15分前にも関わらずに、血液、心電図、レントゲン、検尿、などの検査をしてもらい診断結果は急性心不全。医者からの説明は命に関わる為、今、すぐに専門医のいる総合病院へ行きなさいとの事で、すでに連絡をとりはじめていました。命に関わると医者の強い言葉で、総合病院へ行く事を決心し、一度帰宅し、運転はしないようにとの事だったのでタクシーを呼んで総合病院へ。

会社の健康診断で高血圧と心電図の要検査を無視し続けてた不摂生な生活が原因のようです。

自分が言うのもなんですが、体調不良で息切れ、体重変動か著しいむくみを自覚したらすぐに病院へ行くべきです。

(引用元)息切れあり、むくみで体重が5キロ増。原因は急性心不全でした。

この方も腎臓結石と診断される前から息切れやむくみなどは自覚されていました。

やはりすでに慢性的な心不全をおこしている状態だったと思われます。

過労やストレスなど何かがきっかけとなってしまい、急性増悪をおこした結果、急性心不全へと進行してしまったのです。

3.適度な運動でリスクを減らす!「慢性心不全治療ガイドライン」推奨の心臓リハビリとは?

意外!?弱った心臓で運動はOK?

慢性心不全の治療法は、お薬による治療が基本ですが、日本循環器学会の定めた「慢性心不全治療ガイドライン」では運動療法も効果があると推奨されています。

ガイドラインの中では慢性心不全の方が、適正な運動療法を続けると、息切れなどの心不全症状が軽くなったり、悪化による再入院のリスクを減らすことが出来るといわれています。

息切れや動悸を感じるしくみとは?

心不全になると運動能力が落ちるので、速足で歩いたり、坂道や階段を登ると息切れしたり、呼吸困難になります。

意外かもしれませんが、これは心臓が弱って心臓の収縮力が落ちているからではありません。

運動能力(最高酸素摂取量:体に酸素を取り込む力)に関係しているのは、心臓の収縮力ではなく、骨格筋(手足の筋肉)の筋力や筋肉量です。

骨格筋の筋力や筋肉量が減ることで、運動した時に疲労物質が溜まりやすくなり、神経によって伝達されることによって、息苦しさなどを感じるようになっているのです。

過度な安静は逆効果!

心不全になると安静が大事と思いがちですが、長期間の安静は、逆に以下の4つの弊害(デコンディショニング)を生んでしまうこともあります。

・筋肉や筋力が落ちる(サルコペニア)

・肺活量が低下する

・起立性低血圧(立ちくらみ・ふらつき)の発症

・骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)の発症

適度な運動を行うことで、これらを防止することが出来るといわれています。

運動療法「心臓リハビリ」とは?方法・効果について

医療スタッフの監視のもとに、心電図モニターを見ながら運動を行い、併せて食事などの生活指導も受けるリハビリを、「心臓リハビリ」といいます。

このリハビリを行うことで、以下のような効果が期待できます。

1.運動能力が高くなり、息切れなどの心不全の症状が軽くなる。

2.不安やうつ状態が改善される。自信が持て、気分が良くなる。(QOL:Quality of Lifeの向上)

3.動脈硬化の原因となる冠危険因子(糖尿病、肥満、高血圧、脂質異常症)が良くなる。

4.血管や自律神経の働きが良くなり、BNP(心臓に負担がかかると増えるホルモン)が低下する。

5.心不全悪化による再入院率や死亡のリスクが減る。

どのくらいの強度の運動が必要?行う時間は?

やみくもに激しい運動を行うのは、もちろん心臓に負担がかかり、良くありません。

・早足ウォーキングや自転車こぎ(有酸素運動)

・体操(ストレッチ)

・低レジスタンストレーニング(軽い筋トレ)

これらを週に3~7回、30分~1時間程度、軽く汗ばむ程度で行うのが良いとされています。

まずは、ごく軽い運動から始め、ゆっくりと進めていきます。

適正な心拍数や運動の強度は、その人その人の体力や状態によって異なります。

必ず認定資格を持つ医師やトレーナーの指導のもとで行い、その運動が適正であるか定期的にチェックを受けることが大事です。

禁忌もある!やってはいけない人は?心臓リハビリの注意点。

過去一週間以内に呼吸困難などの心不全の自覚症状が強くなり、増悪の恐れがある時は、心臓リハビリは行えません。

また、リハビリ開始後も、明らかに前の週よりも「息切れが悪化している」、「体重が2kg以上増えた」「足にむくみが出た」ような場合は、心不全が悪化している恐れがあります。

この場合、リハビリを一旦中止し、すぐに担当のお医者さんに相談しなければなりません。

自己流は危険ですので、必ず心臓リハビリの認定を受けた病院で、専門家の正しい指導のもとに行うようにしましょう。

それぞれの都道府県に心臓リハビリの資格を持つ心臓専門病院があります。

実施している病院は、日本心臓リハビリテーション学会のホームページで探すことが出来ます。

全国の心臓リハビリテーションが受けられる施設

命を守る、たった一つの大切な心臓のために。

たった一つのかけがえのない自分の心臓です。

いつまでも元気な状態でいられるように大切に扱ってあげましょう。

乱れた食生活、肥満、喫煙など生活スタイルに問題がある場合、まずはそれを直すことが重要です。

さらに運動療法を投薬療法や食事療法などと組み合わせて行い、今より状態を悪化させないようにしましょう。

そして、今回、体験談をお寄せいただいた方のほとんどが、身体に何か異変を感じたら、すぐに病院を受診をするべきとおっしゃっています。

原因不明の症状が長引いたり、いつもと何か違うなと感じたら、躊躇せず、早めに病院を受診しましょう。

その判断が、明日の貴方の命を守ることになるのかもしれません。

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