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2016年6月2日更新

指で押すと跡がくっきり!心不全による浮腫(むくみ)の原因、治療方法は?

心不全での浮腫は、左右差がなく、指で押すとあとが残る。その原因は、心臓の右ポンプ機能が低下(右心不全)しているため。治療には利尿剤の投薬や水分制限が必要となることがある。
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1.よく観察したい!”指で押したら跡が残る浮腫(むくみ)”は、心不全の初期症状の可能性あり。

気になる、心不全の浮腫(心性浮腫)の症状とは?

<チェック!心不全の場合に起こる浮腫の特徴とは?>

  1. 体位により浮腫が出る場所が変わり、全身(特に足・手・顔などの末梢)に現れる。
    →重力の関係で、最初に””に浮腫が起こり、寝たきりの人の場合には、寝ていて下になる背中に浮腫が起こる。
  2. 夕方~夜間にかけて、浮腫症状が強く出ることが多い。
  3. 指で足のすねを押すと、指の跡が残る
  4. 息苦しさ(呼吸困難)や全身倦怠感も伴っている。
  5. 短期間で体重が増加している。
  6. 左右差はなく、両足同じように浮腫が出る。
    →利き足かどうかで1cm程度の誤差がある場合がありますが、一般的には同じ様に浮腫が出ます。

(参考)心不全の初発症状|公益財団法人 日本心臓財団
こちらのページでは、心不全の多彩な症状について、解説されています。
(参考)

心臓と浮腫の深い関係。心臓のポンプ機能低下で起こる”心性浮腫”。

体の各臓器に充分な酸素栄養が行き渡ることで、人間は生きていられます。
そして、酸素と栄養は「血液」によって運搬され、その血液を循環させてポンプのような機能をしているのが「心臓」です。

心臓のポンプ機能は左右に分かれ、2つの重要な働きを担っています。

  • 左のポンプ(左心系)
    →肺から酸素を含んだ赤い血液(動脈血)を全身に送り出す役割
  • 右のポンプ(右心系)
    →体中を巡って戻ってきた黒ずんだ血液(静脈血)を受け取る役割

心不全とは、①この心臓のポンプ機能が低下して、②全身の臓器に充分な血流量を送り出すことができなくなり、血液が滞った状態(うっ血)となることで、③体の様々な部分に負担がかかり、浮腫(むくみ)などの症状が現れることを言います。
また、左のポンプ機能が壊れた場合を”左心不全”、右のポンプ機能が壊れた場合を”右心不全”と呼びます。

なお、右心不全は左心不全に続いて発症することが多いため(右心系のみが原因で発症する場合は、右室梗塞などごくわずか。)息苦しさなどの症状も併発していることが多くなります。

このような心臓の病気が原因で起こる浮腫(むくみ)は、”心性浮腫(しんせいふしゅ)”と呼ばれます。

(参考)循環器病あれこれ 心不全|国立循環器病研究センター
こちらのページでは、心臓の働きのしくみや心不全の症状についても解説されています。

2.心不全で浮腫が起こる原因メカニズムは?

心臓の右ポンプ機能が壊れると、”浮腫(むくみ)”が出る。

血液は、肺→心臓の左心系(左ポンプ)→動脈によって全身へ巡る→静脈によって右心系(右ポンプ)→再び肺へと循環しています。

体中を巡った血液が、右ポンプの故障できちんと肺へ送り出せない場合には、全身に循環する血液量も減ってしまいます。
そうなると、心臓(右ポンプ)に戻ってくるはずの静脈血が戻れず滞り、血液の流れる圧力つまり血管内圧(静脈圧)が上昇します。
そんな状態で水分が増加すると、毛細血管の水圧=静水圧(せいすいあつ)も上昇してしまうことで、水分が組織に漏れてしまい、重力の関係もあり末梢の足などに”あとが残るような強い浮腫”が出ます。

(参考)むくみ(浮腫)の原因|大阪府立急性期・総合医療センター 腎臓・高血圧内科
こちらのページでは、浮腫が起こる原因について解説されています。

(体験談)3か月後には、指で押すと凹んだまま。元になるまでには時間が掛かる

日々の変化と共に足の浮腫が出ることが頻繁になってきて、治りも悪くなる。
靴下を履いている所以外の浮腫が凄い事になっていた事を仕事から帰宅して脱ぐ時まで気が付かないでいたので見てビックリ!
指で押すと凹み、そのままの凹んだままで、元になるまでには時間が掛かる。

(引用元)体力の低下、足のむくみ..自分はならないと思っていた心不全!

3.心臓への負担軽減がポイント。心不全が原因の浮腫への対処法とは?

心臓への負担を改善!「利尿剤」の凄い力

心性浮腫のようにむくみが出ると、腎臓がホルモンなどの働きによって水分とナトリウムの排泄を少なく調節しようとするため、尿の量が減ってしまうことがあります。その結果、より浮腫(むくみ)がひどくなることがあります。

そのため、薬物療法「利尿剤」(ループ利尿剤など)が処方されることが多いです。

利尿剤は、体内の循環血流量を減らす働きをするので、オーバーフロー気味の心臓への負担を減らしてくれます。
また、血液の滞り(うっ血)を防ぐことになるので、血管外に漏れる水分も減って、浮腫が改善してきます。

(参考)心不全|慶応義塾大学病院 KOMPAS
こちらのページでは、アンギオテンシン変換酵素阻害薬など利尿剤以外の薬物療法についても、解説されています。

水分を取る=血液の増加。心不全の予防にも水分制限が必要なワケ

水分制限は心不全の患者全てに行われるワケではなく、心不全の重症度・年齢などによって異なります。
しかし、心不全予防の観点からみてもある程度、水分制限(調整)をした方がよいと言われています。

水分を取るということは、一時的としても血液量が増えるということです。
それは、血液を循環させるためにより心臓ポンプが頑張らなければならず、心臓への負担が増すこととなります。

心不全を悪化させないためにも”1日 1000mL~1200mL程度”に水分制限することがが望ましいと言われています。
特に、浮腫がひどい重症例では、1日 500mLに制限する場合もあるようです。

疲労困憊の心臓には、水が毒にもなり得えてしまいます。

ほんの少しの追加負担で心臓がダウンしてしまう可能性があるのです。

かかりつけの医師の指導の下、水分制限の指示があった場合には、必ず守るようにしましょう。

(参考)心不全の予防|けやき坂クリニック
こちらのページでは、水分制限および体内から余分な水分がなくなった状態の体重(ドライウェイト)についても解説されています。

「足浴」でリラックス。足の浮腫&心臓の負担軽減も。

慢性心不全患者の症状軽減およびリハビリのために、「足浴」を行うことがあります。

足浴はあくまでも対処療法です。心不全そのものを治すものではありません。

<足浴の目的>

  1. 温浴のリラックス効果によって、副交感神経が優位なることで、心臓の負担が軽減できることがあります。
  2. 足浴によって末梢の血管を拡張させ、血行を促進することにより、利尿を促すことができるため、心臓への負荷が軽減し、浮腫が改善されることがあります。

<足浴を行う際の注意点>

  • 心臓に負担をかけないように端座位(たんざい)で行う。
    ※(端座位)ベッドの端に腰をかけ、足を下ろした体位
  • 足浴中は、呼吸状態や表情を観察して行う。
    →血行が良くなりすぎると、排泄が促進されすぎて、低血圧になる可能性もある。また利尿剤を併用している場合には、特に要注意。
  • 踵に褥瘡(床ずれ)がある場合、感染症のリスクに注意。

(参考)呼吸器疾患患者における足浴の効果|高山赤十字病院紀要 第37号
こちらのページでは、実際に足浴を行った際の血圧の変化グラフなど解説されています。
(参考)フットケアの基本技術 足浴|いまさら聞けない 看護技術
こちらのページでは、足浴のやり方や効果について、解説されています。

4.生活習慣の少しの見直しで、心臓にやさしい生活を!

水分摂取の管理や減塩生活など食事療法で生活習慣を見直し、”心臓にやさしい”生活を心がけましょう。

心不全の早期発見・早期治療を行うためにも、ご自身の足の浮腫(むくみ)をチェックし、日ごろからよく観察することが大切です。

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