ドラえもん声優・大山のぶ代さんも!女性に多いアルツハイマー型認知症とは?
1.認知症の中でも6割を占めるアルツハイマー病
そもそも認知症って何だろう?
「認知症=アルツハイマー病」と思っている方も多いのではないでしょうか?
実は認知症というのは病気ではなく症状の集まった状態「症候群(しょうこうぐん)」のこと。
同じように記憶障害による「物忘れ」が起きる症状でも、その原因や病気は多岐にわたります。
アルツハイマー病はその認知症の中の1つで、患者数は最も多く、全体の6割以上を占めています。
認知症とは「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」をいいます。
女優、大山のぶ代さんも発症!どうして女性の発症率が高いのか?
近年その患者数はますます増加しているアルツハイマー型認知症。
患者さんは主に60歳以上の高齢者で、特に女性に多く見られ、発症率は男性1に対し、女性は1.5~1.8と女性が倍近く高くなっています。
なぜ女性に多いのかは正確には解明されていませんが、閉経によるホルモンの急激な低下、特殊な遺伝子によるものなど、さまざまな説があり、そもそも女性の平均寿命が長いことも、患者数の増加に関係していると思われます。
2015年には、日本の国民的アニメ「ドラえもん」の声を1979年4月から2005年3月まで26年間も担当された大山のぶ代さんもアルツハイマー病を患っていることを公表されました。
とてもしっかり者でお元気なイメージの大山さんですが、2012年秋にアルツハイマー型認知症と診断されました。
発症後から懸命に大山さんの介護をなさってきた、夫・砂川啓介さん(NHK『おかあさんといっしょ』の初代たいそうのおにいさん)は、「ほんの2分前のことも忘れてしまったり、通常の会話が成り立たない」、「ご自身がドラえもんの声をなさっていたことも忘れてしまっているようだ」と大山さんの病状についてお話されています。
発症当初は以前とはすっかり変わってしまった妻の現実を受け入れられず、誰にも話せなかった砂川さんですが、今回、公表したことで精神的に楽になったとおっしゃっています。
認知症はご本人だけでなく周りで見守るご家族の心労も相当なもの。
1人で抱え込むにはあまりに重たすぎます。病気を公表したことで、砂川さんがお元気になられると、大山さんにも笑顔が見られるようになったそうです。
大山さんの日々の介護については、砂川さんが本を出版されています。
興味を持たれた方はぜひこちらも読んでみて下さい。
娘になった妻、のぶ代へ 大山のぶ代「認知症」介護日記(砂川啓介著)
2.アルツハイマー病の原因は?徐々に現れる認知症特有の症状とは。
アルツハイマー病の発症原因は未だ不明。
誰にでも発症の可能性はあるアルツハイマー型認知症。
その発症のメカニズムは正確にはまだ解明されていませんが、生活習慣や環境、遺伝などのさまざまな要因が重なり合うことで発症すると言われています。
アミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が脳内に溜まることで神経細胞が破壊され、記憶などの認知機能に障害が起こると考えられています。
症状が進行すると次第に脳全体も萎縮し、徐々に運動などの身体機能も失われていきます。
(参考)みんなのメンタルヘルス 認知症
※こちらの厚生労働省のサイトでは認知症の原因、症状、治療などについてわかりやすくまとめられています。
アルツハイマー病を発症するとこんな症状が現れる!
アルツハイマー病になると以下のような特徴的な症状が現れ、数年にわたって徐々に進行していきます。
◆記憶障害
最も代表的な症状が「物忘れ」です。
例えば、食べた食事内容を忘れるのではなく、食事とったという記憶そのものを忘れてしまうという具合に、体験した内容を忘れるのではなく、体験した事そのものを忘れてしまうという特徴があります。
◆判断能力の衰え
また、判断力も徐々に低下し、的確に物事を考える力が衰えていきます。
料理の際に味付けの調味料の量が分からなくなったり、手順が分からなくなり、料理自体が出来なくなっていきます。
季節に合った服装を選ぶというようなことが出来ず、季節感のない服装をしたりすることもあります。
◆見当識障害(けんとうしきしょうがい)
日付が分からなくなる、時間が読めなくなるといった日常生活における基本的な認識が出来なくなります。
自分のいる場所が分からず迷子になったり、慣れているはずの家の中でも迷うなどの症状が現れます。
上記の3つの症状以外にも、進行に伴い、外をうろうろと歩き回る「徘徊」や財布などを置いた場所を忘れてしまい、誰かにとられたと責めるような「妄想」などの問題行動も現れ始めます。次第に家族や自分の顔を忘れてしまうこともあり、家族の方々は対応に多大な苦労を強いられることになります。
【体験談】少しずつ見え始めた認知症の兆候。一年後には家族のことも分からなく…。
同居していた80代の祖母が、数年前から認知症になりました。
最初は、物忘れかなあ、どうしたのかなあ、という程度で、同居している家族も、「おばあちゃん、どうしちゃったんだろうねえ」とのんきな感じで、過ごしていました。
少しずつ、あれ?おかしいな、と感じるようになったのは、祖母が自分の娘の名前をすぐに思い出せなくなったり、ご飯を食べたか忘れてしまったり、物がなくなったと、騒いだりし始めたときです。
いつも通っている自宅近くの内科の先生に診てもらい、認知症が始まってるようですね、との診断を受けました。
認知症には、今のところ、治療方法がないということでしたが、進行を遅くする漢方薬を処方されました。
飲み続けると、少しましかな、という程度で、徐々に、でも明らかに、祖母の症状は進んでいきました。
一年後には、同居している孫の名前は全く忘れてしまいました。たぶん、家族ということも、よくわかっていなかったと思います。いらっしゃいと、ニコニコしながら、言っていました。
さらに、数年後には、ご飯の食べ方がわからなくなり、家の中で迷子になり、トイレの場所を何回も聞いてきたり、歯ブラシを渡しても、どのように使うものなのか、わからず、きょとんとしていました。
最後は、トイレも自力ではできず、オムツになりましたが、ご飯を食べさせたり、家族みなで介護し、いつも通り、自宅で夜眠り、そのまま明け方に亡くなりました。
大山のぶ代さんのケースと同じく、体験談の方もはじめはちょっとした物忘れ症状から徐々に認知症の症状が進行していきました。
最期を看取るまで何年にもわたる介護は、周囲で見守るご家族も日々大変なご苦労だったと思われます。
これからますます高齢化が進む日本では、2025年には認知症患者が700万人を超えるという厚生労働省のデータもあります。
これは65歳以上の5人に1人という高い割合で、すでに老老介護など社会問題になりつつあり、厚生労働省では早急に認知症対策のための国家戦略を策定すると発表しています。
いつ、自分や大切なご家族の身に降りかかるかわからないアルツハイマー病。
残念ながら認知症を完全に治す「ひみつ道具」は開発されていませんが、社会の中で認知症の患者さんやその家族の方々が孤独になることなく、少しでも住みやすい世の中になっていることが強く願われます。
自分には関係ないと思わずに、国や身の回りの地域など社会のこれからの取り組みを注意深く見守っていかなければなりません。
(参考)認知症ねっと 認知症とは?
※こちらのサイトでは認知症のさまざまな情報が詳しく掲載されています。
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