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2016年6月16日更新

高熱・口内炎・辛い喉の痛みが主な症状!乳幼児に多いヘルパンギーナとは?

三大夏風邪の1つのヘルパンギーナ。ウイルスによる高熱、口内炎、のどの痛み。子供だけでなく大人もかかる可能性が!よく似た手足口病との違いとは?
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1. 始まりは突然の発熱だった!急性ウイルス性咽頭炎ヘルパンギーナとは?

さっきまで元気だった子供がいきなりぐったり。

熱を測ってみると「38℃」を軽く超えていてびっくり……。

小さいお子さんを持つお母さんならば、一度はこのような経験があるのではないでしょうか?

(体験談)朝起きたらぐったり。いつもの熱とは違うと思い受診!

朝、起きてすぐに、こどもの姿を見ると、非常にぐったりとしていました。
食欲は全くなく朝食も食べられませんでした。
夏なのに、飲み物も全く飲みません。

こどもは、「のどがいたいよー。」と、涙ながらに訴えていました。
熱を測ってみたら、38度以上もありました。

これは、ちょっといつもの発熱とは違う!と思いまして、
すぐに近所の耳鼻科を受診しました。
口を開けて、のどを見てすぐに、
「ヘルパンギーナですね」と、医師から言われました。

(引用)子供がヘルパンギーナに。喉の痛みと発熱で食事が辛い。

6月~8月のこの時期、小さい子供の間で毎年流行るのが「ヘルパンギーナ(急性ウイルス性咽頭炎)」です。

「ヘルパンギーナ」は「手足口病」「プール熱」と並んで三大夏風邪の一つと言われています。

いきなり高い熱が出た後、口の中に水疱ができ、喉の痛みを引き起こす病気です。

原因となるウイルスは強力な感染力を持つ、エンテロウイルス属のコクサッキーウイルスです。

エンテロとは「腸管」という意味で、口腔内や腸管内で増えるウイルスです。

エンテロウイルスにはたくさんの型があり、その中でも主にコクサッキーウイルスA群、B群、エコーウイルスといわれる型に感染すると「ヘルパンギーナ」を発症します。

夏風邪(ヘルパンギーナ)はなぜ毎年流行るの?

原因となるウイルスは一年中いるのに、なぜ毎年夏のこの時期に流行るのでしょうか?

夏は暑さなどで寝不足になるなど体力を消耗しやすく、意外に疲労がたまっていることが多いのです。

また、食欲も落ちることもあるので、身体の抵抗力が弱まって、ウイルスに感染しやすい状態になっています。

ウイルスは手などの接触や咳やつばなどの飛沫で感染します。

保育園や学校では大勢の子供たちが集団で生活しているので、1人でも感染者が出ると、一緒に遊んだりしているうちに(濃厚接触)一気に広まってしまい、大流行になるのです。

1歳~5歳児の乳幼児が高い!ヘルパンギーナの発症率

ヘルパンギーナの発症は乳幼児に特に多いと言われています。

これまでの統計では1歳児の発症が一番多く、5歳までが全体の患者数の90%を占めています。

これは、小さい赤ちゃんはウイルスへの抵抗力がないということと、集団生活の中でよだれなどのついたおもちゃを共用したりすることが大きな原因です。

(参考)国立感染症研究所 ヘルパンギーナとは
(参考)潜伏期間ナビ ヘルパンギーナ
※ヘルパンギーナの潜伏期間や感染経路、症状などについて詳しい情報を見ることが出来ます。

2. 発熱、口内炎、強烈なのどの痛み。ヘルパンギーナの辛い症状とは?

ヘルパンギーナの特徴的な症状は「発熱」「口内炎」「喉の痛み」の3つです。

突然38℃~40℃くらいの高熱がでて、1~3日続きます。

熱が出た後しばらくすると、口の中に口内炎や水疱(水ぶくれ)が口蓋垂(こうがいすい:のどちんこ)の周りを中心に現れます。

水疱の数は2~3個の場合もあれば、無数に出る場合もあり、大きさも1~2mmのものから5mmと大きめのものが出る場合もあります。

この水疱には痛みがあり、2~3日で表面が破れますが、あとにできたただれが1週間程度残ります。

喉(咽頭)も赤く腫れ、ひどい痛みを引き起こします。

症状のピーク時は、食事をとる事が出来なかったり、水を飲むことが出来なくなることもあります。

発症までの潜伏期間はどれくらい?

突然の発熱でヘルパンギーナに感染したことに気付きますが、その時は感染からすでに2~5日程度経っていて、潜伏期間を経てから症状が現れたことになります。

発症前の潜伏期間であっても感染力があり、予防のためのワクチンもないので、防ぎようがないのが怖いところです。

一度、発症すると、終生免疫(一生続く免疫のこと)ができますが、ヘルパンギーナには複数のウイルスの型があるので、別の型のウイルスに感染した場合は、再度発症します。

ヘルパンギーナの診察では検査はしない?口内の水泡や発熱など症状から診断

ヘルパンギーナの診断を下すにあたっては、特別な検査を行うことはまずありません。

季節や流行の状況、現れている症状から判定する「臨床診断」がほとんどです。

受診時にお医者さんは検温や口の中を調べ、「熱は何度くらいか?」「口腔内に水疱ができているか?」「喉が腫れているか?」などの状態を診ます。

「発熱」「口内炎」「喉の痛み」のヘルパンギーナの特徴的な3つの症状があるかを確認するためです。

また、それに併せて、通っている保育園や幼稚園で現在ヘルパンギーナが流行っているか、家族や周囲の人で感染者が出ていないかの状況も確認し、これらに当てはまる場合はヘルパンギーナとの診断が下されることになります。

いきなり上がる熱で「熱性けいれん」の危険性も。

ヘルパンギーナにかかると、高熱が何の前触れもなく出るので、小さな赤ちゃんの場合、脳が対応しきれず「熱性けいれん」を起こす場合があります。

(体験談)1歳児がヘルパンギーナに。高熱により突然始まった痙攣!

夕方になると熱はどんどん高くなり40度になりました。
以前小児科でもらっていた解熱の座薬を入れても、すぐには熱は下がりません。
小児科ももうやっていない時間でしたが心配で、東京消防庁の救急相談センター#7119へ相談。
「熱が下がらないようだったら夜間病院を受診を。痙攣したら救急車を」との話を聞き電話を切った直後、娘が痙攣し始めました。
泡を吹き、目はあちこちを向いて唇はみるみる紫色になっていきます。

「痙攣したら開始と終わりの時間を計る」と事前に知っていたので、その様子を確認しながら時計をみつつ、同時に119番にかけました。
上記の様子を話し痙攣時間は1分程度と話すと、すぐに救急車が自宅まで来てくれました。

(引用)1歳の娘がヘルパンギーナで初痙攣。救急車で搬送され・・・。

熱性けいれんは生後6カ月~6歳くらいまでの子供におきる事が多く、38℃以上の高い熱が出た時に、「意識がなくなる」「全身が震える」「硬直する」などの症状が現れます。

時間にして5分くらいで治まることが多いのですが、あまりにも突然のことでお母さんはパニックになってしまうことも。

まずは落ち着いて、赤ちゃんが呼吸がしやすいように、横向きに寝かせてあげましょう。

この時、吐いたものが、気道に詰まってしまわないように注意が必要です。

そして、どこの部位からけいれんが始まって、どのように広がったか、けいれんを起こしていた時間はどれくらいだったかなどを確認し、細かくお医者さんに伝えられるようにすることが重要です。

ヘルパンギーナは大人も発症する。その症状は子供よりも重くなる!?

ヘルパンギーナは子供に多い病気だから大人はかからないという訳ではありません。

ストレスや睡眠不足などで、体の抵抗力が落ちていると発症する場合があります。

特に多いのは、お子さんがヘルパンギーナに感染し、看病をするうちに、ウイルスに感染してしまうというケースです。

看病の疲れやストレス、睡眠不足が重なって免疫力が低くなっているためです。

大人は小さな子供に比べてウイルスへの抵抗力や体力はあるのですが、発症すると、子供よりも症状が重たくなる傾向があります。

39℃を超える高熱が続く、強い倦怠感や関節の痛みが伴う場合もあります。

数日で回復しますが、高熱で症状のひどい間は、仕事などはお休みし、安静に過ごしましょう。

もし子供が発症して看病をしている時でも、マスクなどで感染予防し、自分の体調管理もしっかりすることが大切です。

(体験談)大人のヘルパンギーナ。のどの痛みより辛かった足の関節痛

診察の結果、ヘルパンギーナという事で痛み止めの入った点滴をして帰宅しました。

喉の痛みは日に日に和らぎましたが、大変なのはここからでした。
熱があるときになんとなく足も痛いなあ、と思ってたのですが、こちらは日に日に痛くなる。
まさに筋肉痛をひどくしたような痛みなのですが、歩けなくなってトイレにもハイハイで行く状態に。
仕事も2週間休みました。
風邪の時にウイルスがいろんな場所で戦って炎症を起こすそうです。

(引用)発熱や喉の痛みより辛かった、ヘルパンギーナによる足の痛み。

乳幼児の場合、まれに重篤な合併症が起きることも。

通常だと2~3日で下がる熱ですが、なかなか下がらないときは、以下のような合併症を起こしている場合があります。

・無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん) ウイルス感染が脳と脊髄を包む髄膜にまで広がってしまう。

・心筋炎(しんきんえん) ウイルス感染が原因で心臓の筋肉に炎症をおきてしまう。

これらの合併症がおこってしまうと、入院治療が必要となります。

特に小さな赤ちゃんは急変しやすいので、周りの家族が熱や体調の変化に注意をしてあげましょう。

(参考)国立感染症研究所 ヘルパンギーナとは
(参考)潜伏期間ナビ ヘルパンギーナ

3. ヘルパンギーナにかかってしまったら。どんな治療を行うの?

ヘルパンギーナの治療は対症療法がメイン

ウイルスに対する特効薬はないので治療は対症療法を行います。

熱やのどの痛みにはアセトアミノフェンが主成分の解熱鎮痛剤であるカロナールアンヒバ(坐薬)ロキソニン(大人のみ)などが処方されます。

口内炎には直接患部に塗って痛みを和らげる軟膏のケナログなどが処方されます。

その他、高熱で水分補給が難しい場合は水分補給の点滴を行う場合もあります。

食事は無理に取らなくても大丈夫。水分補給はしっかりと!

口の中にたくさんの水疱ができ、喉も腫れるので、食事をとるのが難しい場合もあります。

症状がひどい時は無理して食べなくても大丈夫です。

プリン、ゼリー、アイスクリームなど冷たいものは食べやすいので、少しずつ摂ると良いでしょう。

酸味のあるフルーツジュースなどは口内炎が染みるので避けましょう。

脱水を避けるために、水分補給はしっかりと行う必要があります。

イオン飲料経口補水液、などは効率よく吸収されるのでお勧めです。

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熱が高い時は首の後ろやわきなどのリンパ腺をタオルを巻いた保冷材などで冷やすと、効果的に熱を下げることが出来ます。

睡眠をしっかりとり、安静にして体力を回復させ、体内からウイルスが出ていくのを待ちましょう。

ヘルパンギーナは手足口病と症状が似ている!併発することはあるの?

同じコクサッキーウイルスが原因の夏風邪である「手足口病」はヘルパンギーナととても症状が似ていて、診断が難しい場合があります。

手足口病も、ヘルパンギーナと同じように突然の発熱で始まり、喉の痛みや口の中にたくさんの水疱ができます。

便などから検査で直接ウイルスを取り出し、型を特定することはできますが、あまり一般的ではありません。

お医者さんも症状から見分ける場合がほとんどで、診断基準として以下のようなものがあります。

1. 熱の高さ

プール熱よりヘルパンギーナのほうが、より高熱になる場合が多いです。

プール熱の場合は37℃~38℃程度ですが(軽症だと熱が出ない場合も)、ヘルパンギーナは39℃~40℃くらいとさらに高い熱が出ます。

2. 水疱の現れる場所

ヘルパンギーナの場合は口の中に水疱ができますが、プール熱の場合は、口の中の他に手や足にも水疱がでます。

この2点がヘルパンギーナと手足口病の違いですが、治療法はどちらも同じ対症療法を行います。

見た目の水疱は手足口病のほうが激しく出ますが、ヘルパンギーナのほうがより辛い感染症と言えるでしょう。

保育園などで両方流行っているような時は、治ったと思ったらまた症状が出ることも。

すでに発病して免疫力が落ちている状態なので、ヘルパンギーナが治って久しぶりに登園したところ、また新たに手足口病に感染してしまうということもあるのです。(逆の場合もあり)

回復後の登園や登校については、体力や食欲が十分に戻ってからにしましょう。

(参考)厚生労働省 手足口病に関するQ&A
(参考)国立感染症研究所 手足口病とは

4.ヘルパンギーナの二次感染を防ぐために心がけたい事3つ。

家族がヘルパンギーナにかかってしまった時、これ以上の感染を広めないようにすることが肝心です。

1.看病時にはマスクを着用し、接触した後は毎回、必ず手洗いやうがいを行いましょう。

コクサッキーウイルスやエコーウイルスには耐性があるのでアルコール消毒は効果がありません。

ウイルスを落とすには石鹸を良く泡立てて洗った後、流水でよくウイルスを洗い流す必要があります。

2.おむつの交換には気を付ける。

症状がなくなって治った後も、4週間くらいは便の中にウイルスが残っています。

赤ちゃんのおむつ交換の時に感染しないように使い捨ての手袋をするなどし、捨てる際の処理にも気を付けましょう。

3.衣服やおもちゃ、家具などは消毒する。

洋服などの洗濯は他の家族とは分けて行いましょう。

家具やおもちゃの消毒にはキッチンハイターなど次亜塩素酸ナトリウムが主成分の消毒液を使用しますが、ゴムやプラスチックは劣化する恐れがあるので注意が必要です。

コクサッキーウイルスは熱に弱いので、次亜塩素酸ナトリウムが使えないものは熱水消毒(80℃の温水で10分間消毒)するのも良いでしょう。

次亜塩素酸ナトリウムによる消毒液やその作り方については以下の記事で詳しく説明しています。
(プール熱についての記事ですが、ウイルスの消毒の方法はヘルパンギーナも共通です。ぜひ参考にしてみてください。)
プール熱(咽頭結膜熱)の感染力の強さに注意!その原因、症状、治療法とは?

小さな赤ちゃんは症状の辛さを自分で伝えられない!注意深く観察してあげることが大事。

ヘルパンギーナは、夏風邪の中でも特に低年齢で発症しやすい病気です。

まだ小さい赤ちゃんは、自分の言葉で辛さを伝えることが出来ないため、よく観察し、何か変わったところがあったら、すぐに気付いてあげられるようにしましょう。

抵抗力のない赤ちゃんの場合、症状が急変することもあります。

何か気になる事がある時は早めに小児科を受診することが大切です。

保育園や幼稚園などの集団生活を送っていると、どれだけ気を付けていても、病気をもらってしまうことはあります。

大事なお子さんの辛そうな様子を見ていると、親は心配でたまらなくなりますが、こういう病気を繰り返しながら、お子さんは少しずつウイルスへの抵抗力と免疫を付けていくのです。

いたずらに怖がるのではなく、正しい知識を持って、冷静に対応してあげたいですね。

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