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2016年6月3日更新

仕事のストレスが要因に!後遺症の危険も。突発性難聴の症状・治療・体験談

突発性難聴の原因は仕事や人間関係のストレスにある?治療の遅れは後遺症の危険性も!体験談、原因、治療薬、間違えやすい病気とは?
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1.突発性難聴発症時、多くの患者さんがストレスを感じていた!

ある日突然、片方の耳が聞こえなくなる突発性難聴。

「職場で電話を取ったら聞こえない」「ある日起きたら聞こえない」とその名の通り、急な発症に驚くことも少なくありません。

突発性難聴の症状については以下の記事で詳しく説明しています。
片耳だけに耳鳴りなどの異常があるときは突発性難聴の初期症状かもしれません!48時間以内に要受診!

仕事、学校、人間関係……。様々なストレスが原因に!

その原因はウイルスによるもの、血流が悪いためにおこるなどいくつかの説がありますが、まだはっきりとは分かっていません。

ですが、精神的なストレスを感じている時に発症するケースが多く、これも大きな要因の一つだと考えられています。

1つ1つは小さなストレスでも、毎日少しづつ蓄積し、ある時突然、耳が聞こえない・めまい、・耳閉感(耳が詰まったような感じ)といった症状となって現れるのです。

(体験談)ストレスは仕事の人間関係。突然、会議中に声が聞こえなくなった!

20代の頃です。

仕事の人間関係で大きなストレスがありました。

1ヶ月くらい職場の人とうまくいっていなかったのですが、その人とのやり取りの中で大きな出来事(誤解など)がいくつか重なり、少し経ったある日(1~2週間だったと思います)、突然、会議中に話し声が急に聞こえなくなりました。

最初は何が起きたのかわからないのですが、だんだん発表者の声が遠くなっていきました。

退社して耳鼻科へ行き、聴力を測って頂いたら、左耳の聴力が右耳の半分以下に落ちているとのことでした。突発性難聴と診断されました。

(引用元)仕事のストレスで突発性難聴に。早急に病院に行ったので良くなりました。

(体験談)仕事と学校の両立。過労とストレスでほぼ聞こえない状態に。

専門学校時代、働きながら学校に通っていました。半分、社会人。半分は学生という状態です。当たり前ですが、学校では生徒として宿題もあります。社会人ではパートでしたが、パートとは言ってもこれも当たり前に社会人としての勤めがありました。

テストが近づいたり、レポート提出が多かったりした時は本当に大変でした。土曜日も仕事で、休みは日曜日と祝日のみ。職業柄、年末年始も関係なく自分の時間・ゆっくり休める時間が減っていきました。

そして、次第にストレスが溜まっていき、それでも双方を休むわけにはいかず、ついに突発性難聴を患ってしまったのです。初めは、“何か聞きにくい、何か詰まったような感じ“でした。時間が経たないうちに、それは悪化していき”片耳だけ聞こえにくい”という事態へ変化していきました。

後程、完全までいかなくても、“ほぼ聞こえない”という事態に悪化して、耳鼻科を受診。直ぐに診断名が告げられました。少し、知識があったので翌日に早急に受診しました。このまま耳が聞こえなくなったら、資格が取れないという不安と恐怖から押しつぶされそうでした。

(引用元)学業とアルバイトで忙しく、ストレスから突発性難聴を発症。

(体験談)仕事の減少、不審火……度重なるストレス。不安を感じていた頃、耳鳴りが始まった。

 義理父が、70歳になって突発性難聴になりました。
その頃、仕事もだんだん少なくなり、不安がっていたところに、突然仕事先が不審火の火事に会いました。
その火事の処理をしていてつかれていたのでしょうか、急に耳鳴りが始まり「ジー」という音が、ずっとなっている状態で過ごしていました。だんだん、聞こえ方も良くなってきません。やはり、このままではいけないと診察を家族で進めて、重い腰をあげていきました。
診察では、突発性難聴と病名がつきました。そこでの説明は、治るかわからないとのことでした。まずは、薬を飲みましょうということで、ステロイドを飲みました。

(引用元)義父がストレスや加齢から突発性難聴になりました。

仕事、人間関係、勉強……、原因は様々ですが、皆さん発症時には強いストレスを感じていました。

2001年に行われた調査によると、全国の突発性難聴で医療機関を受診する患者数は年間35,000人にものぼります。(10万人あたり27.5人)

これまで中年に多いと言われていましたが、最近では若者の発症率も上がっています。

現代は、どの年代にとってもストレスを感じやすい時代です。

これからますます患者数の増加や発症の低年齢化が進むと予想されます。

(参考)難病情報センター 突発性難聴
※こちらのページには突発性難聴の原因や症状、治療法が分かりやすくまとめられています。

2.突発性難聴とはどういう病気?原因・治療法

突発性難聴とは?

音は内耳(ないじ)の中にある蝸牛(かぎゅう:渦巻き状の菅)にある有毛細胞がセンサーとなり、電気信号に変え、聴神経から脳に伝えられます。

突発性難聴はこの有毛細胞が壊れてしまい、音が伝わらなくなってしまう病気です。

内耳の構造

(画像引用)難聴と補聴器の情報源 みみから
※こちらのページでは耳のしくみと難聴の種類について分かりやすく説明されています。

受診の遅れは後遺症の危険性も。

突発性難聴は数ある感音難聴(かんおんなんちょう:さまざまな原因で起きる難聴の総称)の中でも治りにくい難聴です。

治療する患者さんのうち、1/3の人は完治しますが、1/3は聞こえにくいなどの後遺症が残り、あとの1/3の人は回復しないといわれています。

発症時、全く聞こえないわけではなく、多少聞こえているという方も多いので、そのまま様子をみてしまいがちです。

ですが、発見や治療の開始が遅れれば遅れるほど、元の聴力は戻りにくくなります。

そのためにも「おかしいな」と感じたら2日以内、少なくとも1週間以内には受診し、早めに治療を開始する必要があります。

どんな薬?治療をするの?

突発性難聴の治療には以下のような薬が処方されます。

・ステロイド剤(プレドニン)身体の中の炎症や免疫反応を抑えることができ、突発性難聴に最も効果的な薬といわれている。

・抗凝固剤 血液の固まるのを防ぐ。

・プロスタグランジン製剤 血流を改善する。

・ATP(アデノシン三リン酸二ナトリウム)製剤(アデホスコーワ、トリノシンなど)内耳の機能改善作用がある。

・ビタミンB12製剤(メコバラミン)末梢神経の障害を改善する。

ステロイド剤は副作用を気にして、使いたがらない患者さんもいますが、耳鼻科で使われる量や日数の場合は副作用はほとんどありません。

途中でやめると、逆に悪化する場合もあるので、自己判断せず、お医者さんの指示に従って、お薬を服用するようにしましょう。

治療期間はどれくらい?

一般的にステロイド剤による治療を1週間~1ヶ月程度行います。

通常は通院治療となりますが、症状の程度に応じて入院治療をするケースもあります。

早期に受診した場合は3日~1週間ほどで、症状が和らぐのを実感するようです。

しかし、治療の開始が遅れると上記の薬が効かない場合があり、完治の可能性が低くなります。

突発性難聴の治療は、いかに早く治療を始めるかにかかっています。

(体験談)治る可能性は半々との宣告。幸いにも1週間で聴力は回復。

このままにしていたら聴力がなくなります。
聴力が戻るかは半分半分ですと言われ、薬を処方されました。

心配な日々を過ごしましたが、幸いにも一週間ほどで完全に聴力が回復しました。

治癒した一週間でストレスがなくなったわけではありませんでしたが、薬が効いたのだと思います。
異常が起きてからすぐに対処できたことが良かったんだと思います。

自分では我慢できる範囲だと思っていても、突然身体に現れてしまうことがあります。
仕事は根詰めすぎず、適度にリラックスすることが大切だと思います。

そして、少しでも音が聞こえなくなったら、早急に病院へ行って下さい。
本当に、早期の対応が大切だと思います。

(引用元)仕事のストレスで突発性難聴に。早急に病院に行ったので良くなりました。

(体験談)発症した翌日に受診。お薬を飲んで3日ほどで改善された!

私は病院に行ったのは翌日でしたが、このような症状が朝から夕方まで治らない時はその日のうちに医療機関にかかりなさいと怒られました。
早く治療を始める必要があるからです。
私の場合は投薬のみで3日程度で良くなりましたが、人によっては毎日点滴をする必要があったり、後遺症としてずっと聞こえないままになってしまう人もいるようです。

(引用元)朝起きたら右耳が聞こえない。夕方まで治らない時はその日のうちに医療機関へ 

(参考)総合南東北病院 突発性難聴とメニエール病
※こちらのページでは難聴の分類や突発性難聴、メニエール病について分かりやすく説明されています。
(参考)たなか耳鼻咽喉科 耳の構造と機能
※こちらのページでは耳の構造や働き、聞こえについて分かりやすくまとめられています。同サイト内には突発性難聴の説明ページもあります。

3.突発性難聴は再発しない。繰り返す時は別の病気の可能性が!

突発性難聴は再発することはないと考えられています。

ですが「ストレスが溜まるたびに、一度治まった難聴の症状が再発した」と感じていられる方も沢山いらっしゃいます。

同じ急性難聴の1つである「低音障害型感音難聴」は、突発性難聴ととても症状が似ています。

女性に多い疾患で、ストレスや過労などで発症し、低音の耳鳴りがしたり、低い音(低い周波数)だけが聞き取りにくくなる難聴です。

メニエール病の一種とも考えられていますが、メニエール病の特徴である「めまい」がないのが特徴で、場合によっては再発を繰り返すことがあります。

同じ症状で突発性難聴の再発だと思いこんでいても、実は「低音障害型感音難聴」だったということも多いのです。

自分ではその判断が付きにくいため、正確な診断には耳鼻咽喉科で聴力検査の必要があります。

脳梗塞や脳腫瘍の場合も!精密検査が必要な場合。

また、脳梗塞や聴神経腫瘍(脳腫瘍)のような脳の怖い病気が隠れていることもあります。

特にめまいがある場合や高血圧や糖尿病の持病がある場合は、これらの脳の病気のリスクが上がります。

必要に応じて頭部MRI(頭の内部を詳細に調べることができる)などの精密検査が必要です。

「前と同じだから」と思い込まず、耳の聞こえが悪くなった時は、その都度受診するようにしましょう。

リラックスして過ごすことが改善の近道

辛い症状を緩和するためには、自分でもストレスを和らげる努力が必要です。

そのためには、まず、規則正しい生活を送りましょう。

寝不足になると身体や脳の疲れが取れず、精神が不安定になり、免疫力も下がります。

睡眠が足りてないと思う時は、数十分でも昼寝をするなど、工夫して睡眠時間を確保しましょう。

また、自分にとってほっとリラックスするものを探しておくのも良いでしょう。

運動、アロマテラピー、カラオケ、おしゃべり……その方法は人によって違います。

自分がどういう時に楽しくて、リラックスしているのかを観察し、意識して毎日の生活に取り入れましょう。

ストレスを感じたままではせっかくの治療も効果は上がりません。

生活を見直し、規則正しい生活を送ること、ストレスをケアすることが突発性難聴の改善や予防につながります。

そして、なにか耳に異変を感じる時は後回しにせず、すぐにお医者さんに相談しましょう。

(参考)耳鼻咽喉科 日本橋大河原クリニック 若い人にも多い難聴2 低音障害型感音難聴
※感音障害の症状や特徴について分かりやすく説明されています。

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