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2016年9月30日更新

感染症が流行したとき、企業に求められる対策や体制は何より「協力」

感染が拡大する場所は、人が集まる場所です。代表的なのは家庭、学校、そして「職場」です。感染症の流行が発生した場合、起こり得るリスクは大地震の発生よりも対応に苦慮する場合があります。企業が普段から求められる感染症対策や対応は、何より協力です。
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1. もしもパンデミックに直面したとき、企業が抱えるリスク

感染症の大流行は、大地震よりも厄介!?

ときとして、インフルエンザウィルスやエボラ出血熱のような常に大流行の危険をはらんでいる感染症は大地震の発生よりも企業にダメージを与えます。

Exif_JPEG_PICTURE引用:パンデミック:新たなる試練-ホビージャパンゲームブログ

感染症の影響範囲の広さ

大地震の場合、列島全土を揺るがす巨大地震クラスでもない限り、被災地域は都道府県や地方単位で限定されることが多いでしょう。

ですので、企業は被災のダメージが少ない別の地域や拠点で、代わりに業務を遂行することが可能です。

しかし感染症は、その感染力、そして人の行き来が頻繁かつ活発化(グローバリゼーション化)した結果、すぐさま日本中あるいは世界中に影響が広がります。

ですので、業務の遂行場所を移転することは困難になります。

また、感染症の世界的な流行が確認された場合、政府は水際で拡大を食い止めるために空港や港、あるいは道路で、往来を制限管理することになるでしょう。

もし拠点や工場が各地にある場合、原材料や部品を輸送する手段が限られます。

製造や物流が滞ってしまうと、事業活動が停止に追い込まれてしまう危険があります。

さらに最悪の事態で、国内全域に感染症がまん延した場合、社会インフラの崩壊、従業員の生活の危機に晒されることになります。

感染症の影響期間の長さ

スペイン風邪のような過去に発生した新型インフルエンザの流行を参考にした場合、約2ヶ月間の流行の波が2,3回襲ってきます。

この場合、事態の収束にかかる日数は、地震のような災害以上になる可能性があります。

もし仮に、事業が30日間停止した場合、売上や利益にとても大きな影響が出ることが考えられます。

財務的な貯えや手当を持っていない中小企業の場合、最悪のケースだと債務超過や破産に至ることもあり得るでしょう。

目に見えない感染症への不安の大きさ

幽霊や妖怪など、人間は実体のないものに想像力を働かせてしまうことで、目に見えない恐怖を生み出してしまいます。

感染を引き起こすウィルスや細菌も目に見えません。

流行時に流れる情報には、真実やデマ、様々なものが飛び交います。

もしかしたら、感染者だけでなく家族や職場も周囲から非難や差別的な扱いを受ける可能性があります。

流行が終息したあとも、ウィルスの見えない恐怖から人は外出を避けたりするかもしれません。

企業は、金銭面や生活面だけでなく、心理面においても対策が求められています。

局地的ではありますが、今年の国内の麻疹(はしか)の流行で関西国際空港が受けた被害は、このような不安から来るものも大いに含まれているでしょう。

関西国際空港の麻疹の感染についての記事はこちらです。
ジャスティンビーバーのコンサートに引き続き関西空港まで。止まらない麻疹(はしか)の脅威

2. これだけは守って!企業に必要な3つの最低限対策

これから挙げる3つの対策は、企業の形態や規模を問わず大切なものです。

この3つの対策を全社員が徹底して行うことができるようになってから、マニュアルの策定などより具体的な対策に取り組みましょう。

1. 感染者が職場に来なければ、企業内で感染は広がりません

咳が止まらないけれど、マスクをつけて出社する。

頭痛やめまいが治まらないけれど、頭痛薬や酔い止め薬を飲んで出社する。

熱が高くてぼんやりするけれど、解熱剤を飲んで出社する。

多少身体の具合が悪くても、気持ちで出社した経験がある人は多くいると思います。

無理した出社、仕事鞄だけでなく感染のリスクを抱えている

企業が感染症の対策を進める上で最も重要なことは、身体の具合が悪い人を職場に来させないようにすることだと思います。

しかし、「隣の席に座る社員には、自分の業務を急に引き継げない」「仕事のスケジュールがカツカツで休む暇がない」といった理由から無理をしてでも出社をしてしまう場面があります。

企業は、社員が体調が悪い場合必ず休めるようにする、あるいは出社しなくても良いように改善することで、作業の代替性を常に担保しておく必要があります。

「私が感染しても代わりはいるもの」

そう言えるような職場が理想ですね。

2. 協力し合えるような組織づくり、職場づくり

病気になって会社を休んだ社員が出ました。

そんなとき、常日頃から互いに業務を理解し合い、協力し合える組織があれば、感染症マニュアルがなくても柔軟に対応できます。

たとえ他の部署や部門の人間でも、業務を手伝うことで業務のスピードや質を落とすことは減っていくでしょう。

休んだ後に、きちんとお礼を述べて、次は自分が誰かを助ける番だと思って仕事できる環境って素敵ですよね。

3. 情報交換やネットワーク体制を整えておく

誰も対策が分からない未知の感染症に、今後直面することがあるかもしれません。

そんなとき、同業他社や取引先の企業と連携を取って、正しい情報を集めて互いに共有できるようなネットワーク体制が重要になってきます。

他の企業の対応をただ見よう見まねした結果、過剰と言えるほど空気清浄機が導入されたケースもありました。

広範囲の拡大の場合、業種や競合の垣根を越えた協力体制をとることで、結果的に感染を防ぐことに繋がります。

普段から、感染症対策や予防策について情報や意見の交換を行うことが大切になってきます。

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