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2016年9月5日更新

○○疾患、○○症、○○病、○○症候群、○○不全の違いを知ってハナタカになろう!

○○疾患、○○症、○○病、○○症候群、○○不全など病気の状態や症状を指す単語がいくつかありますが、どれも似たような意味で混乱してしまいます。なぜ熱中病といわず熱中症というのか、メニエール病とメニエール症候群の違いは何かなどを解説しています。
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○○疾患、○○症、○○病、○○症候群、○○不全の違いが分かれば病気の成り立ちが分かる

病気のときに使われる表現って、考えてみるといくつかあります。

○○病、○○症候群、○○症、○○不全、○○疾患などの違い、説明できますか?
これらがどんなときに、どんな基準で用いられているか気になったことはありませんか?

私にはこの違いは、トドと、セイウチと、アシカと、オットセイと、アザラシ並みに分かり辛く感じました。
ちなみにこれらの生物は全て、海生哺乳類の「鰭脚類(ききゃくるい)」に分類されるそうです。

 

海洋生物の見分け方は分かりませんが、せめて病気の分類方法について感覚をつかみましょう。

病気と疾患の違いは誰の判断かどうか。

まず、病気と疾患の違いですが、これらは主観的な判断と客観的な判断で説明出来そうです。

原因や症状、その他身体に起こった変化のうち、まだなんとなく説明が出来ないけれど、とにかく不調である
そんな状態は「病気」です。

一方で、原因や症状が全て判明している状態で、客観的に説明がつく状態を「疾患」と呼ぶそうです。

たとえば、「隣の旦那さん、肺に病気が見つかったそうよ」と「隣の旦那さん、肺に疾患が見つかったそうよ」でニュアンスの違いを感じますでしょうか?

前者は肺がどこか悪い位のイメージ、後者は治療が必要な具体的な肺の病気が見つかっているイメージです。

疾患という言葉はよく身体の器官と一緒に用いられます。

呼吸器系疾患、循環器系疾患、消化器系疾患、内分泌系疾患など、大きな病院のそれぞれの科が専門的に治療するときに対象とする病気の総称でしょう。

普段は聞き慣れない単語、疾病とは?

疾病、読み方は「しっぺい」です。漢検2級レベルの必須単語です。
病気と疾病は似て非なるものですが、この分類についてアランヤングという医療人類学の学者が分かりやすい図を出しています。

参照:病いと疾病、および病気(Illness and Disease, and also Sickness)

病気(illness)という言葉には二つの意味が存在しています。

それは「病い(sickness)」と「疾病(disease)」です。

これによれば、病い(やまい)とは、一般の人が抱く概念や経験です。

「病は気から」という言葉があるように、医者に診てもらわなくても症状が改善されることがあります。

一方で、疾病とは、医療のエキスパートが科学的・医学的な専門知識に基づいて診断する病気です。

ですので、「なんか頭痛い」「どこか身体が怠い」という感じでは、疾病とは言えません。

疾患と疾病の違いについては、疾患が分野にフォーカスしているのに対し、疾病がより専門的な病気のイメージでしょう。

○○症について

熱中症や脱水症、感染症などが当てはまります。このイメージは、人間の身体が特殊な状態にあることを指しているように受け取れます。

熱中症なら、暑い中にいたせいで起こった身体の不調ですし、感染症なら体内にウィルスや病原体が侵入して起こった身体の不調を指します。

しかし、例えば「ダウン症」のように症候群を省略して使用しているケースがあるので注意が必要です。

○○病について

疾病や疾患の延長線上にある言葉で、病気の原因や理由がはっきりしていて、概念として確立されたものを指すイメージです。

例えばメニエール病ならば、

  1. 激しい回転性をともなう数十分にも及ぶめまい
  2. 難聴
  3. 耳鳴り
  4. 閉塞感

これら四つの症状が数日から数か月間繰り返すのが条件と定められています。

原因は内耳の内リンパ水腫であると判明しています。

このような条件や原因が認められない限り、メニエール病とは診断されないでしょう。

○○症候群について

症候群とは、症状の集まりです。

例えば、メニエール病のようなめまいを繰り返したときは、すぐにメニエール病と診断されず、メニエール症候群という形で判断されることがあります。

検査や経過観察の結果、原因が判明した場合に新たな病名がつけられるケースがあります。

メニエール症候群の場合、前庭神経炎ウイルス性内耳障害、なかには生活習慣の改善やリラックスで治る「病い」の場合も考えられます。

例外として、ダウン症は原因が判明しているため本来はダウン病になるはずであったり、SARSAIDSもウィルス感染が原因であると判明していますが、未だに症候群(syndrome)と呼ばれています。

○○不全について

心不全や肝不全、勃起不全などに用いられます。

この表現は正式な病名ではなく、あくまで状態を指します。例えば心不全なら心臓の体力が0に近づいてるイメージです。

どうして体力が0になりかけているのか、原因や理由をはっきりさせるのが具体的な病気(疾病)の役割になります。

また、死亡診断書マニュアルにも、○○不全の濫用は控えるよう注意がなされています。

参照:平成28年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル-厚生労働省

ほとんどの疾患の終末期の共通点として、心臓や肝臓など重要な器官の不調が挙げられます。しかしそれを原因にしてしまうと、統計が取れなくなってしまうことが主な理由だそうです。

よく芸能人や有名人のお悔やみのニュースで、この心不全や腎不全が死因として挙げられていますが、亡くなった本当の理由は別の病気の場合もあるかもしれません。

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