1,587views
2016年10月6日更新

「NYで学んだ”美肌の秘訣”を日本へ」美容家・山本未奈子さんインタビュー

1,587views

美容家として活躍しながら、3児の母、妻、会社社長など様々な顔を持つ山本未奈子さんに、アメリカやロンドンで学んだ美容や医療・健康のお話をお伺いしました。

山本未奈子(やまもとみなこ)さん|美容家・MNC New York Inc.代表取締役
ニューヨーク州認定ビューティーセラピスト/英国ITEC認定国際ビューティースペシャリスト
1975年生まれ。UCL卒業(ロンドン大学)。非常勤講師としてNYで数々の実績を誇る美容学校にて教鞭を執る。拠点を日本に移し、’09年7月に美容ブランドSIMPLISSE(シンプリス)を発表。’10年11月、男性の肌に特化した美容ブランドSIMPLISSE FOR MENを発表。美容をテーマにした講演や執筆活動、雑誌の美容記事の監修、テレビ・ラジオ出演など多方面で活躍中。

山本未奈子オフィシャルブログ「美人への道<NYで学んだ美しさの秘訣>」
山本未奈子インスタグラム
MNC New York公式サイト

1.美容家になったきっかけ

「かなりの美容オタクだったんです」

──まずは山本さんが美容家になるまでの経緯から聞かせてください。山本さんは中学生の時からロンドン留学されていたのですね。

父が医師をしていて、ロンドンに留学する際に母と私も一緒に行くことになったのですが、1年で父と母は帰国しました。

私はロンドンに1人で残って、中学・高校・大学と寄宿舎で暮らしました。大学卒業後に帰国して、商社に入社し、UBS証券に転職しました。

──証券会社ということは、美容とは全く関係のないお仕事ですよね?

全く関係のない仕事です。

──美容業界に進まれることになったきっかけはなんですか?

元々美容は大好きだったんです。

結婚して、子供が1人だったころ、夫がNYに転勤することになり、一緒に行くことになりました。

ちょうどその頃、私も何か自分でできる仕事をしたいなと思っていて、何をしようかと模索していました。そうしたら夫に「そんなに美容が好きならそれを仕事にしたらいいじゃない」と言われて、「はっ!」とひらめいて。

そこで、「美容を仕事にするにはどうしたらいいだろう?」と。
せっかく美容情報が集まるNYに行くのなら、肌のことを一から学びたいと考え、NYの美容学校に通うことにしました。

アメリカではエステは国家資格です。まずはNYでエステのライセンスを取ろうと思いました。しかし、資格を取った後も何か物足りなくて、イギリス発祥のITECビューティースペシャリストのディプロマ(卒業証明)を取得しました。

その後、ニューヨークで皮膚科の先生とメディカルスパを立ち上げました。そこで肌の診断などを行い、その後NYの母校に戻りエステティックの非常勤講師として勤務するようになりました。

その時に、肌のことや美容の知識をNYに住みながらブログで発信していたんですね。それが、編集部の方の目に止まって、「本を出しませんか?」というお話になり、初めての本「極上美肌論」(『今まで誰も教えてくれなかった –極上美肌論-』 武田ランダムハウスジャパン)を出すことになりました。

そして夫の仕事の関係で日本に帰国し、美容家として活動するようになりました。

%e6%a5%b5%e4%b8%8a%e7%be%8e%e8%82%8c%e8%ab%96

今まで誰も教えてくれなかった-極上美肌論- 山本未奈子(著)

──子育てをしながら学校に通われて、大変ではありませんでしたか?

それはもう、大変でした。

フルタイムだったので、学校が終わると保育園へお迎えに行って、子供にご飯を作って食べさせて寝かせて、夜はまた勉強という感じでした。

本当はエステティックライセンスって、こんなに難しいと思っていませんでした(笑)。それが細胞学から皮膚科学、生物学まで全て勉強しなくてはいけない。
細胞の絵を描きながら、「なんでこんなことしなくちゃいけないんだろう?」なんて考えていましたね。

後々、そういうものが1本につながって、肌も一つの細胞から成り立っているのだという、「なるほど!」と思う経験をたくさん積んで帰って来ました。

──では最初は山本さんも、”普通の美容好き”という程度だったのですか?

いえ、”普通”というより、”かなり”好きでしたね。
美容の本や雑誌は毎月定期購読で読む、デパートの化粧品売り場で1日過ごすことが趣味という、もう”美容オタク”ですね。

でも根本的な知識が足りなかったのでNYで勉強をした、という感じです。

2.美容と健康の秘訣

「肌は生活習慣の成績表」

 

──NY・ロンドンで勉強されてみて、それまでの美容についての認識と違うところはありましたか?

全然違っていました。美容は好きは好きだったのですが。
その頃、私はかなりの乾燥肌・敏感肌に悩まされていて、どんなに高い化粧品を使っても、どんなにしっかりお手入れをしていても、全然乾燥肌が解消されなかった。

勉強するうちに私の間違ったお手入れが、敏感肌・乾燥肌を作っていたんだと気付きました。

こんなに情報がたくさんあって、自分でも勉強していたつもりでも、間違った知識で逆に肌を痛めていたのだとか、こんな簡単なことをなぜ伝えてくれる人がいなかったのかもうちょっと早く知っていたら、私の肌はもっと綺麗だったのに!(笑)とか、考えることがよくあって……。

日本で私が美意識の高い日本の女性にきちんとこの知識を伝えなきゃ」という使命感に燃えて帰ってきたんです。

──美と健康との関係はどのようにお考えですか?

美肌というのは健康の延長線上にあるものです。
体は60兆の細胞で成り立っていて、その細胞は私たちの食べるもので作られていますよね。

運動や睡眠などの、すべての生活習慣が細胞を作っています。そうしたすべての条件が整って生まれるのが美肌だと思います。健康じゃないと、肌は綺麗になりません。

私は肌のことを”生活習慣の成績表”と呼んでいるのですが、その方の肌を見ると、その方がどんな生活をされているのかが分かります。
それをサポートしたり、改善したりしていくのがスキンケアだと思います。

──山本さん自身は生活習慣のどこに気を付けていますか?

一般的によく言われていることですが、”食事と睡眠と運動のバランス”にはとても気をつけていますね。

食事は体を作るものですから、”何を食べるか”はもちろんですが、どちらかというと、”何を食べないか”に気をつけています

子供もいますので、添加物の入ったもの、加工食品、トランス脂肪酸の入ったもの、合成甘味料の入ったものは避けています。

3.サプリメントへの想い

「NYから日本に帰ってきた時、サプリメント難民になったんです」

──ほかに山本さんが健康で気をつけていることはありますか?

最近は自律神経を意識するようにしています。

普段から子育てをして、社長業もして、という忙しい毎日を送って、交感神経が優位に立った、興奮状態が続いているので、それをいかに副交感神経にスイッチできるかということを心掛けています。

自分の時間はあまりないのですが、唯一お風呂に入る時間だけが自分の時間なので、その時に副交感神経のスイッチが入れられるように、香りを楽しんだり、好きな音楽を聴いたり

あとは、気づいた時に立ち止まって深呼吸する、朝起きた時にカーテンを開けて太陽の光を浴びる…そういったベーシックなことをしています。

それから腸活ですね。腸をいかに健康にするかということで、朝1杯のお水を飲んだり、植物繊維の多い食事をしたりということを意識しながら生活しています。

──腸活といえば、便秘に悩んでいる女性は多いですよね。いい解決方法はご存知ですか?

私も結構便秘体質で、いろいろ試しました。
これは私に合っている方法ですが、乳酸菌はサプリメントで補っています

よく「便秘にはヨーグルト」と言いますが、ヨーグルトって”乳酸菌プラス糖質と脂質”じゃないですか。生きたまま腸に届くサプリメントであれば、わざわざ糖質と脂質を取ることはないのではないかという考え方です。

サプリメントも自分に合った腸内細菌でないと意味がないと言われているので、自分に合ったサプリメントを見つけるといいと思います。

あとはハーブも取り入れたりしています。私にはキャンドルブッシュというハーブが入っているお茶が効きましたね。

──乳酸菌以外でもサプリは飲まれているのですか?

マルチビタミンは毎日飲んでいます。
もちろん、栄養は食事から取るのがベストだと考えています。でも、必要な栄養を食べ物だけから取るというのは非常に難しいと思います。

今は土の栄養が少なくなっていて、野菜の栄養も減っているし、そこに熱も加えて、どんどん栄養が減っていく。ビタミンCに関しては胃酸で80%が壊れると言われています。

その中で食べ物だけからまんべんなく栄養素を取ろうと思うと、かなり難しいと思います。ですから食事の補助としてサプリメントを取るようにしています。

私は5年前から同じサプリメントを飲んでいますが、一度も風邪を引いたことがないんですよ。

──どんなサプリを飲まれているのですか?

実はNYから日本に帰ってきた時、サプリメント難民になったんです。

NYにいた時はいろいろなサプリを使っていました。アメリカって(公的な)保険がないので、自分の健康は自分で守らなくちゃいけない、という予防の意識が高い。ですから健康おたくが多く、サプリメントに関しては進んでいると思います。

日本で売っているサプリの成分表示を見てもμg(マイクログラム)で表示されていて……、日本の方はμgと言ってもピンとこないじゃないですか。2gのカプセルに2μgって、残りの99.9%は何が入っているの?その上、中国産?もう全然信用ができなくて、これは自分で作るしかないと思いました

そこで、病院に薬を卸している工場を訪問しました。でもその工場では「医療関係者にしか製品を卸すことができない」と言われて、知り合いの病院の先生に協力をお願いして、やっと作ってもらうことができました。

%e3%82%b5%e3%83%97%e3%83%aa%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%88

▲シンプリス ビューティープログラム25

──ご自分のために、0からサプリメントをつくられたのですね!

病院の先生から、「よくここまで成分を入れたね」って言われます。

ビタミンCも600mgしか入っていませんが、腸溶性コーティングカプセルというものに入っていて、胃では溶けないんです。ビタミンCは胃酸で80%壊れるので、腸で吸収されるようにトウモロコシ由来のカプセルで…と、そこまできちんと考えて作っています。

乳酸菌も有胞子乳酸菌と言って、胃酸で壊れず腸まで届いてくれます。本当に自分のために作ったサプリメントなので、先生からは、「これ儲からないでしょう」って言われます。

サプリメントって、儲けようって思ったらいくらでも儲けられるんです。中に成分を入れなければいいですから。でも、ちゃんとしたものが作りたくて作ったので、儲からなくてもいいと思っています。わかってくださる方はリピーターになって飲み続けてくださっています。

私が授乳中も飲みたかったので、国内生産で、きちんとしたところで作ってもらっています。サプリメントは美容液の次に作りましたが、やはり外からだけじゃなく内からも変えていかないといけないと思ってのことです。
サプリメントは、きちんとした含有量のものを飲んでみないと、その効果がわからないと思います。

4.Calooマガジン読者へのメッセージ

「今やっていることは将来への自分への投資」

%e3%83%aa%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%82%ba1

──Calooマガジン読者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

今の生活が5年後、10年後の自分を作る、と思って私は生活しています。
全てにおいてそうですが、今日やって明日すぐ効果が出るわけではない。地道に続けていくことで、5年後10年後にその結果が出てくる。

紫外線対策でも、今日しなかったから明日シミができるわけじゃないですよね。

今やっていることは”将来への自分への投資”だと思って大切にしてほしいですね。


雑誌やテレビなどで大活躍、インスタグラムのフォロワーは2万人以上。いま注目の美容家・山本未奈子さんの素顔は、やり始めたことはとことん追求する、努力の人でした。精力的に活動を続けられている、山本未奈子さんの今後から目が離せません。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
calooマガジンの最新情報をお届けします
コメント
まだこの記事へのコメントはありません。

コメントを残す

CAPTCHA