【うつ病家族支援】丸岡いずみさんのご家族から学ぶ8つの方針
1. 丸岡いずみさんのうつ病体験
人気キャスターであった丸岡さんは、震災後の2011年7月に体調の異変を感じ、8月29日に長期休業を決断されました。
8月29日、民主党代表選挙の日。今まで感じたことのない不安を覚えながら会場のホテルで取材し、番組に出演しました。普段ならすらすら読める文字でも自信がなく、山や川など簡単な文字にもルビを振りました。放送中、「これが終わったらもう無理だ」と思いました。限界だった。放送後、上司に休みが欲しいと訴え、翌日には故郷・徳島の実家に帰りました。
最も辛い時期は、死にたいと思うことや、被害妄想もひどく入院も経験されたそうです。
入院から2カ月ほどたった11月に退院し、帰宅。しかし、体調は悪化の一途でした。「死にたい」と思ったり、被害妄想にかられたりしました。結局、過換気症候群となり、再び入院することになりました。治療に向き合ったのはそれからです。
2. 丸岡いずみさんの現夫・有村昆さんとご両親のうつ病サポートのあり方
丸岡さんを献身的に支え続けたのは、ご両親と旦那様でした。ご両親は、うつ病を理解し、丸岡さんが安心して休むことができる環境を整えられたようです。
両親が精神疾患に対する理解があったことにも助けられました。「やりたいことはやればいいし、やらなくていいことはしなくていい」という言葉に救われました。
父が言ってくれた「休むことも生きること」という言葉は心に残りました。休むと生きている感じがしないという人もいますが、休むのも大事なこと。鬱病の症状は人それぞれですが、休む環境をつくってほしいと思います。
旦那様も、うつ病を理解し、心の拠り所を作られていたようです。
鬱病だと電話で告白したら、「誰でもなる病気だよ」と、意外な言葉が返ってきました。そんな考え方をする人もいるのだと、ほっとしました。「大変なのは分かっているから返事はいらない」というメールも支えになりました。孤独感が募っていた時期に「1人じゃない」と思えました。
3. もしもあなたのご家族がうつ病を患ったら?8の指針。
方針1. まずはあなた自身のためのサポートを得る。
研究からは、同じ問題を抱える人と話をすることでストレスが減り、孤独感が和らぐことができると立証されています。
同じ立場にいある人と笑ったり、泣いたりすることはとても素晴らしいことです。
また、あなたよりも前に同じ道を経てきた人たちというのは、たくさんの役に立つ提案もしてくれます。
全国には精神障害を患っている家族を持たれる方を対象とした集まりもありますので、相談してみることをお勧めします。
方針2. 知識を得る。
知識は力を与えてくれます。
うつ病の経過、再発の可能性、お勧めの治療法、薬の副作用など、この病気が持っている副作用を理解することで、将来を予測し理解を深めることもができます。
また少しでも知識を得られると、自分は役に立たないのではないかという気持ちも和らぎ、前もって準備することができます。
方針3. あなた自身の習慣を保つ。
愛する人がうつ病になった時、人は何もできないと感じてしまいます。
病気の経過、気分の揺れなど、どれも予測がつかないことは、あなたの安定感や環境へのコントロール感を損なわせる可能性があります。
すべてをコントロースすることはできないですが、できるだけ毎日の習慣を無理のない範囲でコントロールし続けることが、励みや安心感を与えてくれます。
方針4. 人生は続いていくということを忘れない。
たとえ愛する人が苦しんでいるとしても、あなたはその人とは別人格で、自分の人生を楽しむ権利があるということを常に忘れないでください。
自分が成長できる場に参加し、趣味を始め、新しい友人関係を築いてもよいのです。
自らの人生に投げやりにならないでください。
愛する人のうつ病の他にも人生に価値はあるのです。
方針5. 愛する人が安心して休める環境を後押しする。
うつ病の症状には、集中力が落ちる、疲れやすいなど、病気だと気づかれにくいものも多く、ご家族の様子の変化に気づくのは、なかなか難しいものです。
ご家族の最初の受診に同行したり、休職への後押しをしてくれたことで、スムーズに休職に踏みきれるようです。
様子の変化に気づいた場合は、受診を促せると早期治療にもつながります。
また、早めには気づけなかったとしても、医師の診断がなされたときに、安心して休めるような声かけができると良いですね。
約半年で治療を終了できました。
その間、夫が通院に付き添ってくれたり、診察時には先生がしっかりと話しを聞いてくれ、紹介してくれた内科の先生を含めて、とても感謝しています。
鬱は気の持ち方で症状がでたり、おさまったり、入院しないといけない状態になったりと、とても不安定です。そして何より家族のサポートが大切です。症状を理解してもらうためにも何がつらいのかをはっきりと伝える必要があると思います。
私の家族はとても理解があり助かりました。
家族と相談したところ、無理して働くならしっかり治せば良いといってくれたり、まだ若いので新しいところは見つかるだろうし、見つからなければバイトでもすればいいと言ってくれたこともあり、診断書を会社に提出して、病気休養を貰いました。
方針6. 状態の変化をそっと見守る。
ご家族が一日中寝ていたり、話しかけても反応が鈍くなったりなど、以前と様子ががらりと変わってしまうと心配になるでしょう。
『ご家族の状態の変化を、病気の症状によるものだと認識しましょう』と言うのは簡単ですが、具体的な接し方についてはイメージがしにくいものです。
積極的な働きかけはしないものの、休んでいるときは休ませておき、ご本人が話したいときには話を聞く、というように、あまり本人のことを考えすぎず、そっと見守る姿勢で過ごすことが良いようです。
方針7. 状態を本人以外の人から伝えてもらう。
そっとしておく、とは言っても、大切な家族のことは非常に気になるものです。
でも、ご本人に質問ばかりすると疲れてしまうのではないかという不安もあるでしょう。
うつ病の症状や調子について知りたいものの、本人に直接聞くことが難しい場合、通っているデイケアや医療機関の方にレポートや連絡帳のような形でまとめてもらえると安心できますね。
情報共有の方法については、あらかじめご本人と確認しておくとよいでしょう。
方針8. 無理のない範囲で気分転換を後押しする。
また、うつ病の症状がおさまった回復期では、思考力や集中力も回復してきているため、ご本人がその後の生活に関する不安を感じやすい時期と言えます。
そのような中、家族の後押しで気分転換が上手くできたという方もいます。
うつ病治療期間がある程度経過し、症状がおさまってからは、不安を感じない時間をつくるための活動を、ご家族から提案してみるのも良いでしょう。
ご本人の好きなこと、得意なことに気づけ、達成感を得られる活動ですと、不安感の軽減にもつながり、なお一層良いですね。
<出典> ミッチ・ゴラント、スーザン・ゴラント:愛する人がうつ病になったときあなたはどうする?
4. 強い味方になれるのはあなたです。
うつ病を患うと、余計に孤独感を感じやすくなります。
そんな中、「一人じゃないよ。」と伝えてあげるだけでも、とても効果が期待できます。
また、家族間同士で情報交換も積極的に行い、支えるご自身も孤独にならないよう気をつけてくださいね。
あなたとあなたの愛する人の人生が、少しでも豊かになることを願っています。
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