【体験談】9月9日は救急の日!実際に救急を経験した人から学ぶ大事なこと
1. 9月9日は救急の日。全国各地で救急に関する様々な行事が実施されています!
9月9日は何の日か皆さんご存知でしょうか。
そう、救急の日です。
1982年に、当時の厚生省(現在の厚生労働省)と総務省消防庁が制定しました。
厚生労働省と消防庁は、救急に対する国民の知識及び技術の水準をより向上、充実させるため「救急の日」(9月9日)及び「救急医療週間」(2016年は、9月4日~10日)を設定し、関係機関と協力して救急に関する普及啓発を図っています。
この制定を受け、救急のことをもっと知ってもらおうというキャンペーンや呼びかけが、全国で行われています。
アメコミ風なポスターで伝える「お前こそが救命のヒーローだ」
今年度のポスターのテーマは「「誰もが救命のヒーローになれる!」です。
そのポスターがこちら。
出典:平成28年度「救急の日」及び「救急医療週間」-北茨城市
すごいアメコミ風な感じのポスターですね!
強くて優しい正義のヒーローのイメージは今の日本の作品より、マーベルコミックやDCコミックに代表されるキャプテンアメリカやスーパーマンが強いですから絵柄の濃さは仕方ないかもしれません。
それにしても、左側で応急処置をしている男性、波紋使いか何かでしょうか。
お住いの自治体をチェック!救急の意識を高めよう!
9月9日の救急の日を含む1週間を救急医療週間と定めて、救急医療に関する認識と理解を深めるために、全国で多くの医療イベントが開催されています。
参照:救急の日及び救急医療週間の一般向けイベント「救急の日2016」を開催します-厚生労働省
東京都では、親子で学べる普通救命講習や、五輪メダリストの講演会が9月4日に開催されます。
AEDの使い方や心肺蘇生法について学ぶイベントですので、ぜひ参加されてはいかがでしょうか。
また、他の自治体も主に救命講習のイベントやカンファレンスが行われている場合がありますので、ご興味ある方は
「救急の日 お住いの自治体」で検索すると、普段は体験出来ないAEDを実際に動かしてみたり、救急車やはしご車も間近で見たり出来るチャンスがあるかもしれません。
他にも、救急功労者表彰として、全国各地の医師や病院、消防士が表彰されます。
救急の教育や普及、患者の積極的な受け入れを積み重ね、各地域の救急医療や救急業務を支えてきた方に贈られるそうです。
2. 【体験談】あなたの身近にもいるかも?救急車を利用して学んだ大事なこと
救急の日ということで、周りで働いている人にアンケートをとりました。
「救急車を利用したことがあるか」という問いに、7人中6人が「自身が患者となって運ばれた」「親や身近にいた人が運ばれたのに付き添った」と回答を頂きました。
この結果から分かるように、誰でも救急医療を経験する可能性はあります。
自身が大丈夫でも、もし目の前で道を歩いている人が倒れたら、貴方には応急処置や救急車を呼ぶなどの義務が発生します。
今回、2人の方からインタビューをすることが出来たので、そこから救急の大切さを学びましょう。
【ケース①】ラーメン屋で同僚が失神、本人も驚くほどの冷静な対応
ラーメン屋で同僚と昼食をとっていたSさん、ふと隣を見ると急に同僚が気を失いました。
Sさんは慌てて同僚の身体を支えたことで、同僚の顔がラーメンに飛び込むことを防ぐことに成功しました。
Sさんは、この急な展開にも終始落ち着いて対処することが出来ました。
まずSさんは、同僚の意識を確認するために、「呼びかけ」や「軽く顔を叩く」などを行いました。
しかし、同僚に反応が見られなかったため、次に気道確保「頭部後屈あご先挙上法」を実施します。
引用:気道確保の実施|一次救命処置(BLS)(3)-動画で分かる看護技術
他にも、Sさんは脈を測ったり、同僚の服のボタンを外すなどの処置を迅速に行いました。
その後、同僚の意識は回復しましたが、万一のために同僚は救急車で病院に運ばれたそうです。
どれだけ周りの人のことを知っていますか?必ず聞かれる身分と病院の既往歴
駆け付けた救急隊員の方にSさんが聞かれたのが「同僚の連絡先」と「同僚の既往歴」です。
幸い、Sさんは同僚の奥さんの連絡先がすぐに確認できました。
しかし、自分自身がこのSさんの同僚のように急に倒れてしまう可能性も考えられます。
自身の連絡先が分かるものは、常に身につけておいた方がいいでしょう。
【ケース②】結婚式で父が酔いつぶれる。せっかくのハレの日が忘れられない1日に。
結婚式を迎えたMさん、せっかくのおめでたいハレの日にハプニングに見舞われます。
新郎であるMさんの父親が、結婚式の終了直後にアルコールの過剰摂取で倒れてしまいます。
Mさんや周りの参加者は慌てて声掛けをして、白目をむく父親にクッションや敷物を用意します。
式場のスタッフが呼んだ救急車が早かったために、難を逃れることができました。
Sさんと同じくMさんも、持病の有無や薬の服用について救急隊員の方から確認されたそうです。
おめでたい席でもしっかり自分をコントロールすること、救急車は一刻でも早く呼ぶことが大事とMさんは話して下さりました。
3. 意外と誰もが持ってる救急経験、けれど武勇伝にしないで!
今回、周りの人に話を聞いたところ、多くの人が救急の経験がありました。
私の周りにはいませんでしたが、中には救急車に運ばれたことをあたかも武勇伝のように語る人がいるかもしれません。
しかし、国や医療機関が向上、充実させたいのはそんな自負心ではなく、救急に対する一人一人の意識と対処の方法です。
救急に対して真剣に考える、もし自分が救急の現場に直面したときに何が出来るかを学ぶことが大事になってきます。