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2017年2月10日更新

関節温存か人工関節か。変形性膝関節症3つの手術方法とその選び方・体験談

変形性膝関節症は放置しておくと寝たきりなどを招くこともあり、症状の進行が見られる時は手術を検討する必要があります。自分の関節を残すか、人工関節に換えるか、症状、年齢、ライフスタイルなどからそれぞれ患者さんに合った手術を選ぶことが大切です。
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変形性膝関節症はロコモティブシンドローム。放置すると寝たきりのリスクも。

膝関節は身体の中で一番大きな関節であり、「歩く」「立つ」「座る」といった日常生活の活動に大きくかかわっている関節です。

変形性膝関節症は症状が進行すると、安静時でも膝の痛みはなくならず、ヒアルロン酸注射や鎮痛剤を使っても抑えられなくなります。

末期になるとクッションの働きをしていた軟骨がほぼなくなり、骨そのものが破壊され変形してくるため、次第に日常生活を送ることが困難になってきます。

変形性膝関節症のような運動器に障害を起こす疾患は「ロコモティブシンドローム」と呼ばれており、それだけでは命に関わるわけではありませんが、高齢者の場合、要介護や寝たきりのきっかけになりかねず、厚生労働省では自立して健康に生活できる「健康寿命」が短くなると注意を呼びかけています。

ロコモティブシンドロームとは……

「運動器の障害のために自立度が低下し、介護が必要となる危険性の高い状態」を指す。
我が国では、実に毎年5万人もの人が「運動不足」が原因で亡くなっており、喫煙、高血圧に次いで第3位との報告もある。

(出典)厚生労働省 健康寿命の延伸に向けた最近の取り組み

患者さんが自立した生活を送ることが出来なくなることは、全身の健康状態にも大きな影響を及ぼす他、患者さんの家族にも大きな負担となります。

一方で、まだ現役世代の40~50代の患者さんであれば仕事に大きな支障をきたし、経済的にも厳しくなることも少なくありません。

変形性膝関節症はそのままにしておいても治ることはなく、むしろ少しずつ進行していく疾患であるため、症状の進行を食い止めるために、時期を見て手術を検討する必要があります。

 寝たきり介護円グラフ

(画像引用)関節ライフ 

※こちらは骨や関節など整形外科専門の情報サイトであり、膝の痛みに関する様々な情報も多数掲載されています。

変形性膝関節症の薬物療法については以下の記事で詳しく説明しています。
変形性膝関節症の検査と薬物治療。内服薬、注射、外用薬で痛みを和らげる。

「変形性膝関節症」3種類の手術。

変形性膝関節症における手術には「関節鏡下手術(かんせつきょうかしゅじゅつ)」「骨切り術(こつきりじゅつ)」「人工関節置換術(じんこうかんせつちかんじゅつ)」の3種類の方法があります。

「変形があるから必ず手術が必要」というものではなく、患者さん自身が感じている痛みや日常生活への支障の度合いなどが手術のタイミングを決断するきっかけになります。

それぞれの手術法には特徴があり、入院に必要な期間やその目的も異なります。

それぞれの手術の特徴や適応(手術が向いている状態のこと)、費用などをご説明します。

手術法①:関節鏡下手術~初期に行うと高い効果が。

≪関節鏡下手術はこんな患者さんに適応する!≫

  • まだ症状があまり進行しておらず骨の変形が少ない初期の方。
  • とにかく痛みを和らげたい方。
  • 体調不良、介護、子育て、仕事などの事情があり、長期の入院が出来ないor望まない方。

◆費用の目安 

8~10万円程度(3割負担の場合)
費用は病院や入院日数により異なり、差額ベッド代、食事などは含みません。
高額療養費制度(※1)の利用で自己負担限度額の支払いになります。

◆どんな特徴がある?

患部の周辺に1㎝ほどの孔(あな)を2~4か所ほど開け、その孔から関節内を映す内視鏡カメラや手術器具を入れて、関節内の炎症部分を取り除いたり、関節内に散らばった軟骨のかけらや骨棘(こっきょく:すり減った軟骨を補おうとしてできた突起状の組織)を掃除する手術です。

手術は前期~末期まで幅広く受けることが出来ますが、特に初期の進行を抑えるために行われる事が多い手術です。

傷んだ軟骨を取り除き、関節内の掃除することで、辛い痛みを緩和することが出来ます。

手術は1~2時間程度で、手術翌日からは積極的に動かし、曲げ伸ばしなどのリハビリを行います。

早いところでは翌日に退院出来るケースもありますが、多くの病院では1週間程度の入院が必要になります。

1cm程度の傷が数個残るだけで、患者さんの身体にとって最も負担が少ない手術ですが、この手術は、現在の辛い症状を改善するのが目的であり、完治を目指す手術ではありません。

症状が進行するにつれて痛みがぶり返すこともあり、いずれ骨切り術や人工膝関節の治療が必要になる場合もあります。

関節鏡可手術

(画像引用)人工関節ドットコム 

※こちらのサイトでは変形性膝関節症の手術について分かりやすく解説されています。

手術法②:高位脛骨骨切り術~改良型手術でO脚を矯正、正座やスポーツも可能に!

≪高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ:High Tibial Osteotomy:HTO)はこんな患者さんに適応する!≫

  • 年齢が比較的若く、骨の質がしっかりとしている方。
  • 膝関節の外側の軟骨が十分残っている方。
  • 肉体労働やスポーツなど活動量が多い方。
  • 治療期間に余裕があり、リハビリに力を入れられる方。

◆費用の目安 

40~50万円程度(3割負担の場合)
費用は病院や入院日数により異なり、差額ベッド代、食事などは含みません。
高額療養費制度(※1)の利用で自己負担限度額の支払いになります。

◆どんな特徴がある?

高位脛骨骨切り術は脛骨を切って膝関節の荷重がバランスよくかかるように調整する手術です。

生まれつき日本人にはO脚の人が多く、膝関節の内側部分に荷重がかかりやすくなっています。

そのため、変形性膝関節症の患者さんの9割は、外側よりも内側の軟骨がすり減っています。

痛みを抑え、内側の負担を減らすためにはO脚を矯正する必要があり、オープン法(Open Wedge HTO)という骨切り術が主に行われています。

オープン法では脛骨の内側に切り込みを入れて広げ、その間に人工骨を差し込み、金属プレートで固定して身体の軸(アライメント)を整えます。

骨切り術は、日本でも従来から行われている手術法ですが、2~3ヶ月ほどかかるリハビリや入院期間の長さなどの理由から、人工関節置換術が選択される場合が多く、これまではあまり積極的には行われていませんでした。

しかし、最近では医療技術の進歩で、改良型の方法が登場し、再度注目を集めています。

改良型ではβTCP(β-リン酸三カルシウム)という物質で出来た人工骨を使いますが、これは2~3年程経過すると自分の骨と置き換えられるようになっていて、人工物が身体に残ることはありません。

また、骨を固定する力が強いプレートも開発され、術後1週間目から歩行訓練ができるようになり、入院期間は3週間~1ヶ月程度にまで大幅に短縮することが出来るようになりました。

手術時間は2時間程度で、さらに1年後に、固定用の金属プレートを外す手術(骨内異物挿入物除去術)が必要になりますが、何といっても自分の関節を残すことができるため、動きに制限がなく、肉体労働、スポーツなども可能になる上、さらには軟骨の再生が可能な場合もあります。

高位脛骨骨切り術①

(画像・写真引用)ひざの痛みと治療方法

※こちらのサイトでは高位脛骨骨切り術について詳しい情報を見ることができます。

しかし、オープン法は重度のO脚の場合や、外側の軟骨も傷んでしまっている場合には行えません。

そのようなオープン法が行えない方でも農作業をされる方やどうしてもスポーツを続けたい活動度が高い方にはクローズ法(Closed Wedge HTO)という骨切り術が検討されます。

脛骨の外側を三角形に切り取り、金属プレートで固定するという手術ですが、脛骨の外側にある細い腓骨(ひこつ)を切断する必要があるため、オープン法に比べると侵襲(患者さんの身体への影響)が大きく、難易度が高い手術です。

固定プレートなどの性能が上がり、術後2週間程度で歩行訓練が出来るくらいには回復しますが、年齢が若く、リハビリにしっかり取り組める方に向いている手術法です。

高位脛骨骨切り術②

(写真引用)ひざの痛みと治療方法

オープン法、クローズ法ともに骨切り術は、言ってみれば「人工的に骨折をさせる」手術です。

そのため、完全に骨が癒合(ゆごう:骨の接合面がくっつくこと)するまでは痛みが残る場合もあるので、治療期間に余裕をもって、リハビリに十分な時間をかけることが重要になってきます。

また、高位脛骨骨切り術を受ける上で気を付けなければならないと言われているのが「喫煙」です。

これまで骨切り術を受けた喫煙者の中には骨が癒合しなかったり、再生が遅れるケースが高い割合で認められています。(※ある論文では186名中、10名の骨が再生せず、そのうちの7名は喫煙者だったとのデータがあります。)

まだ今後詳しい調査が必要ですが、骨の再生が遅れる原因は、煙草の煙に含まれる一酸化炭素が血管を収縮させ、傷をなおそうとしてできた新しい血管を潰してしまうからと考えられています。

骨の切断面が癒合してしっかりとした強度になるためには新しくできた血管の血流が必要です。

そのためにも手術を検討する場合は、まず禁煙を徹底し、手術後も完全に癒合するまで喫煙を控えることが大切です。

(参考)横須賀市民病院 関節外科 関節温存手術

※こちらの病院は高位脛骨骨切り術の第一人者である竹内良平先生が在籍しており、全国的にも多くの治療実績があります。

(参考)Dr.MIYA Web Site  

※膝の専門家であるスポーツドクター宮武 慎先生のサイトです。高位脛骨骨切り術について画像を交え分かりやすく解説しています。

手術法③:人工関節置換術~膝関節手術の最終手段

≪人工膝関節置換術はこんな患者さんに適応する!≫

  • 進行末期で骨の変形がひどい方。
  • 骨密度や骨の質が弱い方。
  • スキー、ジョギングなど激しいスポーツをしない方。
  • 仕事などで重いものを持ったり、肉体労働を行う必要がない方。
  • 辛い痛みをとにかく無くしたい方。
  • 高齢者の方。

◆費用の目安 

60万円程度(3割負担の場合)
費用は病院や入院日数により異なり、差額ベッド代、食事などは含みません。
高額療養費制度(※1)の利用で自己負担限度額の支払いになります。

◆どんな特徴がある?

症状が進行して患者さん自身の骨では治せない場合は、変形した患者さんの膝関節部分の骨を取り除き、代わりに金属(コバルト合金、チタン合金など)やセラミック、ポリエチレン(プラスチックの一種)などで作られた人工関節(インプラント)を入れる人工関節置換術を行います。

人工関節置換術は日本国内では30年ほどの歴史があり、その間、インプラントの性能も格段にあがり、初めは数年程度だった耐久年数も、現在、15~20年以上に伸びています。

手術はコンピュータによるナビゲーションシステムを取り入れ、高い精度で正確に行えるようになっています。

この手術では自分の関節の痛みを起こしている部分を取り除いてしまうため、疼痛(とうつう:ズキズキ、うずくような痛み)は大幅に解消される他、脚がまっすぐになり、跛行(はこう:足を引きずりながら歩くこと)も解消され、歩行もスムーズになります。

人工関節術前術後

(写真引用)人工関節の広場 

※こちらのサイトでは人工関節置換術の手術方法についてわかりやすく説明されています。

人工関節は人間の膝関節の滑らかな動きを再現するため、大腿骨部(だいたいこつぶ)、脛骨部(けいこつぶ)、膝蓋骨部(しつがいこつぶ)の3つのコンポーネント(部位)から構成されています。

人工膝関節置換術

(画像引用)人工関節ドットコム 

人工関節置換術には全体を置き換える場合と部分的に置き換える場合の二通りの方法があります。

ご自身の膝関節を丸ごと取り除き、人工関節に置き換える手術は全人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty:TKA)と呼ばれています。

それに対し、活かせる部分は活かし、傷んだ一部分だけを置き換える手術は単顆人工膝関節置換(Unicompartmental Knee Arthroplasty:UKA)と呼ばれています。

UKAでは傷んでいる一部(内側の場合が多い)だけをインプラントに置き換えるため、前十字靭帯と後十字靭帯などの組織を切らずに温存でき、それだけ患者さんの侵襲を抑えることができます。

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(画像引用)関節が痛い.com

※こちらのサイトは関節の痛みと人工関節について詳しい情報が掲載されています。

インプラントの改良で、人工関節置換術を受ける患者さんは増えつつあり、2014年には年間約8万人の方が手術を受けているスタンダードな治療法となってきています。

手術の所要時間は2時間程度で、手術後2日後くらいからリハビリを始めます。

2週間ほどで杖をつきながら歩くことが出来るようになり、最終的にはその杖も必要なくなる方が多いようです。(※患者さんの状態による)

人工関節手術後で気を付けなければいけないことは細菌感染に弱いということです。

患部に感染を起こすと人工関節の入れ替えなどが必要になる事もあります。

手術直後だけでなく、手術から時間が経っても、虫歯になる、ケガをして傷口が化膿する、風邪をこじらせるといったことで菌が膝に入り、感染するケースもあるため、常に感染症に気を付ける必要があります。

また、現在では素材やデザインなども改良されていますが、あくまでも人工物であるため、ひざの曲がりは90°~120°程度と制限があり、完全な正座などは難しくなる他、緩みなどが出た場合には再置換の必要があります。

厚生労働省の調べ(2008年に行われた当時の社会保険庁の調査)によると人工膝関節置換術手術を行う平均年齢は73歳です。

高齢者にとってベッド上での安静が長く続くことは認知症などにもつながりかねず、術後早期にリハビリを始めることが出来る人工関節置換術は高齢者でも行いやすい手術です。

(参考)厚生労働省 手術について 人工膝関節置換術(TKA)

【体験談】70代で人工関節置換術を受けた祖父。リハビリを終え無事退院。

70代の祖父が、もともと膝を痛めており、変形性膝関節症として近所の整形外科に通院していました。しかし、痛みが悪化してきたため、近くの大学病院を紹介してもらい手術をうけることになりました。

手術は、人工膝関節形成術というもので、膝の変形を治すために人工関節を入れることになりました。

手術当日は、祖父も緊張しながら手術室に入っていきましたが、4時間程度で無事に病室に戻ってきました。意識はありましたが、ぼーっとした感じで横になっていました。腕には点滴、膝のところからは血が廃液されるように小さな管がつながっていたり、おしっこの管や酸素マスクをした状態でした。時間がたつと看護師さんが酸素マスクを外してくれて、お水を飲ませてくれました。手術当日は、ベッドからは動いてはいけないようで、徐々に動きを拡大していくようになるとのことでした。

数日たってまたお見舞いにいくと、点滴も外れて、すっかり身軽になっている祖父がいました。しかし、痛みがやはりあるようで、食後には痛みどめの薬(ロキソニン)を飲んでいました。リハビリが毎日あって、病室では、看護師さんが足を自動で曲げ伸ばしするような器械をつけてくれていました。車いすから歩行器、杖歩行へと少しずつリハビリが進んでいき、術後4週間程度で、リハビリ病院へ転院することになりました。

そして無事に退院し、定期診察として今も整形外科に通っています。

(引用)持病の変形性膝関節症が悪化し、人工膝関節形成術を受けた祖父 

手術方法は症状や年齢だけでなく、患者さんがどう過ごしたいかによって選択。

これまでは、手術療法を選ぶにあたって、まず不快な症状を取り除くための関節鏡下手術が検討され、若ければ骨切り術でなるべく持ちこたえ、最終的には人工関節を選択という具合に年齢などで段階的に選択されるのがスタンダードでした。

なぜならば活動量の多い20~50代は人工関節を入れても、いずれ経年劣化でゆるみが起こり、人工関節を新しいものに取り換える再置換術が必要になるためです。

再置換は最初の置換手術に比べて更に難しく、リハビリにも時間がかかるため、なるべく関節鏡下手術や骨切り術で時間を稼ぎ、ある程度の年齢になったら人工関節にするのが良いと考えられていました。

逆に高齢者の方は始めから骨切り術は検討せず、人工関節置換術が行われるケースがほとんどでした。

しかし、現在では元気なアクティブシニアの方も多くなってきています。

骨切り術も改良型の登場で、高齢の方でも農作業をしたり、登山やダンスなど激しい動きの趣味が生きがいの方にとっては可動制限のない骨切り術を行うことが可能となりました。(※骨の状況によっては行えない場合もあります)

反対に、人工関節の性能がアップし、装置の寿命が伸びたことによって、骨の質が弱く骨切り術を行えない20代~50代の若い患者さんでも人工関節置換術を選択しやすくなっています。

どの手術が患者さんに向いているかはそれぞれ違い、手術後の患者さんがどのように過ごしたいのか、という目的が決め手となります。

主治医の先生と良く相談し、患者さんの年齢や症状だけでなく、生活環境、ライフスタイルや患者さん自身のご希望などによって選ぶことが重要です。

(参考)関節が痛い.com

術後、不安にならないために。インフォームドコンセントの重要性

身体にメスを入れる手術はどうしても不安がつきもの。

手術の内容やメリットデメリット、代替療法の有無や考えられる副作用、術後の経過などについては手術前にしっかりとした説明(インフォームドコンセント)を受けておくことが大切です。

手術後、患者さんによっては症状が落ち着くまでに痛みや腫れなどがしばらく続くことがあったり、リハビリが思ったように進まなかった、ということもあります。

患者さんにとって、入院やリハビリが当初の予定より長引くことは精神的に大きなストレスになります。

手術内容はもちろん、術後、起こりうる様々な状況についても説明を受けてから手術に臨むようにしましょう。

【体験談】術後、長引いた痛みで不安を持ちながらの入院生活。もっと説明が欲しかった。

一年半位前に左膝の人工関節置換手術を行いました。その時は右膝はそれほど状態が悪くなく、手術の必要がないと言われてました。

その後左膝の歩行時の負担がかかった為か右膝も状態が悪くなり今回は人工関節ではなく、骨切り術という術法で手術をしました。

術前の説明では30日から45日ほどで退院できるという説明でした。

前回の手術の時はリハビリ治療の為に転院してすっかり回復する位4カ月程入院したので、今回も仕事は大事を取って4カ月程休みを取りました。全身麻酔で手術をし、現在のリハビリ状況では術後2週間くらいで全体重荷重で歩行訓練に入るそうですが、私の場合はその方法だと一歩歩くごとに脳に焼き火箸を刺されるほどの激痛で、とても耐えられる痛みではなかったです。

それで時間をかけてゆっくりとリハビリをする方針に変更になり、結局3か月くらいの入院期間になりました。退院してからも歩行時痛が強く杖をついての歩行でもやっとの状況です。

人工関節の時は術後60日位で歩行時痛はごく少しになっていましたので、ずっと続く痛みにかなり不安で入院中でも主治医になぜこんなに痛みが続くのか何回も訴えました。

主治医の医師はとても患者さんに親切で、外来治療や手術の合間にも忙しいにも拘らず一日2~3回ほども病室に来てくれて声をかけてくれるような優しい方でしたが、この手術は一旦膝の下を切り離し、骨と骨の間に人工骨を差し入れ曲がった状態の脚をまっすぐにし、膝の関節の痛い部分を補正するので人によっては痛みが長く続く事も多いと説明がありました。

術後6~8か月位で痛みは緩和されその後は人工関節より機能が良くなるという事でした。

先生には感謝していますし、不満はないものの術前にその辺の可能性などもっと説明が欲しかったです。

仕事も長期に休める人はいいですが、短期で復帰を考えている人にはふさわしくないと思います。総合病院は混んでいるので術前の説明など十分に受ける時間を取るのは難しい場合もありますが、皆様どうぞ納得のいくまで質問して、こんな筈ではなかったという事の無いように検討して下さるように私の経験から強くお勧めします。

(引用)変形性膝関節症で骨切り術を行いました。予定より入院が長期に。

 

上記の体験談の方も術後の痛みのために思うようにリハビリが進まず、不安な思いをされたとおっしゃっています。

回復までにはさまざまなケースがある事を知っておくことで、「こういうこともあるんだ。」と不要な焦りや不安を感じることなく、前向きに治療に取り組めるのではないでしょうか。

変形性膝関節症の手術は、患者さんご自身がこれまでの辛い症状から解放され、元気な膝を取り戻すための手術です。

そのためにも、じっくり検討し、患者さん本人が十分納得してから手術を受けることが大切です。

変形性膝関節症の治療実績の多い病院を病院口コミ検索サイト「Caloo」で探す。

(※1)高額療養費制度

手術や治療費用が、ひと月で一定額を超えた場合に、その超えた金額を返還する制度。年齢(70歳)や加入者の所得によって負担額は違います。治療が月をまたぐと自己負担額が増えます。

高額療養費制度については以下の記事で詳しく解説しています。
変形性股関節症「人工股関節置換術」で快適な毎日を!その手術方法と体験談

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