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2018年5月16日更新

長引く鼻水、鼻づまりは要注意!急性副鼻腔炎の原因・症状・治療法・体験談

長引く鼻水、鼻づまり、原因不明の頭痛や顔の痛みは急性副鼻腔炎かも!風邪からの発症が多い急性副鼻腔炎は誰もが罹る可能性がある疾患。しっかり治さないと悪化して慢性化する恐れもあります。今回は急性副鼻腔炎の原因や症状、治療法についてご紹介します。
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風邪がよくなったのに、いつまでも続く鼻水や鼻づまりで呼吸が苦しい……。
「気付くといつもズルズルと鼻をすすっている」というようなことはありませんか?
このような症状はもしかしたら「急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)」によるものかもしれません。

急性副鼻腔炎はウイルスや細菌などの風邪がきっかけで発症することが多い疾患。
そのため、年齢を問わず誰でも罹る可能性がありますが、小さなお子さんの場合、副鼻腔自体が十分に発育していないことやアデノイド(咽頭扁桃:いんとうへんとう)*1が大きいことなどから特に発症しやすく、たびたび繰り返しやすいという特徴があります。
*1 アデノイドはのどの一番上(鼻の奥)にあるリンパ組織のこと。3歳頃から成長し、6歳頃に最大になりますが、その後は少しずつ小さくなり、大人になるとほとんど目立たなくなります。アデノイドが大きいと空気の通り道が狭くなるため、鼻呼吸が難しくなり、口呼吸になったり、いびきをかきやすくなる他、中耳炎や副鼻腔炎の発症原因にもなります。

急性副鼻腔炎はきちんと治療を行えば1~2週間で治すことができますが、「たかが鼻かぜ」と思ってそのまま放置してしまうと、症状をこじらせて中耳炎などの合併症を引き起こす場合があるほか、さらに治りにくい慢性副鼻腔炎に移行してしまう場合もあるため油断は禁物です。

症状を悪化させないためにも、まずは急性副鼻腔炎がどういう疾患なのか、正しい知識を持つことが大切。そこで今回は「急性副鼻腔炎」の発症原因や症状、治療法などについて詳しくご紹介していきます。

(参考)一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 
※ こちらのページでは副鼻腔炎の症状について分かりやすいQ&Aの説明を見ることができます。

1.こんな症状は「急性副鼻腔炎」かも!

急性副鼻腔炎発症の代表的な症状は「鼻水、鼻づまり」ですが、患者さんによっては一見、鼻には関係がないような症状から始まることもあるため、発症に気付くのが難しいことも。
まずは急性副鼻腔炎を発症している可能性があるか、セルフチェックしてみましょう。

急性副鼻腔炎セルフチェック

  1. 鼻が詰まっていつも呼吸が苦しい。
  2. 鼻声である、または声が出しにくい。
  3. 粘りがあり、黄色もしくは黄緑色の鼻水が出る。
  4. 鼻をかんでもスッキリせず、鼻の奥に残留感がある。
  5. 鼻水が喉の奥に垂れてきて、痰や咳が出る。
  6. 鼻の中にイヤな臭いを感じる。
  7. 頬に痛みや圧迫感などの違和感がある。
  8. 頭や目の奥、鼻の周りに痛みがある。
  9. 奥歯が痛い。
  10. 食事の味や臭いが分からない。
  11. 鼻づまりで寝付けなかったり、夜中に目が覚めてしまう。
  12. 少し前に風邪をひいていた。

やはり鼻水や鼻づまりに関する症状が多いですが、チェックリストにもあるように、頭痛や顔の痛み、歯の痛みといった症状が現れることもあります。

チェックに当てはまる項目が多い方は急性副鼻腔炎を発症している可能性があるので、放置せずに一度耳鼻科を受診するようにしましょう。

※上記のセルフチェックはあくまでも目安です。正確な診断には耳鼻科での検査が必要になります。

急性副鼻腔炎とは?副鼻腔の構造と発症のメカニズム

副鼻腔とは鼻の鼻腔(びくう:鼻の穴の内部)の周りにある空洞のこと。
上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)という左右それぞれ4つの空洞があり、これらを総称して「副鼻腔(ふくびくう)」と呼びます。

4つの副鼻腔

(画像引用)副鼻腔炎(蓄膿症)の症状と治療 医療法人梅華会グループ
※副鼻腔とは、鼻腔の周りにある左右それぞれ4つ、合計8つの空洞の総称です。

顔の2/3を占めている副鼻腔は、直径2~3mmの連絡口(自然口といいます)で鼻腔とつながっていて、鼻から吸った空気を体内に取り込むための通り道となっています。

何らかの理由で副鼻腔の空洞のどこかに炎症が発生し、副鼻腔内に膿が溜まってしまうのが急性副鼻腔炎です。

急性副鼻腔炎は発症から4週間以内とされており、症状が長引き、3ヶ月以上になると慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)へ移行したと考えられます。

比較的、薬などで治りやすい急性副鼻腔炎に比べ、慢性副鼻腔炎は治りにくく、時には手術などの治療が必要になるケースもあります。

治療が難しい慢性副鼻腔炎に移行させないためにも、急性副鼻腔炎を発症した時にきちんと治療を行い、完治させておくことが大切です。

(参考)副鼻腔炎(蓄膿症)の症状と治療 医療法人梅華会グループ
※こちらのサイトでは原因や症状、治療法など副鼻腔炎についての情報が分かりやすく解説されています。

2.風邪やアレルギー性鼻炎との違いは?急性副鼻腔炎の特徴

きっかけが「風邪」ということも多い急性副鼻腔炎は、症状もまた風邪とよく似ているため、見極めが難しいことも。

実際に急性副鼻腔炎の症状にはどのようなものがあるのか、また、風邪やアレルギー性鼻炎の症状とはどのような違いがあるのかについても見ていきましょう。

急性副鼻腔炎で現れる主な症状

①鼻汁(びじゅう:鼻水)

鼻水は、細菌などの有害物を体の外に追い出すために鼻粘膜から分泌されるものであり、体の防御反応の一つです。

最初は透明な鼻水から始まりますが、次第に鼻水に粘膜のはがれたものや、白血球などが混じるようになると、だんだんと黄色く、ドロッとした粘性のある鼻水に変わっていきます。

さらに悪化すると嫌な臭いが出ることもあります。

②鼻閉(びへい:鼻づまり)

炎症により鼻の粘膜が腫れて鼻腔が塞がり、鼻が通らなくなります。また、鼻腔内に粘り気のある鼻水が溜まって鼻づまりになることもあります。

鼻閉は口臭いびきの原因になるほか、鼻づまりで溜まった膿が出せなくなると、鼻水が逆流して喉から流れる「後鼻漏(こうびろう)」という症状になり、も出やすくなります。

また、においを感じる神経細胞に空気が届かなくなるため、においや味が正確に分からなくなる「嗅覚障害」になることもあります。

【体験談】長引く鼻水、鼻つまり。風邪の治りかけに副鼻腔炎を発症。

夫が風邪をこじらせ、近隣の内科にて風邪薬を貰って1週間程飲んでいましたが、熱や悪寒、食欲不振などの症状は治ったのに、鼻づまりと鼻水、そして就寝時に体を横たえると、咳が出て寝付けなくなりました。
特に鼻づまりがひどく、食べ物の味やにおいもほとんど分からないほどになり、今度は耳鼻咽喉科へ行きました。

耳鼻咽喉科では「急性副鼻腔炎」と診断されました。
急性副鼻腔炎は、風邪の治りかけに併発してしまうことが多く、大半の人が風邪の症状と混同してしまい、ずるずると長引いてしまうそうです。

(引用元)風邪の後遺症から急性副鼻腔炎に かめちゃんどっと(50歳代・女性)

体験談の方の「食事の味やにおいが分からなくなる」という症状も、ひどい鼻づまりによる嗅覚障害を起こしていたためであると思われます。

③頭痛、顔面痛、歯痛

副鼻腔の炎症が起きた空洞の位置に応じ、頭や目の奥、頬や上の奥歯などに強い痛みが出る場合があります。

急性で炎症が強い場合は、寒気や発熱を伴うこともあります。

【体験談】顔の痛みから始まった急性副鼻腔炎。増していく痛みで耳鼻科を受診

最初の症状は顔が痛いでした。
とにかく顔が痛くていつも違和感を感じていました。
主人に副鼻腔炎ではないかと言われるまで、私は激痛に耐えてました。

元々熱っぽくだるいのもあり、たんなる風邪の症状の一つかと思い、特に心配はしていませんでした。

しかし痛さがどんどん酷くなり、寝る時は頬っぺたのあたりに湿布を貼っていたぐらいです。

人生で初めて耳鼻科に行きました。

問診票に症状を記入すると副鼻腔炎の症状とあてはまり、すぐにレントゲン室へ。

結果は「急性副鼻腔炎」でした。

(引用元)顔の中心が痛い、急性副鼻腔炎 あーちゃん(30歳代・女性)

顔の中心部の痛みから始まった上記の患者さんのケースも、副鼻腔に溜まった膿が原因で激痛が起きたものと考えられます。

このように鼻水、鼻づまり以外の症状がメインの場合、なかなか原因が分からず、医療機関を受診して初めて急性副鼻腔炎が分かったというケースも少なくありません。

どうやって見分ける?風邪やアレルギー性鼻炎との違い

やはり難しいのは鼻水、鼻づまりなど、症状が似ている風邪やアレルギー性鼻炎との違いです。勝手に風邪やアレルギーだと思い込んでしまい治療が遅れると、症状を悪化させてしまう原因にもなりかねません。

風邪の場合、鼻水、鼻づまりのほかにくしゃみや発熱といった症状も現れますが、副鼻腔炎の場合はくしゃみの症状は起こらず、熱が出るケースはあまり多くはありません。

また、アレルギー性鼻炎の場合、透明でさらさらの鼻水が続き、くしゃみや目のかゆみといった症状があっても熱が出ることはありませんが、副鼻腔炎の場合は、鼻水は粘性で、まれに熱を伴うこともありますが、くしゃみやかゆみといった症状は現れません。

もちろん、症状からだけでは判断することはできず、正確には医師の診断が必要ですが、一般的には以下のような点をポイントに推測することが可能です。

2_副鼻腔炎、風邪、アレルギー性鼻炎比較

(図)急性副鼻腔炎、風邪、アレルギー性鼻炎の比較 Calooマガジン編集部

(参考)みみ・はな・のどの病気 副鼻腔炎 くさの耳鼻咽喉科
※こちらのページには副鼻腔炎の症状や、風邪やアレルギー性鼻炎との違いなどについて分かりやすく書かれています。

3.急性副鼻腔炎発症の原因にはどんなものがある?

風邪がきっかけになることが多いとお話しましたが、なぜ風邪をひくと副鼻腔炎になるのでしょうか?

また、風邪以外に副鼻腔炎を起こす原因にはどのようなものがあるのかも見ていきましょう。

①風邪によるウイルスや細菌感染

急性副鼻腔炎の多くを占めるのがこのタイプです。

一般的な風邪とは、正確には「風邪症候群(急性の上気道炎*1)」のことで、その80%~90%はライノウイルスやコロナウイルスなどのウイルスに感染することで発症します。(まれに細菌の場合もあり)
*1 上気道炎とは鼻腔から喉頭までの気道を上気道に起こる炎症のこと。

これらのウイルスが鼻腔の粘膜に感染すると、鼻炎を起こし、鼻水や鼻づまりなどの症状が現れます。

副鼻腔内には粘膜と繊毛(せんもう:細胞の表面にみられる多数の細毛)があり、普段は外部からのウイルスや細菌が入り込まないようにブロックしていますが、ウイルス感染が副鼻腔にまで広がり、粘膜に炎症が起こってしまうと、副鼻腔炎を発症します。

風邪がきっかけとなる場合はほとんどが急性鼻炎(鼻腔内の炎症)も併発しているため、「急性鼻副鼻腔炎」と言われる場合もあります。

ウイルス性の急性副鼻腔炎の場合は、比較的症状が軽く、1週間~10日程度で治ることが多いですが、ウイルス感染後に肺炎球菌インフルエンザ菌などの細菌に二次感染して発症する細菌性の急性副鼻腔炎の場合、症状は長引き、重症化するケースもあります。

②アレルギー性鼻炎

花粉ダニハウスダストなどのアレルギーがあり、慢性的な鼻炎症状がある方も急性副鼻腔炎を起こしやすくなります。

鼻腔と副鼻腔をつなぐ細い道(自然口)が通じている状態であれば、膿は溜まることなく自然に排出されますが、アレルギー性鼻炎の方は、この通り道がつまり気味になっていることが多いため、副鼻腔炎を繰り返し発症してしまう場合があります。

発症を予防するためにはしっかりとアレルギーの治療を行い、日頃から鼻の通りをよくして鼻炎症状をコントロールしておく必要があります。

③むし歯・歯周病

鼻の疾患というイメージが強いため、意外と思われるかもしれませんが、むし歯・歯周病による歯の根元の炎症から副鼻腔炎を発症するケースもあります。

上あごは鼻の後ろ側にある上顎洞と通じています。そのため、上の奥歯のむし歯歯周病を放置していると、副鼻腔に細菌が繁殖して膿が溜まり、副鼻腔炎を発症することがあります。(下のアゴには副鼻腔との繋がりがないため、下の歯が原因で発症することはありません。)

ちなみに歯科では、副鼻腔炎という名前は使わず、「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」という名前で呼ばれますが、現れる症状は副鼻腔炎と同じです。

症状を改善するためには、鼻の治療だけではなく、原因となる歯の炎症を抑える治療が必要です。

むし歯や歯周病以外にも抜歯インプラント手術で上顎洞の粘膜に傷がつき、そこから細菌が繁殖して発症するケースもあります。

④真菌(カビ)

日常的に空気中に存在する病原性の弱い真菌(カビ)が原因で副鼻腔炎を発症する場合もあります。

アスペルギルスカンジダといった真菌(カビ)は、ヒトの体にも普通にあるもので、通常なら炎症を起こすことはありません。

しかし、高齢者や体の抵抗力が弱い方、抗生物質をよく飲む方や免疫系の病気治療のためにステロイドや免疫抑制剤などを飲んでいる方は、もともと免疫力が弱まっている状態のため、副鼻腔炎を発症するケースがあります。

そのほか、糖尿病やガンなどの基礎疾患がある方や、もともと真菌のアレルギーがある方の場合が副鼻腔内でアレルギー反応を起こすことで発症する場合もあります。(アレルギー性真菌性副鼻腔炎)

真菌性副鼻腔炎の特徴は、片方からだけ鼻水が出るなど、左右どちらかに症状が出ること。CTやMRIなどの画像診断で真菌性副鼻腔炎と判断された場合は、薬物療法ではなく手術による治療が行われます。

(参考)副鼻腔炎(蓄膿症)の症状と治療 医療法人梅華会グループ
(参考)虫歯で蓄膿症になる? 京王八王子駅前歯科 
※こちらのページではなぜむし歯から副鼻腔炎を発症するのかが分かりやすく説明されています。

4.急性副鼻腔炎診断のための検査法

耳鼻科を受診すると、症状を確定するために医師の診察や検査が行われます。

診察では、鼻鏡(びきょう:鼻の穴を広げて鼻腔内の状態を見るための器具)を使った視診や、「どのような症状があるのか」「症状はいつから出ているのか」などの問診が行われます。

これらの所見だけでも急性副鼻腔炎と診断できる場合もありますが、患者さんの症状により、確定診断のために以下のような検査が行われる場合もあります。

①頭部レントゲン(X線)検査

レントゲンを撮ると、空洞部分は黒く写ります。副鼻腔炎によって粘膜が腫れ、本来は空洞になっているはずの部分に膿が溜まっていると白く映ります。

この検査では上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞のどの部分に炎症が起きているのかを調べることができます。

ただし、小さなお子さんの場合、副鼻腔が小さいため、すぐに膿が鼻に出てきて症状で診断しやすいことや、副鼻腔の発達が未熟だという理由からレントゲン検査は行わないケースもあります。

頭部レントゲン副鼻腔炎

(画像引用)ちくのう症(蓄膿症)つるはら耳鼻科
※奈良県奈良市にある耳鼻科のサイトです。蓄膿症について分かりやすい解説を見ることができます。

②内視鏡検査

ファイバースコープという先端にカメラが付いた細い内視鏡を使い、鼻鏡では見えない鼻腔内の奥まで詳しく調べることができます。

患者さんそれぞれに違う鼻の中の形状や、ポリープ(鼻茸といいます)の有無、後鼻漏などの症状があるかを確認することができます。

副鼻腔炎内視鏡画像

(画像引用)内視鏡検査 副鼻腔炎(蓄膿症)の症状と治療 検査について 医療法人梅華会グループ
※頬と鼻腔をつなぐ細い管に膿が溜まり、すき間から溢れている症例。こちらのページでは、副鼻腔炎で行われる検査についての情報を見ることができます。

③頭部CT検査、MRI検査

副鼻腔内の炎症がある場所や範囲、症状の程度などをレントゲンよりもさらに詳しく調べることができます。

再発を繰り返す、治療をしても改善しないというような場合は通常の副鼻腔炎ではなく、カビやむし歯などが原因の場合もあるため、CTやMRIといった画像検査を行います。

最近では、総合病院などの大規模な病院だけでなく、独自に耳鼻科用CTを導入しているクリニックもあります。

④細菌検査

鼻の奥の分泌物を綿棒で採取し、副鼻腔炎の原因となっている菌を調べる検査です。

肺炎球菌インフルエンザ菌など原因菌が特定できれば、効果のある治療薬を見つけることができます。(肺炎球菌の検査には保険適用の迅速診断キットが使われることもあり。)

5.どんな治療をするの?急性副鼻腔炎の治療

診察や検査の結果、「急性副鼻腔炎」と診断されると、いよいよ治療の開始です。

急性副鼻腔炎の治療は「薬物療法」と、直接鼻への処置を行う「局所療法」の大きく二つ。それぞれどのような治療を行うのか見ていきましょう。

①薬物療法

急性副鼻腔炎の治療の基本は薬物療法で、主に以下のようなお薬が処方されます。

◆去痰剤……粘性の鼻水をサラサラにし、排出しやすくする効果があります。

カルボシステイン(商品名 ムコダイン)、アンブロキソール塩酸塩(商品名 ムコソルバン)といったお薬が処方されます。

◆抗生物質……細菌の増殖を抑え、殺菌する効果があります。※軽症でウイルスが原因と思われる場合は使用しません。

ペニシリンに対するアレルギーがない限り、第一選択薬にはペニシリン系抗菌薬「アモキシシリン(商品名:サワシリン、ワイドシリン、パセトシン)が処方されます。

セフェム系抗菌薬(メイアクト、フロモックスなど)を使用する場合もあります。

ただし、最近では急性鼻副鼻腔炎の2大起炎菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌は薬剤への耐性を持っているケースも増えてきており、通常よりも量を増やして(1.5~2倍)投与する場合もあります。

◆その他……解熱鎮痛薬やアレルギー治療のお薬など

患者さんの状態に合わせ、炎症による痛みが強い場合は解熱鎮痛剤、アレルギー性鼻炎を併発している時には抗アレルギー薬(内服薬、点鼻薬)などが処方されます。

②局所療法

薬物療法と並行して大切なのが耳鼻科で行う局所療法です。
鼻吸引とネブライザー療法を併せて行うことで、炎症の起きている患部に直接働きかけることができ、薬物療法の治療効果をより高めることもできます。

◆鼻吸引

先端が管になっている吸引機を使い、鼻水や膿の吸引を行います。局所麻酔薬や血管収縮薬を使用して一時的に腫れを抑えながら行うので、鼻をかんだ程度では出てこない鼻腔や副鼻腔内にたまった鼻水や膿を効率的に取り除くことができ、鼻が通りやすくなります。

◆ネブライザー療法

鼻吸引を行った後、微量の抗生物質やステロイドなどの薬剤を含んだ薬剤をネブライザーという装置で霧状にして鼻から吸入します。
鼻に直接噴霧するため、内服薬や点滴に比べると体への影響や副作用が少なく、小さなお子さんなどでも簡単に行うこともできるのがメリットですが、確実に効果を得るためには正しく吸入を行うことが重要です。

ネブライザー治療

(画像引用)副鼻腔炎(蓄膿症)の症状と治療 いろいろな治療法 医療法人梅華会グループ
※マスクを付け、細かい霧状の薬剤を口と鼻から吸い込みます。

急性副鼻腔炎治療法

(図)急性副鼻腔炎の治療法 Calooマガジン編集部

(参考)おくすり110番 カルボシステイン
(参考)おくすり110番 アンブロキソール塩酸塩
(参考)おくすり110番 アモキシシリン
(参考)おくすり110番 メイアクト
(参考)おくすり110番 フロモックス
※おくすり110番は医療機関で処方される薬品の効能や特徴などの情報を掲載しているサイトです。
(参考)副鼻腔炎(蓄膿症)の症状と治療 いろいろな治療法 医療法人梅華会グループ
(参考)日本鼻科学会 急性副鼻腔炎診療ガイドライン2010年版
(参考)日本鼻科学会 急性副鼻腔炎診療ガイドライン追補版2013パブリックコメント暫定版

自宅でのケアにおすすめ!家庭で簡単に鼻水を吸引できる「電動鼻水吸引器」

鼻の中に溜まった鼻水をそのままにしておくと、そこから細菌が繁殖しやすく炎症の悪化につながります。
鼻水、鼻づまりの症状がひどい時は、鼻吸引の回数を増やすことが効果的ですが、だからと言って毎日耳鼻科に通うのはなかなか大変……。
そのような場合におすすめなのが自宅で使える「電動鼻水吸引機」です。

小さなお子さんの場合、自分では上手に鼻をかめない場合も多いですが、詰まった鼻水を吸引機でこまめに吸い取って鼻の中を清潔にすることで、呼吸が通りやすくなり、息苦しさの改善にも効果があります。

口で吸うタイプや電池式の簡易型などいろいろなタイプがある吸引機の中でも、吸引力が強く、しっかり鼻水が吸えるのは据え置きタイプの電動鼻水吸引機。

小さなお子さんだけではなく、大人でも使用でき、装置のパーツは取り外して洗うことができるので衛生的に使用できるのもメリットです。

価格は定価で30,000円程度(下記のモデルの場合)と決して安くなく、「置き場所をとる」「使用時の音が大きい」などのデメリットもありますが、高い効果を実感して自宅で子供に使用しているという小児科の先生もいらっしゃるようです。

副鼻腔炎発症時だけでなく、風邪のひきはじめで鼻水が出始めた時に、早めに自宅で鼻水を吸引すれば副鼻腔炎を未然に防ぐことも可能なので、特に普段から鼻水が出やすいお子さんのご家庭では1台準備しておくと安心かもしれません。

電動鼻水吸引器 メルシーポット S-503電動鼻水吸引器 メルシーポット S-503

 

6.日常生活上の注意と予防法

「誰でも」「何度でも」罹る可能性のある急性副鼻腔炎は、まず、罹らないように予防することが一番。

特に、小さなお子さんなどはなかなか自分では気を付けることができないので、ご家庭で普段から予防のための対策をとってあげることがとても大事です。

正しい鼻のかみ方をマスターしよう!

普段は無意識で、何気なく鼻をかんでいるという方も多いと思いますが、「正しい鼻のかみ方」ができていないと鼻水が残ったままになってしまい、そこから炎症が起きることも。

正しい鼻のかみ方ができているか、今一度復習して、正しい鼻のかみ方をチェックしてみましょう。

≪正しい鼻のかみ方≫

1.口から息を吸う
2.片方を抑えて、片側ずつかむ。(この時、思いっきりかむのではなく、ゆっくりと少しずつ行うのがポイントです。)
3.途中で止めずに、鼻水が残らないように最後までしっかりと出し、鼻の下をぬぐう。

この時、ポイントは「ゆっくり、やさしく」行うこと。

一度に強くかむ、両方一度にかむ、といったやり方では正しく鼻水を出し切ることができません。

特に一気に強くかみすぎると鼻腔や副鼻腔の細菌が耳管を通って中耳に感染し、中耳炎になることもあるので十分気を付けましょう。
ぜひ、正しい鼻のかみ方をマスターして、日頃から効果的に鼻水を取り除けるようにしておきましょう。

毎日の生活で気を付けたいこと

ここまでご紹介してきた通り、急性副鼻腔炎のきっかけの多くは風邪によるものです。

たとえ一度、完治したとしても、風邪をひくと再発することもあるので、まずは普段から風邪をひかないようにするということが一番重要です。

基本的なことですが、しっかりと手洗いうがいを行い、バランスの良い食事を心がけるほか、過労やストレスにも気を付けるなど、日頃からの体調管理を十分に行いましょう。

鼻水が出るからといってズルズルと鼻をすすったり、鼻が詰まるために口呼吸を続けていると症状の悪化につながります。上記でご紹介した正しいかみ方でこまめに鼻をかむようにし、鼻の中は常に清潔に保っておくようにしましょう。

また、むし歯や歯周病が、急性副鼻腔炎のリスクファクターの一つであることも忘れてはいけません。定期的に歯科検診を受けるなど、口の中の健康を保つことも忘れないようにしましょう。

そして何よりも、長引く鼻水、鼻づまりなど、副鼻腔炎の兆候が見られる時には放置せず、なるべく早めに耳鼻科専門医を受診し、発症の予防や症状の悪化を防ぐようにすることが大切です。

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