Tags: ,
8,325views
2017年7月3日更新

ラエンネックとメルスモンの特徴・効果・副作用を徹底比較!違いはどこ?

細胞を活性化させる働きの”成長因子”が含まれる「プラセンタ」。効果をできるだけ早く体感したいなら、クリニックで行う「プラセンタ注射」がおすすめ!使われる薬剤「ラエンネック」と「メルスモン」の違いについて、特徴や効果・副作用など比較します。
8,325views

最近、エイジングケアで注目されている成分「プラセンタ」。
人気の秘密は、動物性プラセンタに含まれる“成長因子(グロースファクター)”と呼ばれる成分!

成長因子により、組織の働きや細胞が活性化されることで、健康面だけでなく、美容面でもお肌のハリと潤い、シミ・シワなどの美白・美肌への効果が期待できるという“優れもの“なのです。

そんなプラセンタの効果を少しでも早く体感したいなら、手軽なサプリメントよりもクリニックで行う「プラセンタ注射」がおすすめ!

今回は、「プラセンタ注射」で使われる2種類の薬剤「ラエンネック」「メルスモン」の違いについて、どっちを選ぶ?をテーマに、特徴や効果・副作用などそれぞれ比較してみます。

ラエンネックとメルスモンの違いは?

「プラセンタ注射をやってみようかな」と思った時、ふと気になるのが薬剤。
ラエンネック・メルスモンともに、厚生労働省で認可されている医薬品です。
また、使われている原料は、医薬品でのみ使用できる日本人の胎盤から抽出した“ヒトプラセンタ”となっています。

さらに、プラセンタ注射は、ヒト由来のプラセンタを注入するので、薬機法(元・薬事法)で“特定生物由来製品”に位置付けられています。
そのため、クリニックでプラセンタ注射による効果・副作用など説明を受け、理解した上で使用する必要があります。(※なお、書面での同意書の有無は、クリニックに任されています。)

では、プラセンタ注射で使われている2種類の薬剤「ラエンネック」と「メルスモン」の違いとは、一体なんなのでしょうか?

まずは、それぞれの薬剤について確認しておきましょう。

取り扱いクリニックが多い!?ラエンネックの特徴・効果・副作用

ラエンネックは、1959年肝機能障害の治療薬として開発されました。

低下した肝機能に対し、プラセンタが持つ基礎代謝促新作用解毒作用によって、肝細胞増殖因子(HGF)が活発化します。
肝細胞の数が増えることで、肝機能が回復する効果が期待できるのです。
そのため、現在でも“肝機能障害治療のみ”保険適用となっています。

また、プラセンタが持つ様々な作用により、肝機能障害治療以外の分野においても、色々な効果が期待されています。

自由診療となる美容目的の場合、ラエンネックのみを採用しているクリニックが、比較的多く見られます。

  • 【保険適用となる疾患】肝機能障害(B型・C型の肝炎ウイルスやアルコール性肝炎、肝硬変など)
  • 【期待できる効果】
    • 肝組織の修復
    • 細胞の新陳代謝を高めて、細胞を活性化
    • 肝臓に付着した脂肪の減少
    • お肌の張り・潤い、美白・美肌、しわ・たるみなど美容面の改善
    • 発毛・育毛促進
    • 疲労回復・肩こりなどの改善
    • アトピー・ニキビの改善
  • 【投与方法】皮下注射(腕など)または筋肉注射(腕・お尻など)
    • 即効性:筋肉注射の方が高い。
    • 効果の持続:皮下注射の方が高い。
  • 【副作用】
    • 痒み・発疹・悪寒(ぞくぞくするような寒気)
    • 注射部位の痛み・しこり・注射付近がだるく感じる
      →これらは、中止すればすぐ治まるので心配ありません。
    • ※稀に、頭痛・肝機能障害(AST,ALT数値の上昇など)・ショック症状

特に注意したいのが、アレルギー体質の人や体力が著しく低下している人。
原料となるプラセンタには、アミノ酸をはじめとするたんぱく質が豊富に含まれています。
そのため、稀にアレルギーが強く出たり、アナフィラキシーショックを起こしたりする報告があるので、医師に確認の上、十分注意して接種することが必要です。

女性に嬉しい効果!?メルスモンの特徴・効果・副作用

メルスモンは、1956年より更年期障害・乳汁分泌不全の治療薬として、開発されました。

プラセンタが持つ内分泌調整作用自律神経調整作用によって、ほてり・のぼせ・イライラなどの更年期症状を改善する効果が期待できます。

また、ストレスなど様々な理由から乳汁分泌不全に陥っている場合にも、プラセンタの多様な作用によって、出にくかった乳汁の分泌を促します。

ホルモンバラスが崩れてくる更年期(45歳~55歳くらい)の女性にとっては、総合的に考えてみると、ラエンネックより費用対効果が高いかもしれません。

  • 【保険適用となる疾患】更年期障害(概ね45歳~59歳)・乳汁分泌不全
  • 【期待できる効果】
    • 更年期障害(ほてり、のぼせ・発汗、不眠、イライラ、めまい、憂うつ感など)の改善
    • 授乳期の乳汁分泌促進
    • お肌の張り・潤い、美白・美肌、しわ・たるみなど美容面の改善
    • 発毛・育毛促進
    • 疲労回復・肩こりなどの改善
    • アトピー・ニキビの改善
  • 【投与方法】皮下注射(腕など)のみ
  • 【副作用】
    • 痒み・発疹・悪寒(ぞくぞくするような寒気)
    • 注射部位の痛み・しこり・注射付近がだるく感じる
    • 稀に、ショック症状

ラエンネック同様、メルスモンもたんぱくアミノ酸製剤です。
そのため、アレルギー体質の人は、稀にアレルギーが強く出たり、アナフィラキシーショックを起こしたりする場合があるので、医師に確認の上、十分注意して接種することが必要です。

■プラセンタ注射の保険適用される治療・自由診療となる治療内容・費用については、次の記事で詳しく説明しています。
プラセンタ注射の料金はいくら?保険が効く治療と効かない治療の違いとは。
■プラセンタの危険性や副作用については、次の記事で詳しく説明しています。
プラセンタに潜む危険性。副作用を避けて、安全に利用するポイントとは?

どっちを選ぶ?ラエンネックとメルスモンの比較

これまで、ラエンネック・メルスモンについて、それぞれの特徴や副作用を見てきました。
もちろん、保険適用となる疾患治療であれば、その対象に合わせ選択すべきです。
でも、美容面では、どちらの薬剤も同じように効果が期待できます。
そうなると、余計どちらを選べばいいか、迷ってしまいますよね?

では、ラエンネック・メルスモンの違いは、どこにあるのでしょうか?

その違いとは、なんと原料や製造方法など細かい部分にあったのです!

ラエンネック メルスモン
原料 日本人のさい帯・羊膜つき胎盤 日本人のさい帯・羊膜を除いた胎盤
有効成分量(1アンプル2mlあたり) 112ml 110ml
製造(抽出)方法 サイトカイン*1などを含む低分子のたんぱく質が含まれている上澄みの一部

それ以外の部分、塩酸加水分解
全て、塩酸加水分解
添加物 PH調整剤・ペプシン・乳糖 ベンジンアルコール
保険適用となる疾患 肝機能障害 更年期障害・乳汁分泌不全
美容効果 薬剤による大きな違いなし
(お肌の潤い・張り、シミ、シワなどに効果が期待できる)
薬剤による大きな違いなし
(お肌の潤い・張り、シミ、シワなどに効果が期待できる)
注射方法 皮下注射・筋肉注射 皮下注射のみ
注射の痛み
(体液はpH:7.3~7.4)
やや痛い
(pH5.5~6.5)
ラエンネックより痛みは少ない
(pH6.8~7.0)
副作用 痒み・発疹・悪寒、注射部位のしこり・痛み

稀に、肝機能障害
(一時的に数値が上昇)

稀に、ショック症状(報告アリ)
痒み・発疹・悪寒、注射部位のしこり・痛み

稀に、ショック症状

*1サイトカイン:免疫作用や抗腫瘍・抗ウイルス作用を持っている。細胞の増殖や分化など情報伝達を行うタンパク質の総称のこと。

(参考)プラセンタは赤ちゃんからのプレゼント―プラセンタに対する誤解を解く:一般財団法人 日本胎盤臨床医学会 研究発表
こちらのページでは、プラセンタ療法にまつわる誤解について、医師によって丁寧に解説されています。

有効成分量で選ぶなら、ラエンネック。

ラエンネック・メルスモンは、酸で加水分解をすることで、胎盤に含まれるたんぱく質をアミノ酸に分解しています。

しかし、ラエンネックは、全量を加水分解しているわけではありません。

最初に、“上澄み部分”を取り出しています。

実は、この上澄み部分には、有効成分の一つ、低分子のたんぱく質(細胞の増殖・分化などの細胞同士の情報伝達を行う“サイトカイン”など)が含まれているのです。
そして、残りを加水分解し、後から取り出しておいた上澄み部分を加える方法を取っています。

そのため、ラエンネックはこの上澄みの分だけ有効成分が多くなっていたのです。

この有効成分含有量の多さが、メルスモンよりも取り扱っているクリニックが多い理由に挙げられます。

ただし、稀に肝機能障害を起こす副作用があるので、肝機能が低下している人は、注意が必要です。

注射の痛みに弱いなら、メルスモン。

どちらも注射なので、物理的に針を刺す痛みは避けられません。
しかし、メルスモンの投与方法は、皮下注射となっており、ラエンネックの筋肉注射よりも細い注射針を使います。
そのため、メルスモンの方が、刺す痛みを抑えられます。

また、注射が痛く感じる最大の理由は、薬液のpH(水素イオン濃度)が人の血液および体液のpHに近いかどうか。
人の血液&体液は、pH7.3~7.4と弱アルカリ性に保たれています。
この数値から離れているほど、薬液を注入した時にジュワ~と広がり、注射部位の組織が圧迫され痛みを感じやすくなります。

ラエンネックのpH5.5~6.5よりメルスモンの方がpH6.8~7.0と人体に近いので、痛みが感じにくいことから、注射の痛みに弱い人はメルスモンを選択するといいかもしれません。

継続は力なり!?プラセンタ注射はポジティブ思考で。

プラセンタは、重大な副作用は出にくい反面、たった一回ですぐに効く!というものではありません。
そもそも多岐に渡るプラセンタ作用の根底には、“本来の正常な状態に戻す働き”があります。
特に、お肌のターンオーバー(肌再生)には1か月以上かかります。
美容目的の場合、ある程度継続してみないと、効果が実感できないことが多いでしょう。

続けることで、本来期待していた目的以外の面でも効果が現れ、調子のよい毎日に繋がるかもしれません。
(※もちろん、副作用が現れた場合には無理して続けず、止める勇気も大切です!)

とはいえ、手軽に摂取できるプラセンタ配合サプリメントと違い、プラセンタ注射はクリニックに通院する必要があるのも事実。
その分、

  1. より安全に
  2. より多くの有効成分を
  3. 直接注入できるので、早く効果が期待できる
  4. 医師によって、量・回数など体調も踏まえ管理してもらえる

というメリットもあります。

また、前述した通り、プラセンタ注射は薬機法で定められた「特定生物由来製品」
そのため、クリニックから患者さんに対して、理解を深めるための説明が義務付けられています。

そういったことからも、医師に完全にお任せするのではなく、自分でも予めプラセンタに対する知識を入れておいてから受診すると、より理解が深まってポジティブ思考で続けていきやすいですよね!

■プラセンタ配合サプリメントについては、次の記事で詳しく説明しています。
プラセンタサプリに効果ある?副作用・注意点とサプリの正しい選び方。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
calooマガジンの最新情報をお届けします
コメント
まだこの記事へのコメントはありません。

コメントを残す

CAPTCHA