プラセンタサプリに効果ある?副作用・注意点とサプリの正しい選び方。
沢山あるエイジングケアの中で、代表格とも言えるようになった「プラセンタ」。
最近では、コンビニやドラッグストアで「プラセンタ配合サプリメント・ドリンク」が売られ、プラセンタを手軽に取り入れられるようになってきました。
「ちょっと、美容と健康のために飲んでみようかな~?」と軽い気持ちから始められる一方で、プラセンタ配合サプリメント・ドリンクの豊富な種類に迷ってしまう人も多いことでしょう。
また、プラセンタが入っているとはいえ、「サプリメント・ドリンクで効果あるの?」と気になりますよね。
今回は、そんなプラセンタ配合サプリ・ドリンクに含まれる成分や特徴・効果や副作用、処方薬との違いについて、サプリメント以外の選択肢“プラセンタ注射”も併せて、ご紹介します。
”栄養素の宝庫”プラセンタとは?
プラセンタとは、英語で人など哺乳類が持つ「胎盤」のことです。
一般的には、胎盤そのものを使用するのではなく、胎盤から豊富な栄養素(有効成分)を抽出したエキスのことを“プラセンタ”と呼んでいます。
栄養豊富なプラセンタには、
- 肌に栄養を届け、再生するのを助ける「造血・血行促進作用」
- 肌老化を防ぐ「抗酸化作用」
- 細胞を活性化させる「基礎代謝促進作用」
- 体内のホルモンバランスを整える「内分泌調整作用」
などの作用があることから、更年期障害・乳汁分泌不全・肝機能障害の治療薬として、厚生労働省で認可され、使われ始めました。
他にも、プラセンタに含まれる様々な作用により、現在では美容や疲労回復、さらに発毛・育毛の効果も期待されているのです。
また、サプリ・ドリンクに使用されるプラセンタ原料は、豚や馬(稀に羊)の胎盤がほとんど。
色々な種類があるサプリ・ドリンクで注意したいのが、海洋性プラセンタ(マリンプラセンタ・フィッシュプラセンタなど)や植物性プラセンタは、動物性プラセンタとは”別物”ということ。
プラセンタが注目されている理由の一つ、細胞の活性化や分裂を促進する働きを持つ”成長因子(グロースファクター)”と呼ばれる成分は、動物性プラセンタにしか含まれていません!
胎盤がない魚や植物から抽出された海洋性プラセンタや植物性プラセンタには、入っていないので、似て非なるものなのです。
プラセンタサプリの原料①豚プラセンタの特徴
プラセンタサプリの原料のほとんどは、豚!
流通が多く大量生産できるため、リーズナブルな価格で手に入れられることが、人気の秘訣。
- 【特徴】
- BSE問題で牛プラセンタに代わって登場。
- 豚は、ワクチンや薬剤の影響を受けやすい。そのため、プラセンタ製造過程で不純物を取り除く際、他の原料に比べ失われる有効成分も多い。
→安全で少しでも多くの有効成分を取り入れたいなら、”国内産SPF豚”など管理体制の行き届いた豚を使ったプラセンタがオススメ。
- 【価格】……安価(豚は1年に2回、1度の出産で10頭位産むので、胎盤数も多く、大量生産できるため)
プラセンタサプリの原料②馬プラセンタの特徴
馬プラセンタには、体内では作ることができない必須アミノ酸4種が含まれています。
特に、体の中でたんぱく質を作る際に、最初に必要となるメチオニンや不足すると貧血になりやすいヒスチジンが含まれているのは、嬉しいですね。
また、より高い安全性を求めるならば、サラブレットのプラセンタを選びたいですね。
- 【特徴】
- 妊娠期間が長いため、アミノ酸量が多い。(豚よりやや多い)
- 豚に比べ、寄生虫やアレルゲン性が低く、血統から飼育管理まで徹底されていることが多く、安全性が高い。
- 豚プラセンタにはない、必須アミノ酸(ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)や準必須アミノ酸(チロシン、システイン)が含まれている。
- 【価格】……高価(妊娠期間が長く、1度に1頭しか出産しない。しかも、1つの胎盤からプラセンタ製造には少ししか使用できないため希少性が高い)
プラセンタサプリ・ドリンクの原料③羊プラセンタの特徴
人間の体となじみやすく、体内に浸透しやすい「羊プラセンタ」。
しかし、羊にも狂牛病(BSE)と似た病気”スクレイピー”があることで、日本では羊由来プラセンタの製造が禁止されています。
そのため、国内で手に入れられるものは、飼育管理が厳しい国から輸入されたもの。そのため、流通量がとても少ないのです。
- 【特徴】
- 人間とアミノ酸の組織形成が似ているので、体内への浸透度が高い。
- 日本に流通している羊由来プラセンタは、ニュージーランド産やスイス産。
- 豚などに比べ、免疫力が高いので、ワクチンや薬剤汚染の心配が少ない。
- 【価格】……普通~若干高め(飼育管理の徹底されている羊が原料であることが多いので。)
サプリメントとクリニック処方薬の大きな違いは、プラセンタの原料!
クリニック処方薬の原料には、サプリメントでは使用することのできない”ヒト由来のプラセンタ”が使われています。
それも、日本人の胎盤が使われているため、より安全かつ体になじみやすくなっているのです。
プラセンタサプリの賢い選び方。成分に注目!
プラセンタには、タンパク質(アミノ酸)、ビタミン各種、脂質、糖質、ミネラルなど5大栄養素の他に、ムコ多糖体など10もの栄養素(有効成分)が含まれています。
特に、アミノ酸はお肌のターンオーバー(肌再生)を正常に保つ働きを持っています。
- 安全性
→動物の種類・産地・飼育管理体制など - プラセンタ配合量
→プラセンタエキスから水分と不純物を取り除いた“原末量“を確認しましょう。 - 品質
- 抽出方法に差。現在は、加水分解方式よりも有効成分を壊しにくい”酵素分解方式”が主流。
- 製造元の品質管理体制も要チェック。
- JHFA認定商品であると、より安心!
- 一緒に含まれる有効成分
- コラーゲン・ヒアルロン酸など……保水力・肌バリア機能UP
- ビタミン……美白・抗酸化作用
- ローヤルゼリー……滋養強壮(※喘息やアレルギーがある人は、悪化することもあるので要注意)
- 高麗ニンジン……滋養強壮・体力回復
- サイタイエキス……体を構成する多くの細胞に変化・適応する「幹細胞」が含まれる。再生医療にも利用されている。
- 価格
→動物由来だからこそ、避けることができない感染症の問題をクリアにするには、それなりの開発コストはかかるもの。極端に安価な場合は、安全面を考慮して、避けた方が無難。
プラセンタサプリの多くは、上記の栄養素に加え、プラスαのビタミン各種、コラーゲン、ヒアルロン酸などが一緒に含まれているのが特徴です。
目的に合わせ、チョイスするといいですね。
また、プラセンタサプリメントは、健康食品のため、有効成分に対する含有量の記載ルールがありません。
各社さまざまな書き方をしています。
そのため、プラセンタが含まれる量を比較する際には、「原末量」の部分に注目すると良いでしょう。
プラセンタサプリ・ドリンクの効果・副作用
今や、プラセンタ配合サプリ・ドリンクは種類が豊富で、その品質や価格もピンからキリまであります。
しかし一般的には、プラセンタに含まれる有効成分や効果が、胎盤の種類によって大きく異なるということはありません。
もちろん豚・馬由来だからといって、ヒト由来にすごく劣っている訳でもないのです。
続けないと分からない!?プラセンタサプリのメリット・効果
プラセンタサプリメントのメリットは、何と言っても、経済的な上、自分のペース(量・タイミングなど)でプラセンタを取り入れられること!
サプリメントは、日本語で「栄養補助食品」と訳され、”健康食品”に位置付けられています。
プラセンタサプリを飲むことで、体内で作ることのできない必須アミノ酸など10種類もの栄養素を一度に摂取することができます。
そう考えると、プラセンタの力は、意外と凄いですよね!
プラセンタ注射とは違い、体内に直接プラセンタを注入するわけではないので、緩やかに効果が現れてきます。
そのため、毎日続けることでプラセンタ注射と同じような効果が期待できるのです!
ちなみに、肌再生(ターンオーバー)の平均的な日数は、20代は約28日、30代は約40日、40代は約55日と加齢に伴い長くなる傾向があります。
つまり、数回分のお試しサプリメントだけでは、効果が分からないことも多いのです。
お肌の張り・潤い、美白・美肌といった美容目的の場合、1か月くらいは続けてみることをオススメします。
また、サプリメント・ドリンク剤では、プラセンタ注射に比べ、ショック症状など重大な副作用が起こりにくいメリットもあります。
■プラセンタの期待できる効果(保険適用/自由診療)や費用などについては、次の記事で詳しく説明しています。
プラセンタ注射の料金はいくら?保険が効く治療と効かない治療の違いとは。
プラセンタサプリで起こる副作用とは?
前述した通り、サプリでは効き目が穏やかな上、自分でタイミングや量の加減ができるので、重大な副作用は起きにくい特徴があります。
とはいえ、プラセンタには“本来の正常な状態に戻す働き”があるので、プラセンタの作用によって身体が変化し始める頃…
- 生理周期が早まったり、出血量が増えたりする。
- ニキビ・吹き出物が増える。
- 朝早く目が覚める
など、副作用と言えないまでも、いつもと違う症状が一時的に起こることがあります。
しかし、これらは服用を止めると落ち着いてくるので、心配はいりません。
プラセンタサプリ・ドリンク服用時、2つの注意点
①アレルギー体質の人は、要注意
プラセンタには、多くのたんぱく質が含まれています。
そのため、アレルギー体質の人は、喘息の悪化やショック症状などが起こる場合もあるので、医師に相談の上、服用するようにしましょう。
さらに、著しく体力が低下している時なども注意が必要です。
②安かろう悪かろうに、要注意。
サプリ・ドリンクの原料となる豚や馬の胎盤は、その多くがきちんと健康管理をされ、さらにしっかり衛生管理された農場から仕入れられます。その後、製造元でも感染症など独自の検査基準を設け、加熱処理による不活化を施した上で、サプリメントやドリンクに利用されているのです。
とはいえ、種類が豊富というメリットの一方で、品質もピンからキリまであります。
サプリメント・ドリンク剤は、口にするもの。
やはり、ある程度は安全性についても、気にしたいところですね!
こつこつ摂取「サプリ」以外の方法、プラセンタ注射とは?
プラセンタの摂取方法は、サプリメント・ドリンク以外に注射、内服薬とあります。
サプリメント・ドリンクでは、こつこつ続けてみないと、効果が分かりづらいこともあります。
クリニックで管理された方が続けられそうな場合やしっかりプラセンタを取り入れたいという場合には、“プラセンタ注射”という選択肢もあります。
プラセンタサプリメントと注射の違いとは?
プラセンタ注射 | プラセンタサプリ・ドリンク | |
---|---|---|
管理・摂取の自由度 | ・注射は医療行為。 →クリニック通院が必要 |
・自分で量・摂取タイミングを決められる。 |
プラセンタの原料 | ・厚労省認可 ヒト由来プラセンタ(日本人の胎盤) →医薬品でのみ使用できる。 |
・主に豚/馬由来プラセンタ |
有効成分の量や効き方 | ・余計な加工をする必要がない。 →医薬品なので安心安全。 ・皮下/筋肉注射で直接体内に取り込む。 →即効性が高い。 |
・加工が必要(原料の殺菌処理・飲みやすさ・他成分の追加など) →加工工程で有効成分が減るのは仕方ない。 ・経口摂取なので、効き方が穏やか |
費用 | ・美容目的の場合、月1万~2万円。 | ・安価~若干高めまで |
目的に一直線なタイプの人に!?プラセンタ注射
サプリメント・ドリンクって、手軽に取り入れられるという自由度が高い分、毎日忙しいと、ついつい飲み忘れてしまうことってありますよね。
積み重なって、段々飲むのを止めてしまうなんてことも……。
そんな人には、クリニックに定期的に通って、しっかり取り入れる方法が向いているかもしれません。
費用は掛かりますが、医薬品なので安全性が保証されています。
また、医師に自分の状態を定期的にチェックしてもらえるというのも、安心ですね。
ただし、プラセンタ注射で使われるヒトプラセンタは“生物製剤”です。
今のところ、プラセンタ注射で感染症(変異型クロイツフェルトヤコブ病など)になったという重大な副作用は起こっていません。
しかし、感染リスクについて、理論上100%否定できないため、日本ではプラセンタ注射を行った場合、「他人への献血および臓器提供が禁止」されています。
予め、よく考えてから行うことが大切です。
■プラセンタ注射で起こりうる副作用・注意点については、次の記事で詳しく説明しています。
プラセンタに潜む危険性。副作用を避けて、安全に利用するポイントとは?
プラセンタの摂取方法は、目的に合わせて選択を!
これまでプラセンタサプリに関する効果・副作用・プラセンタ注射との違いについて、見てきました。
サプリメント・ドリンクには、栄養補助食品として、色々な栄養素が追加され、効率よく摂れるよう工夫されています。
また、効き方が緩やかですが、継続することでプラセンタ注射に匹敵するような効果も期待できるとされています。
ご自身の体調や目的に合わせ、日々の生活に取り入れてみることから、始めてみてはいかがでしょうか?
ちょっと先の未来は、お肌に張りや潤いが戻っていたり、美肌になっていたり……調子がいい毎日を送って、笑顔で過ごしているかもしれませんね!
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