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2016年9月27日更新

「精神科処方薬の減薬・断薬の情報交換を」減薬ダイアローグカフェ主催・月崎時央さんインタビュー

精神医療領域で、医療ジャーナリストとしてご活躍の月崎時央さん。『減薬ダイアローグカフェ』や『減薬サバイバー100人インタビュー』など、月崎さんが取り組まれている「精神医療での減・断薬」に関しての活動内容や、今後についてお話をお伺いしました。
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統合失調症やうつ病などの精神医療領域で、医療ジャーナリスト、そしてワークショップのファシリテーターとしてご活躍の月崎時央さん。月崎さんが取り組まれている「精神医療での減薬・断薬」に関しての活動や、今後についてお話をお伺いしました。

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月崎時央(つきざきときお)さん|減薬ダイアローグカフェ主催
編集プロダクション lamappa企画 代表
1959年 千葉県生まれ ジャーナリスト、ファシリテーター
日本経済新聞、朝日新聞、週刊朝日、日刊スポーツ新聞などに医療記事や健康コラムなどを執筆。著書に『正しい精神科のかかり方』(小学館刊)『精神障害者サバイバー物語』(中央法規刊)などがある。
日本ファシリテーション協会会員

減薬ダイアローグカフェマガジン
減薬ダイアローグカフェ問い合わせ先 dcafe@lamappa.jp

1.月崎さんのご活動内容を教えてください。

精神科の多剤大量処方について、情報交換の場を

私の専門分野はメンタルヘルスです。
その中でも最近、大きな問題となっている精神科の薬の多剤大量処方に関心を持ち取材を続けています。

具体的には回復した精神医療ユーザーに体験談を聞く『減薬サバイバー100人インタビュー』と、メンタルの薬について対話するためのワークショップ『減薬ダイアローグカフェ』の主催者という2つの活動をしています。

東京・浅草で月一回開催している『減薬ダイアローグカフェ』には、減薬・断薬を完了した体験者、精神医療を利用している患者さん、薬剤師さん、看護師さん,鍼灸師さん、ご家族、医師などが集まります。お互いが職種や立場を超えて対等な立場で、薬の事や精神医療の利用方法について情報交換を行う場となっています。

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『減薬ダイアローグカフェ・マガジン』Facebookページ

2.活動を通して月崎さんの意識や考え方はどのように変化しましたか?

精神科での多剤大量処方への疑問

私は約20年間精神医療の取材を続けていますが、実は3年ほど前までは、「メンタルの病気は慢性疾患なので、ほとんどの人が薬を飲み続けなければならない」と信じていたのです。
その一方で、精神科にかかると10年近く闘病しつづけても回復せず、勉強の機会や仕事や家庭を失う人が多いのは何故だろうと気になっていました。

そこで精神科の病から回復した方にインタビューを試みることにしたのです。

すると回復者の多くが大幅な減薬・断薬に成功していたのです。その方々はかつて向精神薬や睡眠薬、抗不安薬などの多剤大量処方によって、薬の副作用に振り回され、病状をこじらせた経験の持ち主であることが見えてきました。中には一日に40錠もの薬を服薬していたという方もいました。

さらに精神科の薬について調べてみると、想像以上にさまざまな副作用があり、強い依存性を持つ薬も少なくない事がわかりました。

精神科の薬を減らす時、問題となるのが減薬にともなう離脱症状が発生する可能性があることです。
このような状況ですが回復を果たした患者さんの多くは信頼できる医師と出会い、自分の症状を医師に伝えながら主体的な態度で、慎重な減薬をしたことがわかってきたのです。

3.今後の目標を教えてください。

薬の情報交換の場を作り、体験者の声を医療・福祉関係者に届ける・・・

東京・浅草で行っているワークショップには「参加したいが遠いため難しい」と地方の皆さんからの声もいただいています。
このため、この秋からオンラインソフトzoomを利用したインターネット上のワークショップもスタートします。より多くの皆さんが安心してお薬の情報交換をできるようになると思います。

同時に精神科のお薬の減薬・断薬体験者の体験談のインタビューを続け多くの例からどのような環境を整えると減薬が可能なのかを検証し、まとめた冊子を製作中です。

4.最後に、Calooマガジン読者へメッセージをお願い致します。

まずは生活の改善。精神科・心療内科を受診するときは、薬について情報を集め慎重な判断を

精神科のお薬は大人にとってもそうですが、特に子どもや思春期の若者の脳にとっては影響が大きいものです。

このため、もしメンタルの不調や不眠を感じたら、まず最初に生活習慣や食生活を見直すことをお勧めしています。その後もし精神科や心療内科を受診する場合も、診察室での丁寧な対話による治療が行われているかを目安にしてください。

精神科に行く際は判断力や気力などが低下している事も多いので、出来れば信頼できる付添人と一緒に受診しましょう。もし初診から薬が大量に処方された場合は注意が必要です。その薬で得られる効果や副作用などとともに、いつまで飲み続ける計画なのかについて質問し、慎重に判断する事が大切です。


自身の長年の取材から精神医療領域での多剤大量処方に疑問を持ち、減薬・断薬についての意見交換の場を作る、減・断薬体験者の声を届けるなど、多岐にわたる活動を続ける月崎さん。減・断薬の情報が広がることにより、精神医療の新しい選択肢を増やすことに繋がるのではないでしょうか。月崎さんの今後の活躍に期待が高まります。

 

減薬ダイアローグカフェ dcafe@lamappa.jp

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