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2016年9月14日更新

【体験談】麻疹(はしか)と間違えやすい症状シリーズ②手足口病

夏に感染が多い手足口病は、発熱や発疹などいくつか麻疹(はしか)と共通する症状が見られます。しかし、細かく観察すると発症のタイミングや発疹の形など、私達でも判断できる症状の違いがいくつもあります。まずは予防、その次に落ち着いた観察が大切です。
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1. 全身に広がる発疹、手足口病とはしかの違い

はしかと間違えやすい病名シリーズ第2弾は「手足口病」です。

第1弾の風疹との違いはこちらを参照して下さい。

妊婦さんは要注意!?麻疹(はしか)と間違えやすい症状シリーズ①風疹

手足口病は、はしかと同様に全身に発疹が表れ、発熱もみられる病気ですが、はしかには無い特徴がいくつかあります。

①ウィルスの違い

手足口病は、コクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型が原因で感染します。

感染経路は、感染者のよだれや鼻水などの分泌物、便からの接触感染、糞口感染が主流です。

また、飛沫感染も確認されていますが、空気感染なども確認されている麻疹ウィルスと比べて感染経路は限定されています。

感染力ははしかと単純に比較は出来ません。

しかし、主な感染発生エリアが保育園や幼稚園などの幼児が多く集まる場所であること、大人と比べて予防を徹底させることの困難さや、免疫の低さ、手足口病に有効な予防薬やワクチンが無いことを考えると、感染力は高いといえるでしょう。

また、発症から1ヶ月は体内に手足口病のウィルスが残っています。麻疹ウィルスに比べて、とてもしぶとい性質を持っているといえるでしょう。

手足口病の感染力については、こちらの記事で詳しく書いています。

手足口病の感染力はいつまで続く?感染力の強い時期を知って対策しよう!

②症状の違い

潜伏期間の違い

手足口病の場合、潜伏期間はおよそ3日から5日の間です。

はしかの場合、潜伏期間はおよそ10日です。

手足口病の場合、潜伏期間中の感染のリスクは低く、症状が表れ始めてからが本番です。

また、発疹や発熱などの症状が出なかったり、感染から何日も遅れて発症する場合が確認されています。

【体験談】手足口病?2歳の息子に発疹は見られないけれど発熱と倦怠感

夏でした。保育園に通っていましたが、毎日プールや、水遊びをさせてくれていました。
元気な二歳児の男の子。沢山遊んでいましたが、突然発熱。
39度あるのに、家でも元気な様子。病院行っても、あら元気ね…高熱なのに…と言われて。先生からは、熱が高くても元気で食べれるなら、解熱剤の座薬は使わなくていいよといわれ、ムコダインとアスベリンを貰って帰宅。
帰ってからも、すこぶる元気でしたが、食欲低下…そして、高熱がやはり続いて、病院に翌日行くと、口の中が荒れてるね…と話していて、なるべく酸味のないものを食べてねと。
確かに元気で、牛乳はごくごく飲むけど、好物のみかんゼリーもブドウゼリーも受け付けない。

そして夜になって、着替えをさせていたら、足にボツボツ発見。

(引用)熱があっても元気いっぱい。二歳児の手足口病は診断が難しい。

発熱の違い

手足口病の場合、一般的に微熱程度で、高熱になりにくいです。また熱が出ない場合もあります。ただ、手足口病と一口に言っても、様々なウィルスによるケースが考えられるので、高熱が出る可能性も考えられます。

はしかの場合は2、3日の間39度以上の高熱が表れます。その後一旦収まったあとに、半日程度で再び高熱に襲われます。

発疹の違い

手足口病は、手(手のひらや指の間)、足(足の裏や指の間)、口の中(口蓋、唇、舌)に発疹が出来ます。他にも肘や膝の裏、お尻に表れることもあります。

痛みやかゆみは全くないものもあれば、ひどいかゆみに襲われるなど人によって様々です。

発疹の形は、中央が白く周りが赤みがかった2~3mm程度の水疱です。

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引用:手足口病とは-国立感染症研究所

それにしても、手足口病はもう少しネーミングに捻りを効かせられなかったのでしょうか。子供向けの英語の歌みたいです。

あの曲名は「Head, Shoulders, Knees and Toes」、手足口病は「Hand, foot and mouth disease」

とりあえず症状の目立つ部分を、全部羅列しておこう感が出ています。

一方ではしかも、口内にコプリック斑という発疹が出来ますが、大きさは1mm程度で色も白みがかっています。また、発疹が出来る場所も全身に渡っています。

妊婦さんへの影響の違い

妊婦さんは一般的な大人よりも、免疫が低くなっているため手足口病に感染しやすいです。

しかし、感染の影響が胎児や妊娠に影響するという報告は出ていません。

妊娠中の手足口病の感染については、こちらの記事で詳しく書いています。

手足口病が妊婦に感染!妊娠初期、後期、臨月での妊婦への影響まとめ

症状の回復の違い

手足口病は、1週間から10日程度で自然に治癒します。

はしかは、約2週間程度で回復します。

ただ、特に手足口病の場合、症状が治まっても体内にウィルスが約1ヵ月間は残るので、予防には注意が必要です。

③医療機関の対応の違い

手足口病は、全国約3,000ヵ所の小児科から毎週定点報告がされています。

報告基準について、国立感染症研究所が次のようにまとめています。

○診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の2つの基準を満たすもの。
・手のひら、足底または足背、口腔粘膜に出現する2~5mm程度の水疱
・水疱は痂皮を形成せずに治癒
○上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断されたもの。

引用:手足口病とは-国立感染症研究所

文章中にある「痂疲(かひ)」とは、いわゆる「かさぶた」のことを指します。

また、学校保健法によれば、手足口病に感染しても登校登園停止処分はとられません。

詳しくは、こちらの記事を参照して下さい。

子どもが手足口病!明日の保育園はどうする?登園やプールの時期を知り、保育園でのトラブルを防ぐ!

2. まとめ

手足口病は、はしかに比べて症状は弱いです。しかし、子どもへの感染力の強さはどちらもひけをとりません。

お子さんが発疹を痛がっている場合、しっかりと予防策を講じたうえで、優しく看病しましょう。

※第3弾「川崎病」の記事はコチラ

【体験談】麻疹(はしか)と間違えやすい症状シリーズ③川崎病

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