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2018年3月1日更新

花粉症で「目のかゆみ」が辛い時は眼科へ!原因・目薬治療(処方・市販)・予防対策

花粉症患者の半数が悩んでいる「目のかゆみ」の原因・しくみ、治療に使われる目薬(処方・市販)や予防治療(初期治療/皮下・舌下免疫治療)、花粉対策メガネ等セルフケアについてもご紹介します。【記事監修】眼科かじわら アイ・ケア・クリニック 院長 梶原 一人 先生
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春の訪れを感じられる日が増えてくると、そろそろ近づいてくるのが”花粉シーズン”。

毎年、花粉症に苦しんでいる方は「あのツライ時期がまたやってくる」と思うと、思わず憂うつになってしまうのではないでしょうか。

花粉症の治療と言えば耳鼻咽喉科(耳鼻科)のイメージがあるかもしれませんが、目のかゆみ・充血・涙が出るなど目にもツライ症状が出ている場合は、眼科の受診がおすすめです。

今回は、花粉症の中でも「目のかゆみ」を中心に、花粉症の原因や症状が出るしくみ、治療法(処方される目薬・市販目薬の特徴・副作用等)の他、注目されている予防治療(初期療法・スギ花粉免疫療法)、セルフケアについてご紹介します。

1.「花粉症による目のかゆみ」が起こる原因・しくみ

「花粉症」とは、花粉によって起こるアレルギー疾患の総称です。

一般的な症状は、目には「アレルギー性結膜炎」が生じることで、目がかゆくなる・涙目・目の充血が起き、鼻には「アレルギー性鼻炎」が生じることで、くしゃみや鼻水・鼻づまりが起きます。

他にも、喉のかゆみ・咳・頭痛・微熱・だるさ・肌荒れなど、花粉によって起こるアレルギー症状は個人差があり、全身のどこでも現れる可能性があります。

全国規模の調査としては、2008年に鼻アレルギーに関する調査(1998年との比較)が行われています。
スギをはじめとする「花粉症」を持っている人は29.8%で、1998年に調査した時に比べ約10%増加し、さらに年齢別にみると、1998年では30代~40代の花粉症率が約25%と一番多かったのに対し、2008年は10代~50代までの幅広い年齢層において約30%~40%が花粉症であったと報告されています。

(参考)「花粉症」の患者鼻アレルギーの全国疫学調査 2008(1998 年との比較)|アレルギー疾患対策に必要とされる疫学調査と疫学データベースに関する研究」班
こちらのページでは、2008年に行われた花粉症の全国規模の疫学調査についての資料がダウンロードできます。

花粉症で目の症状がある人は、鼻症状も重症の傾向

花粉症の中でも、目に関する症状で一番多いのが「目のかゆみ」。

本当は掻きむしりたいけれど、掻くと後から痛くなったり、症状が悪化したりするので、なんとか我慢している人も多いことでしょう。

スギ花粉症の鼻症状がある人の約86%は、目の症状(目のかゆみ・充血・涙目など)も伴っており、目の症状がある人の方が、鼻症状も重症とする研究結果があります。

また、花粉が飛ぶ2月~3月は、ちょうど受験シーズン。
花粉症を持っている高校・大学受験生への調査で、約45%が”目のかゆみや充血”が受験勉強や試験の妨げになったと答えました。

目がかゆい、しょぼしょぼ涙目以外にも、集中力の低下や体がだるいなど全身症状を伴うこともあるので、受験生は特に辛いですよね。

では、どうして「花粉」で目がかゆくなるのでしょうか?

(参考)耳鼻咽喉科受診患者におけるスギ花粉症眼症状|アレルギー 64(8),1153―1159,2015(平27)
こちらのページでは、川崎医科大学耳鼻咽喉科の先生方による、5年間にわたって花粉症時期に受診した患者さんに対する目の症状の出現率について、考察されています。

なぜ急に発症?花粉で目がかゆくなるしくみ

目は結膜(けつまく)*1という部分が外界と接しているため、特に花粉が入り込みやすい場所なのです。
*1 結膜:目のまぶたの裏側や白目の表面を覆っている膜のこと。

ヒトの体には、「免疫」と呼ばれる、体内へ侵入してくる細菌やウイルスなどの”異物を排除するための働き”があります。
本来、人は花粉を異物とは認識しませんので、この免疫反応は働かないのですが、アレルギー体質の人は、アレルギー素因がない人に比べ、花粉でも異物と感じやすく、排除しようと過剰に免疫反応(=アレルギー反応)が起こってしまうのです。

そのため、何かしらのアレルギー疾患を持っている人やアレルギー疾患を持つ家族がいる人は、花粉症になりやすいとされています。

<花粉症の症状(かゆみ等)が現れるしくみ>

※図をクリックすると、拡大します。

  1. アレルギーの原因となる花粉が、目や鼻の粘膜から侵入。
  2. リンパ球が「花粉」を異物と認識することで、対抗するための「IgE抗体」が作られる。
  3. 作られたIgE抗体は、血液中を流れ、皮膚や鼻や目の粘膜にいる肥満細胞(別名:マスト細胞-異物の侵入に備えている特別な細胞)の表面にくっつきます。……このIgE抗体は、花粉に触れる度に溜まっていきます。
    IgE抗体の蓄積量が一定レベル(個人差がある)に達すると、「感作(かんさ)の成立=花粉症の発症準備が整った状態」となる。
    ※ただし、感作が成立しただけでは、まだアレルギー反応は起こらない。
  4. 再度、花粉が侵入すると、待機していた肥満細胞上のIgE抗体が反応……「花粉症」の発症!
  5. 肥満細胞からヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が分泌されます。
  6. ヒスタミンは目の神経を刺激し、血管に作用することで組織に炎症が起こり(アレルギー反応)、花粉をできるだけ体から排除しようとする。……目のかゆみ・充血・目の腫れ等の出現

(参考)アレルギーの病気|一般社団法人 日本アレルギー学会
こちらのページでは、花粉症などアレルギーの病気について、イラストや症例写真と共に解説されています。

花粉症の発症に関係する目の病気-季節性アレルギー性結膜炎・ドライアイ

上記のように、花粉症が「急に」発症する理由は、花粉を取り込むことで少しずつ溜まっていった抗体(IgE抗体)が、ある日突然許容量をオーバーしたことによるものでした。

その結果、その後少量でも花粉を取り込むと、すぐに身体から排除しようとアレルギー反応が起こり、目のかゆみなどの不快症状が現れるのです。

また、人によって花粉症を発症するタイミングが違うのは、IgE抗体の許容量には個人差があるためです。

花粉症の発症に関係する目の病気に、「季節性アレルギー性結膜炎」「ドライアイ」があります。

■「季節性アレルギー性結膜炎」特徴・症状

  • 花粉によって、結膜(まぶたの裏と白目を覆っている粘膜)が炎症を起こす病気。
    花粉が原因のアレルギー性結膜炎は、他人には感染しない。
    ※ウイルス・細菌が原因の結膜炎の場合は、他人に感染させる可能性があります。
  • 【症状】目のかゆみ、充血、目の腫れ、目がゴロゴロする、かすむ、まぶしく感じる、涙目、目ヤニが多く出る、充血や目の腫れ
    ※くしゃみや鼻水を伴うことも多い
  • 【推定患者数/男女比】約1,700万人/女性が男性の約2倍

■「ドライアイ」特徴・症状

実は、目の乾燥「ドライアイ」も、花粉症を発症しやすくする原因の一つとされています。

  • 慢性的な目の不快感を引き起こす原因の一つ。
    失明に繋がることはないが、QOL(生活の質)を長期にわたって損なう可能性がある病気。
  • 涙が少なく目が乾いた状態が続くと、花粉などの異物を洗い流せなくなる。
    花粉が残ることで、より痒みが起こりやすくなる。
  • 【症状】目が乾く、目がゴロゴロする、目が開けにくい、疲れる
  • 【推定患者数/男女比】40歳以上の成人の約17.4%(約1,000万人)/女性が男性の約2倍(中年女性に多い)

(参考)アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第2版)|日本眼科学会
こちらは、花粉症による季節性アレルギー性結膜炎を含む、診療ガイドラインとなっており、2章に有病率や男女比などグラフを交えて説明されています。
(参考)ドライアイに悩む方へ―生活の注意と治療の目安―|公益社団法人 日本眼科医会
こちらのページでは、ドライアイの人の疫学調査について、説明されています。

2.花粉症による目のかゆみの治療法-①薬物療法(目薬)②免疫療法(皮下・舌下)

初めて花粉症の症状が出た場合には、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状を「鼻かぜ」だと思い込んでいたという話もよく聞きますが、「風邪っぽい症状+目の症状がある」場合には、花粉症を疑って、医療機関を受診しましょう。

今や花粉症は「国民病」の一つとして、近年は耳鼻咽喉科以外にも様々な科で治療が受けられるようになっていますが、目の症状が特につらいなら、目を専門にしている眼科を受診するとよいでしょう。

「餅は餅屋」……もしかしたら、花粉とは違うことが原因で目の不快症状が起こっている可能性もあります。
もちろん、眼科でも鼻の症状に対する点鼻薬や内服薬など処方可能です。

(参考)花粉症Q&A|厚生労働省
こちらのページでは、花粉症に関するよくある疑問(どの病院に行けばいいか?など)に対し、Q&A方式で回答しています。

目のかゆみ-検査方法・診断の流れ

花粉性結膜炎に特有な症状がある場合は、問診や自覚症状・他覚所見による臨床症状で80%以上は診断可能です。
何がアレルゲンになっているのか?を調べる検査は、「補助的検査」の位置づけとなっており、多くの病院では希望者のみに実施されています。

  1. 問診や自覚症状・他覚所見による臨床診断……80%以上は診断可能
    -毎年決まった季節に目のかゆみがある
    -充血
    -涙目(流涙)
    -異物感(目がゴロゴロ)など
  2. 血液検査でアレルギー検査(補助的診断)
    -花粉に反応するIgE(特異IgE)を調べる検査
    ※何がアレルゲンなのかを調べる検査。アレルゲンを避けるためには、知っておくことは大切。
  3. 涙液中総IgE抗体検査(補助的診断)
    -下まぶたから涙液を取って、チェック。約60~70%の陽性一致率。

他にも、結膜の好酸球検査や皮膚へのパッチテストもありますが、花粉症による目の症状(季節性アレルギー性結膜炎)の場合、陽性にならないことも多い検査となっています。

(参考) 第6回日本眼科医会記者懇談会発表資料(29.2.22)「花粉症におけるアレルギー性結膜炎の診断と治療」|公益社団法人 日本眼科医会
こちらのページでは、花粉症によるアレルギー性結膜炎の診断方法や治療について、症例画像と共に説明されています。

花粉症による目のかゆみ治療:①対症療法-目薬(点眼薬)

花粉症治療には、症状を抑える「対症療法」と完全に治すための「根治療法」があります。

花粉症による目の不快症状治療の基本は、まずは目薬(抗アレルギー点眼薬)となります。

花粉症治療に使用される目薬には、主に2種類あります。

  1. ケミカルメディエーター遊離抑制薬……かゆみを引き起こすヒスタミンなどの化学物質を抑制する作用
    →商品名:インタール、リザベン、ケタスなど
  2. 抗ヒスタミン薬……かゆみに即効性あり
    →商品名:リボスチン、アレジオン、ザジテン、パタノールなど

2種類(ケミカルメディエーター遊離抑制薬と抗ヒスタミン薬)の目薬を同時に処方されることや抗アレルギー薬では効果が不十分な場合は、低用量ステロイド目薬も併せて処方されることがあります。
ただし、ステロイド目薬は眼圧上昇作用もあるので、小児(子供)や眼圧が高い人の使用、長期間の点眼に注意が必要です。

さらに、目の症状だけでなく鼻症状も強い場合には、抗アレルギー内服薬も処方される場合があります。

また、最近では症状が出てから治療を始めるのではなく、事前の花粉対策「初期療法が注目されています。

■早めの対策で重症化を防ぐ!花粉症の「初期療法」とは?

花粉症の強い症状が出る前から治療を開始して、症状が出る時期を遅らせ、シーズン中は重症化を防ぎ、症状の終了を早めることが期待できる治療法です。

  • 【治療タイミング】花粉が飛び始める2~3週間前もしくは、症状が出てすぐ
  • 【治療内容】薬の服用(抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬など)
    ※例年の花粉症の症状や程度によって、使用される薬は異なります。

ただし、いつもより症状が軽くなったと、自己判断で中断してしまうと、症状がひどくなる場合も
花粉シーズン中は、継続服用することが大事です。

毎年、花粉症による目のつらい症状でお悩みの方は、一度眼科へご相談してみてはいかがでしょうか。

花粉症による目のかゆみ治療:②根治治療-免疫療法

花粉症は、自然に治るものではありません。
一度発症したら、基本的には毎年花粉症とうまく付き合っていくしかありません。

そんな花粉症にとって、唯一の根治治療となりうるのが「免疫療法(減感作療法)」です。

免疫療法とは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)の製剤(エキス)をごく少量から投与していき、少しずつ量を増やしながら、アレルギーが起きないよう徐々に体を慣らしていく方法です。

花粉症では、アレルゲンが「スギ花粉」のみ有効な治療法です。

また、今起こっている症状に対する即効性はなく、効果を維持するためには最低でも2~3年以上投与を続ける必要があります。

2010年に行われた厚生労働省研究調査によると、スギ花粉に対する有効率は約80%、2年以上治療を続けやめた場合でも約70%の患者さんで効果の持続が確認されています。

なお、免疫療法は、皮下注射または舌下投与(舌の裏にエキスを垂らす)の2種類がありますが、どちらも治療効果の有意差はないとされています。

ただ皮下注射の場合、舌下投与に比べ、アナフィラキシーショックなど重篤な副反応(ごく稀)が起こる可能性が高いとされています。

(参考)的確な花粉症の治療のために(第2版)|厚生労働省
こちらでは、免疫療法のメリット・デメリットについて説明されています。

3.花粉で目がかゆい!処方薬・市販薬の特徴・副作用・費用相場

あるインターネット調査では、花粉症による目の症状を持っている人の半数近くが「市販薬」を使用して、様子見をしているケースがみられました。

市販薬は、薬局やドラッグストアなどで手軽に入手できる一方、処方される目薬は、眼科など病院を受診しないといけないので、忙しい人の中には受診をためらう人もいるかもしれません。

しかし、組み合わせ処方による有効性の向上や保険適用による安価な価格での購入など、実は市販薬に比べ、処方薬の方がコストパフォーマンスは優れているのです。

病院で処方される目薬(点眼薬)-インタール・リザベン・パタノール・アレジオンなど

前述した通り、花粉症による目の症状に対する目薬は、ヒスタミンを抑制することでかゆみなど反応を抑える「ケミカルメディエーター遊離抑制薬」とかゆみに即効性のある「抗ヒスタミン薬」が使われます。

また、ほとんどの抗アレルギー目薬には、「ベンザルコニウム塩化物」が防腐剤として配合されています。
(※アレジオンは除く)
そのため、ソフトコンタクトレンズを装着したまま抗アレルギー目薬を使用すると、角膜障害が起こると報告されていますので、必ず外してから目薬をさしましょう。

<ヒスタミンを抑制することで、かゆみ・充血・涙目などの症状を予防し軽くする目薬>

強い薬ではないので、副作用はほとんどありません。
しかし、妊婦さんや授乳中の場合には注意が必要なものが多いので、必ず医師に確認しましょう。

  • インタール(一般名:クロモグリク酸ナトリウム)
    子ども:〇、妊婦・授乳中:△(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与可)、コンタクトレンズ:×(メーカー推奨は原則避ける)
    ※しみると感じることも。
  • リザベン(一般名:トラニラスト)
    子ども:△(使用経験がない)、妊婦・授乳中:×(安全性は確立していない)、コンタクトレンズ:△(ソフトレンズはNG)
    ※同じ有効成分を使った一般用医薬品(OTC医薬品)あり
  • アレギサール(一般名:ペミロラストカリウム)
    子ども:△(使用経験がない)、妊婦・授乳中:△(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与可)、コンタクトレンズ:△(ソフトレンズはNG)

(参考)インタール点眼液2%|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(参考)リザベン点眼液0.5%|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(参考)アレギサール点眼液0.1%|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

<かゆみ・充血・涙目などの症状に即効性のある目薬>

抗ヒスタミン薬というと、内服薬においては副作用の「眠気」が問題となるケースが多いのですが、目薬の場合は内服薬ほど気にせずに使用できます。

ただし、抗ヒスタミン成分配合の内服薬や点鼻薬と併用する際は、副作用が強く出る場合もあるので、注意が必要です。

また、アレジオン」は、2014年よりソフトコンタクトレンズをつけたまま、点眼できるようになった唯一の抗アレルギー目薬です!

  • パタノール(一般名:オロパタジン塩酸塩)
    子ども:△(使用経験がない)、妊婦・授乳中:△(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与可、授乳を中止する)、コンタクトレンズ:△(ソフトレンズはNG)
    ※ケミカルメディエーター遊離抑制と抗ヒスタミンの両方の作用アリ
  • アレジオン(一般名:エピナスチン塩酸塩)
    子ども:△(使用経験がない)、妊婦・授乳中:△(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与可、授乳を中止する)、コンタクトレンズ:〇
    ※パタノールと同様の作用を持つ。
  • ザジデン(一般名:ケトチフェンフマル酸塩)
    子ども:〇、妊婦・授乳中:△(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与可)、コンタクトレンズ:△(ソフトレンズはNG)
    ※パタノールとほぼ同様の作用を持つ。若干しみる場合も。同じ有効成分を使った一般用医薬品(OTC医薬品)あり
  • リボスチン(一般名レボカバスチン塩酸塩)
    子ども:△(使用経験が少ない)、妊婦・授乳中:△(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与可、ヒト母乳移行が確認されているので、授乳を中止する)、コンタクトレンズ:△(ソフトレンズはNG)

眼科を受診した場合、患者さんの症状に合わせ、上記のような薬の中から組み合わせて処方されるので、単剤処方に比べ、より有効性が高まります。

また、市販薬に比べ、価格も約1/3に抑えられる点も嬉しいですね。

(参考)パタノール点眼液0.1%|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(参考)アレジオン点眼液0.05%|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(参考)ザジテン点眼液0.05%|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(参考)リボスチン点眼液0.025%|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

薬局で購入できる市販目薬(OTC医薬品)-ロートアルガードプレテクト・ザジテンAL点眼薬

市販薬でも処方薬と同じような有効成分を使った目薬が発売されています。

  • ロートアルガードプレテクト
    -処方薬(医療用医薬品)のリザベンと同じ有効成分(トラニラスト)分量の目薬。
    -価格:1,000円前後
  • ザジテンAL点眼薬
    -処方薬(医療用医薬品)のザジテンと同じ有効成分(ケトチフェンフマル酸塩)分量の目薬。
    -価格:1,000円前後

(参考)ロートアルガードプレテクト|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(参考)ザジテンAL点眼薬|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

4.「花粉を取り込まないこと」が重要!花粉症による目のかゆみ対策

①花粉の侵入を防ぐ!「花粉対策メガネ」

目のかゆみ・充血・涙目をはじめとした花粉症を予防するのに、一番重要なことは「花粉を取り込まないこと」です。

しかし、前述した通り、目の結膜は外気に触れているため、目を開けている以上「花粉」を取り込みやすいのが難点。

そのため、花粉が飛散する時期は、できるだけ花粉と接触しないように……

  • 帽子
  • 花粉対策メガネ(着用なしと比べ、花粉取り込み量は約1/4減少)
  • マスク(着用なしと比べ、花粉取り込み量は約1/6減少)
  • ストール

上記のように、目や鼻などそのまま晒すのではなく、花粉が侵入しないように覆うことが大切です。

特に視力に問題がない場合でも、花粉シーズン中は裸眼よりも伊達メガネでもかけていた方がよいでしょう。

できるかぎり、目から花粉を取り込まないようにするためには、やはり「花粉対策メガネ」がおすすめです!

とはいえ、花粉対策メガネというと、ゴーグルのような完全防備メガネを思い浮かべ、効果的なのは理解できても、普段の生活でつけることに少々躊躇されている方も多いのではないでしょうか?

実は、最近の花粉対策メガネは進化しており、普通のメガネに見えるような花粉対策メガネも発売されています。

最近の花粉対策メガネは、普通のメガネだと開いてしまう目と顔の周りの隙間”を透明なフレーム素材でフードを付けている(覆っていている)デザインなので、見た目も気になりません。

また、度が入っている花粉対策メガネ子供用花粉対策メガネも販売されています。

以前の子供用花粉対策メガネは、大人用と同じような素材で作られていることが多かったのですが、装着中の転倒などによってメガネが破損した際に、お子さんが顔を怪我する事例が相次ぎました。
そのため、最近の子供用花粉対策メガネでは、安全面を配慮して透明のフード部分にゴム素材使われているデザインも発売されるようになりました。

(参考)はじめに ~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~|厚生労働省
こちらのページでは、花粉症の疫学や予防方法などについて、説明されています。
(参考)子ども用の花粉防御用眼鏡の安全性 |国民生活センター
こちらのページでは、子供用花粉対策メガネの事故事例や着用の際に気を付けることなど紹介されています。

②どうしてもコンタクトなら、「一日使い捨てタイプ」で装着時間短縮を!

前述した通り、目への花粉の侵入を阻止するのに効果的なのは、「花粉対策メガネ」です。

花粉シーズンにコンタクトレンズをしていると……

  • 目が乾きやすい(ドライアイになりやすい)
    →涙が出にくいと、花粉がレンズに留まりやすくなる
  • レンズに花粉が付着したままだと、症状が悪化しやすい
  • 目薬をする際に、一度コンタクトを外さないといけない
    →特に、ソフトコンタクトレンズを付けたまま、防腐剤が含まれた目薬をすると、目に悪影響。

上記のような目への負担を考えると、日頃コンタクトレンズをしている人でも、花粉症シーズンだけはメガネに切り替えた方がよいでしょう。

どうしてもコンタクトレンズがよい方は、ワンデータイプ(一日使い捨てタイプ)にして、できるだけ装着時間を短くするようにしましょう。

また、初期療法など早くから花粉対策を行っておくと良いですね。

そして、コンタクトを使用していて、花粉症の症状がひどくなってきた場合には、割り切ってメガネに切り替えましょう!

③水道水はNG!目についた花粉を洗い流すなら、”防腐剤なしの人工涙液”

目がかゆくて仕方ない時や帰宅時など「とにかく、目についた花粉を洗い流したい!」と思う時、何で洗い流しますか??

「水道水」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、「水道水」で洗い流すことは、なんと「NG」!
その理由は、水道水に含まれる塩素や強い水流で逆に目を傷つける可能性があるからです。

そこで、日本眼科医会でおすすめしているのが、「防腐剤の入っていない人工涙液*3」での洗眼です。
*3 人工涙液:涙に近い成分でできている。防腐剤ありと防腐剤なしタイプがあるので、購入時に注意。

防腐剤が入っていない人工涙液なら、1日何回でも差すことができ、使い捨てタイプも市販されているので、気軽に花粉を洗い流すことができ、とても便利です。
さらに、防腐剤フリーならソフトコンタクトレンズを付けていても、そのまま使えるので嬉しいですね。

また、市販されている洗眼薬の使い過ぎは、防腐剤や刺激物の副作用、自分の涙を洗い流してしまうことによるドライアイの原因となりうるため、使用に注意が必要です。

(参考)アレルギー性結膜炎の治療と対策|公益社団法人 日本眼科医会
こちらのページでは、日本眼科医会によって、「人工涙液」が市販薬で効き目のあるものとして挙げられています。

④花粉飛散情報をこまめにチェック!花粉の飛び方を知っておく

花粉の飛散量は、その日の天候(天気・風向き)によって異なります。
さらに、一日の中でも変動しているのです。

<花粉が多く飛ぶ日>

  • カラッと晴れて、気温が上がった日
  • 風の強い日
  • 雨が降った日の翌日(晴れたら)
    →前日の分も合わせて、2日分の大量飛散の可能性!!

<一日の中で、花粉の飛散が多い時間>

  • お昼過ぎ
  • 日没頃

スギの雄花は、気温の上昇と共に開花し、日中花粉が飛びます。
気流によって、花粉が舞い上がっていき、また気温が下がってくる夜になると、花粉が舞い降りてきます。

他にも、自律神経が乱れると、アレルギーが現れやすくなる傾向が報告されているので、ストレスを溜めない生活も大切です。

⑤早めの眼科受診がポイント!花粉シーズンでも快適に乗り切ろう

一度発症したら、自然には治らないのが花粉症のツライところ。

花粉症対策には、花粉対策メガネ・マスクの着用、玄関前で花粉を払ってから家に入る、花粉が多い日は外出を避けるといったセルフケアも大切ですが、それだけでは不十分。

それと共に、少しでも目の症状(目のかゆみ・充血・涙がでるなど)が出たら、速やかに眼科を受診しましょう!

眼科では、症状に合わせピンポイントで薬を処方できるので、素早く症状を和らげることができます。

毎年、花粉症による目のかゆみでお困りの場合には、「初期療法」など予防的治療についても、一度眼科へご相談してみてはいかがでしょうか?
早めの眼科受診で症状を悪化させないことも、快適に過ごすための重要なポイントです。

これからの花粉シーズン、花粉症でもQOL(生活の質)を落とさず、上手に過ごしたいですね。

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