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子供のマイコプラズマ肺炎、いつまで感染る?いつから登校・登園?症状・薬・体験談

1.風邪っぽいけど、いつもと何か違う……子供の「マイコプラズマ肺炎」の症状と原因

マイコプラズマ肺炎は、乳幼児が感染した場合、風邪症状(発熱・鼻水・倦怠感など)で済むことが多く、学童期(6歳以上)~大人と年齢が上がり免疫力が強くなるほど、肺炎を起こしやすくなる病気でしたが、最近は幼児でも肺炎まで進むことも増えてきているようです。
なお、発症のピークは8歳前後と言われ、一度かかっても十分な免疫が維持できないため、何度もかかってしまうことがある感染症です。

また、マイコプラズマ肺炎は3週間程度で自然治癒することも可能と言われています。
しかし、一部合併症を起こす場合もありますので、「4日経っても夜熱が下がらず、ひどい咳が止まらなくて眠れない」など症状が落ち着かない場合には、風邪ではなくマイコプラズマ肺炎の可能性があるので、再度受診することをオススメします。

子どもがマイコプラズマ肺炎にかかると注意したい合併症(喘息発作、中耳炎、熱性けいれんなど)について、次の記事で詳しく説明しています。
喘息持ちの方は要注意!発疹、中耳炎…様々なマイコプラズマ肺炎の合併症。

「マイコプラズマ肺炎」の見当は、症状と胸部レントゲン撮影から。

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(出典):健康プラザ-マイコプラズマ肺炎|鳥取県民チャンネルコンテンツ協議会

胸部レントゲン撮影をしてみると、肺炎マイコプラズマに感染し、炎症症状が出ている場合、肺に”すりガラスの様な白い影”が写ります。

その結果、「マイコプラズマ肺炎」と疑いがある場合、①迅速診断法、②核酸増幅法、③血清抗体価測定などの検査を行って、診断確定をします。とはいえ、診断確定の前に治療がスタートすることがほんとんどです。

現在のマイコプラズマ肺炎検査の主流「迅速診断法」については、次の記事で詳しく説明しています。
15分で判定!マイコプラズマ肺炎検査の主流は抗原キットによる迅速診断

(参考)肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針(ガイドライン)の改訂版|日本マイコプラズマ学会
こちらのページでは、小児のマイコプラズマ肺炎の治療指針など解説されています。

子どもの「マイコプラズマ肺炎」2大症状、①昼間元気でも夜にぶり返す発熱②長引く咳。

マイコプラズマ肺炎を発症してから、完治するまで約1週間~4週間かかると言われています。
乳幼児などは、軽症で風邪症状のまま治ってしまう人もいます。

①鼻水・頭痛・倦怠感(潜伏期間中~完治まで発症3~7日程度)

乳幼児の場合によくみられる症状で、子供でも中学生以上や大人になると、あまり見られない特徴です。

②発熱(完治まで3~7日程度)

微熱~高熱まで個人差がありますが、約6割が高熱から始まったというデータがあります。

<普通の風邪とマイコプラズマ肺炎の「熱」との違い>
熱が一旦下がっても、また上がる。

普通の風邪の場合、発熱しても2~3日経てば解熱し、再び上がることは稀です。
しかし、マイコプラズマ肺炎の場合、日中下がって元気になったと思っても夜にまた熱が上がってきたりと、一日の中で熱の変動があることが特徴です。

③長引く咳(完治まで2週間~1か月以上)

コンコンと乾いた咳、痰が絡まないことが多く、特に夜~朝方にかけて、ひどく咳き込み、咳で眠れないこともあるのが特徴です。

ただ、2,3週間と咳が長引いた後や子供でも年齢が大きくなってから感染した場合、大人のように痰(たん)が絡む湿った咳をするようになり、場合によっては痰に血が混じることもあります。

(参考)マイコプラズマ肺炎とは|国立感染症研究所
(参考)発熱|意気健康 日本医科大学
こちらのページでは、子どもの平熱や発熱のタイプ、緊急性のある熱などについて、イラスト画像とともに解説されています。

【体験談】しつこい咳に上がったり下がったりする熱は、いつもの風邪ではなかった。子供から親にも感染。

娘が幼稚園から帰ってくると熱があり、受診すると咳も出ているし、ただの風邪だろうとの事でした。
それから翌日、朝昼には37度台まで熱が下がり、マンションのモデルルームを見に行ったり過ごしているとまた夜に熱が上がって歩けないほどぐったり。
その上がったり、下がったりの熱が2.3日続きました。

おかしいな?長い風邪だな?と思ったのは熱を出してから6日目でした。
朝昼には元気になるので、再受診を中々しなかったのです。
熱が5日以上続いている事から、ただの風邪ではないと、すぐに血液検査をして、白血球の数値は高くないが、炎症反応が4.5ほどありました。
レントゲンも撮り、おそらくマイコプラズマ肺炎でしょうとの事でジスロマックを3日分処方され、大きな病院を紹介されました。
炎症反応が高いわりに白血球があまり高くならないのがマイコプラズマの特徴でもあるそうです。

紹介先の病院で1週間ほど入院し、吸入を1日2回ほどしましたが、夜中はひどい咳で何度も起きました。
また、入院した次の日に私に感染して熱が高く、呼吸がしんどくて歩くのも苦しかったです。

少しでもおかしいと思ったら、早めに病院に行くのが良いと思います。

(引用)10日以上続く子供の咳と発熱。マイコプラズマ肺炎でした。

聴診器で分かりにくい!マイコプラズマ肺炎の原因

前述した通り、子どもの症状自体は、肺炎と風邪の”中間”です。

マイコプラズマ肺炎は、肺炎と名前がついていますが、いわゆる「肺炎」とは病原菌が異なります。
普通の肺炎は、”肺炎球菌”という細菌に感染することによって発症することがほとんどですが、マイコプラズマ肺炎は、”肺炎マイコプラズマ”という細菌が原因の感染症です。

また、肺炎球菌は気管支に感染するので、聴診器で聴くと痰の絡んだ音がするのですが、肺炎マイコプラズマは最初、気管支などの外部にある間質と呼ばれる組織で炎症を起こすため、痰の絡んだ音はしません。そのため、発症初期の段階に聴診器で聴いても特有の音はしないので、「マイコプラズマ肺炎」と診断されず「風邪」と診断されることが多いのです。

マイコプラズマ肺炎で咳症状が長引いてくると、気管支・肺胞などにも炎症が拡がるので、痰の絡んだ音がしてきます。

(参考)さまざまな肺炎とマイコプラズマ肺炎|学校保健ニュース 中学版  第 1519 号
こちらのページでは、一般的な肺炎(肺胞性肺炎)とマイコプラズマ肺炎(間質性肺炎)について、解説されています。
(参考)マイコプラズマ肺炎|よしだクリニック
こちらのページでは、マイコプラズマ肺炎の診断の仕方を詳しく解説されています。

 2.いつまでうつる?マイコプラズマ肺炎は、感染してから3週間~1か月近く人にうつす危険アリ

マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマ感染→潜伏期間→発症→回復期という過程をたどり、潜伏期間~発症中まで約1か月間、他人へ感染させてしまう可能性があるため、注意が必要です。

マイコプラズマ肺炎は、2週間以上の長い潜伏期間。

肺炎マイコプラズマが体内に入ってから、マイコプラズマ肺炎の症状が出るまで2週間~3週間(長いと1か月の場合も)と非常に長い潜伏期間があります。

しかも、この無自覚な潜伏期間中から人にうつしてしまう可能性があるので、保育園や学校など子どもの多い環境下では「小流行」しやすいのです。

マイコプラズマ肺炎の一番の感染経路は、飛沫感染。

咳(せき)やくしゃみで広がる”飛沫感染(ひまつかんせん)”だけでなく、唾液など感染源に直接触ったり、感染している人が使ったタオルなど間接的に触れたりした手で、目や口などの粘膜に触れてしまうことで感染する”接触感染”によって、うつります。

子どもの場合、鼻水に触れた手でおもちゃの貸し借りなどをしても、うつってしまうことがあるので注意が必要です。

(参考)マイコプラズマ肺炎とは|国立感染症研究所

3.「マイコプラズマ肺炎」になっても、医師が他人へ感染の恐れがないと判断すれば登校・登園OK。

マイコプラズマ肺炎は、法律上感染しても必ず出席停止措置が取られる感染症(伝染病)ではありません。
原則的には、医師が人にうつす恐れがないと判断すれば、登校が認められます。
多くの病院では、発熱中や酷い咳が出ている場合には安静にし、解熱して元気であれば、登校OKとするところが多いようです。
咳が出ている間には、二次感染予防の観点から必ずマスクを着用させ、激しい運動を避けるようにした方が良いでしょう。

ただし、学校や保育園、幼稚園によっては、登校(登園)には登校許可書等の提出が必要な場合もありますので、確認が必要です。

「学校保健安全法」におけるマイコプラズマ肺炎

「学校感染症」の第三種「その他の感染症」に含まれています。
学校内で流行した場合、感染拡大を防ぐために校長が校医の意見を聞いて、症状が医師により感染の恐れがないと認められるまで出席停止の措置を取ることもあります。

(出典)国立感染症研究所-マイコプラズマ肺炎

4.子どもに処方されるマイコプラズマ肺炎の薬-ジスロマック・ミノマイシン・オゼックス他

前述した通り、マイコプラズマ肺炎発症初期は、「マイコプラズマ肺炎」と判断しづらく、「風邪」と診断されることも多い病気ですが、普通の風邪などの場合に処方される抗生物質(フロモックス・メイアクトなどセフェム系)では、マイコプラズマ肺炎の病原菌”肺炎マイコプラズマ”には効かないので、注意!

マイコプラズマ肺炎には、まずはマクロライド系「抗生物質クラリス・ジスロマック」

マクロライド系抗生物質は、細菌の繁殖を抑える働きがあります。
マイコプラズマ肺炎と診断されたら、最初にマクロライド系抗生物質が処方されます。(事前に耐性があると判明している場合は除く)
ただし、処方されてから48時間~72時間経っても、解熱しない場合や症状が悪化している場合には、マクロライド系薬耐性マイコプラズマ肺炎の可能性があるので、再受診が必要です。

マクロライド系抗生物質「クラリス」

<クラリス服用の注意点>

(参考)クラリスロマイシン(クラリス)|お薬110番

マクロライド系抗生物質「ジスロマック」

<ジスロマック服用の注意点>

(参考)アジスロマイシン(ジスロマック)|お薬110番
(参考)乳幼児のお薬の飲ませ方|くるみ薬局
こちらのページでは、混ぜた際の味の評価など詳しく解説されています。

マクロライド系抗菌薬「クラリス・ジスロマック」の効果・副作用・気を付けたい飲み合わせについては、以下の記事で詳しく説明しています。
マイコプラズマ肺炎治療薬「抗生物質ジスロマック・クラリス」の効果・副作用

マクロライド系抗生物質が効かない耐性マイコプラズマ肺炎には、「抗生物質ミノマイシン/オゼックス」

マイコプラズマ肺炎と診断された子供のうち80%が、これまでマイコプラズマ肺炎に有効とされていた抗生物質が効かない「耐性マイコプラズマ肺炎」であるというデータがあります。

耐性マイコプラズマ肺炎の場合には、2016年現在、次の2種類の抗生物質(抗菌薬)が処方されています。

テトラサイクリン系抗菌薬(商品名:ミノマイシン)

<ミノマイシン服用の注意点>

(参考)ミノサイクリン塩酸塩(ミノマイシン)|おくすり110番

ニューキノロン系抗菌薬(商品名:オゼックス他)

<オゼックス服用の注意点>

(参考)トスフロキサシントシル酸塩(オゼックス)|おくすり110番

抗生物質と耐性菌の話や耐性マイコプラズマ肺炎治療の効果・副作用・気を付けたい飲み合わせについては、以下の記事で詳しく説明しています。
耐性マイコプラズマ肺炎治療「抗生物質ミノマイシン/クラビット/オゼックス」効果・副作用

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