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マイコプラズマ肺炎の治療薬「マクロライド系抗生物質ジスロマック・クラリス」効果・副作用

「4日以上夜になると発熱、咳で眠れない」なら、医療機関の再受診を!

例年9月10月頃より増えてくる「マイコプラズマ肺炎」。

発熱・咳・鼻水など一見風邪のような症状ですが、咳が2週間以上止まらず、肺炎を引き起こす場合もある「厄介な感染症」です。
国では「基幹定点報告疾患」として、年間を通して発生動向をチェックしています。

2017年第37週(9月11~17日)までの時点*1では、大流行だった2016年よりもかなり低く、特に目立った流行は見られていません。また、今のところ、国立感染症研究所による注意情報も出されていません。
*1 2017年の指標は、赤色の太い実線■です。2016年の指標は、青緑の実線▲です。

(出典:マイコプラズマ肺炎 定点あたり報告数 年次別週別推移|感染症発生動向調査2017年 国立感染症研究所

こちらのページでは、過去10年間の定点あたりのマイコプラズマ肺炎報告数について公開されています。

マイコプラズマ肺炎とは、”肺炎マイコプラズマ”という細菌が原因の感染症です。

感染から発症までの潜伏期間が2~4週間ぐらいで、咳(せき)やくしゃみで広がる飛沫感染(ひまつかんせん)を起こします。

最初はコンコンと「乾いた咳」から、次第に「痰の絡んだ咳」になり、2週間程度続きます。乳幼児では風邪のような症状で済むことも多いのですが、学童期以降(6歳以降)や大人の場合は肺炎を起こし、発症のピークは、8歳前後です。

また、マイコプラズマ肺炎は、よくある風邪の場合に処方される抗生物質(フロモックス・メイアクトなどセフェム系)では効きません。
一般的には、細菌を殺す抗生物質等の抗菌薬での治療となります。

「4日経っても夜に熱が下がらず、ひどい咳が止まらなくて眠れない」など、風邪症状が落ち着かない場合には、マイコプラズマ肺炎の可能性もあるので、再度受診することをオススメします。

(参考)肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針(ガイドライン)の改訂版|日本マイコプラズマ学会
こちらのページでは、小児および成人のマイコプラズマ肺炎の治療指針について、解説されています。

■マイコプラズマ肺炎の概要については、以下の記事で詳しく説明しています。
2017年秋冬の流行はある?乾いた咳が長引くマイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎には「マクロライド系抗菌薬」が第一選択薬

マクロライド系抗菌薬は、抗生物質の中でも幅広い細菌に効果があるため、昔からよく多用されている薬です。
マイコプラズマ肺炎が疑われた際には、このマクロライド系抗菌薬の中から、まず選択されます。

■マクロライド系抗菌薬の効果
細菌のタンパク質合成を阻害することで、細菌の増殖を阻止する薬です。

■マクロライド系抗菌薬の種類
①エリスロマイシン(商品名:エリスロシン
②クラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッド
③アジスロマイシン(商品名:ジスロマック

現在では、①「エリスロマイシン」にあった副作用や半減期の長さ(薬の作用時間)などを改良した②「クラリスロマイシン」や更に改良された③「アジスロマイシン」を使用することが多くなっています。

■マクロライド系抗菌薬が効く主な病気

インフルエンザ菌などウイルス性風邪などの場合、細菌による二次感染の予防的措置として処方されることも多い抗菌薬です。

1.クラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッド)の特長・効果・服用期間・副作用

■クラリス・クラリシッド 特長・効果・服用期間

エリスロマイシンにあった胃酸による不活化するという弱点や副作用や半減期の長さ(薬の作用時間)を改良。
マイコプラズマ肺炎やクラミジアの場合によく使用されます。
また、ペニシリン系セフェム系抗生物質でアレルギーがでる場合にも、代替薬として使用されることがあります。

服用期間は、通常10日程度。

■クラリス・クラリシッド 薬の種類

  1. 錠剤
  2. ドライシロップ
    →小児によく処方されます。水で溶いてから飲むのが一般的。そのまま飲む場合には、一緒に多めの水を飲む。

■クラリス・クラリシッド 副作用・注意点

<クラリス・クラリシッド 注意すべき飲み合わせ>

飲み合わせに注意すべき薬が沢山あります。
薬の分解を遅らせ、血中濃度が上昇させる特徴があります。
併用している薬の副作用が強く出てしまう可能性があるので、服用中の薬がある場合には必ず医師に報告を!

一例として……

  1. 併用禁止
    • 安定薬(オーラップ)
    • 睡眠薬(ベルソムラ)
    • エルゴタミン系の頭痛薬(クリアミンやジヒデルゴット)
    • C型慢性肝炎治療薬(スンベプラ・バニヘップ)
    • 肺高血圧症治療薬(アドシルカ)
    • 痛風・ベーチェト病治療薬(コルヒチン)
      →肝臓や腎臓に持病がある人
  2. 注意が必要
    • 喘息治療薬(テオドール)
    • 抗血栓薬(ワーファリン・プラザキサ・リクシアナ)
    • 睡眠薬(ハルシオン)
    • 抗けいれん薬(テグレトール)
    • トリプタン系片頭痛治療薬 など

(参考)クラリスロマイシン|お薬110番

2.アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)の特長・効果・服用期間・副作用

■ジスロマック 特長・効果・服用期間

クラリスロマイシン同様、エリスロマイシンにあった胃酸による不活化するという弱点や副作用や半減期の長さ(薬の作用時間)を改良。
マイコプラズマ肺炎やクラミジアの場合によく使用されます。
また、ペニシリン系セフェム系抗生物質でアレルギーがでる場合にも、代替薬として使用されることがあります。

服用期間は通常3日程度で、その効果は1週間と持続性のある薬です。

<クラリスロマイシンとの違いは?>

■ジスロマック 薬の種類

  1. 錠剤
  2. 小児用細粒
    →15kg未満の場合。苦みを抑えるコーティングあり。
  3. 小児用カプセル
  4. 成人用ドライシロップ
    →1回飲みきりタイプ。効果は7日間続く。飲むタイミングに注意。

■ジスロマック 副作用・注意点

作用時間が長いため、服用終了から数日後に副作用が現れる場合もあります。

<ジスロマック 注意すべき飲み合わせ>

クラリスロマイシンに比べ、飲み合わせに注意すべき薬は少ないですが、服用中の薬がある場合には必ず医師に報告を!

  1. 併用に注意が必要な薬
    • 胃腸薬(制酸剤)
  2. 併用すると、作用を強めてしまう薬
    • 抗血栓薬(ワーファリン)
    • 免疫抑制薬(サンディミュン、ネオーラル)
    • 強心薬(ジゴシン)など

(参考)アジスロマイシン|お薬110番

【体験談】2週間我慢した咳。ジスロマック錠服用1日目から効果発揮!

もとから気管支が弱く気管支炎などを繰り返していたので、咳が続いても、またか。といった感じで今回に限って放置していました。ですが2週間ほど我慢しましたがよくなる兆しもありませんでした。それどころか夜中の咳に耐え切れずに目を覚ます日が続き体力的につらくなったので近所の内科を訪ねました。

症状からすぐにマイコプラズマ肺炎を疑ってくれたようで、採血をしてみると陽性反応がはっきり出ていました。

マイコプラズマ肺炎は普通の薬を飲んでいても良くならないよ。もっと早く受診してね。なんて怒られてしまったり。

そこで処方されたのがジスロマック錠でした。1錠を朝晩2回、3日間飲めば1週間効果が得られるといった今までにあまり聞いたことのない薬でした。

このジスロマック錠が優秀で飲み始めた1日目からかなり咳が抑えられ、薬の飲み終わる3日目にはすっかり治ってしまいました。こんなに毎晩悩まされた咳が3日で治るなんて魔法の薬のようだと思ったほどです。

(引用):咳が長引いて治らないと思ったらマイコプラズマ肺炎でした。

マクロライド系抗菌薬が効かない!マクロライド系薬耐性マイコプラズマ

前述した通り、これまでマイコプラズマ肺炎には、クラリスやジスロマックなど「マクロライド系抗菌薬」が第一選択薬でした。
しかし、2000年頃よりマクライド耐性マイコプラズマが増加していることが問題となっています。

その背景には、マクロライド系抗菌薬が様々な細菌に有効であることから、使用しすぎたことが耐性化した一因ではないかと言われています。
特に、子どものマクロライド耐性マイコプラズマは増加しており、約80%が耐性だったというデータ(2008年~2012年の調査)もあり、また成人でも約35%と年々増加傾向にあります。

マクロライド系抗菌薬の効果測定は、使用後48時間~72時間とされ、解熱しない場合や症状が悪化している場合には、マクロライド系薬耐性マイコプラズマ肺炎の可能性があります。

マクロライド系薬耐性マイコプラズマ肺炎だった場合、「テトラサイクリン系抗菌薬」や「ニューキノロン系の抗菌薬」が使用されます。ただし、小児においては使えない薬もあるので、注意が必要です。

■抗生物質と耐性菌の怖い関係やマクロライド系薬耐性マイコプラズマ肺炎治療薬については、次の記事で詳しく説明しています。
耐性マイコプラズマ肺炎治療「抗生物質ミノマイシン/クラビット/オゼックス」効果・副作用

(参考)小児におけるマクロライド高度耐性・肺炎マイコプラズマの大流行:国立感染症研究所
こちらのページでは、マクロライド薬耐性の経年推移グラフなど耐性マイコプラズマについて、解説されています。
(参考)マクロライド耐性マイコプラズマの疫学と抗菌薬の有効性に関する検討|日本化学療法学会雑誌 2014年1月
こちらのページでは、2008年から2012年までの小児を対象とした地方ごとの耐性率を調べた疫学データが公開されています。

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