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2016年9月1日更新

血尿、熱、腹痛…同じ症状でも原因が異なる4種類の膀胱炎。医師も見落とす間質性膀胱炎。

膀胱炎には4つの種類があることをご存知ですか?排尿痛、頻尿、腹痛など症状は似ていても、その原因や治療法は全く違います!その中の1つ、「間質性膀胱炎」は医師でも知らない場合もある!?気になる症状、治療法、体験談をご紹介します。
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1.膀胱炎の4つの種類。原因も治療法も違う4つの膀胱炎の種類

排尿時の痛みや下腹部痛、微熱や頻尿といった典型的な症状が現れる膀胱炎ですが、全く同じ症状が出ているとしても、その原因によっていくつかの種類があるというのをご存知でしょうか?

実は膀胱炎には「急性膀胱炎」「慢性膀胱炎」「出血性膀胱炎」「間質性膀胱炎」の4つのタイプがあり、原因や治療法はそれぞれ違いがあります。

それぞれの原因にあった正しい治療を行わないと、いつまでも不快な症状が続いてしまうこともあります。

≪こんな時は要注意!治療法の見直しが必要。≫

  • 膀胱炎の治療をしているが効果が感じられない。
  • 治ったと思っても膀胱炎の症状が繰り返し起こる。
  • 他の基礎疾患があり、その治療を行っている。
  • 尿検査をしても異常はないが、不快な症状がなくならない。
  • 日頃から過労やストレスが溜まっている。
  • 特定の食品を摂ると症状がひどくなる。

上記のような症状が気になる方は、治療法があっていない可能性があります。一度治療内容の見直しをしたほうが良いかもしれません。

次の章から4つのそれぞれのタイプごとに原因や特徴、治療法を比較してみましょう。

2.膀胱炎のほとんどがこのタイプ。細菌による急性膀胱炎(単純性膀胱炎)

一般的に「膀胱炎」として知られているのは、大腸菌などの細菌が膀胱内に入り炎症を起こす「急性膀胱炎」のことです。

尿の異常を訴える膀胱炎の患者さんのほとんどがこの急性膀胱炎で、頻尿、下腹部痛、排尿時の痛み、微熱などの症状が続きますが、5日~7日程度、細菌を殺すための抗生物質(抗菌剤)を飲むことでほとんどの症状はなくなります。

デリケートゾーンの不衛生やトイレを我慢するなど膀胱に良くない生活習慣を続けたり、治療を怠ると再発することもありますが、治療をしっかりすることで完治できるタイプの膀胱炎です。

急性膀胱炎については以下の記事で詳しく説明しています。
「女性は要注意!急性膀胱炎の原因は身近な細菌?頻尿・血尿・下腹部の痛み等の症状・対策・体験談」

(参考)膀胱炎の症状と治療ガイド
※こちらのサイトでは膀胱炎の原因、症状、種類など様々な症状を詳しく解説しています。

3.急性膀胱炎をこじらせたり、他の病気が引き金になる事もある慢性膀胱炎(複雑性膀胱炎)

慢性膀胱炎は急性のものに比べて症状の現れ方が穏やかです。人によっては自覚症状を全く感じておらず、病院で尿検査の結果、細菌反応が出て気づく場合もあります。

症状そのものは急性より軽くても、症状が長引いたり、半年間の間に数回おきるなど繰り返される場合が多くあります。

慢性膀胱炎は急性膀胱炎をこじらせて慢性に移行する場合と、他の膀胱の病気から引き起こされる場合の2種類があります。

急性膀胱炎の治療中に抗生物質(抗菌剤)の服薬を途中でやめてしまったりすると、細菌が突然変異し、抗菌剤に耐性を持つようになってしまうことがあります。

そうなると抗菌剤を投与しても効果はなくなり、細菌が増殖し続け、難治性の慢性膀胱炎に進行してしまいます。この場合、原因となる細菌を特定し、耐性を持たない薬剤に変更するなどの処置が行われます。

他の病気(基礎疾患)が慢性膀胱炎の引き金となる。

急性膀胱炎の悪化以外の原因として、前立腺肥大や膀胱結石、尿結石などの他の病気によって慢性的に膀胱炎の症状が引き起こされる場合があります。

基礎疾患があるとそこから細菌感染をしやすく、結石などのなかにいる細菌が膀胱内で増殖することで、排尿時に痛みを感じたり、残尿感などの辛い症状が現れます。

脇腹に強い痛みがあるのが特徴で、膀胱炎症状を引き起こしている基礎疾患自体を治さないと症状は改善せず、長引く恐れがあります。

(参考)膀胱炎の症状と治療ガイド

(参考)町医者の「家庭の医学」 みやけ内科・循環器科
※こちらのサイトではさまざまな内科的な疾患や症状についてわかりやすく解説されています。

4.真っ赤な血尿が出る出血性膀胱炎は子供や男性も発症する。ウイルス、医薬品が原因に。

出血性膀胱炎は膀胱の粘膜全体から出血をするタイプの膀胱炎です。

便器が真っ赤になるほど大量の血液が混じったり、血の塊のようなものが混じる「血尿」が特徴です。

排尿時に血液が混じる血尿自体は膀胱炎が悪化している時に出やすい症状の1つで、どのタイプの膀胱炎でもおこる、特に珍しいものではありませんが、出血性膀胱炎の場合はウイルスに感染することで膀胱全体が炎症をおこして出血します。

その原因ウイルスはほとんどが三大夏風邪の一種「プール熱」を引き起こす「アデノウイルス」です。

そのため、このタイプの膀胱炎は女性だけに限らず、男性や子供の発症も多く見られ、子供の膀胱炎で血尿が出る場合のほとんどはこのウイルスによるものと言われています。

【体験談1】男性でも発症!細菌ではなく、ウイルスによる膀胱炎。

いつものように朝起きてトイレに行って仕事に行ったところ、さっきトイレに行ったのに、またトイレ、、、
初日は膀胱が圧迫されているような感じでトイレに何度も行ってました
便意なのか尿意なのかも区別がつきにくい感じで不思議な感覚でした

この時点で何か病気かな?と思いました

その数日後、尿が真っ赤
これにはあせり、病院へ一つ目の病院は何か細菌が膀胱に入って出血しているかもしれないとのことで、尿をとり、細菌検査、前立腺触診検査
両方とも異常なし。細菌もなし。
その後、細菌は陰性だが膀胱炎との事で様子見。
5日たっても出血止まらず、トイレは血だらけ、総合病院へ、、
総合病院にて血液採取、がん検査、やらなんやら

結果、ウィルスによる出血性の膀胱炎との事でした
そりゃあ、細菌検査も陰性だわな~と納得

1週間くらい出血に苦しみました。その間は凝固した血液が膀胱につまり
何度も救急で病院に行ったことか、凝固した血液が尿道に詰まってこれかなり激痛でした
男性の膀胱炎は珍しいらしいが、なったらかなりきついです。。
男性は尿道が女性に比べ長く血液が凝固したらつまるはつまる
これかなり大変でした

(出典)膀胱が圧迫される感じと血尿。男だけど出血性膀胱炎に。

上記の男性もウイルスが原因で、男性には珍しい膀胱炎を発症されました。

ウイルスが原因の場合、抗菌剤は効果がなく、特効薬はないため、基本的に自然治癒を待つしかありません

発熱や腹痛が強い時は対症療法としてロキソニンなどの解熱剤が処方されることもあります。

治療法のない出血性膀胱炎は、とにかく水分を沢山とって排尿の回数を増やし、早く身体からウイルスを洗い流すことが大切です。

安静にして体力を温存、免疫力を高めることで病状は回復します。

ウイルス以外が原因の場合も。薬物の副作用として起きる出血性膀胱炎

また、出血性膀胱炎は医薬品などが原因で起きる場合もあります。

他の病気の治療のために使われる薬剤の副作用で血尿が出て、膀胱炎を発症することがあるのです。

抗がん剤や免疫抑制剤、抗アレルギー薬、漢方薬などで起こることが多いですが、膀胱炎の症状を予防するため、さらに別の薬剤を併用することで発症を防げる場合があります。

さらに、がんの放射線治療の後遺症として出血性膀胱炎を発症する場合もあります。

いずれの場合も元となる病気(基礎疾患)の治療を行う上で症状が現れているものなので、その基礎疾患の薬剤の種類や使用量が適正かどうか、主治医の先生と相談してみることが大切です。

(参考)膀胱炎の症状と治療ガイド

5.お医者さんでも診断が難しい原因不明の間質性膀胱炎

「間質性膀胱炎」はまだあまり知られていないタイプの膀胱炎で、泌尿器科の医師でもまだその認知がされていない場合もあります。

日本には推定25万人の間質性膀胱炎の患者がいるとされ、そのほとんどが女性です。
夜間に頻回にトイレに行きたくなったり、排尿時ではなく膀胱に尿が溜まった時に痛みが強くなるのがこのタイプの膀胱炎の特徴です。

急性膀胱炎とほぼ同じ症状で1日20~30回もトイレに行きたくなったりと日常生活に支障をきたすような症状がありながらも、尿検査をしても細菌は検出されません。

医療機関でも認知不足から、症状から急性膀胱炎として治療が行われたり、精神的なものとして片づけられてしまったり、間質性膀胱炎の診断までに何年もかかったケースもあります。

細菌性ではないので、もちろん抗菌剤の効果はなく、一度良くなっても何度も繰り返したり、進行すると膀胱が委縮することで小さく固くなってしまいます。

超音波検査血液検査麻酔下での膀胱鏡を用いた内視鏡検査などを行い、膀胱粘膜の異常が他の病気によるものでないと判明した場合に、間質性膀胱炎と診断されます。

中には膀胱鏡検査をすると「ハンナ病変」と呼ばれる特有の異常がみられるものがあり、「ハンナ型間質性膀胱炎」と言われ、その中でも症状が進行したものに限っては難病の指定を受けています。

【体験談2】尿検査は異常なくても毎月繰り返す膀胱炎のような症状。原因は不明の間質性膀胱炎でした。

三人目を妊娠し、12週目でけいりゅう流産していました。
自然に流れることを待ちましたが、出てきてくれず、掻爬(ソウハ)手術をしました。
それからなんですが毎月のように生理の1週間前頃から必ず、膀胱炎の時の頻尿感、残尿感、痛みをともない、夜も眠れない日が四、五日続きました。
内科や産婦人科の病院に行って膀胱炎の検査をしても常に陰性で膀胱炎の菌は検出されず。。その状態が七か月くらい毎月続き、ネットで調べたらどうやら間質性膀胱炎の疑いが。。
この病気は普通の内科や泌尿器科だと知られていなくて、結構悩んでいる方も沢山いらっしゃいました。精神的なものから来ることもあり治療法も様々でまだまだこの病気は全然浸透しているものではありませんでした。
ネットで横浜のレディースクリニックが間質性膀胱炎について治療していることを見つけたので、すぐ予約をとり受診しました!エコー検査もしっかりして、異常がないのでやはり間質性膀胱炎と診断されました。

(出典)流産後に膀胱炎のような頻尿感、残尿感。原因不明の間質性膀胱炎。

上記の方も毎月決まった時期に膀胱炎症状が現れ、辛い症状で睡眠が妨げられることもあったようです。

ご自身で間質性膀胱炎の治療に詳しいクリニックを探して受診したことで、適正な治療を始めることが出来ました。

特定の食品で症状が強くなる場合も。間質性膀胱炎と食物との関係性

原因不明とされていた間質性膀胱炎ですが、最近、食物との関係性」があるのではと言われています。

なぜなら特定の食品を摂った時に膀胱炎症状が強くなることがあるためです。
特に以下のような食品が症状を悪化させると言われています。

  • 熟成チーズや赤ワイン、大豆など神経伝達物質を含む食品
  • 柑橘類や炭酸など酸度の強い食品
  • わさび、コショウ、唐辛子などの刺激のある香辛料
  • コーヒーや紅茶などカフェインを含む食品

これらの食品を除去することで、症状が改善することがあると言われていますが、個人差もあり、効果がまちまちの場合もあります。
自分にとって、症状が強くなる食品があるかどうか毎日の食事の中で注意深く観察し、自分に合った食事法をすることが大切です。

間質性膀胱炎と診断された場合の治療法

現段階では完治を目標にするというのではなく、症状の緩和や消失を目的に以下のような治療を行っていきます。

◆薬物療法

痛みの緩和に効果のある抗うつ剤(塩酸イミプラミン)や抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤(トシル酸スプラタスト)が有用とされ、処方されています。

◆水圧拡張法

治療法であるとともに、診断にも使われる方法です。麻酔下で委縮した膀胱を水圧で広げる方法で、間質性膀胱炎のメインの治療とされています。しかしその効果は短く、繰り返し治療を行う必要があります。

その他、膀胱の中に薬剤投与する膀胱内注入療法や、一日の排尿時間と排尿量を記録する排尿日誌をつけることで排尿間隔を意識して少しずつ延ばしていく膀胱訓練などを取り入れていく場合もあります。

排尿日誌はスマホのアプリも開発され便利に管理することが出来るほか、以下のサイトからダウンロードすることもできます。

(参考)iPhoneアプリ「排尿日誌」のダウンロード
(参考)ファイザー製薬 排尿日誌(外部サイトにとびます)

【体験談3】細菌がいないのに症状がなくならない!心因性や科活動膀胱と間違えられることも。

最初は細菌性の普通の膀胱炎と勘違いしやすい病気です。
症状が普通の膀胱炎と全く同じだからです。もしくは細菌性の膀胱炎がきっかけで間質性膀胱炎に移行するケースもあるようです。

まだ知っているお医者さんもそこまで多くないので、しばしば心因性の膀胱炎や過活動膀胱などと誤診される事もあります。顕微鏡検査だけでなく、尿の培養検査を行ってみて菌がいなかったら間質性膀胱炎の疑いが大きいです。

普通の膀胱炎だと3~5日間くらい抗生物質を飲めば良くなりますが、間質性膀胱炎はいくら抗生物質を飲んでも一向に良くなりません。しかし、症状は頻尿や、排尿痛、強い尿意、尿道やその周辺の痛みなど本当に普通の膀胱炎に似ています。

頻尿で夜何度も起きたりと生活の妨げになるので、一刻も早く、もし膀胱炎がなかなか治らないのに菌がいないという場合は正確な診断のできる病院にかかることをオススメします。

確定診断は尿道から膀胱鏡を入れて診断になります。膀胱鏡を入れた後、水を入れて
その後、膀胱の壁から点状出血やさみだれ出血が見られたら間質性膀胱炎です。
これとは別に難病に指定されているハンナ型という間質性膀胱炎もありますが、こちらは膀胱壁に潰瘍ができるようです。

治療法は水圧拡張術や膀胱注入、薬の投薬などがありますが、完治という事はなく、再発もある病気ですが良くなって普通の生活を送れる方も沢山います。
この病気は尿を酸性にして痛みを出さないようにするために、食事や飲み物制限があり、それもかなり厳しいです。

薬は抗アレルギー剤や向精神薬等がつかわれます。
1度なるとなかなか治らずやっかいな病気なので、日ごろから膀胱炎などになって膀胱をいじめないよう気を付けることが大切だと思います。

(出典)細菌性膀胱炎と症状が似ているが、検査しても菌がでない間質性膀胱炎

原因が特定できていない間質性膀胱炎は、一度発症すると完治は難しいと言われていますが、上記の体験談にもあるように、適正な治療法を行うことで症状をコントロールし、QOL(生活の質)を高めることは可能です。

精神的なストレスを溜めないということも重要で、規則正しい生活を送り、適度な運動も効果があると言われています。

(参考)膀胱炎の症状と治療ガイド

(参考)間質性膀胱炎の知識 NPO快適な排尿を目指す全国ネットの会
※こちらは誰にでも起こりうるさまざまな「おしっこの問題」についてのサイトです。間質性膀胱炎について専門家の先生が分かりやすく解説されています。

(参考)女性医療クリニック・LUNAグループ 間質性膀胱炎
※こちらは、女性のための婦人科、内科、泌尿器科などの医療を提供しているクリニックのサイトです。

6.その尿トラブルの原因は意外なところにあるのかも。正しい診断で正しい治療を!

ひとくくりで膀胱炎と言ってしまっても、細菌による急性膀胱炎以外にもウイルス他の病気薬剤が原因となっているものなど様々な種類の膀胱炎があるのがお分かりいただけたでしょうか?

いずれにしても、症状が強く出ている時は、仕事や用事がこなせなくなるほど、膀胱炎の症状が日常生活に支障をきたすことは間違いありません。

同じ症状であっても、膀胱炎のタイプによっては治療法も異なり、それぞれのタイプにあった適正な治療を行わなければ、いつまでも不快な症状に苦しめられることになりかねません。

そのためにも自己判断せず、おかしいなと思ったら早めに医療機関を受診して検査を受けてみましょう。

また、現在治療中でも再発を繰り返していたり、改善効果がないと思われる時も、セカンドオピニオンを受けることで自分に合った治療法が見つかったり、症状が改善することがあるかもしれません。

なかなか治らない不安や、辛い症状を我慢し続けることは大きなストレスを抱えることになり、それがまた症状の悪化につながります。

仕方がないとあきらめず、自分に合った治療法を見つけるためも膀胱炎に対する正しい理解を深めましょう。

膀胱炎の検査や治療薬については以下の記事で詳しく説明しています。
膀胱炎は市販薬で治る?悪化すると腎盂腎炎で入院も。病院の検査・薬の種類

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