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2018年5月1日更新

足のむくみ・だるさ・こむら返りは下肢静脈瘤の初期症状かも?気になる原因や症状、予防法

40代以降に発症が増える「下肢静脈瘤」は、静脈のうっ滞によっておこる足の病気。膨らんだ血管の瘤ができて美容的にも気になる上、足のむくみ、だるさ、痛みといった不快な症状を伴います。下肢静脈瘤の気になる発症原因や症状、予防方法をまとめました。【記事監修】目黒外科 院長 齋藤陽(あきら) 先生
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足のすねや膝の裏、ふくらはぎなどの静脈が浮き出て血管の瘤(こぶ)ができてしまう「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」

外見的に目立つだけでなく、足のむくみ、だるさ、こむら返りなどさまざまな症状を伴うことがあります。

「静脈瘤」とは「静脈(血管)が瘤(こぶ)状に拡張したもの」を指します。

40歳以降、発症する患者さんが増加し、年齢が上がるほどその発症率は高くなります。

下肢静脈瘤自体は良性の疾患ですので、発症したからといって命に関わるような病気ではありません。

しかし、一度発症すると自然には治らず、放置すると徐々に症状が悪化していく可能性も。

下肢静脈瘤は特に女性に多い疾患であるため、美容上、大きなコンプレックスになってしまう他、進行すると日常生活に支障が出るケースもあるので注意が必要です。

今回は足の静脈トラブルによる疾患「下肢静脈瘤」の症状や原因、予防法についてご紹介します。

1.足のむくみやだるさ、浮き出た血管に要注意!下肢静脈瘤の症状とは?

下肢静脈瘤にはさまざまな症状があり、一見、血管のトラブルとは分かりにくい症状もあります。

「ただの足の疲れや運動不足」と思い、軽く考えてしまうと静脈瘤発症のサインを見逃してしまうかもしれません。

まずは足に病気の兆候が起きていないか、下肢静脈瘤によく見られる症状からチェックしてみましょう。

①足の血管が浮き上がる、毛細血管が目立ってくる

足の血管(静脈)のふくらみは、下肢静脈瘤の症状の中でも最も代表的なもので、自分でも変化に気付きやすい症状です。

すねや膝の裏側、ふくらはぎの静脈が太くなって青く盛り上がり「こぶ」のように見える場合や、血管がクネクネと細かく蛇行している場合もあります。

また、皮膚の表面は平らでも、くっきりとした青い網目状の血管や赤紫色をしたクモの巣状の毛細血管が目立つようになるケースもあります。

②就寝中に足がつる

夜中から明け方にかけて、たびたび起こるこむら返りは、「足の疲れ」が原因と思われがちですが、下肢静脈瘤の初期に多く見られる症状です。

③足のだるさが続く

「立ちっぱなし」「座りっぱなし」など、長時間、同じ態勢を続けているとふくらはぎや足の裏がだるくなってきます。夕方になると特に悪化します。

通常は足を高くして休み、足に溜まった血液の流れを良くするとだるさは和らぎます。

足のだるさは、疲れや運動不足などが原因の場合もありますが、下肢静脈瘤の初期から起こる症状です。

④足がむくむ

足がむくみやすく、特に夕方以降にひどくなります。

塩分の摂り過ぎ、お酒の飲み過ぎなどにより足がむくむこともありますが、下肢静脈瘤が進行して中期になると足のむくみが見られるようになります。

足のむくみの有無は、自分で簡単にチェックできます。足のすねを5秒間指で強く押し、10秒経っても凹みが戻らなければ、むくみがあると考えられます。

「言われてみれば、日常的に足のむくみがあるかも……」と心当たりのある方も多いのではないでしょうか?

⑤ひざ下の皮膚が褐色に変化したり、湿疹やかゆみが薬を塗ってもなかなか良くならない

「足にできた湿疹や痒みがなかなか良くならない」という場合、下肢静脈瘤が進行した際に起こる合併症「うっ滞性皮膚炎」の可能性があります。

うっ滞性皮膚炎の原因は、その名の通り「静脈のうっ滞(血液の滞り)」です。

静脈の血圧が高くなり、皮膚の毛細血管が内出血を繰り返すため、皮膚が黒っぽく色素沈着する皮膚が固くなるといった症状が出る他、皮膚のバリア機能も破壊されるので、湿疹痒みが起こりやすくなります。

うっ滞性皮膚炎の段階になると下肢静脈瘤も重症です。ケガでできた傷や湿疹の掻き壊しなども治りにくく、潰瘍(かいよう:皮膚組織の深いところまでに及ぶ傷)になる場合もあるため注意が必要です。

症状の改善には外用薬によるピンポイントの治療だけでは効果がなく、根本的な原因である静脈のうっ血を改善しなければなりません。

2.下肢静脈瘤発症のメカニズムと原因は?

上記でご紹介したさまざまな下肢静脈瘤の症状は、どれも「老廃物を多く含む汚れた血液が足に溜まること」が原因で起こります。

なぜ足に血液が溜まってしまうのか原因を探るために、血液循環のしくみと下肢静脈瘤を発症するメカニズムを見ていきましょう。

血液循環のしくみと下肢静脈瘤を発症するメカニズム

ご存知の通り、人間が生命を維持していくためには、「栄養」「酸素」などのエネルギーが不可欠です。

これらを届ける役目をしているのが血液循環のシステムです。必要な栄養や酸素は、心臓のポンプから送り出され、動脈の血液に入り、体のすみずみの細胞に送り届けられます。

栄養や酸素が体内で使われると、同時に老廃物が発生します。すると今度は、汚れた血液が静脈に通じて腎臓と肝臓に運ばれ、そこで不純物をろ過し、再びきれいな血液として心臓に戻されるしくみになっています。

血液循環のしくみ

(画像引用)血管の働き 目黒外科

このように老廃物で汚れた血液を流す「下水道」の役割をしている静脈は、重力に反して上向きに流れているので、もう一度血液を心臓に戻すためには、血液を下から上に持ち上げなければなりません。(静脈還流といいます)

そこで、血液を上に戻すために使われるのが「呼吸」「足の筋肉」です。

息を吸う時、下半身に溜まった血液は一緒に上半身に吸い上げられます。

さらに「第二の心臓」とも呼ばれているふくらはぎの筋肉を動かし、ポンプのように収縮させることで、血液を上へ上へと押し上げているのです。

しかし、息を吐いている時や、足の筋肉を使っていない時はどうなるでしょうか?

重力があるため、普通ならせっかく上に運ばれた血液も落下してしまうはずですよね。

ヒトの体にはちゃんと血液の逆流を防ぐためのしくみも備わっています。静脈の血管の内部には「逆ハの字」型をした逆流防止のための「静脈弁」が数センチおきにあり、この弁を閉じることで、落ちてきた血液をせき止め、血液が逆流しないようにしているのです。

ところが、何かのきっかけで逆流防止弁がきちんと閉じなくなってしまうと、せき止めていた血液は少しずつ下へ下へと逆流し始めます。

そして、戻ってきた血液が次第に静脈や周辺の毛細血管に入り込むと、静脈の壁に圧がかかって徐々に血管が広がり、太くなります。

同時に逆流防止の弁も引き延ばされて余計閉じにくくなるため、下半身に溜まった血液で血管が盛り上がり、「瘤のような血管の膨らみ」「血管の蛇行」といった下肢静脈瘤となるのです。

静脈弁の働き

(画像引用)静脈弁の働き 目黒外科

足の静脈の種類。特に故障しやすい弁がある!

足の静脈には、皮膚のすぐ近くを流れている「表在静脈(ひょうざいじょうみゃく)」と足の深い部分を流れている「深部静脈(しんぶじょうみゃく)」という2つの種類があります。

深部静脈は、360度周囲を硬い筋肉で囲まれているため、静脈は拡がりにくく逆流を防止する弁の故障はめったに起こりません。

一方、表在静脈は皮膚や皮下脂肪といった柔らかい組織と接している部分があるため、血管が拡がりやすくなります。

特に足首から太ももの内側にかけて走る「大伏在静脈(だいふくざいじょうみゃく)」と、ふくらはぎの後ろからひざの裏にかけて走っている「小伏在静脈(しょうふくざいじょうみゃく)」という2本の表在静脈は、血液量が多いために逆流を起こしやすく、静脈弁の不具合も出やすいので、静脈瘤が発生しやすい箇所です。

足の静脈図

(画像引用)足の静脈図 目黒外科

血液の逆流を防ぐための静脈弁はとてもデリケートで、故障する原因もさまざま。1つだけではなく複数の原因が重なって故障するケースもあります。

静脈弁が故障する原因には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

原因①立ち仕事、座ったままのデスクワーク

「一日に長時間も同じ場所に立ちっぱなし」という職業の方の場合、血液を押し上げるポンプであるふくらはぎの筋肉があまり使われません。

すると、上方向に送られない静脈の血液がどんどん足に溜まり、静脈の血管の拡がりにつられて弁も引き伸ばされ、きちんと閉じなくなります。

調理師や美容師、警備員、教師、販売員といったその場での作業が続く方の他、座ったまま長時間デスクワークを行っている方も注意が必要です。

原因②妊娠、出産による静脈の変化・腹圧の上昇

妊娠・出産時には、胎内の赤ちゃんを無事に育てなければならないため、体に大きな変化が起こります。
妊娠すると女性ホルモンの影響で、静脈を構成している血管の壁は柔らかくなります。

また、お腹の中の赤ちゃんに必要な栄養を届けるため、血液量も増加します。
増えた血液でパンパンになった静脈がホルモンの影響で柔らかくなるため、妊娠が進むにつれて静脈が太くなるのです。

さらに、胎児が成長して子宮が大きくなると、今度は骨盤内の静脈を圧迫して流れが悪くなり、足の静脈はうっ滞しやすくなります。

出産すると静脈うっ滞は改善しますが、出産回数が増えるごとに太くなった静脈が元に戻りにくくなっていきます。

原因③遺伝(両親、親族に患者が多い場合は20代から発症する例も)

下肢静脈瘤は、遺伝による発症が多いのも特徴です。
両親のどちらかが下肢静脈瘤を発症している場合、男性は25%、女性だと60%の確率で子どもにも遺伝するというデータがあります。

さらに、両親ともに下肢静脈瘤があると、90%の確率で子どもに遺伝すると言われています。

親族に患者さんが多い場合、生まれつき静脈弁が弱いというケースもあり、20代くらいの若い時期から下肢静脈瘤を発症する場合もあります。

原因④加齢による筋肉量の減少、血管の老化

高齢になると、老化現象により足の筋肉量が減り、さらに運動量も落ちるため、筋肉のポンプ作用が弱くなってきます。

また、筋肉だけでなく血管も老化するため、静脈の壁を構成している弾性膜や平滑筋(中膜)といった組織の強度が弱くなり、静脈の壁が伸びやすくなります。

原因⑤肥満による運動不足、腹圧の上昇

肥満になると必ずしも静脈瘤ができるという訳ではありませんが、太り過ぎは下肢静脈瘤を発症しやすくします。

太っていると運動不足になりやすく、足の筋肉が使われなくなることや、肥満で腹圧がかかり、足の静脈の流れを滞らせることが理由と考えられます。

原因⑥便秘でいきむことによる腹圧の上昇

排便時のいきみはお腹に高い腹圧がかかります。
強い腹圧で足の静脈が圧迫され、静脈弁に負担をかけてしまい、故障しやすくなります。

原因⑦性別(女性は男性に比べて発症率3倍)

下肢静脈瘤は、女性の方に発症が多いのが特徴で、その発症率は男性に比べると約3倍です。出産経験のある女性の2人に1人は静脈瘤をもっているというデータもあります。

女性は、男性に比べて足の筋肉量が少ないため、ポンプ作用が弱いことや、女性ホルモンの影響を受けやすいことが理由として考えられます。

3.現れる症状にも違いが!下肢静脈瘤の種類

静脈瘤はどの血管に発症するのかによって4つの種類に分けられており、それぞれの症状にも違いがあります。

①伏在型静脈瘤(ふくざいがたじょうみゃくりゅう)

大伏在静脈と小伏在静脈の弁の故障により老廃物を含んだ血液が逆流して発症する静脈瘤で、下肢静脈瘤の中でも最も多いタイプです。
静脈の血管が浮き出る他、足のむくみやだるさなどの自覚症状がある場合もあります。

進行すると、湿疹やかゆみ、色素沈着などの「うっ滞性皮膚炎」を合併するケースもあります。

伏在型静脈瘤2

(画像引用)伏在型静脈瘤の症例 目黒外科

※太ももの内側からふくらはぎ、くるぶしにかけての静脈が拡張して太くなり、浮き出て見えています。

②側枝型静脈瘤(そくしがたじょうみゃくりゅう)

「分枝静脈瘤(ぶんしじょうみゃくりゅう)」とも言われ、大伏在静脈や小伏在静脈の2本の静脈から枝分かれしている静脈に発生する静脈瘤。

症状は、血管が浮き出る、足のむくみやだるさなど、伏在型静脈瘤と似ていますが、皮下脂肪の層の柔らかい部分を走っているため、静脈の蛇行が、より激しくなるケースが多いです。

側枝型静脈瘤症例

(画像引用)側枝型静脈瘤の症例 目黒外科

※太く、青い静脈が蛇のようにくねくね蛇行しているのが良く分かります。

③網目状静脈瘤(あみめじょうじょうみゃくりゅう)

直径2㎜までの青い毛細血管が太ももやひざ、ふくらはぎに現れ、網目状に見えることから網目状静脈瘤と呼ばれています。
下肢静脈瘤の中では軽症のタイプですが、伏在型静脈瘤を合併しているケースもあるので注意が必要です。

まれにピリピリした痛みが出る場合もありますが、特に症状がない場合も多く、外見上、気にならなければ治療の必要はありません。

網目型静脈瘤

(画像引用)網目状静脈瘤の症例 目黒外科

※表皮の下の青い血管(静脈)が透けてはっきりと見えている状態です。

④クモの巣状静脈瘤(くものすじょうじょうみゃくりゅう)

網目状静脈瘤と同じく軽症タイプの静脈瘤。
直径0.1~1mm程度の極細の毛細血管が、網目状静脈瘤から続くように発症します。

太ももやひざ、ふくらはぎに赤や紫の毛細血管が現れ、クモの巣のように見えることからこのように呼ばれています。

まれにピリピリした痛みが出る場合もありますが、特に症状がない場合も多く、外見上、気にならなければ治療の必要はありません。

(画像引用)クモの巣状静脈瘤の症例 目黒外科

※赤紫の細かい毛細血管が透けて見えている状態です。

≪その他妊婦さん特有の特殊な静脈瘤も!≫

上記の4種類の分類には入っていませんが、「陰部静脈瘤(いんぶじょうみゃくりゅう)」という女性特有の特殊な静脈瘤もあります。

妊婦さんに発症が多い陰部静脈瘤は、鼠径部(そけいぶ:股の付け根)や太ももの周辺に静脈瘤ができるのが特徴。

上記4種類の静脈瘤との違いは、足の表在静脈ではなく、骨盤内にある静脈のうっ滞で症状が起こるということです。

お尻や足に痛みやだるさが現れ、生理になると悪化します。
陰部静脈瘤の場合、例外的に出産後、自然に症状が消える場合があるので妊娠中の治療は行いません。

4.下肢静脈瘤を予防するには?

下肢静脈瘤では、内服薬などによる薬物療法は効果がないため、進行してうっ滞性皮膚炎などの合併症が出てくると手術が必要になります。

年齢や性別、遺伝など、自分では避けられない要因もありますが、毎日のちょっとした生活の中で注意することで、発症のリスクは軽減することができます。

発症リスクを減らす!日常生活上の注意

①長時間の立ち仕事をしない。

なるべく「立ったまま長時間動かない」という状況は避けるようにしましょう。

止むを得ず立ち仕事をする時は、「足首を回す」「アキレス腱を伸ばす」「屈伸をする」といった運動をこまめに行いましょう。

「貧乏ゆすり」「足の指でグーパーを繰り返す」といったその場でできる小さな動作でも足の静脈弁にかかる負担は減らせます。

また、休憩時は足を高くした状態で休み、足に溜まった血液が戻りやすくしておきましょう。

②太り過ぎない。

体重が増えすぎないように、日頃から体重のコントロールを行いましょう。

食べ過ぎに気を付けるのはもちろん、運動不足にも気を付けましょう。

軽いジョギング、ウォーキングなどの適度な運動は、余分なカロリーを消費でき、足の筋肉を増やすためにも有効です。

特に水中ウォーキングや水泳は水圧の効果で、足の血液循環を改善する効果が高いのでおススメです。

③便秘を防ぐ。

スムーズな排便のためには、水分をこまめに摂りましょう。
食事は、野菜や果物、キノコや豆類など食物繊維が多いものを積極的に摂り入れましょう。

適度な運動は便秘の解消にも効果的です。

発症する前に履いて予防!「弾性ストッキング」の着用効果は?

さらに、「積極的に下肢静脈瘤の発症を予防したい!」という方におススメなのが、足を外部から圧迫する「弾性ストッキング」

弾性ストッキングというとピンとこないかもしれませんが、「引締め用ストッキング」「着圧ソックス」などのネーミングで、最近はドラッグストアでも売られているのをご存知の方は多いのではないでしょうか?

弾性ストッキングには、ふくらはぎの筋ポンプ作用と静脈の拡張を防ぐ二つの効果があり、締め付ける強度は弱圧・中圧・強圧と3段階に分かれています。

「足を締め付ける」と聞くと、逆にうっ滞してしまいそうですが、足首から上に行くにしたがい、徐々に圧が弱まるように設計されているので心配はありません。(段階的圧迫法)

ドラッグストアなどで市販されているものは主に弱圧ですが、医療用の中圧・強圧タイプはより強力な圧迫が可能です。

発症予防であれば弱圧でも効果はありますが、発症後、症状の進行を抑える目的で使う時には主に中圧タイプを使用します。

デザインは、膝上のストッキングや足全体をカバーするパンスト、ひざ下のみのハイソックスなど各種あり、症状や用途によって使い分けることもできます。(妊婦さん向けのマタニティタイプもあり)弾性ストッキングの種類

(画像引用)弾性ストッキングの種類 目黒外科

高い予防効果が期待できる弾性ストッキングですが、やはりデメリットもあります。
履き口がきついため、着用が難しいのが難点ですが、使っているうちにコツが分かり慣れてしまえば、それほど気にならなくなります。

また、弾性ストッキングはあくまでも物理的な方法。
ストッキングを脱いでしまえば効果がなくなりますし、履いたからといって、できてしまった静脈瘤が治るわけではありません。

しかし、何より「履くだけ」という手軽さで、誰でもすぐ始められるというのは大きなメリット。
遺伝などで将来、静脈瘤の発生が心配な方の予防ケアとしても有効ですし、「今日は長時間の立ち仕事になってしまう」という時に、あらかじめ着用しておき、静脈の拡張によるむくみやだるさを軽減する対策として活用することもできます。

弾性ストッキング履き方

(画像引用)弾性ストッキングのはきかた 目黒外科

静脈のうっ滞を解消するマッサージ・体操を習慣化する

特に足を使い過ぎた時でなくても、夕方になると足のむくみやだるさを感じる方は少なくありません。

今はまだ特に病的な症状は見られないという方も、マッサージや体操で普段から足の静脈のうっ滞を解消し、静脈弁にかかる負担を減らしておくと、不快な症状を和らげることができる上、静脈瘤の発症予防にも効果的です。

・ふくらはぎのマッサージ

体育座りをした状態で、ふくらはぎに両手を当て、手のひらで心臓に向かって優しくさすります。

滑りを良くするために、お手持ちのマッサージオイルなどを使うのも効果的です。

・足の血流を改善する体操

布団やマットに仰向けに寝転がり、両手両足を上げ、1分間ブルブルと細かく揺らす。

通称「ゴキブリ体操」ともいわれるこの体操は、効果的に足のうっ滞を解消して、滞っていた血液を心臓に戻すことができます。

どちらも休憩時間や寝る前のちょっとしたすき間時間で行える簡単な方法。毎日こまめに行うようにしましょう。

もちろん、これだけで下肢静脈瘤が100%予防できる訳ではありませんが、毎日の小さな積み重ねでも、長く続けることで予防効果はアップします。

どんな人でも、年齢が上がるにつれて、下肢静脈瘤を発症するリスクは上がります。

できてしまってからではなく、まずは発症予防を心がけ、早いうちから下肢静脈瘤予防のためのケアを始めておきましょう。

下肢静脈瘤の治療法については以下の記事で詳しく説明しています。
カテーテル治療で「切らない」手術も可能に!「下肢静脈瘤」の診断と治療方法

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