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2016年6月15日更新

赤ちゃんに影響はある?妊婦さんと授乳中ママのプール熱(咽頭結膜熱)感染

子供の病気のプール熱(咽喉結膜熱)は大人もかかる!子供の看病で感染、発症も。妊婦さんや授乳中のママが感染したら赤ちゃんへの影響はある?薬は飲める?注意点まとめ
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1.大人のプール熱(咽頭結膜熱)は「子供の看病」が主な原因!

毎年6月~8月に保育園から小学校などに通う子供の間で流行する夏風邪がプール熱(咽頭結膜熱)です。

感染力の強い「アデノウイルス」というウイルスによって、「高熱」「のどの痛み」「目の充血」の辛い三大症状が引き起こされます。

子供がかかる病気という印象がありますが、決して子供だけの病気ではありません。

保育園や幼稚園に通う小さな子供は、まだウイルスへの抵抗力が少ないので特にかかりやすく、その年頃のお子さんを持つお父さんやお母さんが看病をしているうちに感染し、発症してしまうケースも多いのです。

プール熱(咽頭結膜熱)の症状については以下の記事で詳しく説明しています。
プール熱(咽頭結膜熱)の感染力の強さに注意!その原因、症状、治療法は?

大人が発症したら。その症状は子供とは違うの?

大人の場合は小さな子供ほど症状はひどくなく、熱だけや喉の痛みだけの場合など、比較的に軽く済むことが多いです。

子供の頃にプール熱(咽頭結膜熱)にかかっていると、身体には抗体ができていますが、この抗体は体内に残りにくく、またアデノウイルスの型も多数あるので、型の違うウイルスに感染した場合には発症する恐れがあります。

(参考)国立感染症研究所 咽頭結膜熱とは
(参考)横浜市衛生研究所 咽頭結膜熱について
※どちらのサイトもプール熱(咽頭結膜熱)の原因、症状、治療などについて詳しい情報が載っています。

2.妊婦さんが感染したら。心配な胎児への影響は?

注意!妊婦さんはかかりやすい。

大人はかかっても重症化することの少ないプール熱(咽頭結膜熱)ですが、妊婦さんの場合は注意が必要です。

妊婦さんは妊娠することによって、免疫力が低下し、つわりなど体調の変化もありストレスが溜まりやすくなっています。

プール熱(咽頭結膜熱)も他の風邪と同様、ストレスや過労が溜まって体力が落ちている時に発症しやすくなります。

更に妊娠中は薬もあまり飲めないため、感染すると症状が重くなり、辛い症状が長く続くことがあります。

お腹の赤ちゃんへの影響はあるの?

妊娠初期の3~4週目頃が赤ちゃんの器官形成が始まる時期で、ウイルスなどの影響を受けやすいといわれています。

ですが、風疹と違って、アデノウイルスが直接、胎児に影響を及ぼすことはありません。

また、熱が高いと心配になりますが、体からウイルスを追い出そうとしている状態なので、慌ててお薬で下げる必要はありません。

ただし、38℃以上の高い熱が長時間続くと、子宮内の羊水が高温になり、胎児の体温や心拍数も上がってしまいます。

胎児にとっても辛い状態が続くことになってしまうので、3日過ぎても熱が下がらない時は注意が必要です。

マタニティスイムでも感染する?

最近では、妊娠中に体重コントロールやストレス発散のため、マタニティスイムに通う妊婦さんも多くなりました。

マタニティスイムで使用するプールは塩素消毒がされているので、よほど不衛生な状態でない限り、特別、感染を気にする必要はありません。

体調が落ち着かない妊娠初期と後期を避け、安定期(16週以降)に入ってから、お医者さんと相談して始めるようにしましょう。

また念のため、プールに入る前後のシャワーや上がった後に両目を洗うなど、感染予防の対策はしっかりと行うようにしましょう。

かかってしまった時は内科ではなく、産婦人科に相談を!

現在、アデノウイルスを殺す特効薬はありません。

そのため、プール熱(咽頭結膜熱)の治療は対症療法がメインで、熱が出た場合は解熱剤、喉の痛みには消炎剤といった具合にそれぞれの症状に合わせたお薬が処方されます。

ですが妊婦さんの場合は自由にお薬を飲めないので、まずはかかりつけの産婦人科に相談をしましょう。

お薬によっては胎児に影響の出るものもあるので、解熱剤などを自己判断で飲むのはやめましょう。

薬以外で治したい!自分で出来る対策法4つ

病院での治療と併せて、自分で出来る以下のような対策をとると、回復を早める手助けになります。

1.わきや首の後ろを冷やす。

わきや首の後ろにはリンパ腺があり、ここを冷やすと熱が下がりやすいです。

氷まくらやアイスノンは首にあたるように調整して横になりましょう。

わきの下を冷やすときは、保冷材を薄手のタオルなどで包み、両わきに挟むと効果的に冷やすことが出来ます。

2.こまめに着替えをする。

汗をかくと、身体から熱が逃げるので、体温が下がりやすくなります。

熱を逃がしやすくするため、薄手のパジャマなどを着て、汗をかいたらなるべくこまめに着替えるようにしましょう。

3.水分補給をする。

熱が出て汗をかくと、身体が脱水の状態になりやすくなります。

一度にたくさん飲むのではなく、ペットボトルのお水などを枕元に置いて、こまめに水分補給しましょう。

「経口補水液」は体に吸収されやすいので、脱水症状が気になる時は特におすすめです。

経口補水液 OS-1 オーエスワン 経口補水液 OS-1 オーエスワン

4.食事は口当たりの良いものを少しずつ取る。

しっかり食事がとれるようならば、おかゆやうどんなど消化の良いものを中心に食べましょう。

お腹の赤ちゃんのために栄養を取らなければと心配になりますが、辛い時は数日程度なら無理に栄養を摂ろうと思わなくても大丈夫です。

熱が高く、喉が痛くて飲み込めない時は「ウィダーインゼリー」のようなゼリー飲料やアイスクリームなど冷たい食べ物のほうが比較的食べやすいでしょう。

また、のどの炎症や痛みを和らげるには、「レモンはちみつ」「生姜湯」「はちみつ大根」などがおすすめです。

【参考レシピ】 のどの痛みにおすすめ ◆「はちみつ大根」◆

※これは風邪予防などにもなるので、作って普段から常備しておくと良いでしょう。

  1. 大根を皮付きのまま、さいの目に切る。
  2. 瓶に大根を入れ、はちみつを注ぐ。
  3. 2、3日たつと大根から水分が出始めるので、大根がしわしわになったら取り除く。
  4. 喉が痛い時、1回につき、スプーン1~2杯を飲む。

 

はちみつ大根

上記の4つのことに気を付けながら、安静にゆっくり休むことが早期回復につながります。

こんな時は要注意!!すぐに受診を。

妊婦さんの感染で一番怖いのは脱水症状です。

脱水になると母子ともに危険になるので、どうしても水分が取れないような場合、すぐに産婦人科を受診し、必要に応じて水分を補給する点滴などを受けましょう。

また、発熱やのどの痛み、目の充血の他に、腹痛や下痢などの症状がある場合は注意が必要です。

妊娠後期の妊婦さんの場合、痛みからお腹が張ってしまう場合や、陣痛が促進されることもあるので、これらの症状がある時は早めに受診しましょう。

3.授乳中ママが感染した場合。母乳はあげても大丈夫?

授乳中にプール熱(咽頭結膜熱)に感染した場合でも、母乳自体にはウイルスは入っていないため、母乳から感染の心配はありません。

しかし、ウイルスのついた手からの接触感染、唾液などの経口感染によって赤ちゃんが感染してしまう可能性があります。

赤ちゃんに接触するときは手洗いするなど気を付け、食器やタオルなどの共用はやめましょう。

薬は飲んでも大丈夫?

熱がなかなか下がらない場合は、お医者さんで授乳中でも飲める解熱剤を処方してもらいましょう。

おもに授乳中でも使うことが出来る、アセトアミノフェンが主成分となっている「カロナール」が処方されます。「ボルタレン」「ロキソニン」といった解熱剤は妊娠週や状況によっては使用できない場合もあります。(原則、妊娠中の使用はしない)

「以前もらったお薬がまだ残っているから」と勝手に飲んでしまわず、必ずお医者さんに確認を取りましょう。

大切なのはお薬を飲むタイミング

また、これらのお薬を飲む時間と授乳のタイミングも大切です。

これらのお薬は飲んだ後、1時間くらいが薬の血中濃度が最も高くなるので、そのくらいの時間を外して授乳するようにしましょう。

解熱剤の効果は4時間ほどといわれており、5時間後にはほぼ血液中からなくなります。

授乳間隔もなるべく長く空けるようにし、授乳後、すぐにお薬を飲むのが良いでしょう。

(参考)国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター 
(参考)おくすり110番 授乳とくすり

4.これからの時期の流行に備える!まずは予防することが肝心。

感染すると、1週間程度、症状が続くプール熱(咽頭結膜熱)は妊婦さんや授乳中のママにとってはとても辛いものです。

薬に頼れない妊娠中、授乳中は以下のことに気を付けて、かからないようにすることが重要です。

1.マスクを着用

アデノウイルスは飛沫感染するため、予防のためにも外出時はマスクを着用しましょう。

なるべく人ごみや、発症している子供との接触を避けるようにしましょう。

2.うがい、手洗いの徹底

外出先から帰ったら、うがい手洗いを行いましょう。

ウイルスを落とすために、石鹸を良く泡立て、指の間から手首まで30秒以上かけて、良く洗い流しましょう。

3.睡眠時間の確保

寝不足は脳が休まらず、ストレスを増加させ、免疫力の低下につながります。

1日7時間~8時間の充分な時間を確保するようにしましょう。

4.免疫力を高める食事

ビタミンA、C、Eをバランスよく取ることが、免疫力を高めると言われています。

ビタミンAは小松菜やカボチャなどの緑黄色野菜、ビタミンCは柑橘類やピーマンなどの野菜、ビタミンEはアボガドやナッツ、オリーブオイルに多く含まれます。

これらを肉や魚などのたんぱく質とバランスよく取ることで、より一層、免疫力upの効果が高まります。

また、腸は免疫システムと関係が深いので、便秘をしないように、繊維質やヨーグルトなどを摂ることもおすすめです。

これら4つの注意点はプール熱(咽頭結膜熱)に限らず、他のたくさんの病気の予防にもなるので、この時期に限らず、常に心がけると良いでしょう。

そしてもし、家族に感染者が出てしまった時は、感染者の入浴は最後にする、洗濯ものは別に洗うなど、これ以上感染を広げないようにすることも大切です。

これからの流行に備えて今から万全の準備をし、夏のマタニティ&授乳ライフを楽しめると良いですね!

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