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2017年7月3日更新

「プラセンタ注射」の効果・副作用。アレルギー体質の人は気を付けて!

プラセンタとは、人・豚・馬などの胎盤から豊富な栄養素を抽出したエキスのこと。有効成分に含まれる”成長因子”によって、お肌の潤いや張り、美白美肌・更年期障害に効果が期待できます。副作用や感染症リスクもあるので、よく考え治療を進めましょう。
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いつまでも美しくいたい!若々しさを保ちたい!
女性なら誰でもそう願っているのではないでしょうか。
しかし、加齢につれ、お肌のハリや潤いの低下、しみ、しわといった加齢に伴うエイジングサインが現れてくる切ない現実。

そんな中、近年注目を浴びているのが、美容成分”プラセンタ”です。

今や、エイジングケアの代表格とも言われるプラセンタですが、古くは、エジプトの女王クレオパトラ、フランスの王妃マリー・アントワネット、中国の楊貴妃も美容のために使用していました。

また、芸能人や美魔女の美貌の秘訣に、「プラセンタ注射」が一役買っているなんて話もチラホラ耳にしますよね。

さらに、プラセンタといえば、これまで厚生労働省に認可されている「プラセンタ注射」が主流でしたが、最近ではサプリ・ドリンク、内服薬など種類も増えて、より身近に気軽に利用することができるようになってきました。

今回は、知られざるプラセンタの概要と王道の厚労省認可「プラセンタ注射」の効果と副作用・注意点について、ご紹介します。

実は万能薬!?「プラセンタ」とは?

プラセンタとは、英語で「胎盤」のことです。
胎盤は、胎児の成長を促す重要な役割を担っていることから、豊富な栄養素を含んでいます。
そのまま胎盤を利用するのではなく、豊富な栄養素(有効成分)を抽出したエキスを一般的に「プラセンタ」と呼んでいます。

そんな栄養豊富なプラセンタには、肌に栄養を届け、再生するのを助ける「造血・血行促進作用」や肌老化を防ぐ「抗酸化作用」、そして”美肌の鍵”となる細胞を活性化させる「基礎代謝促進作用」など様々な効果が期待できます。

歴史的美女たちもこぞって使ったことに加え、様々な美肌効果も期待できるとなれば、「プラセンタ使いたい!」と、はやる気持ちも致し方ないかもしれません。

では、プラセンタのどんな成分が、”美人の秘訣”に繋がっているのでしょうか?
また、どうやってプラセンタを摂取すればよいのでしょうか?

プラセンタ摂取する前に、まずはプラセンタについて簡単に確認しておきましょう!

豊富な栄養素が凝縮!プラセンタの有効成分

「胎盤」は、人間の他にウマや豚など哺乳類(単孔類・有袋類は除く)が持っている器官です。
人間以外の哺乳類は、出産後に自分の胎盤を食べます。
これは馬など草食動物でも、例外ではありません。
人間でも最近は、自分の胎盤を食べることが出来る産院もあるようですが……。(※諸条件あり)

動物たちは、胎盤を食べて血の匂いを消すことで、他の動物から身を守るだけでなく、出産後の体力を素早く回復させることができることを本能的に分かっているのかもしれませんね。

実際、プラセンタには、タンパク質(アミノ酸)、ビタミン各種、脂質、糖質、ミネラルなど5大栄養素以外にもムコ多糖体など10もの栄養素(有効成分)が含まれています。

まさに、”栄養素の宝庫”ですね。

中でも、アミノ酸は「生命の源」と呼ばれ、体の約20%を占めています。
また、20種類のアミノ酸が原材料となって、たんぱく質になります。たんぱく質は、体を動かしたり、考えたり、泣いたり、笑ったりする生命活動を支えています。

さらに、ムコ多糖体は、ヒアルロン酸、コンドロイチンなどが有名な保水性のある物質。身体の機能を維持する働きをしているのです。

また、プラセンタの原料となる胎盤には、ヒト由来・豚由来・馬由来があります。

目的に合わせて選択!プラセンタの摂取方法

プラセンタには、①クリニックなど医療機関でしか処方されないもの②市販品の2つがあります。

さらに、プラセンタの接種方法にも、いくつか選択肢があります。

    1. 注射
      • 【取扱先】クリニックなど医療機関のみ
      • 【代表的な薬名および用途】メルスモン……更年期障害や乳汁分泌不全治療、ラエンネック……肝機能障害治療、美容目的
      • 【原材料】ヒトプラセンタ
        →日本で厚労省に認可されている医薬品としてのヒトプラセンタは、日本人の胎盤のみが原料
      • 【接種回数】最初の2か月くらい週1~2回の定期接種が必要。
      • 【注目ポイント】ヒト由来なので、体への浸透が早く即効性がある。
        分解されずに、直接体内へプラセンタを取り入れることができる。
    2. 内服薬①(医療機関専売品)
      • 【取扱先】クリニックなど医療機関
      • 【代表的な薬名と用途】ピュアプラセンタD.R.……美容目的
        →別名”飲むプラセンタ注射”
      • 【原材料】ヒトプラセンタ
      • 【服用量】一日2~6粒程度飲むだけ。
      • 【注目ポイント】美肌・アンチエイジング作用のある“成長因子”がラエンネックの5倍!
        注射ではないので、痛みのストレスがない。
    3. 内服薬②(市販医薬品)
      • 【取扱先】ドラッグストアなど
      • 【代表的な薬名および用途】プラセントップ(スノーデン社)……厚労省に認可されている用途は滋養強壮、栄養補給。
      • 【原材料】豚プラセンタ・馬プラセンタがほとんど
      • 【服用量】1日2粒~6粒くらい
      • 【注目ポイント】においもマイルドな馬は、アミノ酸含有量が豚の300倍。
    4. サプリメント・ドリンク剤
      • 【取扱先】ドラッグストア・コンビニなど
      • 【代表的な品名】サプリメント……TP200next(日本メディカル研究所)、母の滴プラセンタEX(フローレス化粧品)など。
        ドリンク剤……プラセンタ液150000(フラコラ)、神のプラセンタドリンク(ヒロソフィー)など
      • 【原材料】馬プラセンタ・豚プラセンタ
      • 【服用量】1日1粒~
      • 【注目ポイント】サプリは手頃価格なものが多く、ドリンク剤はいつでも手軽に飲みやすいのがメリット。しかし、加工上の理由により、注射薬に比べて、プラセンタ含有量が格段に少ないものもあり。

プラセンタ摂取は、何を一番優先するかよく考えて、目的に合わせて選択しましょう!

ポイントは成長因子!「プラセンタ注射」の効果

プラセンタ注射は、クリニックなど医療機関でしか受けらない医療行為です。
現在は、メルスモン(更年期障害治療・乳汁分泌不全治療)ラエンネック(肝機能障害治療)が厚生労働省の認可を受けています。

経口摂取(サプリメント・ドリンク・内服薬)に比べ、プラセンタ注射では、有効成分を吸収の過程で分解されることなく、体内に直接注入できるので、より効果が期待でき即効性が高い方法です。

また、美肌・美白効果(シミ・しわ・たるみの改善)を狙った美容目的の施術も盛んに行われています。

プラセンタ注射の多彩な効果の中でも、特に女性が気になる“美容・婦人科関連”について、チェックしてみましょう!

プラセンタ注射の効果:①お肌の弾力が上がり、潤いを改善

プラセンタが注目されている理由の一つが、お肌の張りと潤いの改善効果!
お肌の張りと潤いは、アンチエイジングに欠かすことができないポイントですね。

このハリと潤いの改善に一役買っているのが、FGF(線維芽細胞増殖因子)と呼ばれる成長因子です。

(FGF(線維芽細胞増殖因子)イメージ図 ※画像をクリックすると、拡大します。)

このFGF(線維芽細胞増殖因子)には、肌の奥深く真皮にあるコラーゲンヒアルロン酸など美肌成分をつくり出す線維芽細胞(せんいがさいぼう)の増殖を促す働きを持っています。
新陳代謝が盛んになり、お肌内部の古い細胞が新しい細胞に置き換わることで、お肌の張りと潤いの改善が期待できます。
美魔女も夢ではないかも!?

プラセンタ注射の効果:②美肌・美白

EGF(表皮細胞増殖因子)という肌のターンオーバーを促し、肌のキメを整える働きをもつ成長分子も含まれています。
ちなみに、このEGFを発見したコーエン博士は、1986年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

(EGF(表皮細胞増殖因子)イメージ図 ※画像をクリックすると、拡大します。)

そのため、シミやシワ、肌のハリ・潤い不足で悩める女性が、急に感じる肌老化を細胞レベルで内側からアプローチしてくれるので、美肌・美白の効果が期待できます。

プラセンタ注射の効果:③更年期障害の改善

40歳を過ぎると、細胞の劣化に関連する活性酸素の発生が抑えられなくなり、お肌や体の老化に繋がります。
さらに、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が少なくなることで、のぼせやイライラなど更年期障害を発症します。

プラセンタには、活性酸素を抑制する「抗酸化作用」「エストロゲンの分泌調整機能」があるため、更年期障害や生理不順の改善が期待できます。

アレルギー体質の人は要注意!プラセンタ注射の副作用

アンチエイジング、しみ・しわ、更年期障害、肝機能障害など、あらゆる悩みを抱えた人に注目されているプラセンタ注射。
まるで万能薬のように“いいことづくし”で、何か落とし穴があるのでは?と心配になってしまう人もいるかもしれません。

しかし、プラセンタは人工的に作られた薬と違い、生物由来の製剤です。
したがって、効果が出すぎてしまう心配は少なく、人がもともと持っている力(自然治癒力)を促す働きをするだけなのです。

とはいえ、まれに副作用が起こることもあります。
プラセンタ注射を打つ前に、チェックしておきましょう!

プラセンタ注射で起こりうる副作用:①痒み・発疹・悪寒・痛み・注射部位が硬くなる

これまで重大な副作用は、ほとんど起こっていませんが、稀に痒みや発疹・悪寒が現れることがあります。
その場合、すぐに接種を中止すれば、次第に治まってきます。
また、注射部位が硬くなったり、摂取後打った場所がだるく感じたりすることもありますが、1日程度で落ち着いてきます。特に、冬の筋肉注射後、患部を良く揉まない場合には副作用が起こりやすいので注意!

プラセンタ注射で起こりうる副作用:②アレルギー(喘息・発疹など)の悪化・ショック状態

プラセンタ注射で使用される注射薬(アンプル)は、たん白アミノ酸製剤です。

そのため、アレルギー体質の患者さんが使用すると、喘息などのアレルギーが悪化する、場合によってはアナフィラキシー症状を起こす場合があるので、注意が必要です。
他にも、体力が著しく低下している場合にも要注意です。

献血・臓器移植できない!?プラセンタ注射の注意点

プラセンタ注射薬は、直接体に入れるものなので、きちんと定められた使い方で取り入れたいですね。
多彩な効果があるプラセンタの恩恵を十二分に受けたいなら、プラセンタ治療に対する正しい知識を持つことが大切です。

プラセンタ注射での注意点:①静脈注射・点滴は、避けるべき

プラセンタ注射の注射方法は、薬がメルスモンなら皮下注射(腕・顔)、ラエンネックなら皮下注射(腕・顔)か筋肉注射(腕・お尻)と取扱説明書に明記されています。

日本胎盤臨床医学会では、アナフィラキシーショックが起こったケースがあるので、プラセンタ注射薬の静脈注射は推奨していません!
また、プラセンタと一緒に高濃度ビタミンなど他の有効成分も混ぜて一緒に点滴を行う未認可の“カクテル点滴”という方法もあります。
どちらも皮下注射や筋肉注射より、即効性はありますが、その分排出も早く持続力がありません。

いずれの場合も、重大な副作用が起こる可能性があるので、安全のため避けた方がよいでしょう。

プラセンタ注射での注意点:②献血・臓器移植ができなくなる

プラセンタ注射は、クロイツフェルト・ヤコブ病(致死性脳神経の病気)の感染防止のため、2006年に厚生労働省より献血が禁止されています。

ただし、今のところ、プラセンタ注射薬の使用に関連して、クロイツフェルト・ヤコブ病の発生はありません。
プラセンタ注射薬で使われる原料は、ヒト由来の胎盤(プラセンタ)なので、「100%感染の恐れがないと言えないため、リスク回避と輸血の安全性を高めるための措置」として取られています。

ちなみに、献血は禁止されていますが、輸血を受けることはできます。
献血制限は注射薬(メルスモン・ラエンネック)だけなので、サプリや内服薬などでプラセンタ摂取をしても問題ありません!
なお、献血同様に「臓器移植」についても禁止です。

人生において、どこまで献血・臓器移植を重要視しているかは、人それぞれ。
長い人生、先のこともよく考えて、摂取方法をチョイスしましょう!

いつまでも若々しくいるために……

これまでプラセンタに含まれる豊富な栄養素や原材料、プラセンタ療法の主流である「プラセンタ注射」の効果や副作用などについて、ご紹介してきました。

なんとなく、プラセンタが美容に良いと知っていても、実はそれ以外よく分からない、なんて人もいたのではないでしょうか。

プラセンタの万能さには、驚かされましたね。
クレオパトラなど絶世の美女が、こぞって利用していたのも納得です!

まだまだ若いつもりでも、加齢とともに、お肌や体にエイジングサインが現れてきます。
ですが、プラセンタに含まれる“成長因子”なら、そんな老化の悩みを解決してくれるかもしれません。

嬉しい効果がたくさん期待できるプラセンタですが、副作用や感染症リスク、注意点などもあります。
あらかじめ考慮してから、納得した上で治療に進むことも、後悔しないポイントです!

プラセンタ注射を上手に使って、いつまでも若々しい気持ちを持って、人生を楽しみたいですね!
心と体が軽くなって、今まで以上に充実した世界が待っているかもしれません。

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