21,294views
2016年4月14日更新

うつ病で退職・転職するなって本当?退職体験談と退職手続きガイド

うつ病による退職を経験したことのある方の体験談をもとに、退職時のスケジュール、退職前後でやるべきこと、心構え、再就職・転職の方法を紹介します。
21,294views

1. うつ病と仕事についての考え方

うつ病を患ったら、本当は寛解するまで治療に専念するべきです。

しかし、うつ病は見通しが立ちにくい病気です。状態が良くなるまで、半年かかるのか3年かかるのか、治療してみなければわからないものです。

その間、仕事せずに過ごすことができる人もいるでしょうが、多くの人はそうでないように思います。

従って、多くの人が治療を受けつつ病気と付き合いながら、仕事を続けるという選択肢を取ります。

そんな中、仕事とどのように向き合えば良いか、たくさんの人が悩むことになります。

うつ病の原因そのものが、職場や仕事になく、例えば家庭の問題などの場合においては、退職・転職という選択が効果的に働くことは少ないのですが、そもそも職場や仕事そのものにうつ病の原因がある場合は、その根本原因を取り除かない限り、うつ病からの回復は難しくなります。

一概にいえることではありませんが、「仕事・職場を変える」「周囲の環境を変える」という選択肢を検討することを強くお勧めします。

何年も患っていたうつが、転職した途端に寛解したという人もいますし、類似例はたくさんあります。

2. みんなのうつ病による退職体験談


【発覚した経緯】
4月に転職しました。毎日5時間以上の残業。6月ころより一ヶ月程度不眠、食欲低下が出現し10キロやせました。
職場ですぐに泣きだすようになり、しまいには出勤してすぐトイレに直行、嘔吐。
自分には手に負えない仕事を抱え込み過ぎていたのだと思います。
【治療の内容と経過]
心療内科で、一通り話をきいてもらいました。ここでも泣き通し。
とりあえず睡眠薬と精神安定剤をたくさん処方してもらいました。
病名は何がいい?うつ状態、適応障害、神経症なんでも当てはめられるよ、と。当時は、復職をのぞまなかったので辞めやすいであろう適応障害にしてもらいました。その診断書を提出、当日から病気休暇です。
とりあえずぐっすり寝て、一週間後にまた来るようにと。
この間は全く記憶がありません。食事やトイレはどうしていたのかな…このまま廃人になるのではないかと思うくらい寝てました。目が覚めたら薬を飲んで寝ていました。起きていると仕事を思い出すんです。
結局三ヶ月この状態でした。完全に職場から隔離され、思考をストップさせたのがよかったのか、人並みに買い物に出られるレベルにまで復帰。
退職を申し出たあとは、ほぼ普通のひとにもどりました。
たまに思い出して動悸や目眩がします。精神安定剤でコントロールしています。
今は別の職場で、精神的には安定して働いています。
人にはむいている仕事とむいていない仕事というのがあるのだなあと思いました。

引用元:適応障害体験記。出社時に嘔吐・情緒不安定になる等の症状。

私の叔父が仕事(公務員)のストレスからうつ
病になってしまいました。
話を聞く限り相当なストレスがあったみたいで…
うつの薬SSRIで休職する事はなく1年ほどでよくなりました。
完治は退職後してからだったようです。

引用元:強いストレスが原因で叔父と友人が鬱病を繰り返す日々…

だいぶ前の話になってしまいますが、うつ病にかかりました。私自身うつ病にかかったとは思わず年齢を取ってきたせいで、疲れがたまりやすくなったり精神的に不安定になったり、仕事から帰ると無気力になったりしているものだと思っていました。その調子のまま仕事も進めていたのですが、突然仕事に力が入らなくなり、やばいと思いながらもほとんど手をつけられない日が続き、上司から呼び出しを受け色々とお叱りを受けたのを覚えています。その後も仕事が効率よく進む日と進まない日が極端に分かれ仲のよかった同僚に勧められ病院に行くことにしました。
問診を受けて、うつ病の疑いがあるとのことでした。何度か通院して抗うつ剤をもらいながら治療を行っていましたが、このままじゃよくなる兆しがないので可能なら休職したほうが言いといわれ、診断書を出してもらいました。診断書を出したところ退職を求められたため退職せざるを得なくなりましたが、中小企業でしたし仕方ないと思い退職をしました。
退職後失業保険をもらいながら3ヶ月ほど何もしない日が続き、次の月くらいから自分がやりたかった旅行や趣味を徐々にでもやるようにしていくと、だいぶ活動的に変わっていき、だいぶ気も楽になって行きました。問題は次の就職先ですがあまり考えないようにあいていました。追い詰められることも無く貯金を切り崩す生活を強いられましたが、それでも会社で働いていた頃よりは余裕がありました。
1年ほどでうつ病も治ったようで、その後仕事探しをしました。時間はかかりましたが、今の会社では再発もしていませんし、問題なく日常生活が遅れています。自分の身体は大事です。一度壊れると治るまでに時間もかかります。もしうつ病に近い症状が出た場合は病院に行ってみましょう。

引用元:うつ病になったときの話です。一人で悩まず誰かに相談するのは大事ですね。

仕事に追われて、気力が涌かなくなってきて、会社を休むようにもなり、一度病院に行きました。精神科に行きました。何をするのか疑問でしたが、問診やカウンセリングをしてもらいました。
うつ病の可能性も疑われ、完全に治すのであれば、休養を取るほうが言いといわれました。ただ、勤めてる会社も大きい会社ではなく、一時的に病気の休養を取れても、結局は退職しないといけないだろうと感じていました。
家族と相談したところ、無理して働くならしっかり治せば良いといってくれたり、まだ若いので新しいところは見つかるだろうし、見つからなければバイトでもすればいいと言ってくれたこともあり、診断書を会社に提出して、病気休養を貰いました。
うつ病は治ると医者に言われたことが大きかったと思います。治療方法は、休養、投薬、カウンセリングを主に行いました。普段は何もせずに、何も考えずに寝たり、物事を考えることもやめました。考えることでどんどんと無気力になったり、ネガティブに考えてしまうためです。
2週間に1度くらいのペースで通院して、しっかりとカウンセリングを受けながら、薬の量や種類を調整してもらいました。半年位経過しても、復職できるほど症状は回復していなかったため、会社を退職することになりました。
それからも治療は続けていきました。1年くらい経過する頃には、大分良くなってきたみたいで、医者からも大丈夫だといわれました。退職のブランクは半年程度で済んだので、就職活動を続けていき、新しい会社に就職も決まり、再発もせずに生活できています。
私の場合は、家族の協力が非常にありがたかったですし、会社も半年間は休職で在籍扱いにしてくださったことは、次の転職活動でもブランク期間が短くなったので感謝しています。

引用元:仕事に追われてうつ病になりました。半年休職し回復しました。

わたしは、うつ病で通院をはじめて、三年以上が経っています。
心の中に詰め込まれてしまった、自分にとっての苦い経験からなかなか解放されることができないのです。
そんなこと気にしちゃいかんよ?
気にしすぎだよ?
と簡単に思うことができません。
わたしは、マザコンの夫と離婚したり、DV夫と離婚したり、職場では、ズルい女といて一日中ひとりでがんばりすぎていたり、大きな原因はここからでした。
マザコン夫といたときから、過呼吸はありました。
DV夫といたときは、過呼吸、無気力、自殺未遂。
ズルい女のときは、突然の肩の痛みがでました。
うつ病だと自覚したのはズルい女のときでした。職場でしたが、母子家庭という立場で、働くためだから頑張る、稼ぐために頑張る、そう言い聞かせながらも無我夢中でがんばりました。
周りから見ても、明らかにわたししか働いてないのもわかり、励まされてもいましたが、誰も助けてはくれません。
それも“しょうがないな、お金稼ぐためだし。”と、更にがんばりました。
その人の心の醜さが恐くなり、からだが震え、肩が常に痛くて、退職を決意しました。
退職すればうつも傷みも治ると信じていました。
が、がんばりすぎと、働きすぎ、我慢のし過ぎ、そのせいか今でも人が怖くてまともに人と話せません。
いま思えば、そんな人たち(ストレスを感じる人)と無理にいる必要はなかったです。
母子家庭というプレッシャーもありましたが、場所をかえれば良かったです。
うつ病は、しばらくわたしと付き合いそうです。

引用元:うつ病で通院して3年。我慢し過ぎたことを少し後悔。

その内私は過労と精神的ダメージからミスが増え、社長に怒鳴られるように。

もともと社長は乱暴な言葉遣いで、声も大きく、身体が大きい男性だったせいもあり、毎日私の席の横に立ち、お前は無能だ、やる気がない、使い物にならない、物覚えが悪い、けしからん、ええかげんにせい、などと、大声で怒鳴られる日々から、寝不足、めまい、吐き気を起こし半年で14キロ痩せてしまいました。私は責任感が強く、建築士資格も持ち、プライドもあったことから辞められないと思い込んでしまい、余計に症状がひどくなりました。

ついには全く食事が取れず、不眠になり、死にたいと思うようになり、自分でもおかしいと感じるまでに。子供が小さいことから、これではいけないと、周囲に相談しました。

そしてみんなに勧められ、初めて心療内科を受診しました。過労と鬱によるストレス障害と診断され、会社をすぐ辞めるように主治医から言われました。何度も辞めたいと訴えているのだから、退職届を渡し、2週間だけ行ったら辞めても構わないと教えてもらい実践しました。私は辞められないと洗脳されていたことに、この時初めて気が付きました。どうしてもっと早く辞めなかったんだろうと大変後悔しました。会社を辞めてから本格的に治療を開始しました。最初は2ヶ月間、薬を飲みましょうと言われました。抗うつ薬、抗不安薬、睡眠導入剤を処方されました。私の場合は単極性ということだったのか、レクサプロという比較的新しいお薬を使いました。ただ、後発薬がまだないので、副作用は少ないものの高価なお薬でした。
飲み始めてひと月ほどで落ち着きましたが、落ち着くと反対に余計に夢にみたり、人ごみや近所で社長に会うのではないかという恐怖感にさいなまれ、外出が出来なくなり、電車にも乗れなくなってしまいました。辞めてからしばらくは、辞める前以上にしんどい時が度々あったのです。辞めてから、眠れない日が増え、睡眠導入剤を2種類飲んだ時期もありました。そうやって、薬を飲んでも一進一退な時期がありました。結局、2か月が3カ月になり、3カ月が半年になり…と先生はさらりとしか言いませんでしたが、少しずつ治療がかかることを明らかにしていきました。そうして働けるようになるまで1年以上、治療を受けました。それでも、先生の指示があるまで、自己判断で止めたり減らしたりせずにきちんと通院を続け、投薬も守り、規則正しい生活を送り、家事や育児も無理をせず、少しずつウォーミングアップして元の生活に戻して行きました。周囲の家族や友人にも、随分と助けられました。同じ病気を経験したことのある友人は落ち着いた頃に遠方からわざわざ会いに来てくれました。主治医が年の近い先生だったことも、気軽に相談することが出来と、治療を継続することが出来たんだと思います。そのおかげで、治療を初めて1年半後には、寛解し、仕事もパートですが、また始めることが出来ました。今は薬も病院もなしで、元気に暮らしていますが、一度この病気になると、再発しやすいそうなので、無理せずに生活するように心がけています。

引用元:子育てしながらパート。激務と重責と社長からのパワハラでうつ病に。

3. 退職時のスケジュール

すでに休職中であったり、体調の関係で、会社にいけない場合もあると思います。

会社に行ける場合と会社にいけない場合に分けて説明します。

会社に行ける場合

  1. 上長(直属の上司)と相談する
  2. 退職日時を決定する
  3. 引き継ぎを行う
  4. 取引先へ退職の挨拶をする
  5. 荷物、PC等を整理する
  6. 上司や同僚へ挨拶をする

会社に行けない場合

  1. 上長(直属の上司)と相談する
  2. 手続きの書類を郵送する

また、退職時には、お金にまつわる以下の規則の確認も必ず行っておきましょう。

  • 退職金制度
  • 賞与(ボーナス)
  • 失業給付金

4. 退職前にやるべきことリスト

職場の荷物整理

職場の方と顔を合わせづらい場合は、休日に取りに行くのも手です。

支給物の返却

以下のものを郵送でも良いので送付しておきましょう。

  • 健康保険証
  • 社員証
  • PC
  • 制服   等

必要書類の受取

後日郵送で以下は受け取りましょう。再就職等の手続きに必要になります。

  • 離職票
  • 源泉徴収票

挨拶

特にお世話になった方や今後もお付き合いしたいと思える方にだけは挨拶しておきましょう。

体調がすぐれず会社にいけない場合は、メールだけでも送っておきましょう。

5. 退職後にやるべきことリスト

1. 医療保険の手続き

国民健康保険に加入する、会社の健康保険を継続する、家族の健康保険の扶養者になるのいずれかの手続きをとる必要があります。

2. 雇用保険(失業給付)の手続き

次の仕事が決まっていない場合は、退職後に必要書類がそろった段階でハローワークで手続きをしましょう。

3. 住民税のお支払い

退職すると住民税の支払い方法が異なります。

これまでは会社に支払ってもらっていたものを市区町村に直接納付する必要があります。

6. うつ病の方の再就職支援

まず、就職について相談がしたいときの窓口としては、ハローワークなどがあります。

ハローワークというと、一般的な職探しの場所というイメージが強いかもしれませんが、精神疾患の専門の知識を有するサポーターもいますので、症状の特性を理解した上で、相談にのってくれるはずです。

新たな職場を探す前に、準備のサポートが欲しい場合に役立つ機関もあります。

地域障害者職業センター、職業能力開発校では、仕事に必要なスキルを学べますし、就労移行支援事業所では、トレーニングだけでなく、職場探し、就職後のサポートも行ないます。

どのセンターに行くか、迷った場合には、まず、お近くの保健所あるいは精神保健福祉センターに相談してみることをおすすめします。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
calooマガジンの最新情報をお届けします
コメント
まだこの記事へのコメントはありません。

コメントを残す

CAPTCHA