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体験談:おたふく風邪で髄膜炎を併発して入院!めまいの後遺症も。

今年(2016年)6月に4歳の息子さんがおたふく風邪を発症し、その看病の後、ご自身も発症してしまったカルーユーザーの993さん(30代・女性)

プロボクサーに殴られるような痛み(!)と巨漢の特殊メイクのような(!)お顔の腫れで、とても辛い思いをされました。

ところが、993さんのご苦労はまだ終わりません。

ようやく少し痛みが落ち着いた頃、今度は「髄膜炎(ずいまくえん)」という合併症を併発してしまいます……。

※髄膜炎(おたふく風邪の合併症の1つ。ウイルスが脳と脊髄を覆っている髄膜に入り、意識障害、けいれんなどを起こす)

インタビュー後編ではおたふく風邪から髄膜炎への移行、そして回復までの詳しい経過などをお伺いしました。

993さんのインタビュー前編、おたふく風邪感染から発症については以下の記事をご覧ください。
体験談:痛みで食事できない!子供から感染した大人のおたふく風邪が重症化

ようやく痛みが落ち着いてきた993さんでしたが……。今度は発熱、嘔吐、頭痛など、症状に変化が!

Q1.おたふく風邪から髄膜炎へ移行していく段階で、症状に変化はありましたか?

痛みがピークの時も熱は36℃台だったので、おたふく風邪は熱は出ないものだと思っていました。

痛みがある間は間断なく痛みどめを服用していたせいかもしれませんが……。

痛みが落ち着き、痛みどめの服用もしなくて済むようになった頃になり、夕方に37℃を超え、翌朝38℃台後半まで熱が上がってきました。

更に急に吐き気を催して嘔吐をし、昼を過ぎても寒気が非常に強く、頭痛がありました。

「高熱+嘔吐+頭痛」ということで、これはひょっとすると髄膜炎に移行してしまったのかなと、思いました。

頭痛はずきずきする程度で、頭を振ると痛むけれど、割れるように痛いとか、我慢できない痛みではありませんでした。

また、「首が曲げにくくなる(注1)」という症状の自覚はありませんでした。

※(注1)髄膜炎になると首のうしろのうなじ周辺が硬直し、痛みや曲げにくいという症状が出ることがある。

Q2.おたふく風邪から髄膜炎を併発する場合があるということはご存知でしたか?

おたふく風邪に罹患して、痛みから一刻も早く解放される方法は無いものかという一心で、おたふく風邪についてスマホで検索をして情報収集をしていたため、髄膜炎になる場合があることは知っていました。

ヘルペス以外のウィルス性の髄膜炎は細菌性と違って怖いものではない(注2)と思っていたので、髄膜炎とはっきり診断されたことで、原因が明確になったのでほっとしました。

※(注2)おたふく風邪が原因で発症するムンプス髄膜炎はウイルス性で髄膜炎の中でも比較的症状が軽いとされている。

髄膜炎と診断された993さん。病院での検査や治療について伺いました。

Q3.髄膜炎の診断検査や治療で大変だったことは?

髄膜炎の診断には腰椎穿刺(ようついせんし:ルンバール)が必要で、子供の頃肺炎で入院した際に一度やったことがあったのですが、怖い印象しかなく、看護師さんから「すごく痛いんですよね~」と脅されていたので怖かったです。

※腰椎穿刺(腰椎の部分で行う検査で、腰椎と腰椎の間にある脊髄くも膜下腔にある髄液を採取する検査で、髄膜炎や脳腫瘍などの検査に行われる。)

大学病院で、研修医の先生が指導医の先生に見守られながら行ったのですが、「そうじゃない!もっとこっち!」などと見えないところで言われるので不安でしたが、痛みもなく、上手にやっていただけました。

火曜日の夕方病院へ行き、そのまま救急車で搬送されて入院となったので、子供のお迎えもできず、夫が急いでお迎えと入院の準備をして来てくれたのですが、何が必要か私も伝える間もなかったので、タオルもない……ティッシュもない……着替えも足りない……という状態でした。

平日は子供の送り迎えや食事・お風呂・家事など全て夫がしてくれましたが、当然お見舞いに来てもらえる時間はなく、頼れる親族もいなかったので、少し不便でした。

Q4.ご自身が髄膜炎を併発したきっかけに心当たりはありますか?

髄膜炎にまで進行してしまった原因は、おたふくの診断2週間以上前から子供の看護自身の体調不良が続き、おたふくの激しい痛みで相当なダメージを受け、体全体が弱っていたのだと思います。

体調が本調子に戻ったのは、体調不良を感じてから1ヶ月半~2ヵ月ほどかかりました。

993さんの現在の体調について伺いました。

Q5.今現在、おたふく風邪や髄膜炎の後遺症的な気になる事はありますか?

髄膜炎で入院し、退院してからめまいが酷く、目を左右に早く動かすとくらくらしました。

三半規管のどこかがダメージを受けているのでしょう」とのことで、時間の経過とともに他の器官が補おうとしてバランスを取るようになり、自然に落ち着くと言われたのですが、4か月経った現在、だいぶ良くなったものの、今でも軽いめまいが時々あります。

最後に、993さんにカルーユーザーの皆さんへメッセージをお願いしました!

Q6.今現在、発症されている方、「もしかしたらおたふく風邪?」かもと思われている方へメッセージをお願いします。

痛みが辛い方は対症療法しかありませんが、痛みどめで多少は楽になると思います。

頭を下げると痛みが増すので、タオルや布団などで枕を高くしたり、リクライニングできるソファや椅子などで過ごされることをお勧めします。

そして、食事が摂れるうちに栄養のあるものをしっかりと食べ、ウィルスと戦うエネルギーを蓄えて下さい。

水分も摂ることが出来なくなった場合は、早急に病院へかかることをお勧めします。

また、髄膜炎の場合は、早期に治療をすることで、回復も早くなるそうなので、発熱頭痛嘔吐などの症状が出た場合も速やかに受診してください。

Q7.おたふく風邪の予防接種を迷われている方にアドバイスはありますか?

私の子供と同じ園に通うお子さんもおたふくに感染し、そのお子さんのお姉さんにも感染し、しばらくしてお姉さんがムンプス難聴になってしまいました。

※ムンプス難聴(おたふく風邪の合併症の1つ。ウイルスが内耳に入り炎症を起こし、耳の聞こえに障害が出る)

片耳だけのことが多いと聞いていましたが、両耳が全く聞こえなくなってしまいました。

私の子供は予防接種を受けていたものの発症してしまいましたが、非常に軽症で済みました。

予防接種を受けていることで、仮に発症したとしてもムンプス難聴や髄膜炎など重症化に移行する確率は極端に減少するそうです。

今まで当たり前に聞こえていた音が全く聞こえなくなるというのは、自分自身であっても、ましてや我が子であればどれだけ辛い出来事かと想像に難くありません。

予防接種を受けていれば……と、後悔した時には既に遅いのです。

かくいう私も予防接種をしていなかったため、重症化してとても苦しみました。

仕事を休み、入院もしたので、お金も大変かかりました。

夫や子供にも負担をかけました。

この苦しみから数千円で解放されるのであれば、予防接種は安いものです。

私は副反応が出やすく、インフルエンザのワクチンでも高熱を出して寝込むので、予防接種が怖いのですが、予防接種が怖い方は抗体を調べてから予防接種を受けることも可能です。

私自身、子供がおたふくと知り、すぐに抗体を調べたところ抗体がありませんでした。

3週間無事だったら予防接種をしようと思っていたところ、発症してしまったので……。調べるのが遅すぎでした。

おたふく風邪は、感染しても症状が出ない方が3~4割いらっしゃる(注1)と聞きますが、症状が無い方からでも感染してしまう強いウィルスなので、感染を広げないためにも、また、ご自身がいつか感染して辛い思いをしないためにも、更にはお子さんが苦しい思いをしないためにも、子供から大人まで予防接種を受けることを強くお勧めします。

※(注1)ウイルスに感染しても全く症状が出ない場合もあり、不顕性感染(ふけんせいかんせん)といわれる。

潜伏期間に予防接種をしても間に合いません。

身内が感染してから慌てて予防接種をするのではなく、流行っていない時にこそ予防接種をするべきだと思います。

≪編集部より≫

993さんの全2回にわたる「おたふく風邪体験談」はいかがでしたか?

993さんのケースでは、息子さんの発症からご自身の発症、入院を経て体調が回復されるまで、約2カ月という長い時間がかかってしまいました。

お子さんが小さいと園のお迎えや自宅でのお世話など、なかなか治療に専念するのも難しいものですが、993さんの場合、ご主人の献身的な協力があり、無事に乗り越えられました。

今回の993さんのインタビューには、食事の工夫痛みの対策法など参考になる事が多く、また、予防接種の大切さについてのメッセージは体験された方ならではの説得力があります。

インタビューを受けていただくにあたって993さんは以下のようにおっしゃっています。

「おたふく、本当につらかったです。
予防接種を受けなかった自分を呪いました。

あまりに辛すぎて、いったいいつまで悪化するんだろう……とか、この先どうなるんだろう……などと思って、せめて昨日より少しでも良くなっていることを実感したくて、携帯のメモ帳に記録を残していて、整理をしたくて体験レポートとして投稿させていただいた次第なのです。

苦しい思いをせずに済む方が、1人でも2人でもいらっしゃれば、私の苦しみも意味のあることだったのかな、と思える気がします。」

ピーク時の想像を絶する痛みの中でも記録を取り続けていた993さん

体調が回復されるまでの間にはたくさんの不安や心配事があったに違いありません。

しかしながら、今回、その記録のおかげで伺うことができた貴重なエピソードの数々は、今まさにおたふく風邪を発症している方々にたくさんの勇気や乗り越えるヒントを与えて下さっています。

また、このインタビューを読んでいただくことで、多くの方が大切なお子さんやご家族のため、おたふく風邪の予防ワクチンについて、今一度、考えるきっかけを作って下さっていることも間違いありません。

日々、家事や子育て、お仕事でお忙しい中、「誰かのためになれば」と快くインタビューをお受けいただいた993さんに心より感謝いたします。

有意義なお話を誠にありがとうございました!

今年(2016年)流行のおたふく風邪については以下の記事で詳しく説明しています。
2016年夏大流行!感染力が強い「おたふく風邪」の症状・経過・感染経路

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