がんカフェ、マギーズセンター。それはがん相談窓口や患者会とも違った暖かく穏やかな取組み
日本各地に広がるがんカフェ、その取り組みや規模
がんカフェってなんだ?その目的を考えてみました。
がんカフェ、それはがん哲学外来を処方するコミュニティスペースではないでしょうか。
本人ががんになった、あるいは周りの人ががんになった。
そうすると人生について真剣に考えるようになります。
もちろん、真剣に考えていくと楽観的な部分でなく悲観的な部分も見えるようになってきてしましいます。
悲観的な悩みについて、担当してくれている医師や家族にはなかなか相談出来ないときもあるかもしれません。
もちろん、話せる人もいれば応じてくれる人もいるでしょうが、全員がそう上手くはいきません。
乳がんを告白し、生きる意志を表明した小林麻央さんと、それに応えた彼女の担当医の先生はきっと覚悟や胆力といった言葉で表現されるものが凄く大きいのでしょう。
小林麻央さんの乳がんステージ4を「治す」発言から考える自然治癒の可能性
真剣に考えていくうえで、必要な知識。
真剣に考えていくうえで、必要な関係。
真剣に考えていくうえで、必要な言葉。
そういったものを互いに協力し、共有できるコミュニティスペースが「がんカフェ」だと思います。
全国に広がるがんカフェ
2106年10月現在、がんカフェは全国29都道府県約100ヶ所に存在しています。
10月初めには、徳島県で新たにがんカフェがオープンするといったニュースが地方紙で取り上げられるなど、世間的な注目度が高まっています。
がんカフェは地域の病院やサロン、教会で定期的に開かれています。
参加費は多くて数百円。お茶代や場所代に充てられるそうです。
その場に主にいるのはがんの患者さんやそのご家族、がんサバイバー(治癒や再発を区別せず、がんと診断された全て人)の方がいらっしゃいます。
また、医師や看護師、ソーシャルワーカーやコーディネーターの方がボランティアスタッフとして運営や聞き手として側にいてくれます。
悩みごとを相談したり、互いに今そしてこれからのことを伝え合うことで、病院や家庭以外の新しい癒しの空間が作られます。
詳しい情報は、がんカフェ・がん哲学外来を運営している各施設のホームページを見たり、電話で確認を取りましょう。
がんカフェが教会で開かれるワケ
教会やそれを運営しているキリスト教は、多くの日本人にとってあまり身近な存在ではないかもしれません。
私も、大学時代教会の多くある地域に住んでいましたが、結局一度も足を運びませんでした。
しかし、世界には宗教の敬虔な信者が多く存在しています。
日本の、宗教との関係が薄いところから、社会的なネットワークが構築されづらいという指摘もあります。
確かに、教会ではミサやバザー、談話が開かれます。
市民は信仰の大小にかかわらず、教会に足を運ぶことは一つのルーチンワークになっているでしょう。
ホスピタル(hospital)とホスピス(hospice)
もともと病院を表す英語ホスピタルは、終末期ケアを行う施設を指すホスピスから生まれた単語です。
そして、ホスピスは中世ヨーロッパで巡礼者を泊まらせた小さな教会を指したそうです。
ですので、医療と教会には深い関係があるといえます。
教会には悩みをもつ人が多く訪れます。そして教会側でも医療に対して理解があります。
このことが、がんカフェと教会の親和性の高まりをもたらしたといえるのではないでしょうか。
ホスピスのある病院
日本には病院(医療)側の取組みとして、ホスピスを設けている病院が存在します。
がんになってからの日々の過ごし方の選択肢が、ホスピスやがんカフェ以外にも増えていけば、より温かな社会が出来るのではないでしょうか。
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日本初上陸、マギーズ東京が2016年10月10日豊洲にオープン
がんカフェの発展形?マギーズについて
がんカフェが全国に広まってきた今、東京の豊洲に新たな空間がうまれます。
それがマギーズセンター(マギーズ東京)です。
出典:マギーズ東京
マギーズ東京は定期的に開かれるがんカフェに対し、いつでも気軽に立ち寄れるスペースになっています。
がんになった人とその家族や友人など、がんに影響を受けるすべての人が、とまどい孤独なとき、気軽に訪れて、安心して話したり、また自分の力をとりもどせるサポートもある。それがマギーズ東京です。
マギーズ東京の中でも私が注目したいのは、豊洲という立地です。
現在は市場の移転問題で注目されていますが、豊洲近辺には優れたがん治療を行う病院が集まっています。
例えば、昭和大学江東豊洲病院やがん研究会有明病院、聖路加国際病院といった病院がマギーズ東京の半径3キロ以内にあります。
これらの病院の検診帰りにフラッとマギーズ東京に立ち寄ってみる。
そんな光景が見れたら、素敵なことではないでしょうか。
実際に、マギーズ発祥の地イギリスでは、マギーズはがん専門病院の近くに立地しているそうです。
豊洲という街が、がんに携わるすべての人にとって最高の場所や空間になれば良いなと思います。