1.もしかして逆流性食道炎?と思ったら、胃腸科・消化器科・内科へ!
こんな症状ありませんか?逆流性食道炎セルフチェック。
- 胸やけ
- 口の中やのどの周りが酸っぱい感じがする(胃酸がこみ上げてくる感じがする=呑酸/どんさん)
- のどの違和感(詰まる感じ、イガイガする)
- 膨満感(お腹がが張る)
- 胃がもたれている
- 頻繁にゲップがでる
- 乾いた咳がなかなか治らない。突発的に咳込んで止まらなくなる
- 胃の痛み
- 声が枯れる
セルフチェックで当てはまることが多かった場合には、「逆流性食道炎」の可能性も。
「逆流性食道炎」は、何らかの原因によって胃酸が逆流することで、食道に炎症を起こし、胸やけやのどの違和感などの不快な症状が起こる病気です。
「なかなか治らなくて、おかしいな」と思ったら、早めに近くの胃腸科・消化器科・内科へ行って、医師に検査や診察してもらいましょう。
【体験談】喉のつかえと胸の痛み・・・心臓病かと思ったら、食道の痛みでした。
何年か前のある日、入浴後に胸部に痛みが一瞬ありました、その時はなんかおかしいとは思いつつ放っておいたのですが、何日かたって食事の用意をしているときにまた同じ様な痛みを感じました。
前々から喉のつかえを感じ調子が悪いと思っていて、今回の痛みの場所も心臓のあたりだったので、もしかしたら心臓がなにかおかしくなったのかと思い病院に行くことにしました。
胃酸の逆流で「胸やけ」などが起こる訳
食道には、胃のように強い酸から守るバリア機能がありません。
胃液には、”胃酸”と呼ばれる酸性度の強い塩酸と消化酵素が含まれていますが、胃には強い酸から粘膜を守るバリア機能がついています。
食道と胃のつなぎ部分には、下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)という筋肉があります。飲食物を飲み込む時だけその下部食道括約筋がゆるみ飲食物が胃へ落ちるようにして、普段は閉じていて胃の内容物や胃液が食道に逆流しないような仕組みになっています。
しかし、この食道を守る働きが弱まったり、胃酸が出すぎてしまったり、胃酸が繰り返し逆流した場合、酸に抵抗力のない食道は炎症を起こしてしまうため、胸やけや口の中にすっぱいものがこみ上げてきたりするなどの不快症状が現れてしまいます。
こんな人が「逆流性食道炎」になりやすい!
- 脂っぽいものなど高カロリーな食事が大好物
- ついついたくさん食べすぎてしまう人(過食気味)
- 太り気味/肥満な人
- 高負荷筋トレを行うアスリート
- ストレスフルな人
- 妊娠中の人(妊婦さん)
- 猫背の人やいつもおなかを締め付けた服装を好む人
- 慢性的に便秘症の人
- ピロリ菌の除去手術を受けたことがある人
- 高齢者(特に腰の曲がっている人)
(参考)現代の病 逆流性食道炎を知ろう|まえやま内科胃腸科クリニック
こちらのページでは、逆流性食道炎に罹っている食道の画像やピロリ菌除菌と逆流性食道炎の関係について、詳しく解説されています。
「逆流性食道炎」になる4大原因
<胃酸分泌の増加>
高カロリーな食事をすると胃酸の分泌が盛んになります。また、胃がんや潰瘍を引き起こす原因の一つと言われているピロリ菌の除去治療をする人も増えてきましたが、ピロリ菌自体は胃酸の分泌を抑える働きも持っているため、除去することによってより胃酸の分泌が盛んになります。
<胃の中の圧力の上昇>
肥満や妊婦、猫背、ベルトなどでいつもお腹をきつく締め付けている人、腰が曲がっている人は腹圧が高い状況になるため、胃酸が食道へ逆流しやすくなります。さらに激しい筋肉トレーニングも腹圧を高めるため、逆流性食道炎はスポーツ選手にも実は多い病気なんです。
また、慢性的な便秘によっても、いつもお腹が張った状態=腹圧が上昇している状況になっているため、食道へ逆流しやすくなります。
<下部食道括約筋の低下>
胃から食道への逆流を防いでいる下部食道括約筋が、加齢によって締め付ける機能が低下し、逆流しやすくなります。
<食道過敏>
ストレスによって、食道が過敏になり、荒れやすくなります。
2.知らなかった!逆流性食道炎治療の強い味方『胸やけ外来』
「胸やけ外来」ってどんなところ?
「胸やけ外来」とは、一向に治らない胸やけや原因不明ののどの違和感が続くなど、主に逆流性食道炎患者を対象とした消化器内科(胃腸科)の専門外来です。
最近増えつつある外来の一つで、症状の原因を詳しく調べるため、専門医が問診、高度な検査(上部消化管内視鏡検査/胃カメラ・高解析食道内圧検査・食道pHモニタリング検査・食道バリウム検査など)を行ない、原因に合わせ治療をしていきます。
高度な検査機器が必要になるため、「胸やけ外来」を開設している多くは大きな病院ですが、中には個人医院でも開設しているところもあるようなので、不安な症状が続く場合一度受診されてみることをオススメします。
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3.巷で評判!逆流性食道炎治療の名医たち
逆流性食道炎は、生活習慣の改善や薬物療法で逆流症状が治まることが多い病気です。しかし、それらで改善されない場合や食道がんの原因となるとバレット食道が認められている場合、出血や狭窄など重症の食道炎の場合、外科手術となることがあります。
<手術方法>
食道や胃を切って、結果的に胃が小さくなってしまうような手術ではありません。胃からの食道への胃酸逆流を防ぐ形に作り替える手術であり、「胃噴門形成術(いふんもんけいせいじゅつ)」と呼ばれています。
腹腔鏡下手術がほとんどで、開腹手術よりも痛みが少なく、身体に負担がかからないため、回復が早く、高齢者でも早期退院が可能です。
また、最近では内視鏡治療を行う施設もいくつかあります。
(参考)胸やけ|日本気管食道科学会
こちらのページでは、逆流性食道炎の内視鏡画像(写真)・バレット食道の内視鏡画像(写真)や腹腔鏡下噴門形成術の手術痕画像など写真も紹介されています。
「逆流性食道炎の名医」と呼ばれる先生
「逆流性食道炎」の手術の実績やクチコミなどから総合的に判断しています。
病院選びの材料の一つとしてお役立て下さい。
(※受診時期によっては、先生が既に在籍していない場合、外来を担当していない場合もありますので、予めご了承ください。)
- 東北労災病院 胃腸科 大原秀一先生
宮城県仙台市青葉区台原4-3-21 ℡022-275-1111 - 公立黒川病院 内科 本郷道夫先生
宮城県黒川郡大和町吉岡字西桧木60 ℡022-345-3101 - 国立大学法人 東京医科歯科大学医学部附属病院 食道外科 河野辰幸先生
東京都文京区湯島1-5-45 ℡03-3813-6111 - 国立国際医療研究センター病院 消化器内科 秋山純一先生
東京都新宿区戸山1-21-1 ℡03-3202-7181
→TV「たけしのみんなの家庭の医学」でもお馴染みの先生。(逆流性食道炎の回に出演) - 昭和大学江東豊洲病院 消化器センター 井上晴洋先生
東京都江東区豊洲5-1-38 ℡03-6204-6000 - 東海大学医学部付属八王子病院 消化器外科 幕内博康先生
東京都八王子市石川町1838 ℡042-639-1111 - 群馬大学医学部附属病院 消化器・肝臓内科 草野元康先生
群馬県前橋市昭和町3-39-15 ℡027-220-7111 - 富士市立中央病院 外科 柏木秀幸先生
静岡県富士市高島町50 ℡0545-52-1131 - 名古屋市立大学病院 総合内科 城卓志先生
愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1 ℡052-851-5511 - 大阪医科大学附属病院 第2内科 樋口和秀先生
大阪府高槻市大学町2-7 ℡072-683-1221
→日本で初めて逆流性食道炎の内視鏡手術をした先生。 - 洛和会音羽病院 消化器内科・消化器病センター 蘆田(あしだ)潔先生
京都府京都市山科区音羽珍事町2番地 ℡075-593-4111 - 兵庫医科大学病院 消化管内科 三輪洋人先生
兵庫県西宮市武庫川町1-1 ℡0798-45- 6111 - 川崎医科大学附属川崎病院 内科 春間賢先生
岡山県岡山市北区中山下2丁目1番80号 ℡086-225-2111
→消化管のエキスパートとして、内視鏡治療を積極的に行う。 - 島根大学医学部附属病院 第2内科 木下芳一先生
島根県出雲市塩冶町89-1 ℡0853-20-2190
-インピーダンス検査(逆流したものの正体を知る検査)や食道・胃pHモニタリング検査(胃内の酸度(pH)とともに胃酸の食道内への逆流の有無およびその時間や頻度をみることができる検査)が可能 - 佐賀大学医学部附属病院 消化器内科 藤本一眞先生
佐賀県佐賀市鍋島5-1-1 ℡0952-31-6511
逆流性食道炎の最新治療「内視鏡治療」とは?
- 内視鏡下食道噴門部皺襞(ふんもんぶすうへき)形成術ゆるんだ食道に糸を通した針の入った特殊カプセルで内側から縫い縮める方法。健康保険適用あり。-大阪医科大学附属病院
- 逆流防止のための粘膜切除術(通称:アームス)緩んだ噴門部(食道と胃のつなぎ部分)の粘膜を粘膜切除術により切除して、隙間なく修復する方法。自費診療。-昭和大学江東豊洲病院 消化器センター
4.逆流性食道炎は、治療の継続がカギ!
症状が治まったと感じても、処方された薬を自己判断でやめないようにしましょう。
自覚症状がなくても、食道には炎症がまだ残っている場合もあります。
また、治療を中断後、9割近くの人が再発を経験しているという統計もあります。
炎症を繰り返していると食道の細胞組織が変化して、食道がんになるリスクが高いといわれる「バレット食道」に変わってしまうこともあります。
そのためにも、早期発見・早期治療が大切です。
少しでも「あれ?なかなか治らない。おかしい。」と感じたら、早めに内科・胃腸科・消化器科を受診しましょう。
(参考)お薬のしおり 逆流性食道炎|東京医科大学病院
こちらのページでは、薬物療法で処方されるお薬についても解説されています。