麻疹(はしか)は英語でmeasles、風疹は英語でrubella、じゃあなんで「ドイツはしか」なんて言うの?
1. はしかグローバリゼーション先進国、日本
日本ははしか輸出国とアメリカを中心に先進国から批難、揶揄された過去があることを知っていますか?
現在広がっている関西国際空港や千葉でのはしか拡大を見るに、その指摘はあながち間違いとは言い切れません。
様々なグローバル化が進む今、大変不本意ではありますが、はしか輸出国としてはしかを英語でどう表現するのか、はしかグローバリゼーション当事国として知っておくべき責任があると思います。
2. 英語ではしか(measles)は必ず複数形で記述する
麻疹(はしか)は英語でmeaslesやmorbilliと表現します。
measlesは絶対複数と呼ばれる英単語です。
絶対複数とは、複数形で用いて初めて意味を成す単語です。
glasses(眼鏡)やpants(パンツ)の他にも、means(手段)やspecies(種)、seriesシリーズなども絶対複数の単語で有名です。
常に独りぼっちじゃないなんて、羨ましい限りですが、英文を作るときは注意です。
「はしかに罹る」はcatch the measles
動詞はcatch以外でも、getやhave、なんかこう、手に入るみたいなニュアンスの動詞ならOKでしょう。
クラスの皆に差をつけたい人は、come down with~なんて言い回し(イディオム)を覚えておくと、英語の成績評価アップ間違いなしです。
伝染性の病気に罹るという意味を持っているので、はしかにはピッタリの言い回しです。
3. ドイツはしかや三日はしかと呼ばれるのも慣れたって風疹は思っていそう
はしかと混同されやすい病気に風疹があります。
本来、はしかとは全く別の病気ですが、感染する時期や症状が似通っていることから、長く混同されてきたという歴史が、名称からも分かってきます。
風疹は、英語でrubellaといいます。
しかし、この単語が用いられたのは、1841年にインドでの風疹の大流行以降になります。
それまでは、German Measles(ドイツ麻疹)と呼ばれており、現在でも風疹(rubella)の別名として使われています。
ドイツの名を冠する理由は、18世紀半ばにドイツ人医師のde Bergenさんが風疹のことをRoethelnと呼びました。
しかし、はしかに症状がよく似た、ドイツ人が報告した病気だったので、「ドイツ麻疹」と呼ばれるようになったようです。
もし海外で「German Measles」と聞いたら、ドイツ特有のはしかでなく、はしかに罹ってるドイツ人でもなく、風疹のことを思い出しましょう。
また、台湾でも風疹ははしかの一種のような言い方をします。
それは「徳国麻疹(德国麻疹)」です。もし台湾にお出かけのさいは風疹は通用しないかもしれないので、注意して下さい。
日本でも、風疹は「三日はしか」として、明智光秀をイメージさせる呼び方が定着していますが、既に風疹という呼び名が定着していますから安心ですね。