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2016年9月6日更新

同じ話を繰り返す、食べた事を忘れる…それはアルツハイマー型認知症かも。兆候・特徴・症状チェック

アルツハイマー型認知症の症状の1つである「物忘れ」。その症状には加齢による「物忘れ」とは違う特徴があります。ご家族が認知症発症に気付くきっかけとなった体験談や認知症特有の兆候をまとめました。
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1.アルツハイマー型認知症は初期では診断が難しい。

加齢による「物忘れ」は脳の中にある記憶などの情報を司る「海馬」といわれる気管の神経細胞が減少したり、機能が低下することで起こります。

脳の老化が進むと、脳血液の流れが悪くなるため、海馬は情報整理を正常にできず、新しい情報を記憶することが難しくなります。

加齢による「物忘れ」は、多かれ少なかれ年をとれば誰でもおきるものですが、「物忘れ」の中にはアルツハイマー病などの「認知症」の兆候としておきる「物忘れ」の場合もあります。

アルツハイマー型認知症は、脳細胞が委縮することが原因で記憶や思考能力、言語に障害をきたす疾患です。

認知症患者の全体の6割以上を占めており、近年ますます患者数は増加しています。

初期の場合、その物忘れが病気によるものなのか、加齢によるものなのか、ほとんど見分けはつきません。

少しずつその症状が進行していくうちに、患者さんの「物忘れ」の回数が徐々に増えていったり、言動の内容に異変を感じるなど、ご家族が不審に感じられ、受診されるケースがほとんどです。

【みんなの体験談】同じことを繰り返し言う、話が噛みあわない…。それらの症状が家族が認知症発症を気づくきっかけに。

認知症に気がついたのは祖母との会話でした
認知症になる前は普通に会話をし、同じことを何回も言うことはなかったのですが、認知症を患ってからは同じことを何回も言います
また最近は相手の話していることをあまり理解できないときもあるので、勝手に間違った解釈して意味のないとんちんかんな会話になってしまいます

また最初の症状で感じたのがものわすれのひどさです
もとから忘れっぽい祖母見るのがですが、認知症になってからはほとんどのことを忘れます
朝昼晩のお薬も忘れかねないので、毎日飲んだか確認しています
人の名前もしばらく合わないと忘れてしまいます。

(引用)祖母の認知症の兆候は会話と物忘れの多さで気がつきました。

上記の方もご家族が、生活の中で患者さんの行動や会話に異変を感じられ、病院を受診したところ「認知症」が判明しました。

「同じことを繰り返し話す」「会話が噛みあわない」「人の名前を忘れる」などといった症状は、加齢による「物忘れ」でも起きることがあり、それだけでは認知症かどうかは分かりませんが、その頻度が急に増えたり、急激に物忘れが進行していると感じられる時は認知症の始まりであることがあるので注意が必要です。

(参考)認知症フォーラム.com
※こちらは認知症の最新情報や患者さんの声など認知症にまつわる様々な情報が掲載されているサイトです。

2.アルツハイマー型認知症が原因で起きる「物忘れ」にはこんな特徴がある!

認知症初期には分かりづらいものの、患者さんの普段の行動や会話など生活の中には、ご家族が「もしかしたら認知症かも?」と気付くきっかけになるいくつかの特徴があります。

認知症の場合、経験したことの内容を忘れるのではなく、その経験をしたこと自体を忘れてしまうという特徴があります。

例えば、通常の加齢による物忘れの場合、今日のお昼ご飯に何を食べたかメニューを忘れるということはあっても、ご飯を食べたということは覚えています。しかし、認知症の場合は何を食べたかだけでなく、ご飯を食べたかどうか自体を忘れてしまいます。

また、時間や人、場所などの基本的な認識が混乱することがあるのも特徴で、自分のいる場所や方向が分からなくなる、時間の感覚がおかしくなる、などの症状が出てきたら認知症の疑いがあります。

患者さん自身はその体験自体の記憶をなくしているので、自分の状況を理解できず、戸惑ったり、怒ったりする事も良くあります。

認知症患者さんにみられる具体的症状は以下のようなものがあります。
あなたのご家族にこんな症状は出ていないか一度チェックしてみましょう!

≪アルツハイマー型認知症にみられる典型的な症状≫

  1. 何度も同じ話を繰り返しする。
  2. 近所の慣れた道であっても迷子になる。
  3. これまで出来ていた買い物や家事といったことができない。(買うものを忘れる、支払いができない)
  4. 食事を食べたことを忘れるなど行為の記憶がなくなる。
  5. 会話の中でも些細なことで怒り、短気になったように感じる。
  6. 料理の手順を間違えたり、片付けながら次の調理を行うなど同時に二つのことをする段取り能力が落ちた。
  7. 言いたい言葉が出てこない。
  8. やる気がみられない。

これらの症状が現れ始めたら、認知症が発症または進行している危険性があるので、一度、医療機関を受診されることをお勧めします。

(参考)アルツハイマー病情報サイト
※こちらのサイトでは国内外のアルツハイマー病についての情報を知ることが出来ます。

また以下のサイトでは医療現場で広く認知症の診断に使われる「長谷川式スケール」というチェックテストを受けることが出来ます。物忘れが気になる方はぜひ一度お試しください。

(参考)認知症ねっと「長谷川式認知症・MCIテスト」
※こちらは認知症に関する様々な情報が詳しく掲載されているサイトです。

3.アルツハイマー型認知症の治療は早期に始めることがカギ!

前出の体験談の方のように、患者さんの記憶障害の症状などはご自身で気付くことはないため、周りのご家族の方が注意深く見てあげることが大切です。

認知症の進行を遅らせるには、何よりも早期発見・早期治療の開始がカギになります。

医療機関の中には認知症外来物忘れ外来といった専門外来を開設している病院もあり、専門的な検査や治療を受けることもできますが、患者さんご本人はなかなか状況を受け入れられず、病院の受診を嫌がることも少なくありません。

そんな時は、患者さんが安心して受診できるように、まずはかかりつけ医の先生に相談してみるのも良いでしょう。

高齢になれば認知症になる可能性は誰にでもあるのです。
大切なご家族のため、少しでも気になる症状があれば早めに受診を心がけていきたいですね。

※全国の物忘れ外来のある病院を「病院口コミ検索Caloo」で探す

低周波機器の使用による物忘れの予防改善に関する調査

募集

物忘れの多い方を対象とした調査にご協力いただける患者様を募集します。



対象

60歳から75歳までの男女・物忘れが多い方

通院場所

相模原中央病院(神奈川県相模原市中央区)

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