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2016年7月12日更新

苦しい咳・嘔吐・むせる…喘息が悪化した時の食事体験談。症状改善レシピ

喘息症状がひどい時は食事もとれないこともあります。病院での治療を見直すとともに、気道に優しい食事を心がけ、症状が安定したら、発作予防に効果のある食材を積極的に摂り入れましょう!参考レシピ、体験談、注意事項まとめ。
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1.喘息(ぜんそく)の咳込み、嘔吐でご飯が食べられない!喘息症状が悪化したとき。

喘息は調子の良い時と悪い時の波のある病気です。

上手く喘息がコントロールできている時は、アレルゲンを摂らないように注意する以外は、健康な人と同じ食事をとることが出来ます。

しかし、ひとたび症状が悪化すると、咳が止まらず食事を受け付けなくなったり、口に入れてもむせて嘔吐してしまったりすることもあります。

【体験談】普段は良く食べる子なのに喘息の悪化で食事を受け付けなくなった!

子供が2歳の時、呼吸音がヒューヒューとする様になりました。実家の母に聞くと、子供の頃は呼吸の方法が下手だから普通だと言われたのですが、ちょっと気になっていました。
ちょっとすると、急に咳き込む様になったり、寝ている間でもゲホゲホと咳をする様になりました。ヒューヒューといった音は次第に大きくなり食事も受け付けなくなる程でした。

普段はお腹いっぱい食べる子なのですが、苦しそうに呼吸をするので食事どころではないといった感じで、何かの病気かと思い、最寄りも病院に駆け込みました。
すると、先生からは小児喘息で間違いないという診察を受けました。

(引用)2歳の子供から急に呼吸音が出て苦しそうに。小児喘息と診察されましたがすぐに改善しました。

【体験談】止まらない咳。食事直後に嘔吐してしまうことも!

最初は軽い咳が出るくらいでした。
夏だったので、夏風邪かなぁ?くらいに思っていましたが、徐々に咳が止まらなくなり、横になると咳で息ができないまでになってしまいました。
食事直後に咳が止まらないと嘔吐してしまうこともしばしば。喘息持ちだったので胸がゼーゼーいうような感じもあり、辛かったです。
(引用)気管支炎。喘息持ちだったので完全に治るまでに1ヶ月程かかりました。

【体験談】3歳で小児喘息を発症。呼吸が苦しく食事ものどを通らない状態に。

小児喘息になったのは息子が3歳の時です。風邪で咳をしていたのですが、それが悪化してしまい、胸の音がゼーゼー、ヒューヒューと聞こえ、呼吸が苦しく、食事ものどを通らないような状態になってしまったのです。

(引用)3歳の息子が小児喘息に。異変に気づいたらすぐに受診しています

長期間続く場合は、治療ステップの見直しが必要で、点滴による栄養の補給を行うことも。

上記の方達のように上手く食事がとれない状態が長く続くと、必要な栄養が摂れず、栄養不足になるおそれがあります。

栄養不足が続くと、体力が落ち、免疫が低下します。

免疫力の低下はさらに喘息症状の悪化につながる、という具合にどんどん悪循環になってしまいます。

また、お子さんの場合、必要な栄養素をしっかり摂れていないと、正常な成長、発達にも影響が出ることもあります。

しばらく様子を見ても改善されないようならば、主治医の先生に相談し、治療ステップを上げるなどの対応が必要になります。

お薬を増やしたり、点滴などで栄養を補給するなどの治療を通院、時には入院で行うこととなります。

喘息治療については以下の記事で詳しく説明しています。
薬物療法(吸入ステロイド薬)が基本!喘息治療のステップと薬の種類・使い方

2.第一段階。少しでも辛い症状を和らげる!気管支に優しいレシピ

喘息の症状悪化時は、病院での治療がメインとなりますが、少しでも何か口にできる時は、症状が和らぐ身体に優しい飲み物や食べ物を摂り入れましょう。

症状がひどい時は、固形物だとむせて食べづらいので、スープやはちみつを使ったドリンクがおすすめです。

【参考レシピ1:はちみつ大根】

≪作り方≫

  1. 大根を皮付きのまま、さいの目に切る。
  2. 瓶に大根を入れ、はちみつを注ぐ。
  3. 2、3日たつと大根から水分が出始めるので、大根がしわしわになったら取り除く。

≪ここがポイント!≫

咳が止まらない時、1回につき、スプーン1~2杯を飲む。
喉に良いはちみつと大根から出るエキスが辛い咳を和らげ、気管支の炎症を鎮めます。
咳が出始めたら、すぐに飲めるように普段から常備しておくと良いでしょう。

(参考)cookpad はちみつ大根~風邪のひきはじめ、咳に

【参考レシピ2:レンコンのスープ】

≪作り方≫

  1. お水(400cc)を火にかけ、鶏がらスープやコンソメなどでお好みのスープのベースを作る。
  2. すりおろしたレンコン(70g)と食べやすく切ったニンジン、ブロッコリー、白ネギなど野菜を入れ柔らかくなるまで煮る。
  3. 溶き卵を入れて完成。

≪ここがポイント!≫

ビタミンCを多く含み、咳に良いレンコンや緑黄色野菜をたっぷりと使っています。
卵でたんぱく質も補え、バランスの良い一品です。

レンコンスープ

(参考)cookpad *咳・のどの痛みに☆れんこんスープ*

3.第二段階。喘息に良い食品を積極的に取り入れ発作予防!喘息対策最強レシピ

症状が落ち着き、喘息がうまくコントロールできるようになったらしっかりと栄養を摂りましょう。

喘息に良い食材や免疫を高める食材を積極的に摂り入れて体力をアップし、喘息発作の予防をしましょう!

【参考レシピ3:ブロッコリーと舞茸の炒め物】

≪作り方≫

  1. ブロッコリーと舞茸を食べやすい大きさに切り、レンジで3分程加熱する。
  2. フライパンに入れ、酒大さじ1、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1、オイスターソース大さじ1を入れて炒める。仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつける。

≪ここがポイント≫

ブロッコリーのビタミンCと舞茸のβ-グルカン、食物繊維が免疫力を高める。
レンジで加熱した際に出る野菜の水分にも栄養は含まれているので、片栗粉でとろみをつけ汁ごと摂り入れます。

ブロッコリーと舞茸

(参考)cookpad ブロッコリー&舞茸☆炒め物

【参考レシピ4:アジのマリネ】

≪作り方≫

  1. アジを三枚におろす。(簡単に作りたいときはお刺身でも可。)
  2. しその葉、しょうがは千切りにする。ニンニクは薄切りにする。
  3. アジをマリネ液(オリーブ油大さじ2、ワインビネガー1/2カップ、砂糖小さじ1、塩コショウ少々)に30分以上漬ける。
  4. お皿に盛りつけた後、しそ、しょうが、にんにくをのせる。

≪ここがポイント≫

しそ、しょうが、にんにく、アジなど喘息に良い食材をふんだんに使用した一品です。
マリネ液のオリーブオイルの代わりに、アレルギー予防をするα-リノレン酸を含むえごま油、しそ油を使うとさらに効果が高まります。
砂糖は喘息症状の悪化につながるので控えめに使用しましょう。
青魚のアジに含まれるDHA・EPAもアレルギー症状の緩和に良いですが、必ず鮮度の良いものを使いましょう。

アジのマリネ

(参考)cookpad ぷりぷりアジのマリネ

【参考レシピ5:じゃがいもとニラのおやき】

≪作り方≫

  1. じゃがいも(小2個)はさいの目切り、ニラ(1/3束程度)は食べやすいサイズにカットする。
  2. ボールに1を入れ、小麦粉(大さじ3)、水(大さじ3)、しょうゆ適量を入れ混ぜる。
  3. フライパンで焼く。紅ショウガをトッピングし、味が足りないようなら塩を適宜かける。

≪ここがポイント!≫

ビタミンCが豊富なじゃがいも、抗酸化作用があるニラはどちらも喘息の症状を和らげる食材でおすすめ。
ニラはくせのある野菜ですが、おやき風なのでお子さんでも食べやすい。

ジャガイモとニラのおやき

(参考)cookpad 風邪予防!じゃがいも、にらで副菜に。

今回ご紹介したレシピはほんのわずかです。

他にも喘息に良い食材は沢山あります。使用する食材を変えるなど、ご自分でアレンジしてレパートリーを広げてみて下さいね。

喘息に良い食品、悪い食品については以下の記事で詳しく説明しています。こちらもぜひ参考にしてみて下さい!
喘息症状は毎日の食事で改善!喘息に良い食品・悪い食品・食事療法まとめ

(参考)川村耳鼻咽喉科クリニック 「耳寄り通信」
※こちらは大阪市の耳鼻咽喉科のサイトです。食品の喘息への影響について分かりやすく説明しています。

4.喘息患者さんの食事の仕方と注意するべきこと。

喘息患者さんは食事内容だけでなく、食事のとり方にも注意が必要です。

食べ過ぎは厳禁!気道の刺激になる事は避ける!

一度にたくさん食べてしまうと、横隔膜が押し上げられ働きが鈍くなり、呼吸運動が妨げられます。

腹八分目を意識して食事をするようにしましょう。

冷たいものや香辛料などの刺激物は喘息発作のきっかけになってしまうこともあるので、極端に冷たいもの、辛いものなどは避けるようにしましょう。

便秘をしないように水分&食物繊維を積極的に摂る!

便秘は喘息などアレルギーを悪化させる要因の一つです。

喘息持ちの方は健康な人に比べ、腸内環境が乱れている場合が多いです。

腸内環境の乱れから便秘になると腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が増えます。

悪玉菌が増えると有害物質や毒素を発生させ、血液によって全身に運ばれます。

その結果、自律神経が乱れ、免疫力は低下し、喘息症状が引き起こされやすくなります。

水分をしっかり摂り、野菜などから便秘の解消に効果のある食物繊維を意識して摂りましょう。

運動誘発型喘息は食事をとる時間に注意を!!

喘息患者さんの中には運動することによって発作が起こる「運動誘発型」の方もいらっしゃいます。

運動誘発型喘息の場合は、運動が引き金になって気道が収縮し、呼吸困難などの発作を起こすのですが、運動前に食事をしていると更に発作が起こりやすくなることが分かっています。

これを「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と言い、特に小麦製品が誘因になる事が多いと言われています。

このような状況を避けるためにも、食後2時間は安静にして運動しないようにするなど注意が必要です。

運動誘発型喘息については以下の記事で詳しく説明しています。
水泳で喘息体質改善も!運動誘発性喘息の予防に効果的な運動・ツボ・体験談

(参考)渋谷内科・呼吸器科アレルギークリニック
※こちらのクリニックのサイトでは食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて分かりやすく説明しています。

5.おいしく食べて、ストレス発散。喘息症状も改善!

喘息の方向けの食材やレシピをご紹介してきましたが、身体に良いからと言って、無理に食べるのは良くありません。

また、喘息に良くないからといって大好きなものを全部我慢する、というのではストレスが溜まります。

喘息症状の緩和に良いものは積極的に摂り、控えるべき食材は摂りすぎないように少量にする、という具合にバランスを考えながら食事をするようにしましょう。

食事は毎日必ず摂るもの。せっかくならばおいしく食べたいですね!

おいしく楽しい食事はストレスの発散にもなります。

日々の食事をいい加減にせず、いろいろな食材に興味を持ち、時には自分で調理をしてみましょう。

いろいろな食材、調理法を試して、ご自分なりに美味しいレシピを開発するのも良いですね。

おいしく楽しく喘息コントロールを目指しましょう!

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