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2016年6月23日更新

アレルギーやストレスも原因に!急な発作、激しい咳が続く「喘息」の症状とは?

喘息でお悩みの方は日本で400万人を超えている!意外と知られていない喘息の原因、症状とは?アレルギー、ストレス、気候など喘息発作を起こす原因はたくさんあります!
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1.止まらない 咳、呼吸困難、突然の発作の怖さ!ストレスの多い現代社会も原因に?喘息患者はますます増加傾向。

「喘息(ぜんそく)」は、突然の発作で激しい咳や呼吸困難などの症状をおこす病気です。

日本における現代病の一つと言われており、皆さんの周囲にも「喘息持ち」の方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか?

その病名はとてもポピュラーなものですが、発症の原因や詳しい症状などについては、あまり知られていません。

今や日本の子供の5~10%、大人でも5%が喘息を持っていると言われ、日本国内には400万人を超える患者さんがいます。

ストレスや環境汚染など、様々な現代社会に起きている問題にも大きく影響されるため、これからますます患者数が増えると予想されています

子供の喘息。原因の90%はアレルギーによるもの!

喘息になる原因はまだはっきりとは解明されていませんが、アレルギーによるものが多いと考えられています。

アレルギーとは「特定の抗体(アレルギーの原因となる物質:アレルゲン)に対して、防御するのではなく、反応が過剰におこって有害になってしまうという免疫反応のこと」です。

特定のアレルゲンが引き金になって発作が起こる喘息を「アトピー型喘息」といいます。特に子どもの喘息の場合、90%以上はアレルギーが原因といわれています。

比較的、女の子よりも男の子に多く発症し、10歳くらいになると、一旦、喘息症状が治まることもあるのですが、中には20歳を過ぎて再発する場合もあります。

大人になってから喘息になるってホント?誰でも突然発症する可能性が!

子どもの病気というイメージが強い喘息ですが、大人の喘息患者さんも沢山います。

子どもの頃に喘息があり、症状が落ち着いていたものが再発する場合もありますが、全く子どもの頃はなんでもなかったのに、大人になってから突然発症するケースもあります。

子どもの場合と違って、アレルギーが発症の原因と特定できないケースも多いのが特徴です。(非アトピー型喘息

大人の喘息患者さんのうちの6~8割は大人になってから発症し、その発症年齢は40歳以降が半数を占めています。

その他、喘息患者さんの多くには、家族にも喘息をもっている人が多いので、遺伝的要素があることも分かっています。

(参考)上六ッ川内科クリニック
※喘息の原因や治療、検査方法など様々な情報を見ることが出来ます。

2.こんな症状があれば要注意!喘息の代表的な症状は?

喘息になると以下のような苦しい呼吸器の症状が現れます。

・呼吸をするたびにゼー、ゼー、ヒューヒューという音がする。(喘鳴:ぜんめい
・呼吸が苦しく呼吸困難になる。
・激しい咳が出続ける。痰が出る。
・胸の痛み、喉に感じる違和感。
・動悸、息切れが起きる。
・から咳がでる。

喘息の代表的な症状が喘鳴で、はじめは息が詰まったような感じになり、だんだんと呼吸困難へと進行していきます。

一旦、発作が出ると、激しい咳こみが止まらなくなり、胸の痛みを引き起こすこともあり、体力も消耗してしまいます。

咳だけの喘息に要注意。風邪や気管支炎と間違いやすい場合も。呼吸器科、アレルギー科を受診しよう!

中には喘鳴の症状が全くなく、咳だけが長く続く場合もあります。

特に大人の場合は咳が長引いても、それまで喘息と言われたことがないと、風邪や気管支炎が治らないだけと思い込んでしまうことも少なくありません。

「そのうち治るだろう」とそのままにしてしまうと、症状が悪化することがあるので注意が必要です。

いつまでも風邪が治りきらない、咳が長く続くような時は、喘息が疑われます。

心配な時は、呼吸器科を受診してみましょう。

アレルギーによっておこる場合も多いので、アレルギー科で診察してもらうこともできます。

3.喘息症状はなぜ起こる?「気道」におきる炎症とは?

呼吸をする時、空気の通る道のことを「気道」と言います。

喘息になると、この気道が炎症をおこして腫れ、気道が狭い状態になっています。

気道が狭くなると、空気を沢山通せなくなるので、息苦しい呼吸困難の症状が出るのです。

また、炎症が起きているところに、ほこりなど何らかの刺激物が入ってくると、激しい咳が発作となって現れ、止まらなくなります。これを「喘息発作」といいます。

正常な人であれば、ほんのちょっとした刺激でも、炎症が起きている気道では敏感に反応してしまうのです。

喘息患者気道
(画像引用)むさしのアレルギー呼吸器クリニック 喘息
※アレルギー科のクリニックのページです。喘息についての詳しい情報を見ることが出来ます。

喘息発作が起きてない時でも油断は禁物!気道の炎症は続いている!

喘息の人の気道は発作が起きた時だけ、気道が炎症をおこし、狭くなるわけではありません。

喘息は免疫の異常で慢性的に炎症を起こしてしまっている状態なので、普段から気道が狭くなっていて、症状がない時も広がることはありません。

ただでさえ狭くなっている気道に、刺激物が侵入して来ると、過敏に反応してしまい、さらに気道が狭まり、呼吸困難などの発作を引き起こす、という悪循環のサイクルになってしまうのです。

激しい咳込みの原因。喘息発作を引き起こす刺激になるものとは?

空気中に浮遊している異物からストレス、気候まで様々なものが気道の刺激となります。

刺激になるものはアレルゲンによるものとよらないものの大きく2つに分けられます。

≪アレルゲンによる刺激≫

ダニの糞や死骸、ハウスダスト、ペットの毛やフケ、花粉、カビ、食べ物などアレルギーを起こす原因となるもの。

これらのアレルゲンを吸い込み、気道に入ると刺激となってしまい、発作が起きます。

昔の日本家屋に比べ、今の住宅は気密性が高まり、換気がしにくい構造で、ハウスダストが室内に溜まりやすい要因になっています。

部屋の中は湿気がこもりやすく、ダニやカビが発生しやすい環境になっています。

喘息発作を起こさないためには、お天気の良い日には布団は天日に干す、定期的に空気の入れ替えをする、部屋をこまめに掃除するなどに気を付けて、アレルゲンを身の回りからなるべく減らすことが大切です。

≪アレルゲンにならないものによる刺激≫

タバコ、ストレス、風邪などの感染症、大気汚染、天気や気温の変化、運動、薬、香水などの匂いなど、アレルゲンではないものでも刺激になります。

天候や気温差による気圧の変化、激しい運動、ストレスを溜めるなど、特定の状態になる事自体が刺激となってしまい、発作を起こしてしまうのです。

さらに、車の排気ガスや工場からの排煙による大気汚染、食品や住宅建材などに使われる化学物質なども発作の要因となり、最近の患者数の増加に拍車をかけています。

また、あまり知られていませんが、30代~40歳代に多い、アスピリンやそれと似た作用を持つ解熱鎮痛薬が原因となって激しい発作がおきる、「アスピリン喘息」といわれる喘息もあります。

喘息発作が起きやすい時とはどんな時?時間や天候、気温との関係性

喘息発作は一日の中では、特に夜や明け方に出ることが多く、これは朝方、気温が急に下がる事が多いためと考えられます。

気候に影響されることが多く、季節の変わり目(一日のうちで朝と夜の温度差が大きい)の春や秋は特に発作が起きやすくなります。

台風寒冷前線が近づいている時なども天気が不安定で、気圧の変化が大きくなるので注意が必要です。

また、自分の体調に左右されることも多いので、風邪をひいている時や、疲れが溜まっているなどは症状が悪化することがあります。

規則正しい生活を送り、普段から体調を崩さないように体調管理をすることが大切です。

(参考)かめさきこども・アレルギークリニック
※喘息を悪化させるアレルゲンや環境などさまざまな原因について詳しい情報が掲載されています。
(参考)チェンジ喘息!喘息(ぜんそく)発作を引き起こす刺激

4. 「喘息予防・管理ガイドライン」の4つの段階で分かる!あなたの喘息の重症度は?

喘息とひとことでいっても、日常生活に特に不自由のない軽いものから、入院治療が必要になる重いものまで様々で人によって違います。

喘息治療の指針である「喘息予防・管理ガイドライン」では喘息の症状の程度を表すのに「間欠型」「軽症持続型」「中等症持続型」「重症持続型」の4つの段階に分けています。

その程度によっては、治療法やお薬の内容も変わってくることもあるので、自分の気道の状態がどういう状態であるのかを知っておくことはとても大切です。

喘息の症状の重症度

間欠型 4段階中1番軽い症状。咳、喘鳴は週1回未満。夜、症状が出ることも月2回未満。
日常生活を普通に送ることが出来る。発作が起きても発作を抑える薬で症状は治まる。
軽症持続型 喘息症状が週2回以上、月2回以上日常生活や睡眠が中断される。夜、症状が月2回以上起きる。
時々、呼吸困難になるが、短い発作で、日常生活に支障はない。
中等症持続型 咳や喘鳴はほぼ毎日ある。日常生活や睡眠も週1回以上妨げられ、夜間の症状も週1回以上起きる。
発作を抑える薬をほぼ毎日使用する。
重症持続型 咳や喘鳴、呼吸困難が続き、日常生活や睡眠に支障がある。
夜間の症状も頻繁に起きる。

(参考)成人気管支喘息診療のミニマムエッセンス
※社団法人 日本アレルギー学会が作成した気管支喘息の治療ガイドラインを分かりやすくまとめたものです。

喘息になってしまったら気を付けたい事。必要なのは喘息をコントロールすること!

喘息はお薬を飲めばすぐに治るという病気ではありません。

規則正しい生活で体調を管理しながらお薬を使って症状を抑え、うまく喘息をコントロールすることで発作が起きないようにすることが大切なのです。

以下の2つの方法で自己管理することで、自分の喘息の状態を知ることができ、対策をすることもできるのです。

◆喘息日記をつけよう!

その日の自分の体調や症状、日常生活で行ったことなどの日記をつけます。

しばらく日記を続けているうちに、どういう時に自分は発作が出るのか、症状が悪化するのかなど傾向が見えてくるので、自己管理するのにとても役立ちます。

お医者さんにとっても薬の効き具合や副作用、どの程度喘息症状をコントロールできているか把握するための重要なデータとなります。

喘息日記
(画像引用)上六ッ川内科クリニック ぜんそく専門サイト ぜんそく日記

上記のような喘息日記のフォーマットはパソコンで検索するとたくさん見つけることができ、無料でダウンロードして使うことができるものもあります。

デザインもいろいろあるので、自分が使いやすいのを探してみてください。

また、スマホで簡単に管理できる便利なアプリケーションもあるのでうまく活用してみるのも良いでしょう。
喘息を管理するためのスマホアプリの比較についてはこちらをご覧ください。(外部サイトに移動します)

◆ピークフロー値を測ろう!

ピークフローとは息を思い切り吸い込んで、一気に吐き出した時の風の強さ(最大呼気流量)のことです。

市販されている「ピークフローメーター」という測定器で毎日朝夕2回測定し、喘息日記に記録を付けると、喘息がきちんとコントロールできているか知ることが出来ます。

気道の炎症が悪化していると吐き出す力が弱くなるのでピークフロー値は低くなり、症状が改善すると高くなります。

今の自分の気道の炎症がどのような状態なのかを知る目安にすることができます。

ピークフローメーター【ASTHMA CHECK】ピークフローメーター【ASTHMA CHECK】

自分の喘息について知る事!それが喘息とうまく付き合うコツ

お医者さんでの治療ももちろん重要ですが、喘息は自己管理することで、病気をコントロールすることが出来る病気です。

少しでも辛い症状が抑えることが出来るように、自分自身でうまくコツをつかみ、管理することを心がけましょう!

喘息になってしまったからと諦めてしまうことはありません。

自分の喘息の特徴を理解し、対応することで喘息とうまく付き合っていきたいものですね!

(参考)厚生労働科学研究 セルフケアナビ ぜんそく成人用

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